たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

氷と殯

2015-06-23 11:28:28 | 奈良・京都の神社

<奈良氷室神社 ならひむろじんじゃ>

 

氷といいますと現在は、

「暑さをしのぐ食べ物」という認識が一般的ですが、

古代では、崩御された天皇などを葬る前に行われる

「殯(もがり)」という儀式に使用されていました。

もがりというのは、遺体を長期間安置する習わしのことで、

氷を使って遺体が腐らないようにしていたそうです。

 

また古くは、お正月の元旦に宮廷において、

氷様奏(ひのためしのそう)という行事が行われ、

前年の12月に作られた氷室の氷の厚みで、

その年の農作物の吉凶を占ったのだとか。

私たちが普段、何気なく接している「氷」は、

宗教的な役目を持つ「呪術具」でもあったのですね。

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