<東祖谷名頃・かかしの里>
祖谷の最奥・東祖谷名頃集落は、
通称「かかしの里」とも呼ばれ、
休日ともなると全国各地から、
「かかし」目当てに観光客が訪れるそうです。
ちなみに、この地区独特のかかしは、
地元の方が制作した等身大の手作り人形でして、
過疎化により少なくなった住民の身代わりに、
集落内のあちこちに置かれるようになったとのこと。
ここ近年、メディアやネットなどで取り上げられ、
若者たちを中心に噂が広まっています。
私が訪れた日は、平日だったこともあり、
観光客はひとりもいませんでしたが、
たまたま挨拶を交わした地元の方に、
私が関東から来たことを告げると、
そのおばあさんはさほど驚いた様子もなく、
「最近は遠くからよう来てくれる」と、
昨今の賑わいをとても喜んでいるようでした。
ちなみに、集落内に存在するかかしは、
すでに住民の人口を超えており、
現在もその数は増え続けているのだとか。
実際にこれらの人形を見た人の間では、
「癒された」という肯定的な感想と
「怖かった」という否定的な感想とに、
はっきりと分かれるようです。
標高800mあまりの山中に、
突如としてあらわれたそれらのかかしは、
明らかに「魂」を宿しているようでした。