たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

人工的な色彩

2016-12-20 10:32:22 | 熊野の神社

<熊野・大馬神社 おおまじんじゃ>

 

インターネットが発達したことにより、

現地を訪れなければ得らなかった

悲喜こもごもの感動が薄れがちになり、

また「他人の私見」に惑わされて、

素直に心が動かなくなっているのが、

私たち現代人の悪しき習慣だと思います。

きっと私が大馬神社で感じた既視感、

そして理由のわからない違和感は、

そんな過剰な期待によるものなのでしょう。

 

ただ、家に戻って改めて考えている最中、

大馬神社には「ある弊害」が、

潜んでいることにも気づきました。

その弊害とはいわゆる「修験道」の残影です。

大馬神社のご神体でもある美しい滝は、

その昔修験者の禊の場だったと思われますし、

それ以外にも、当時の名残を伝える社が、

参道沿いに並び立っております。

 

決して修験道を否定するわけではありませんが、

こうした「聖地にそぐわない人工的な匂い」が、

神域の空気を曇らせているのは確かでしょう。

ちなみに、大馬神社の社殿の下には、

「鬼(海賊)」の首が埋められているのだそうです。

神社に漂う「人間の痕跡」というのは、

もしかすると、もともとあった聖域の色彩を、

著しく変えてしまうものなのかもしれません。

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