<東祖谷名頃・かかしの里>
剣山というスポットについて考える際、
やはり「高所」というキーワードなくして、
謎を解き明かすことはできないのでしょう。
山上集落(高地性集落・傾斜地集落)と呼ばれる、
山の斜面に作られたこの地の集落では、
「偉い人の家」ほど高所にあると聞きます。
つまり、剣山一帯で最も高い場所にある、
この東祖谷名頃という地区は、
高所中の高所とも言えるわけですね。
さすがに現在では、谷筋の平地を中心に
民家が集まっているものの、
ごく最近まで山のほうにも
人家が残っていたとのこと。
その昔、剣山でお祭りが行われるときは、
徒歩で山を越え山頂に向かったと聞きます。
もしかすると、この名頃一帯に住む人々は、
剣山でも最も高貴な一族だったのでしょうか……。
あるいは、「剣山の神」に仕える
古代の神官だったのかもしれません。