こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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瀬谷区・西部病院訪問看護連絡会

2010-09-30 23:30:18 | 訪問看護、緩和ケア
横浜市の連絡協議会は各区のブロックごとに、それぞれ活動をしていますが、瀬谷区は地域の中核病院である聖マリアンナ横浜西部病院のホームケア(連携室)と、区内の訪問看護ステーションで連絡会を持っています。

訪問看護ステーションは、開設したと思ったら、あっというまに撤退したり、どこかと統合してしまったり、なかなか固定しない事業でもあります。

もともと、地盤があったりバックがあったりすると、そこで根を下ろすことができますが、医師の指示書をもとに活動することや、地域のケアマネさんへの知名度が低かったりすると、なかなか利用者さんを確保できなかったり、管理者が固定しなかったりで、閉鎖になってしまうことも少なくありません。

ステーション連絡会は、新しく立ち上がった事業所の方も積極的にお誘いして、最初のうちは患者さんをご紹介したり、地域の情報をお伝えしたりと、助け合いの場にもなっています。

ここ3年ほどは、必ず区の高齢福祉課の担当者や、ケアマネットの役員なども参加するために、地域の情報交換や、問題があった時には、直接区担当者に対応を求めることもできる、貴重な会になってきました。

今日も、私から保護担当者の対応について、会の中で業務改善をお願いする事ができました。

また、毎回順番で各ステーションから困難事例を出して、みんなで検討したりもしています。

今日は、瀬谷区ケアマネットから医療職との距離感を縮めるために、訪問看護ステーションとの交流会をするというお知らせがありました。
おおむねインフォメーションはあったのですが、正式に連絡会での参加要請があり、訪問看護ステーションをまだよくわからないケアマネさんとも交流ができるよい機会になりそうです。

また、区からも高齢者サポートネットワークの企画で、多職種が集まってワールドカフェ方式で事例検討会をやることになり、12月の連絡会を区役所で行い、その後多職種100人ほどを集めての大きなイベントとなりそうです。

連絡会・西部病院主催の恒例のセミナーは2月になったので、まだみんな余裕の表情でしたが、本当はもうそろそろ本腰入れないと後で苦しくなります。
今回は、福祉系ケアマネさんが苦手とする、医療機器の中でも最近特に多い在宅IVHをテーマに行うことになっています。

今日、ケアマネットのKさんEさんが言うには、「IVHって、僕たちが知っているのは、病状が悪くて寝たきりの人がやるものだと思ってたんだけど、IVHしながら入浴したり外出するなんて知らなかった~。」とのこと。

「いやいや、入浴の時には多くの場合、自分か家族がポートから針を抜いて、入浴後に訪問看護で針の差し替えとかルート交換とかするいいですよ。
ポートの位置も人それぞれだし、ポートじゃない場合は、針が入っているところを、フィルムでカバーしたりするから、ケアマネさんには、入浴サービスと訪問看護の時間調整とかしてもらわないといけないから、わかっててほしいんだけど。」
「訪問入浴の看護師さんはだめなの?」
「だめなの。できるけどできない。変だけど、国が決めたことだから、しちゃいけないらしい。」

ケアマネさんも経験の差が大きいので、その辺の疑問がすっきりしてもらえるとうれしいし、単位ばかり見てるんじゃなくて、必要性を理解して訪問看護がどんなことをやっているのかを、わかってもらえるようなセミナーにしたいね、という話で盛り上がりました。

このところ、私の体は本業の訪問看護半分、その手の会議や事例発表などの準備半分になってしまって、目が回りそうです。
うちのおばあちゃんは、今日は介護保険の更新のための調査の日だったのですが、おじいちゃんに任せっぱなしで立ち会うこともできず、因果な商売ですね。
家族には、迷惑かけっぱなしです。

とにかく、これから年度末にかけてのイベントなどなど・・、一つ一つクリアするべく頑張ります。

おじいさん危機一髪?!

2010-09-29 23:22:55 | 訪問看護、緩和ケア
今日、お尻の座り胼胝から褥瘡になってしまったおじいさんのところで、とんでもない話を聴きました。

96歳になるおじいさんは、特に大きな病気もなく、今も毎日自転車で散歩に出かける健脚です。

「でも、○○さん転んだりしたら大変だから本当に気を付けてね。○○さんが悪くなくても、車が突っ込んでくることあるんだから・・。」と私。

「そうよ!この前さ、畑の横自転車で走ってたら、後ろから若い男の車が走ってきて、俺の腕かすめて走ってったんだよー。俺は腕かすって自転車で転んじゃったんだけど、そいつはすごい勢いで走って行っちゃたんだよ~。」

「えー!!!?それって、ひき逃げに近いでしょう?!誰も見ていなかったの?だいじょうぶだった?」

「畑で作業してたおじいさんが全部見てて、『コラぁ!まてー!!』って叫んで飛び出したけど、あっというまにいなくなっちゃたんだよ。」そう言って笑っていました。

笑い事じゃないですよ~!

私のほうが逆上してしまって、「それ、逮捕ですよー!ナンバーとか見ている人いなかったのかなぁ??」

「いないよ、そのおじいさんしか。俺も転んだだけで大丈夫だー。」

ガるるるるる・・許せないです。

いつも元気で体力があるおじいさんだから良かったものの、下手したら骨折、最悪頭でも打ったら死んじゃいます。

あと4年で100歳になるっていうのに!!

でも、当の本人は「あっはっは。みんなは100まで生きるっていうんだけど、俺はあと2年だと思うねー」とか言ってます。

私も、あと4年は軽いと思いますが・・・。

「今の若いもんはサー、アメリカさんのせいで、自由だの何の好き勝手に生きるのがいいと思って、民主主義と自由主義とをはき違えてるんだなあ。」とかも言ってました。

時々とんでもない行動で驚かされたり、日常生活がうまく回らなくなったりしますが、まだまだ大丈夫です。

お年寄りは、道を歩いていても、急に止まったり向きを変えたりしますから、目の前にいたら十分注意が必要です。
自転車のおばちゃんもあぶないですが・・。
やはり、車に乗る人が注意しないと、取り返しがつかないことになりますね。

逃げた若者は、きっと一生おじいさんをかすって、転ばして逃げたことを心のどこかに残して生きていくのだと思います。
「もしかしたら、大けがしたかも・・・」とか、ずっと逃げたことを忘れないと思います。
二度と、同じことを繰り返さないことを願うしかありませんね。


ところで、今日ステーションの裏にある自転車置き場の屋根に、猫がずっと寝ていました。

事務のこうこちゃんいわく「よだれまで垂らして、全然起きないよー」というので、見に行きました。

透明な屋根だから、全部丸見えなんですよね。
気持ちよさそうでしょう?

