『 遠足や旅行に水を差す、子どもの乗り物酔い。せっかくの楽しいイベントが一気に憂うつなものに転じかねない。酔い止め薬も効かない重症者の治療も手掛ける石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉(いんこう)科部長に、克服法を聞いた。 外来には、電車の1駅さえ乗れない子も訪れる。「乗り物酔いは、体のバランスをつかさどる内耳への刺激と、視覚情報とのズレによって生じます」。石井医師は切り出した。
車が止まったり曲がったりする時、内耳には大きな刺激が加わるが、視界はそれほど動いていないため、感覚にズレが生じる。このズレを脳が「不快」と判断した場合、自律神経が刺激され、吐き気などが生じる。内耳や自律神経を鍛え、感覚のズレを脳が不快と思わなくなるまで揺れに慣れれば、酔わなくなるという。 では何をすればよいのか。石井医師が奨励するのが「でんぐり返し」だ。 まず前回りを1回。気持ちが悪くなったら1日1回、不快感を感じなくなるまで毎日続ける。問題なければ最大5回転でスタート。無理せず、1日1度行えばよい。回転後に後ずさりすれば、畳1畳分のスペースでできる。 前転5回ができるようになったら、後ろ回りを最大5回まで加える。前後各5回転を1~2週間続け、順調なら徐々に回数を増やす。前後各10回転に達したらそれ以上増やさず、毎日続けるとよい。 でんぐり返しに問題なければ、車に乗る練習も加える。』毎日新聞 10月17日(日)10時35分配信
車が止まったり曲がったりする時、内耳には大きな刺激が加わるが、視界はそれほど動いていないため、感覚にズレが生じる。このズレを脳が「不快」と判断した場合、自律神経が刺激され、吐き気などが生じる。内耳や自律神経を鍛え、感覚のズレを脳が不快と思わなくなるまで揺れに慣れれば、酔わなくなるという。 では何をすればよいのか。石井医師が奨励するのが「でんぐり返し」だ。 まず前回りを1回。気持ちが悪くなったら1日1回、不快感を感じなくなるまで毎日続ける。問題なければ最大5回転でスタート。無理せず、1日1度行えばよい。回転後に後ずさりすれば、畳1畳分のスペースでできる。 前転5回ができるようになったら、後ろ回りを最大5回まで加える。前後各5回転を1~2週間続け、順調なら徐々に回数を増やす。前後各10回転に達したらそれ以上増やさず、毎日続けるとよい。 でんぐり返しに問題なければ、車に乗る練習も加える。』毎日新聞 10月17日(日)10時35分配信
大人でも乗り物酔いをする人がいます。一度耳鼻咽喉科の診察を受けて下さい。カーブの多いドライブウェイも車酔いする人が多いですね。皆御参考になさって下さいね。
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乗り物酔いは、船、飛行機、バス、タクシーなど、いろいろな乗り物に乗っている最中に、気分が悪くなってしまい、 ... 〒162-8543 東京都新宿区津久戸町5-1. 東京厚生年金病院 耳鼻咽喉科 部長. 石井正則 ... 東京厚生年金病院. リンク先 ...
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記者の長女(6)がでんぐり返しを試してみた。2歳半から車酔いがひどく、酔い止め薬を飲んでも乗用車だと15分あまりで吐くほど。家族で北海道を旅行した際も電車と路線バスで移動するなど、苦労してきた。
5月にでんぐり返しを始め、順調に前後5回まで進めた。忘れることもあり、2日に1度程度、約3カ月続けた。乗車練習はほとんどせず、10分程度タクシーに乗る際には「乗れたね」と声掛けを心がけた。
8月の夏休み、レンタカーに乗せてみたら、薬なしで40分間元気でいられた。信じられない進歩だ。そこで気分が悪くなり、薬局にかけ込んで薬を飲んだが、さらに2時間乗車できた。 気持ちの問題も大きい。石井医師は「不安があると、脳が内耳への刺激を不快と受け止めやすい」という。長女は「でんぐり返しを続ければ大丈夫」という暗示と、直前の保育園のバス遠足を乗りきったことが、自信につながったようだった。 乗車練習は、不安を解消して「車に乗っても大丈夫」という成功体験を積ませるのが目的だ。そのためには無理せず「失敗しない時間内に収める」ことが大切だ。30分前には酔い止め薬を飲ませ、乗車時間は5分でもいい。万一酔ってもしかるのはご法度。乗車練習は週1~2回程度が目安だ。「酔わない、酔わない」と暗示をかけるのも重圧で、逆効果になる。 自律神経が繊細だったりうまく調整できない人ほど酔いやすい。自律神経を鍛える乾布摩擦や運動、水泳などは試してみる価値がある。トレーニングの効果が出るには3カ月はかかる。石井医師は「体が慣れれば必ず克服できる。乗り物酔いは病気ではない。酔ううちは薬を飲み気長に待って」と強調する。
