<曽枳能夜神社 そきのやじんじゃ>
南九州を本拠地とした「隼人」という一族(集団)は、
日本の先住民の一派であり、同じ九州にいた「熊襲」や
奈良の山間部を拠点にした「土蜘蛛」「国栖」などと同様、
ある意味、大和朝廷の支配外に置かれていた人々です。
一説に隼人たちは、犬の遠吠えをして連絡を取り合ったり、
悪霊を追い出すために犬の鳴き声を真似したり……等々、
「犬」の鳴きまねを得意としていたそうで、
『播磨国風土記』に記載される「別部の犬」や、
金屋子神に吠え掛かった「出雲の犬」も、
隼人とのつながりが深かったと言われています。
また、「竹」を扱う技術に長けていた隼人は、
様々な竹製品を製造しただけでなく、
かぐや姫の話の元となった「竹取物語」
の誕生にも深く関わっているのだとか……。
隼人たち自体が海外からやってきたのか、
それとも渡来人の影響をいち早く受けた
先住民なのかははっきりとしませんが、
いずれにせよ、南九州には他の地域に先駆けて、
南方系の渡来人が到着し、全国の「竹文化」の
発信源となったことは間違いないのでしょう。