口元をよく見ると、よだれがたまっています。

時々、肉球を開いたり閉じたりして伸びをしてました。


いいな~。気持ちよさそうで・・。

うららかな昼下がり、ため息交じりに見上げる私なのでした。

絞られましたわ・・・。

2010-09-28 23:12:47 | 訪問看護、緩和ケア
夜10時半を過ぎてやっと帰宅しました。

今日も横浜市訪問看護連絡協議会の役員会でした~。

何度もお伝えしている、潜在看護師向け訪問看護セミナーの事例原稿の監修で、こってり絞られましたわ・・。

私の事例は「緩和ケア」ですが、どちらかと言うと、あまり型にはめずにしゃべってしまうタイプのうえ、対話記録を思いっきり転用しちゃったので、駄目だしを頂きました。

現場を離れた人向けで、あとで振り返って読めばわかるように、ちゃんとした事例発表の形式に沿いましょう!

と言うわけで、再度ひな型に沿って構成しなおしとなりました・・。

ひえ~。時間がないのよ私には・・でもね、たまには形式にのっとって公式の事例発表も出来るようにならないとね・・。
これも勉強です・・。

でもね・・・、なんかこう、形式じゃない、もっとスピリチュアルな面を伝えたかたんだけどな~。

とはいえ、公式な場なので、ちゃんと考えなおして分かりやすく、端的に表現できるよう頑張ります。

伝えるって本当に難しい・・。

そして、10月末の区役所でのおむつ交換の講師、11月には連絡協議会会員向けの事例発表会もあり、11月末には他区の病院での地域連携の講師の依頼もあり・・・どうするんだ~。

さらに、市訪問看護連絡協議会のブログも立ち上げることになってしまいました・・・
これは、年内で許して頂けることになりましたが・・。
びっくりするほど盛りだくさんの市連絡協議会です。

なにしろ役員の皆様、ものすごいパワーです。
訪問看護ステーションの管理者って、ただでさえパワフルな人が多いんですが、役員会ともなれば最強です。

すごい人たちがそろっていて、今年から何が何だか分からないうちに役員になってしまった私は、茫然自失・・・。

でも、みなさんよく勉強されているし、いろんな情報や人脈もあって、これはチャンスと思ってついて行くしかありません。

お尻叩かれないと、これ以上頑張るのってしんどいですからねー。ぜーぜー


ところで、またも電車の中で、泣くところでした・・。

小説読んで満員電車の中で鼻水グシュグシュするのは、かなり恥ずかしいですから。

今日読んでいたのは、何度かご紹介している浅田次郎氏の「天切り松 闇語り」シリーズ3話「初湯 千両」です。

もう、浅田節炸裂ですね。
この作家には何度泣かされたことでしょうか・・・。

とにかく、読んでいて気持ちがいいです。感涙ってやつですか・・?
読み進んでいくうちに「ああ・・!!」っていう感じですね。日本人の美学です。
日本人の遺伝子レベルで組み込まれた、心の奥底にある琴線を震わせるような・・。

こんな表現力があったら、事例発表も苦じゃないのかな??
ちょっと違うか・・

天切り松シリーズ、是非読んでみてください。
正座したくなります。


   
天切り松 闇がたり3 初湯千両 (集英社文庫)
浅田 次郎
集英社

筋肉痛

2010-09-27 23:12:22 | 日々のあれこれ
今朝起きたら、大腿四頭筋が痛い・・・!?
腰も痛いし、あちこちきしむ・・。
なんでやねん?!って、昨日のミョウガ取りしか考えられませんンワ。

先週、うちの旦那さんが400個ほどとったのですが、今週は「え~、来週でいいよ~」とごねたので、私が出動しました。

我が家の周囲の壁に沿って、取り囲むようにミョウガの林になっています。

ミョウガ畑なんて気の利いたものではなく、いわゆるブッシュです。 これは、百日草ですが・・。

柿の葉っぱやら、去年切りそろえたトゲトゲ柚子の枝やら、山椒の木やら一緒くたになっていて、しかも藪蚊の巣窟でもあります。

頭から虫除けスプレーをふりかけ、首にタオルを巻いて、ゴム手に軍手を重ねて、バケツとスコップもって頑張りました。
中腰で、這いつくばって枯葉をよけながら、地面からちょこんと頭を出したミョウガを片っ端から・・・

計600個ほどのミョウガを収穫し、おばあちゃんに見せると大喜びで、小分けし始めました。

結局、かなりの短時間にもらわれ先が決まったミョウガ・・・。

私には、筋肉痛が残りましたとさ。

でも、めげずに50個ほどは酢漬けにしました!
  

これは、中華風の酢漬けです。大変好評なので、レシピを書きます。ちなみに適当です・・

ミョウガ30個くらいを、よく洗って大きいものは1/4、小さいものは1/2に切ります。
熱湯にさっとくぐらしたら、ざるに上げてから大きめの器に入れ、多めの塩をまぶして重石をのせ30分以上放置します。
その間にお酢カップ1、みりんカップ1/2、砂糖大匙3~5(好みの甘さで)をひと煮立ちさせます。

耐熱の入れ物に、塩漬けにしたミョウガを軽く絞って入れていきます。
その上から、甘酢を入れてざっくり混ぜると、きれいなピンク色になります。

ちいさなフライパンにごま油大匙1.5いれ、さらに花山椒とピンク胡椒、あれば黒胡椒(みんな粒のもの)を10から20粒好みでいれ香りが立つまで熱します。

アツアツの香りごま油を、さきほどの甘酢の上からジュワッとかけて、ざっくり混ぜます。

一晩以上冷蔵庫で寝かせてから、お召し上がりくださいませ。

さっぱりしていて、でもほんのり香味油が効いて絶品ですよ。ビールに最高合います!

