3日夜から4日にかけて降り続いた記録的な大雨により、熊本県の球磨村で球磨川が氾濫、特別養護老人ホーム「千寿園」が一時浸水し、入所者ら14人が心肺停止、3人が低体温症の状態で見つかった。
また、八代市では橋が崩壊、芦北町や津奈木町などでは大規模な土砂崩れが発生し、住人が巻き込まれる被害も出ている。
5日午後10時時点の被害者は、死者7人、行方不明者4人、心肺停止が「千寿園」の14人となっている。
九州南部では、活発な梅雨前線により、3日夜から記録的な大雨が降り続き、中でも熊本県は、天草市牛深、芦北町など各地で、1時間で100ミリ近い猛烈な雨が降り、河川の氾濫や土砂災害など大きな被害となった。
球磨川には、5日午前6時現在も警戒レベル5の「氾濫発生情報」が出されていて、引き続き土砂災害や河川の増水・氾濫に厳重な警戒が必要となっている。
今回の豪雨は、非常に暖かく湿った空気が梅雨前線に沿うように大陸からくる流れと、太平洋高気圧を回るように沖縄付近からくる流れがちょうど九州付近で合流。
さらに前線の北側の上空には比較的冷たい空気があり、また上空高い所で西風が強まることなどを含め、いわゆる「線状降水帯」が発生し集中的に大雨をもたらしたものと思われる。
線状降水帯による記録的な豪雨は、3年前の7月初旬に福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市を中心とした地域に、短時間のうちに記録的な量の豪雨が降り、土砂災害や河川の氾濫などによる甚大な被害をもたらせた。
線状降水帯に至る「暖かく湿った空気」は地球温暖化によるものと思われている。
昨日の熊本地方に出たレベル5の特別警戒は「今まで経験したことのない大雨で命を守るために直ちに避難」」とアナウンスしていたが、正に、線状降水帯がもたらす豪雨はいかに早く避難するかが重要になっている。「関連:2017年7月8日」
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