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たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

ゴトビキ岩

2016-12-03 10:44:21 | 熊野の神社

<神倉神社 かみくらじんじゃ>

 

今回の旅のテーマに「無社殿神社」を選んだとはいえ、

日本有数の聖地が点在する熊野には、

たくさんの「メジャーな神社」が鎮座しており、

それらを無視するのもまた不自然な話です。

ゆえに、無社殿神社を巡る途中で、

いくつかの有名な神社にも参拝したのですが、

改めて振り返ってみるとそのどれもが、

もとは「巨石」や「大滝」や「大樹」など、

大きな自然物を信仰としている場所だと気づき、

熊野の地の原風景を垣間見たような思いがしました。

 

例えば、御燈祭(おとうまつり)で知られる神倉神社は、

神武天皇が紀伊半島に上陸した際に

立ち寄ったともいわれる場所ですが、

山の上の社殿の横には大きな磐座があり、

岩と岩の間に白石がぎっしりと敷き詰められています。

色鮮やかな朱色の社殿は、どちらかというと添え物で、

お社に収まりきらないほどの巨大な磐座は、

眼下に広がる新宮の市内からも見ることができます。

ちなみにこの巨石は「ゴトビキ岩」と呼ばれ、

現地の方言で「ヒキガエル」を意味するそうです。


熊野の神社

2016-11-29 10:30:26 | 熊野の神社

<那智の滝 なちのたき>

 

 ***** 熊野の神社1 *****

「熊野の神社」と聞いてまず思い浮かべるのが、

ユネスコの世界遺産にも登録されている、

熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社、

という3つの大きな社(熊野三山)だと思います。

熊野観光の最も有名なスポットである、

熊野古道と呼ばれる古の巡礼道は、

この三社を参拝するために整備されたもので、

平安時代には数多くの上皇や貴族らが、

また室町時代以降は武士や庶民に至るまで、

大勢の人々が熊野の地を目指しました。

 

仏教や修験道の影響を強く受け、

神仏習合の地としても知られる熊野三山ですが、

実は、修験道の開祖である役行者が、

大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)を開くまでは、

これらの社はすべて自然崇拝の聖地でした。

熊野本宮大社の旧社殿地の脇を流れる大河、

熊野速玉大社の元宮である神倉神社の磐座、

熊野那智大社のシンボルである那智の大滝など、

神社のご本殿ではなく「その近くに」、

今も自然崇拝の痕跡が数多く残されています。