ミョウガ好きのあなたぜひお試しください。




静かな週末

2010-09-26 23:51:41 | 訪問看護、緩和ケア
緊急当番でしたが、この土日は退院の報告電話が1件だけでした。

本当は、血圧がずっと超低空飛行の方がいて、ほとんど水分も摂れていませんし、傾眠状態が続いていますので、心配していたのですが、週明けまで頑張れそうです。

うちのステーションでは、いわゆる老衰という形で、ご家族のもとで静かに逝かれる方がとても多いです。

もう長いこと、家で大切に介護されていた患者さんです。

息子さんご夫婦も、遠くにいる息子さんたちも定期的に顔を出して、とても大事にされてきました。

ベットが嫌いで、布団の上であっちゴロゴロこっちゴロゴロ・・
一度はひらひらと、階段から落ちてきたことがあって、息子さんが手作りの柵を階段に取り付けたりしていましたが、今はもうほとんど体を動かすことはできません。

もう高齢ですし、「今病院になど入れたら、それだけでショック死しちゃいます。ここで最後まで僕が看取ります。もう、痛いこと、苦しいことはしないでください。」

そうして、息子さんはいつも手を取って話しかけ、少しずつ水を含ませ、時にはゼリーを一口食べたといっては喜び、おむつを替え、そばに寄り添って過ごされてきました。


よく、終末期に点滴を希望されるご家族がいらっしゃいます。

何もしないで、見ているのはつらい。
まるで、餓死させるような気がする。

そんな言葉を聞いたこともあります。

もちろん、ご希望があれば先生方も処方されますが、本当に絞って最低限にすることがほとんどです。
なぜなら、衰弱しきった心臓や腎臓に多くの水分は負担にしかならないからです。
ひどくむくんだり、淡が増えたり、吐き気の原因にもなります。

人は、ずっとずっと昔から、死が近ずくと自分の体を枯らしていくのだそうです。

負担のあるものを避け、水分を出し切って、最後に大量に便を出し切って、余分なものを一切出すことで、身体の苦痛を最小限にとどめるのだそうです。

高僧が即身成仏となるために入場するときには、入場前に断食をして薬草で体の中の腐敗を抑える処置をして入場したそうです。
少しでもだべたり飲んだりして、入場すると後で激しい苦痛でのたうちまわることになったと聞きます。

最新医療がどれほどのものかはわかりませんが、自然の形で最後を望むのであれば、衰弱した体に水分や栄養ばかりを流し込むことがいいことだとは限りません。

そういうお話も、病状の進む中で時々しながら、少しずつその時を受け入れ、イメージして、最後の時間を静かに過ごすことができるのだと思います。

ですから、多少のことではご家族も動じなくなりますし、きちんと辛い時の対症療法も理解されています。

そうして、最後の時間を今も過ごされているのだと思います。

最後まで、静かに穏やかにすごせますように・・。


訪問看護に興味のあるあなたへ

2010-09-24 23:51:02 | 訪問看護、緩和ケア
急に肌寒くなってきました。
数日前まで、汗ダラダラで訪問回ってたのがウソみたいです。

ところで、何回か私のブログでもご紹介している、横浜市訪問看護連絡協議会主催の、「潜在看護師向け無料訪問看護セミナー」。
まだ余裕がありますので、訪問看護に興味のある方、ぜひ受けてみてくださいね。

世の中慢性的に看護師が不足していますが、訪問看護となると、さらに人手が足りません。

ひとえに、何か誤解があるんじゃないかと思います。

さっき、うちのステーション関係者が言うには、どこかのQ&Aに、訪問看護はあらゆる科の知識が必要だの、ああでもないこうでもないって書いてあったそうで、もしかして、本当にそんなこと思って躊躇してるのだとしたら、それは大きな誤解です。

確かに、訪問看護は一人で訪問して患者さんと1対1になるわけですが、あくまでも場所は家庭の中ですし、ほとんどが穏やかな暮らしの中で、じっくりと向き合える環境にあります。

病状は人それぞれですが、ICUに入っているわけではありませんから、データー読んでモニター見て、バランス見て、機械の微調整して・・なんてことは必要ありません。

在宅では、数字はあまり重要じゃないんです。
一番大切なのは、「あなたの苦しみを分かりたいと思っています。あなたのそばで、なにかお手伝いをしたい。」患者さんに対して、そう思える心です。

体が清潔で、心が穏やかで、痛みがなくて・・・どうしたら、そこに近づけてあげることができるだろうか?と考えられるかどうかです。

在宅に必要な技術や知識は、普通知らなくて当たりまえのことです。

仕事の中で、自然に覚えていくことができます。

ポリ袋を使ってシャンプーしたり、高分子吸収体でこんにゃくマットを作ったり、あるものを使ってケアをしたり、在宅用の医療機器を扱ったり・・
こんなことも、すぐに覚えてしまいます。
普通のご家族が覚えられることですから、看護学校を出ていれば、ぜったいに大丈夫です。

最初は、スタッフと同行をしながら、どんなふうにかかわるのかを見て歩きます。

入ってしまえば、砂に水がなじむように、すっと覚えていけることばかりです。

もちろん、わからないことはちゃんと教えますし、カンファレンスでもみんなで話うことができます。
何かあったら、電話をくれれば飛んでいくし、ちゃんと予測ができるようになっていきます。

怖がることは何もありません。

それよりも、訪問先で笑顔の患者さんの言葉に、喜びを感じることのほうが、ずっとずっと多いはずです。

ターミナルの患者さんにどう接すればよいのかわからない・・

自然にお話をすればいいだけです。
無理に励ましたり、死を否定したり、思い込みで話を進めたりさえしなければ、そばにいることの大切さがきっとわかると思います。

緊急電話も心配いりません。
うちは、ファーストオンコールは常勤が持っています。
ほとんどが、そこで対処されます。

場合によっては、担当の看護師が対応してくれます。
セカンドオンコールは、ほとんどの場合持っているだけのことが多いです。

訪問看護に興味のある方、怖くないですよ~。

もし、うちの施設で研修をご希望されるのであれば、喜んでご相談にものります。

訪問看護を難しく考えないないでください。

私たちのお邪魔するのは、家なのですから。


真夜中のお別れ

2010-09-23 22:34:17 | 訪問看護、緩和ケア
昨夜は、「なにもありませんように」という願いもむなしく、浅い眠りから深い眠りへと落ちていく意識の中で、ブルブルと震える緊急電話のバイブに目を覚ましました。

電話の向こうで、妻の震える声は、その時を伝えていました。

このあたりの、深夜2時の街はすっかり眠りについています。
ところどころ、窓に明かりはありますが、道は時たま車がすれ違う程度・・。
ステーションで車を乗り換え訪問すると、娘さんご夫婦も見えていました。