乗り物酔いに効く薬は抗ヒスタミン剤。吐く風邪のとき処方される「ナウゼリン」は効かないという。市販の薬で嘔吐(おうと)が止まらなければ、内耳機能の検査ができる規模の耳鼻科で異常がないか確認した方がいい。 車の中では本、DVD、ゲームは見せない。上を向くと酔いにくいので、天井据え付け型のDVD視聴機なら気晴らしになる。酔ってしまったらリクライニングシートを倒して進行方向に平行に寝かせて、衣服やシートベルトを緩めるのがよい。 石井医師は「乗り物酔いには体調も影響する。不安がらせず、楽しく過ごすことを心がけて」と話している。
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■乗り物酔い対策の13カ条
・脂肪分の多い食事を避ける
・空腹も食べ過ぎもだめ
・乗る前に排便を。便秘は要注意
・厚着をしない
・寝不足は大敵
・体を圧迫するベルトや下着を避ける
・遠くの景色を眺める
・後ろ向きの席を避け、進行方向が見える前の方に座る
・気分をリラックスさせ、呼吸はゆっくりと
・不安が強い人は事前に酔い止め薬を飲む
・乗り物内で、頭をぐらぐら揺らさない
・気分が悪くなったら、早めにシートを倒すか横になる
・窓を開けて風を浴びる
(石井医師のホームページを基に作成)
5月にでんぐり返しを始め、順調に前後5回まで進めた。忘れることもあり、2日に1度程度、約3カ月続けた。乗車練習はほとんどせず、10分程度タクシーに乗る際には「乗れたね」と声掛けを心がけた。
8月の夏休み、レンタカーに乗せてみたら、薬なしで40分間元気でいられた。信じられない進歩だ。そこで気分が悪くなり、薬局にかけ込んで薬を飲んだが、さらに2時間乗車できた。 気持ちの問題も大きい。石井医師は「不安があると、脳が内耳への刺激を不快と受け止めやすい」という。長女は「でんぐり返しを続ければ大丈夫」という暗示と、直前の保育園のバス遠足を乗りきったことが、自信につながったようだった。 乗車練習は、不安を解消して「車に乗っても大丈夫」という成功体験を積ませるのが目的だ。そのためには無理せず「失敗しない時間内に収める」ことが大切だ。30分前には酔い止め薬を飲ませ、乗車時間は5分でもいい。万一酔ってもしかるのはご法度。乗車練習は週1~2回程度が目安だ。「酔わない、酔わない」と暗示をかけるのも重圧で、逆効果になる。 自律神経が繊細だったりうまく調整できない人ほど酔いやすい。自律神経を鍛える乾布摩擦や運動、水泳などは試してみる価値がある。トレーニングの効果が出るには3カ月はかかる。石井医師は「体が慣れれば必ず克服できる。乗り物酔いは病気ではない。酔ううちは薬を飲み気長に待って」と強調する。
乗り物酔いに効く薬は抗ヒスタミン剤。吐く風邪のとき処方される「ナウゼリン」は効かないという。市販の薬で嘔吐(おうと)が止まらなければ、内耳機能の検査ができる規模の耳鼻科で異常がないか確認した方がいい。 車の中では本、DVD、ゲームは見せない。上を向くと酔いにくいので、天井据え付け型のDVD視聴機なら気晴らしになる。酔ってしまったらリクライニングシートを倒して進行方向に平行に寝かせて、衣服やシートベルトを緩めるのがよい。 石井医師は「乗り物酔いには体調も影響する。不安がらせず、楽しく過ごすことを心がけて」と話している。
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■乗り物酔い対策の13カ条
・脂肪分の多い食事を避ける
・空腹も食べ過ぎもだめ
・乗る前に排便を。便秘は要注意
・厚着をしない
・寝不足は大敵
・体を圧迫するベルトや下着を避ける
・遠くの景色を眺める
・後ろ向きの席を避け、進行方向が見える前の方に座る
・気分をリラックスさせ、呼吸はゆっくりと
・不安が強い人は事前に酔い止め薬を飲む
・乗り物内で、頭をぐらぐら揺らさない
・気分が悪くなったら、早めにシートを倒すか横になる
・窓を開けて風を浴びる
(石井医師のホームページを基に作成)
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