『名古屋市守山区の歩道で21日未明に焼死した中学3年の男子生徒(14)について、生徒が通っていた同市名東区の市立中学校の教頭(53)が24日、同校で取材に応じ、この生徒に対するいじめがあったことを明らかにした。愛知県警守山署は自殺とみており、関連を調べている。 教頭によると、昨年11月ごろ、生徒の母親から「いじめを受けているのではないか」と相談があった。学校で調査したところ、同級生ら計7人がいじめを認めた。同級生らは生徒に謝罪し、いじめは止まったという。』8月24日11時33分配信 時事通信
中学3年生の男子生徒が、焼身自殺したのは余程の原因が有ったと思われます。この市立中学校の先生が、中学3年の男子生徒の自殺のシグナルを見落としていたと言わざるを得ません。いじめに対する生活指導にも問題が有ったではと思います。常日頃からの中学校としての生活指導や学級担任のいじめへの対応や取り組みが甘かったのではないでしょうか。焼身自殺したのはいじめた同級生へのいじめられた男子生徒のアビール、自殺による心理的報復や見せしめの意味があるのかも分かりませんが。人生80年の時代に自分の命をもつと大切にして欲しいと思います。自殺者を出した学校の管理職は、あんなに元気で明るく、活発な生徒だったのにと良く言われますが、人前で明るく振舞っていても、一人になれば孤独感に襲われ、誰にも相談出来ずに追い詰められ自虐的になり、ひどいうつ状態になっている自殺前の生徒の心情や状況を本当に把握しておられるのでしょうか。自分の子供ではないから、いじめ自殺の生徒が出ても他人事のように思われたら困ります。教育者、学校の先生としての使命感を持ち、責任を果たして欲しいと思います。教育現場の先生方や管理職の先生方も、生徒の心問題について勉強する必要が有るのではないでしょうか。直ぐ事件が起こるとスクールカウンセラーを派遣するのがバターン化していますが、日常教育現場で生徒に教育活動で係わっている学級担任の先生や生活指導の先生方のほうが身近にいる最適な心理カウンセラーと思います。学校で生徒と話をし、長い時間生徒と学校生活を送られているのですから、生徒のことが分からないはずが無いと思います。下記に函館教師サーポト研究会の金山健一先生の『なぜねいじめは見えないのか』を書き込ませて頂きました。皆さんの御参考になさって下さいませ。
『なぜ、いじめは見えないのか 金山健一
いじめはなぜなくならないのか。福岡県筑前町の中学2年生の男子生徒を自殺に追い込んだのは担任の言動からであった。北海道滝川市では小学校六年生の女子児童が昨年九月、教室で首つり自殺をした。市教育委員会も学校もいじめはないと主張し、遺書が報道されてからいじめを認めた。文部科学省では、毎年いじめの都道府県別の調査を公開している。平成十七年度、全国一いじめ発生率が少ないと報告している福島県では、小中高校で合計34件のいじめがあり、児童生徒千人あたりのいじめ発生率を0.1人と発表している。一万人に一人しかいじめはない。一番多い愛知県では2597件のいじめがあり、千人あたりの発生率を3.4人としている。本当に愛知県は福島県の34倍もいじめが多いのか。それとも福島県のいじめに見落としがあるのだろうか。また、小中高校の自殺する児童生徒は年間100人以上に及ぶが、いじめの自殺は1999年以降7年連続ゼロである。本当だろうか。文部科学省では、先日の全国の都道府県、政令指定都市の生徒指導担当課長を集めた緊急連絡者会議で「実態を隠さずあるがまま報告してほしい」と要望した。つまり、いじめは隠されたままなのである。心理学では、いじめが固定化し長期化したときの学級は劇場のようになっているという。学級が<加害者><被害者>ばかりでなく、いじめをはやし立てる<観衆>、いじめに対して我関せずという<傍観者>の4つの構造になる。この状況になったときいじめを止める人間は存在しない。最後の砦となる学級担任がいじめの加害者、観衆、傍観者になっている場合、その生徒は本当に自殺を考えてしまうだろう。いじめでの自殺が起こると、「なぜ、自殺したい気持ちを親に相談しないのだろう」と思う人も多いのではないだろうか。いじめを親や先生に相談すると「チクッた」と言われ、いじめが大きくなるから相談しない。これは子どもたちの心理を表すには不十分である。小学校低学年なら「○○ちゃんにいじめられた」とすぐに言えるが、中学生にもなると言えない。自尊感情が芽生え、学級の中で虫けらのように扱われている自分を責めるからである。親にはいじめられている自分のことを知られたくないのである。いじめが深刻化すると、「自分はダメな人間なんだ」「存在しなくてもいいんだ」と孤立感を更に深めていく。いじめは親さえも気付かないまま進行し、自殺に追い込んでしまう。いじめの発見のサインは、①表情・言葉遣いの変化 ②ケガや身体の変調 ③成績の下降や忘れ物の増加 ④仲間関係の変化 ⑤服装の乱れや変化 ⑥持ち物の紛失や金銭の使い方の変化⑦理由のはっきりしない欠席や遅刻⑧保健室・職員室への頻回訪問など多々ある。家庭では特に日頃からの親子の対話が重要であることは言うまでもない。我々、大人がその小さなSOSに気づく、察知する力を持たなければならない。』
※下線をクリツクして下さい。⇒函館教師サポート研究会のホームページから、金山健一先生の御許可を得まして掲載させて頂いています。
主催 |
函館教師サポート研究会 |
後援 |
北海道教育委員会 函館市教育委員会 函館市 |
会長 |
金山健一 (函館大学 専任講師〈教育心理学〉) |
副会長 |
細川和成 (函館市立凌雲中学校) 長野喜美子 (北海道八雲高等学校) |
顧 問 |
竹山久芳 (函館大学) |
本部事務局 |
函館大学 金山研究室(365号室) |
事務局 |
南謙二 (函館市立宇賀の浦中学校) |
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