すでに、呼吸をやめてだいぶ時間が経過されたはいましたが、娘さんは涙ながら「酸素を、どうしても外すことができないんです・・。」と訴えました。

酸素をやめる事は、命の終わりを確定してしまうこと・・・

「私が、外しましょうね。」

2台の酸素濃縮器のスイッチををきりカニュレを外すと、穏やかなに眠るお顔がそこにありました。

昨夜、妻に手を握られ、さすってもらって眠りについたそうです。
1時半に目が覚めた時には、もう永遠の眠りについていました。

ベットはあるのに、夜はいつも妻と二人で寄り添って眠っていたのだそうです。

「入院したくない。」
そういって、泣いてハンガーストライキをした方です。
そんなに嫌なら、しょうがないって、体調の悪い妻も了解して、往診医をお願いして・・
I先生が「大丈夫。おうちにいようね。病院になんかやらないから。」って言った時の、満面の笑顔が忘れられません。

O先生もすぐに来てくれました。

「お疲れ様でした。奥様も、娘さんも本当に頑張って、よく最後まで見てくれました。ご苦労様でした。」
そんな言葉を伝えます。

妻は「家で見てやれて、ほんとうによかった。もう、逝ってもいいよ。お父さん。」そう言ってちょっと誇らしげでした。

それから、ご家族のご希望で一緒にお別れの支度をしました。

何を着ていこう?

どれがいい?

畑に行くのが大好きだったお父さん。
いつも、草取りを気にしていたからね。

あんまりきれいじゃないけど、畑に行く恰好にしよう。

そうそう、これこれ。

最後に、畑を見に行った時の格好だね。

泣きはらした顔で、一緒に着替えを手伝ってくれた娘さん。

3時半の夜空は星もなく、車のFMラジオから聞こえる騒がしい会話を止めると、妙な孤独感に包まれました。

思ったよりも早い旅立ちでした。

きっと、妻の体力の限界をきずかって、妻の寝息を聞きながら、早めに旅立ったのでしょう・・。

いつも、旅立ちの時期には、その方の意志を感じてしまいます。

勝手な思いこみかもしれないけど、いつも、そこに意図を感じるのは、私だけなのでしょうか?

幸いなことに今日は休日なので、4時過ぎに布団に入ってから、昼まで眠ってしまいました。

あしたもまた、忙しい一日が始まります。

時代も人も変わっていきます。

私も年を取っていく・・。

知人の訪問看護師が、亡くなっていたことを聞きました。

死は、だれの隣にもあるのだということを、時々強く感じます。

どんな明日になるのかなんて、誰にもわからないですから・・。


休日が多いいと・・・

2010-09-22 22:10:57 | 訪問看護、緩和ケア
祝祭日はとてもうれしいのですが、患者さんの病状には全く関係なく、その分の訪問を前後に移したり、どうしてもの場合は手分けして訪問したりと、かえってリズムがくるって大変な思いをしたりします。
緊急当番になればなおさら、遠出もできないし晩酌もできません。

そんなわけで、今週はずっと家の近くでうろうろすることになっています。

猛暑の夏が終わりつつあり、何人かの患者さんは急激に病状が進んできています。

こういう時は、どちらかというと高齢で廃用症候群の患者さんが一気に衰弱することが多いように思えます。

もう何年もご家庭で大事に介護され、低空飛行ながら穏やかに過ごされていた方が、急激に体力を奪われていきます。

「急に食べなくなって・・・」「なんか元気がなくて・・」そんなちょとした変化から始まって、傾眠傾向となり食事も拒否するようになります。

そうした状況になると、私たちも今の状況をお伝えし、これからの方向を確認します。

けれど、長い介護生活が終わりつつあることを、ほとんどのご家族が、落ち着いて受け止めています。

たくさん愛情を注いだ分、長い間頑張って生きてくれた家族に「ありがとう。そしてご苦労様」と思うのでしょうね。

静かにその時を待っているご家族が何人かいらっしゃいます。

そして、混乱のうちに終末期を迎えている方もいらっしゃいます。

こんな時期の緊急当番は気が抜けませんが、それでも私たちを頼りにしてくれている人たちがいることは、感謝しないといけませんよね。

誰かに必要とされている、誰かが待っていてくれる、そんな思いが頑張る気持ちのエネルギーになります。
誰にも必要とされず、だれからもそこにいることを気づいてもらえないとしたら、そんな辛いことはないでしょうし・・・

どうせ生まれて死んでいくなら、やっぱり人のためになりたいですから。

生きているだけで、みんなそれぞれの苦しみを抱いています。
私だってそれは同じこと。
いろんな苦しさや、腹立たしさや、悲しさや、行き場のない悔しさ。
全部投げ出して、逃げてしまいたくなる心。

そんな思いを抱くときもありますが、そんな辛さを癒してくれるのも、やっぱり待っていてくれる患者さんだし、スタッフの元気な笑顔だったりします。
プラスに変換しなと、負のパワーにまけちゃいますからね。

そして今日もスタッフの回りきれない訪問を引き受け、緊急入院した患者さんの訪問看護サマリと居宅の情報提供書を書き、パワーポイントのスライドを完成し、あちこちとメールのやり取りをしながら一日が終わりました。

私のささやかなお願い・・・「今夜は電話がなりませんように。」

41回在宅地域緩和ケア研究会

2010-09-21 22:03:26 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日は、今のめぐみ在宅クリニック最後の緩和ケア研究会です。
次回からは、厚木街道沿いの、あのド派手なうさぎマークの看板が目印の、元日産ショールームをそのまま活用した新クリニックにで行われることになります。

でも、ここのクリニック、結構こじんまりして好きだったんですが・・・。

とはいえ、今日は久しぶりに「対話記録」を使ってのトレーニングとなりました。

私はといえば・・・
3連休ずっとパワーポイントにらんで夜なべしていたので、朝から休みなしで4件訪問して、帰ったと思ったとたんのバタバタの連絡などで、すっかり疲れてしまって眠くてしょうがない状況・・・

ケースの対話を読み上げているのを聞きながら、朦朧としていました。

今日はぜったいに、ファシリテーターに指名されないように、後ろの陰に隠れていました。

グループワークでやっと目が覚めて、なんとか眠らずにすみましたが、マジ、眠かったですわ。

今回、「苦し」みと「支え」をどうとらえるのかわからない場面があると、ある参加者から質問がありました。

苦しみには
「歩けなくなってしまったこと。大好きな自転車に乗れなくなってしまったこと。病気と、老いがそれらを奪ってしまったこと。」などがありました。
支えには、
「自転車に乗って鎌倉や海など、遠くまでサイクリングをしていた事、その道順や流れる景色の楽しさを思い出し、懐かしむこと。」
があげられました。

