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たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鉄は血の匂い

2019-08-19 09:08:14 | 鉄の神々2

<たつの市龍野町>

 

兵庫県周辺の「鉄の神々」を巡りながら感じたのは、

やはり「鉄は血の匂いがする」ということでした。

伊和大神、金屋子神、アメノヒボコをはじめ、

この地の「鉄神」たちには、多かれ少なかれ

「生臭い匂い」が付き纏うことを改めて実感いたします。

 

恐らく、播磨国一帯の「鉄資源」を目当てに、

多くの渡来人が出入りする中で、

様々な信仰や習俗が持ち込まれた結果、

縄文由来の民間祭祀だけでなく、

天皇家の祭祀にまで影響が及び、

日本古来の精神性が脅かされるような

状況だったのかもしれません。

 

ちなみに、超古代の日本人には、

「死」に対する穢れの意識はほぼなく、

またその後の時代も、「」による死は

穢れとされたものの、「自然死」に関しては、

穢れとはみなされなかったという話も聞きます。

ある意味、それらの寛容な価値観が、

渡来系の「生贄」や「動物供犠」

という文化を受け入れる土壌となり、

タタラ民の風習として定着した側面もあるのでしょう。

 

渡来系の製鉄技術を吸収し、

「武器」を量産する手段を得た日本人は、

以降、怒涛のように争いの時代へと突入し、

「鉄」を求めるべく注がれた血が、

さらなる大量の血を呼ぶ結末となったのでした。

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