<東祖谷・栗枝渡地区>
栗枝渡八幡神社という名前を聞いたとき、
まず最初に思い浮かんだのが、
「厄介な由緒がありそうな場所だな」
という漠然とした歴史の重みでした。
キリスト、八幡、安徳天皇……等々、
決して一筋縄では解けない、
いくつものキーワード群が
揃ったこの山上の神社には、
地元の人以外は立ち入れない、
様々な「事情」が隠されていそうです。
それゆえ、当初は「長居は無用」とばかりに、
早々と立ち去ろうと考えていたのですが、
実際に八幡神社の前に立ってみますと、
意外なほど清々とした空気が漂ってきます。
この場所に神社が置かれた背景には、
キリストより遥か以前の「古い何か」が、
強く作用しているのかもしれません。
集落の向こうには、あたかも屏風のように
切り立った祖谷の山々が目前まで迫り、
かなりの高所に居ることを、
否応なしに実感させられました。