けれど、自転車に乗って遠くまで行けたことは昔のことで、今は歩けないし、動くこともできないのならば、それは支えにはならないのではないか?」
という質問でした。

けれど、人生で一番輝いていたころの記憶は、その人の存在価値そのものであり、ライフレビューを聞いていく中では最も大切な話となります。

つらい現実の中で、川沿いを海に向かって一心に自転車を走らせた頃の自分を思い出し、その時の風を感じ、目の前に開けた青い海を脳裏に見たのだと思います。
それは、確かに自分が生きた存在そのものだと思います。

私たちは、その思い出というには身近すぎる話「○○病院の角を曲がって、まっすぐ行くと鎌倉に出るんです。ルートはいろいろあるんです。」などという話を聴き、そこを膨らましていくことで、私たちも本人も、もっと大切なコアのようなものを知ることができるかもしれません。

心は数値では表せませんし、何を会話して何を感じるかは、それぞれの人の心ですよね。
難しいけれど、大切なものです。

そんな話もありつつ、今日の勉強会は終了しました。

明日は、なんとか残りのスライドを完成して、連絡協議会に送らないと・・・締切なんですよ。
明日こそは、残務整理も頑張ろう!

3連休もう終わり!?

2010-09-20 23:43:14 | 日々のあれこれ
新しいパソコンでスライド作ったり、新しい機能で遊んでいるうちに、あっというまに3連休も終わってしまいました。

人手不足のおり、明日は朝からずっと夕方まで訪問で帰れません。
いろんな調整やら、なんやらいつやればいいのだろうかと、ため息が出ます・・・。
なんだか気が重くて、いやだな~(また落ち込み虫が騒いでます・・)

もう、なるようにしかならないので、スタッフの負担がこれ以上増えないように、訪問を抑えるしかない状況ですね。

でも、瀬谷区内は、訪問看護ステーションが結構あるのでよかったです。
患者さんに迷惑はかけられませんから・・・。
ご指名くださった事業所や病院の連携室には平謝りの毎日です。

看護師の不足は社会問題ですよね。
なんで、看護師さんいなくなっちゃうんでしょうね。

先日の交流会でも、病院の平均年齢は30代で、すごく若いのだそうです。
ベテランはその半分もいないとのこと。
そして、どんどん入れ替わる・・。
長く働く人がいないということでしょうか??

そこでやめた人は、どこに行くのでしょうか?

そういえば、今の新卒のサラリーマンの年収は、景気が悪くなってから200万くらい減っているそうです。
とにかく給料安いらしく、その就職さえも至難の業になってるのに、若い女の子の多くが、結婚したら専業主婦になりたいと思っているそうです。

そりゃあ、お給料のいい旦那さん見つけられればいいけど、そんなに世の中甘くないでしょうに。

若い看護師さんも、結婚したらみんな結構家に入っちゃうのかな??
生活大丈夫なのかな??

私も下の娘が3歳までは主婦やリましたが、せっかくの看護師免許、勿体ないじゃないですか。
第一自分のお金がないのはつらいと思うのですが・・。

大きな病院の入れ替えの速さもさることながら、けっこう短いスパンでいろんな事業所回っている人もいっぱいいますね。
まあ、見聞を広めて経験を積むのもいいけれど、どこに行っても長続きしない癖がついてしまっても困りますよね。

そんななかで、世の中の若い子たちは人材登録をしておいて、いい条件の仕事を待っているのも世の流れなのだそうです・・・。
せめて、ハローワークくらい見てほしいんだけど・・・。
これだけ、いろんな人材紹介の会社が多いということは、それだけ需要と供給があるということなんでしょうが・・・いかにせん紹介料が高すぎますよね。

就活中のかた、人便りにしないで自分の働く職場くらい、自分で探そうよ。本当に・・・。

秋祭りなどなど・・

2010-09-19 16:06:39 | 日々のあれこれ
昨日は3連休の一日目。

昼にヤマダ電機を一人でうろつきました。

今持っている1眼レフのデジカメは、旅行の時とかはいいのですが、普段カバンに入れておける大きさではなく、日常のちょっとしたシーンなどをとりたいので、小さなデジカメがほしかったんです。

最近はかなりお安くなっていて、今は新機種が出たために、ひとつ前の機種がプラスダウンしています。

お店の人が寄ってきて言うのには「今がお買い時。」

そして安くて、機能がよくて使い勝手のよさそうなデジカメ1個お買い上げとなりました。

いいなと思ったのが、ズームはできないまでも、ハイビジョンでビデオ撮影ができること。
夜景がすごくきれいに撮れること。(シャッタースピードがはやいのに。)
手振れが少ないこと。
高画質1000万画素だということ。

CASIO EXLIM EX-2500 あんまり聞いたことないけど、気にしない。

12700円で、ポイントも2413ポイントも付きました。

そしてさらに、訪問看護連絡協議会で使うパソコンをリサーチしているうちに、今使っているHPのノートパソコンが重くて動作も悪くて使い勝手がよくないことが気になってしまい、ほしくなってきました。

今年になって、親機のデスクトップが壊れて買い換えたので、今年は我慢かなーと思っていたのですが、最近あちこち持って歩いているので、やっぱりもう少し使いやすくないと…考え始めました。
ちょうど高校1年生の娘にデスクトップを占領されつつあるので、今あるノートを空っぽにして娘に払い下げ、新しいのを買うことにしました。
何しろこれも、かなりロープライスになっていたので・・・。
昔はノートPC高かったですが、今はかなり安くなりました。
パワーポイントも入っているし、最初からマカフィーも入っていて、DVDも作成できて、今持っている、ろくな機能を持っていないノートより安くなってる・・・。
負けました・・・。
そして、そのポイント22000ポイントで、パワーアップした通信無線ルーターやらインクやらPCアクセサリーやらも買って、「もうどうにでもなれ」とお買いもの。
すっきりしましたよ~。
このところの激しいストレスを、一気に発散しました。ぜーぜー・・・

そういうわけで、帰宅後はルーターを付け替えたり、PCを立ち上げたりしているうちに、娘の太鼓の本番のため、阿久和にある熊野神社に娘を送っていくことになりました。
ついでに、ビデオ撮影もしてほしいとのこと。

