たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

日前宮を巡る謎

2020-10-29 10:18:44 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.60 *****

「日前神宮・國懸神宮」と

一くくりにされがちな日前宮ですが、

実は両者の性質には少々違いがあり、

祭神やご神体も異なっているそうです。

日像鏡(ひがたのかがみ)を御神体として、

日前大神(ひのくまのおおかみ)

をお祀りする日前神宮が、

紀氏(紀伊国造)寄りの社である一方で、

日矛鏡(ひぼこのかがみ)を御神体として、

國懸大神(くにかかすのおおかみ)

をお祀りする國懸神宮は、

どちらかと言えばヤマト王権側の社

だったのだそう……(あくまでも古代の話)。

 

また、国造家である紀氏に関しても、

国造家としてヤマト王権に帰順した一族と、

国造家にならなかった一族とに

分かれていたと聞きますから、

伊太祁曽神社との国譲りの一件も含めて、

この地で起こった複雑な歴史の

流れに思いを馳せてしまいます。

恐らく、阿波国「名方」の一の宮だけでなく、

これら日前宮の土地も同様に、

中央政権が管理下に置きたかった

特別な理由があるかもしれません。

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