<白山市>
「船玉の神」への信仰を広めたのは、
主に海人族の人々だったと思われます。
神武天皇が日本へと到着する以前から、
すでに日本に戻ってきていた渡来人たちが、
風化しにくい「石英系の石」に古の息吹を感じ、
その中でも特に白さが際立つものを、
「聖なる石」と崇めたのでしょう。
南方から太平洋側に上陸した人々と同様、
日本海側から白山周辺にたどり着いた人々は、
ユーラシア大陸を通過しながら、
各地に石英への信仰の痕跡を残し、
ようやく踏み入れた日本の地で、
求め続けていた「最後の石英」に
巡り合ったのだと思われます。
彼らが白山一帯に散らばる白石の中に見たのは、
「古い祖先の魂」だったのかもしれません。