さっそくデジカメを試し撮りです。

秋祭り。アセチレンの光に誘われて、人々が参道を行き来しています。

境内はすごい人と屋台の匂い。
そして大音量のド演歌にあわせて、舞台の上ではコマドリ姉妹みたいな恰好をした子供が、なにやらいにしえの振り付けで踊ったり、袴はいたおば様が扇子加えてポーズとったりしていました。
ほほー。これが歌謡踊りとかいうやつかも。

何か買おうかと思っても、どこも並んでいて、ごった返しています。



お祭りっていうと、ノスタルジックな気分になるのが、お面やさんです。

忍者ハットリくんはありませんでした。 どうでしょう?夜に撮ったわりにきれいでしょう?光の具合も・・・

でも屋台、どれもバカ高いです。
たこ焼きなんて、6個しか入ってなくて500円もするんですよ。
デジカメやPCのほうが、割安感ありますね。

そして、ゴザの最前列に座って、娘たちの出番を待ちました。
叔母様たちの見事な歌謡踊り?を呆然と見つめることしばし、やっと娘たちの興魂太鼓の出番となりました。

今回は、お兄さんたちのオリジナル「飛翔」、鼓動の曲から「彩」「族」と3曲の演奏でしたが、「飛翔」は見事でございました。
大迫力の太鼓の演奏に、会場からはおおー!!という驚嘆の声。

これを、例のデジカメで撮影してみました。
ちょっと手がプルプルしていましたが、なかなかの出来でした。
個人情報の関係で、お見せ出来なのか残念です。

そんなこんなで昨日は更新をあきらめ、いろんな設定で夜中になってしまいました。

今日からやっと、潜在看護師向け訪問看護セミナーでの「在宅緩和ケア」事例のスライド作りに入ります。
休み中に、いくつかの事例を作らないといけません。

しんどいと思えばしんどいけれど、勉強と思えば勉強だし、いつか自分の身になると思って頑張ります。

指示書と看護サマリの意味

2010-09-17 21:39:16 | 訪問看護、緩和ケア
昨日は、横浜市訪問看護連絡協議会の定例会でした。

今回は、市内の医療機関の看護職と訪問看護師との交流会ということで、『地域医療を支える看護のあり方を考える~その1』というテーマでのシンポジウムでした。

市の健康福祉局からの参加もあり、シンポジストとしては神奈川県立汐見台病院の看護師長、国立病院機構横浜医療センター看護師長、悠の木訪問看護ステーション所長、大口訪問看護ステーション所長の4人により、それぞれの立場から連携にかかわるプレゼンテーションが行われました。

その中で病院連携室の立場から、指示書の依頼のされ方についてと、看護サマリについての発言があり、これに関してはかなりみなさん思うところがあるようで、ディスカッションが盛り上がりました。

病院側としては、訪問看護指示書の依頼を家族が直接医事課に持ってくることもあり、戸惑う事があるようで、いったい誰が何の目的で指示書がほしいのかが、明確に分からなかったりするようです。

介護保険以前は、訪問看護指示書は医師が必要と判断した場合に、医師から直接訪問看護STに依頼されていました。
もしくは、区役所からの相談から開始されたりしていました。

介護保険以降、高齢者に関しては多くの場合ケアマネが担当者会議などを行い、アセスメントをした結果、訪問看護の必要性を感じて依頼してくることが多くなりました。
この場合、ケアマネが訪問看護ステーションを選び、まず依頼の電話をして、訪問看護ステーションが決まった時点で、指示書を病院にもらえるようにお願いに行くことになります。

もらいに行くと言っても、家族が頼みに行く場合と、ケアマネが頼みに行く場合と、ステーションからもらいに行く場合とあり、たぶんこのばらばらな依頼方法が病院にとって混乱を招いたりするんじゃないでしょうか。

うちの場合は、ケアマネの話を聴いて訪問看護が必要だなと感じた場合、私が通院先の病院連携室や医師に電話をして『こういう理由で訪問看護の依頼がありましたので、指示書をお願いできますか?』と言って頂く事が多いです。

でも、あまり連携した事が無い病院だったり、通院が直近である場合は、ケアマネさんを通して患者さんの御家族に指示書を出してもらえるかどうか直接主治医に聴いてもらうようになります。

どういうルートで行っても、なかには『訪問看護?そんなの必要ない!』と言われて出してもらえない事もありますが、状況から行って必要だと思ったら、違う手立てを考えます・・・。(他にかかっている先生がいればそちらで書いて頂くか、なければ近医のホームドクターにお願いしてりします。)

病院から出るはずだったものが逆になっていて、ルートがばらばらだったりするので、訪問看護の必要性自体が主治医に通じないことになるのですね。
でも、社会のシステムが変わったのだから、あまり偏屈に『俺は認めない。』とか言わないで、ちゃんと話を聴いてもらいたいものですが、依頼する側も「どういう事に困っていて、生活や療養上こういう援助が必要なので、指示書を下さい。」と言うように、目的を明確にしないとおへそが曲がっちゃう先生もいるので、注意が必要ですね。

また、先生によっては、「○○訪問看護ステーションしか使わない!」と言う先生もいますので、先生の意見もちゃんとケアマネさんは確認しておいた方がいいと思います。

それから看護サマリ。

本来看護サマリとは、看護師から看護師への医療情報提供であって、病状や身体状況、療養上の問題点や継続すべき看護、医療処置などを書き込んだ機密事項になります。

医師同士のやりとりをする診療情報提供書を、ケアマネや家族や看護師が勝手に開けたりしないように、看護サマリも本来看護師から看護師への個人情報満載の機密文書なので、ケアマネさんと言えども、途中で開けることはできません。

でも、ときどき家族が預かってきた看護サマリをケアマネさんが開けて、自分が原本を持ってコピーを渡したりする事があると聞きびっくりしました。
あくまでも、看護サマリは看護師間の書類です。
受け取った看護師が確認して、十分その意味を理解して、ご家族の了承のうえでケアマネさんにコピーするなり、要点をお伝えするべきものだと思います。

入院時には訪問看護からもサマリを送りますので、退院時にも頂きます。
この書類には、私たちには文書料が1円たりとも入りませんが、ケアマネさんが病院へ入院時に在宅の情報提供を行えば医療連携加算がとれるんです。

