大阪市北区役所「@kitaku_osaka」のXより)

 開催までおよそ9カ月となった「2025年大阪・関西万博」。7月11日には、日本国際博覧会協会(万博協会)が建設、整備費などを負担して参加国や参加地域に貸し出す海外パビリオン、計9棟が会場の人工島・夢洲 (ゆめしま)に完成し、記者団に公開された。パビリオンは「タイプB」と「タイプC」があり、109カ国が出展予定だという。

 

「『タイプB』は各国・各地域が自由に使え、内装などもオリジナルで設計できます。『タイプC』はひとつの建物を複数の国が共同で使用します。ショッピングセンターのテナントのイメージです。11日は『タイプB』に出展する、ヨルダンの記念式典がありました」(万博担当記者)

 一方、参加国が自前で建設する「タイプA」での出展は、7月初旬時点で、当初予定の60カ国から47カ国に減少する見込みであることがわかり、万博協会が建設を代行する簡易型の「タイプX」や「タイプC」への移行などを決めた国や地域もある。

 万博協会の会長を務める日本経済団体連合会の十倉雅和会長も、11日に会場を訪れたが、そこで記者団に語ったコメントが「危機感はあるのか」と批判されている。

「十倉会長は、9割ほどが完成しているリング(大屋根)などを視察。その後、『パビリオンは狭苦しいといえるほど建ち始めている。スケジュールはまだ厳しいが、なんとかできる』と、期待感をにじませました。しかし、『タイプA』はまだ14カ国が着工していません。リングが完成すると大型重機が入れなくなる恐れがあるので、パビリオン建設に支障が出ます。万博協会は、10月中には重機を使うパビリオン工事の終了を呼びかけているのですが、果たしてそれまでに間に合うのか、心配です」(同前)

 さらにこの日、場所を大阪市内のホテルに移し、経団連と関西経済界関係者との懇談会が開催された。そのなかでの発言も波紋を呼んでいる。

 会場建設費は当初予算の1250億円から、資材価格の高騰などで2度、増額され、最大2350億円になっている。これについて「経済界が負担するとされている3分の1について、経団連が会員の企業に対して、今後もさらに募金を呼びかけていく」と経団連が明らかにしたのだ。

「会場建設費は、国、大阪府・市、経済界の3者で3分の1ずつ負担する取り決めです。しかし今回の『募金呼びかけ発言』は、建設費のさらなる上振れがあるとも取れる内容です。そうなれば当然、国民負担も増えるということですから、国民の反発は必至です」(週刊誌記者)

 実際、Xには、こんな怒りの投稿が……。

《まさか万博倒産とかにならないですよね》

《財界負担金が集まってないということ博覧会協会会長なのにどこまで無責任なんだ》

《既に終わってるなぁ》

《中止しろってのは無理なんはわかるけどほんま誰得やねん》

 国民の万博に対する不信感は高まるばかりだ。