学校法人・東洋英和女学院(東京都港区)の深井智朗(ともあき)院長(54)の著書などに不正行為の疑いが指摘されていた問題で、同学院は10日、学内の調査委員会が捏造(ねつぞう)や盗用があったと認定した、と発表した。学院は同日の臨時理事会で、深井氏を懲戒解雇とすることを決めた。

 報告書では、一連の不正行為について、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務の著しい懈怠(けたい)があった」と指摘。深井氏の著書や論考が「研究者のみならず一般読者にとっても非常に悪影響を及ぼしている」とした。』

伝統と歴史ある東洋英和女学院の名誉と信用を損なった出来事です。少子化による18才人口の減少期の厳しい学校経営を踏まえて東洋英和女学院も懲戒解雇処分にしたと言えます。

東洋英和女学院は、カナダ・メソジスト教会(現カナダ合同教会)によって創設された学校です。 キリスト教(プロテスタント)の信仰と、聖書の言葉を土台にして、園児から学生までの人間形成・人格形成を重んじる女子の一貫教育を行っています。 一人ひとりが神から委ねられた使命(ミッション)を自覚し、喜んで神と人のために奉仕する愛の精神を育成する、という使命をもつ教育機関として在り続けています。 礼拝、授業、行事、奉仕活動等を通して、神から愛されている、かけがえのない自分に気づき、神を愛し敬うこと=【敬神】、また同じく神から愛されている隣人(他者)を愛し、 隣人に仕えること=【奉仕】へと導き、自立した女性を育てる、これが東洋英和のキリスト教教育です。

マーサ J. カートメル
(1845-1945)
東洋英和女学院創設者

東洋英和女学院の創設者であるミス・カートメルは、1882年にカナダ・メソジスト教会婦人ミッション初の日本派遣婦人宣教師として来日し、 1884年に東京、麻布鳥居坂(現在の港区六本木)の地に東洋英和女学校を創立しました。 多くの困難を乗り越えて来日し、篤い信仰と教育への信念、奉仕の精神によって献身的に働き、学院の教育基盤を築いた婦人宣教師たちとそれに連なる多くの人々。 これら学院の先達によって示された「敬神奉仕」の精神が、「英和らしさ」として時代を超えて受け継がれています。