私はケアマネも訪問看護もしているので、患者さんが入院すると両方書くわけですが、内容は明らかに分けています。

看護サマリは、医療的な情報を中心に、療養上の問題点であったり、身体状況であったり、内服の状況であったり、本人・家族の病状への受け止めであったり、排せつ方法であったりします。
その上で、継続されるべき看護支援などを申し送ります。

ケアマネとしての情報提供は、主に生活上の問題点やん現在の生活リズム、日常生活上の問題点と現在のサービス利用状況やその受け止めなどを中心に書きます。

ですから、本来ケアマネさんにもケアマネさんあてのサマリが必要なのだと思います。

病院がわからは「今のところケアマネさんに渡す文書の形式が無いので、看護サマリを渡してしまいます。」と言う返事が返ってきました。

これが看護サマリをめぐるトラブルのもとになっていると思うのです。

それぞれの専門分野からの申し送りですし、診療録にも綴じられる看護サマリは、まず看護師に渡してほしいと思っています。

その上で、連携上必要であるということで患者さんの同意を前提に、各サービスで共有し合えば何の問題もならないですよね。

場合によっては、看護サマリを見て、あまり全体像を理解しないでプランの中に組みこんでしまって、違う方向に行っちゃう事もありえるので、それぞれの専門職の見解を確認する意味でも、ケアマネさんが持って行っちゃう事のないようにしてほしいものです。

今後は病院へも、ケアマネさんへのサマリを作ってもらうという働きかけは必要ですし、そのさいケアマネとしては、どんな情報がほしいのかを検討して、こういう事が知りたいという原案を作って見るくらいの動きが必要だと思おいます。
うちではそういう事はありませんが、サマリ争奪戦みたいな事をやっている人達もいるみたいなので・・・。

短い時間の中で、この話が長引いてしまい、看護師だけれどケアマネ専任だという人の参加もあったので、かなり意見が飛び交いました。
これをうけて、健康福祉局の皆様も、「現場の生の声を聴く事が出来た。今後の行政での関わり中で参考にしていきたい。」と言ってくれました。

ケアマネさんからもきっとこれに関しては、様様な思いがあるんじゃないかと思います。

私も、この件に関しては西部訪問看護連絡会に持ち帰り、病院も交えての課題にしたいと思っています。
うちの連絡会は、病院連携室、区役所、ケアマネット代表も参加していますので、地域でケアマネサマリの作成なんかも面白いんじゃないかとおもいます。

っていうわけで、長かった一週間やっと終わりました。

あまりにいろんな問題があって、かたずけなければならない書類も山積みです。

さらに、講演依頼や事例発表も重なって、原稿もいくつか作らないといけないのに、人出もないので全く身動きぜきません。
こんな状態がいつまで続くのか、私がどこまで持つのか・・・

必用なことは進まないのに、どうどうめぐりで時間を取られ、今日は過呼吸になるかとおもいました。紙袋常備しないとね。

本来の業務にに専念できるよう、神様仏様だれか救いのナースをお与えください。


もう一度・・・訪問看護セミナーありますよ。

2010-09-15 21:50:56 | 訪問看護、緩和ケア
は~。
今日も、新患さんのご依頼をお断りすることになりました。

夏休みが一段落しても、みんなの訪問スケジュールがびっしりであきません。

人出不足は本当に深刻です。

うちのステーションは、一日の訪問件数はなるべく4件までにとどめていますが、最近は5件6件訪問のスタッフもいて、申し訳ない思いでいっぱいです。

できるだけ、ベストの状態でクオリティーを下げる事なく、ストレスのない職場環境を作る事が、患者さんへ提供するケアの向上につながると思っています。

だから、無理な訪問は避けたいのです。

でもなぜか、ほとんど新患さんを取っていないのに、訪問件数は減りません。
どちらかと言うと、増えているような・・・

重症化しているんですね。
そして、だいぶ前にお約束していて、退院が延びていた患者さんが、突然退院になったりもしますから。

お断りしたくないんですよ。

今までの関係もあるし、スムーズな連携が自慢のステーションです。

でも・・・物理的に無理なことはしょうがないです。

とりあえず、他のステーションもまだ余裕がありそうなので、そちらにお願いするとして、そろそろ求人サイトの利用も考えないと世間の流れから取り残されちゃうかも・・・

今は、あまり広告の求人欄とか見ないのでしょうか?

いろんな交渉やってもらって、一番条件の良さそうなところを見つくろってくれる、求人サイトにあちこち登録しておく人が増えているのかもしれません。

ほとんどの場合、こういう会社からの紹介で就職が決まった場合、想定年収の20%~40%が相場みたいですね。

これってけっこうなお値段です。

でも求人広告もものすごく高くて、しかも待っている間にもどんどん新患さんをお断りしているとしたら、その値段払っても良い人をゲットした方がいいのかな?
なんて考えたりもしています。

とはいえ、何故か「一人じゃ怖い。自信が無い。」などの理由で敬遠されがちな訪問看護師の発掘のため、間もなく開かれる横浜市訪問看護連絡協議会主催の潜在看護師向け『訪問看護セミナー』の受け入れ施設として、名乗りを上げようと思っています。


しつこいようですがもう一度、セミナーのご案内です。


セミナー名称:『訪問看護の役割』  

期間:22年10月5日、12日、18日、27日の計4日間全日出席できる方。
   このうち1日は訪問看護ステーションでの見学実習があります。

場所:神奈川県総合医療会館(伊勢佐木長者町)、ウィリング横浜など

時間:10時から15時(実習に関しては、施設により異なります。)

先着30名  要看護師免許  無料

申し込み方法:Eメール jimu@yns-net.com
または045-750-5124 横浜市訪問看護連絡協議会事務局まで

Eメールの場合のみ、セミナー名称、名前、住所、連絡先、職歴(あれば)、希望の働き方
を明記して下さい。
問い合わせは、上記  まで。
締切:9月24日


そこの潜在看護師さん。

あるいは、病棟で疲れ切ったあなた。

うちで研修して、一緒に感動してみませんか?

