たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

竹の部族

2019-02-27 09:26:56 | 出雲の神社

<佐支多神社 さきたじんじゃ>

 

「竹(笹)」は、稲作が日本に到来する遥か以前、

渡来系の人々が南九州に上陸した際に、

異文化とともに持ち込んだという説が有力です。

何でも、各地に存在する「竹林」は、

南九州を本拠地としたある部族が、

日本国土を北へと移住する過程において、

竹にちなむ文化を広めて行った名残なのだとか……。

 

今回、出雲一帯の神社を巡っている最中、

たくさんの竹林を見かけたため

不思議に思っていたのですが、

もしかすると出雲は、早い時期に渡来人が

定住を始めた土地だったのかもしれません。

また、島根県の出雲地方だけでなく、

全国の「イズモ」と呼ばれた場所には、

早期渡来人の移住地も多かったと思われます。

 

恐らく、竹・笹に助けられた金屋子神や

阿用の夫婦は、「竹」の暗示する部族に

匿われたという意味なのでしょう。

『金屋子神祭文』の中で金屋子神を助けた「藤」、

逆に安倍の犬に協力した「麻」「蔦」に加え、

新たに登場した「竹」という植物も、

古代氏族の暗示である可能性が大です。

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