訪問看護って、本当に素敵な仕事なんですよ。



施設いろいろ・・・耳に入る事。

2010-09-14 22:38:47 | 訪問看護、緩和ケア
何度も言うようですが、ここ数年で、この地域にも介護施設がやたら増えていますが、ますますレベルというか、姿勢に差が出てきていますよね。

特に老人保健施設の対応が、何だか変だぞと思う事が多い一方、昔からある特別養護老人ホームが、すごく心ある対応をしてくれるので心が和んだりします。

老人保健施設って言うのは本来、疾病、負傷などによりねたきりの状態にある老人または、それに準ずる状態にある老人に対し、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療を行うとともに、その日常生活上の世話を行うことを目的とした施設ということで、退院後の3か月~6カ月位をめどに機能訓練をして自宅に帰すための施設だったはずなんですが・・・。

ですから、看護師も医師もいて、ショートステイや退院後自宅に戻るまでの中間施設として使われてきました。

それなのに、最近ではちょっと具合が悪かったり、面倒な処置があったりすると断られちゃうんですよ。
チーム連携のつもりで、「このところ体重増加と、息切れがあるので観察と水分管理をお願いします。」なんて申し送ろうものなら、前日の夜でも「そんなことでは困ります。直近の検査データーを持ってきて下さい、。それから受け入れを再度検討します。」とか言ってきたりします。

何をいまさら言うの??

心不全と糖尿病があるのは、以前から知ってるでしょうに!
体重増減するのはしょうがないでしょう。
だから観察と水分気を付けてって言ってるんだし、家では食事無制限だから、ショート中の規則正しい生活をお願いしてるんでしょう!
と怒って見ても、『検査データーを!』と言って譲らない。
じゃあ、検査データー見たら、治療してくれるわけ??

そんなこと出来ないですよね。施設なんだから。

在宅は生活の場なのに、いちいち検査データー見て何を判断するのやら・・・。

主治医はちゃんといるし、ショートの利用は許可が出ているんだから、施設が見るのはデーターじゃなくて、生活そのものでしょう。

老健だからこその療養指導や介護があると思うんだけど、何か勘違いしているように思います。

もしくは、よっぽど介護に自信が無いか、保身しか考えていないかですよね。

そういう話がちょくちょくあるんですよ。

それに最近の老健は、特養と変わらず何年でも入所していられるところがほとんどです。

建前は3カ月とか言ってますが、実際は問題なければ何年でも入所しています。

ただし、2回か3回入退院を繰り返すと、「うちの適応ではありません。これ以上は看れませんから、入院中にどこか探して下さい!」と言って放り出したりします。

老健は、病気になって薬が増えると、施設の負担になるので嫌なんでしょうし、手がかからなくておとなしくて、介護度の高い利用者さんがほいしいんでしょうが・・・。

もちろん、こんな施設ばかりじゃないと思いますが、このところそんな話ばかりが耳に入ってきて嫌になります。

反対に、昔からある特養のほうが緊急ショートなどの相談をすると『それはお困りですね』とか言って、何とかしようと一緒に考えてくれたりします。
施設によっては、心のこもった看取りをしてくれたり、褥創の処置なども嫌がらずに丁寧にやってくれたりします。

デイサービスで食事介助が必要になったからって、嫌な顔をするなんて事もありません。

そうかとおもうと、新設の特養で面接平気で3回もすっぽかした、なんて話も耳に入りますが・・。

この差は何だろう??

さらに、よくわからないのはグル―プホームと有料老人ホーム。

料金の高さもさることながら、それこそ内容は天と地との差があります。

有名な高級老人ホームと言っても、実際の居室はグループホーム並で、自立している人しか入れないし、食事が豪華な事ぐらいしかメリットが無いようなところや、やたら安い有料老人ホームだとおもったら、入居したらおしぼり一本から、飲水誘導まで全部オプションで、系列のヘルパー貼りつけて結果すごく高額になってしまったりと、内情が酷いところもありますから、よーくリサーチしてからでないと、あとでとんでもないことになったりします。

グループホームも、職員の質が天と地と違ったり、オプションの料金がやたら高かったりするところもありますから、十分あちこち見て回って、そこにいる入所者の方の表情などにも注意して決めたほうがよいと思います。

ちょっと愚痴やら怒りのはけ口みたいな話になってしまいましたが、それでも心ある施設はちゃんとありますので、その辺の情報交換をちゃんとして、利用する側が選んで行くことで、質の悪い施設は淘汰されるようにしていくのが、ケアマネであり私たちなんじゃないかと思います。




今日の読書

2010-09-13 22:36:21 | 読書、漫画、TVなど
いろんなアクシデントやらなにやらありましたが、やっと免許の更新に行ってきました。

二俣川の運転試験場での更新でしたが、早朝からすごい人です。
日本人だけではなくて、他国籍のひとがいっぱい。

そして驚いたのが、老人の多さ・・・。
歩くのも難儀そうなおじいさんや、腰の曲がったおばあさんまで、みなさん免許の更新中。

「75歳を過ぎたら、免許を返納しましょう!」というポスターをしり目に、免許を頂いておりました・・・。

高齢者の事故、多いですよね~。
大丈夫でしょうか・・。
ちゃんと、適性見てるんですかね・・・。


で、早朝からごちゃごちゃに混みあっている運転免許試験場のなか、あっちこっちの窓口でさんざん待たされ、講習までの時間もさんざん待たされたおかげで、読みかけの本を読み終える事が出来ました。(もちろん、免許証も頂きました。)

若いころ読んで、面白かったのは覚えているんだけど、どこが?って言うと思いだせない本は、年がたってから読み返すと、なかなかやっぱり違った意味で面白かったりしますよね。

そういう意味では村上春樹は、読み返して面白い本です。
自分の経験値で感じ方がどんどん変わって来るような気がします。

今回読み直したのがこれ。

『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』

って、名前からして面白そう。
案の定、ずぶずぶと物語に引きずりこまれ、電車が駅に着きませんようにと祈りたくなるくらい面白かったですよ。

昭和60年刊行の本なので、今から25年前ですから、あのころどんな感想を持ていたのかなんてわかりませんものね。

で、やっぱり村上ワールドは難解です。
ヘタな解釈書くとものすごく怒られそうなので、まだお読みでない方は、ぜひ読んでみて下さい。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
村上 春樹
新潮社


ちなみに、日曜日に娘がツタヤで『劇場版ワンピース エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜のDVDを借りてきたので、一緒に見ちゃいました。
もちろんコミックで読んですごーく良かった話ですが、DVD良かったですよ~。
泣いた、泣いた、泣きました。
大人の方が泣けるんじゃないかと思います。
ドラム王国のやぶ医者ドクターヒルルクの生きざま、めっちゃいいです。
登場人物が、原作ではまだ出てこない人達や、船がメリー号じゃなかったりもしますが、素直に見とけば問題ないです。

たかが漫画と侮るなかれ。
とても、心が温かくなります。
疲れて、心がささくれ立ってるときに、是非どうぞ。