こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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雪の日の訪問。

2012-02-29 21:59:26 | 訪問看護、緩和ケア
久しぶりに大雪です。

もうすぐそこに春が・・と思っていたら、ドカッと降りました。

雪国仕様ではない横浜で、「ハマのチベット」と言われるほど寒い瀬谷区に降った雪。

朝起きて、絶句・・。

真っ白の朝、降りしきる雪の中、車のギアをロウにいれて、恐る恐る車を走らせました。

とにかく、幹線道路に出てゆっくりゆっくり、前の車のわだちに乗せて、なんとか職場にやってきました。

もちろん、駐車場は真っ白。
前の道も真っ白。
              

雪かきをしても、とても軽自動車で訪問できる状況じゃあありませんでした。

もともと横浜は、雪はほとんど積もりませんから、チェーンもなければ、スタットレスタイヤもはいていません。

こういう時は、患者さんにご協力いただくしかありません。

病状が安定して、日にちの振り替えやお休みが可能な方と、どうしても必要な処置があったり、病状の不安定な方にわけて、相談させてもらいます。

状態が安定されている方は、電話をかけた途端に「こんな日は来なくていいよ。大丈夫だよ!」と言ってくださいます。

そして、どうしても訪問が必要な患者さんには、タクシーに乗りあって順番に回るのです。

でも、今日はタクシーも全然繋がりません。
「どうしよう?!」
と悩んでいたら、こんな時介護タクシーは空いていないかな?という話になりました。

いつも、緊急時に頼りになる介護タクシーの川上さんに、ダメもとで電話をしてみました。

「なに?訪問できないの?いいよ。行ってやるよ。どうせ、一件キャンセル喰らったところだ。」そう言って、1時間後に迎えに来てくれました。

一度に乗れる人数は5人。
ピストン輸送で、あちこち回ってくれました。

 瀬谷の狭い道を、スタッフを載せて半日回ってくれた川上さん、本当にありがとうございます。

実は、その間に私も車をスタットレスに交換できたので、お手伝いと思いましたが、スタットレスでもなれない雪道、しかも坂の多い瀬谷の路地を走るのは怖くて、一人しか送れませんでした。

中原街道では、大型のトレーラーが信号待ちで止まったきり、そのまま立往生してしまい、道路も大混乱となったようです。

午後1時過ぎたころから、やっと幹線道路が普通に走れるようになりました。
           


本当に去年から今年にかけては、思いもかけない天災に悩まされることが多かったですね。
3月は、年度末。
天災もひとまず終了にしてほしいものです。

酸素を持ってデイケアへ。

2012-02-28 22:27:59 | 訪問看護、緩和ケア
在宅酸素の方が外出するときは、多くはデマンドバルブのついた酸素ボンベをもって出かけます。
呼吸同調器式デマンドバルブは、酸素を吸うときだけ酸素が流れ、息を吐くときには酸素が流れません。
吸うときに弁がいて、吸わないと弁が締まるようになっています。
ですから、これを付けることで、ボンベの酸素が3倍から5倍長く使えます。

外を、酸素を引っ張って歩いている方はほとんどの方がこれを付けています。

家にいるときは、その方の必要な流量にあわせた酸素濃縮器を家に置いておきます。
これは、空気中の酸素を器械で濃縮して酸素を作り出すので、補充する必要はなく電源を入れておけば、ちゃんと必要な酸素を作ってくれます。
この器械は、酸素が流れっぱなしになりますから、日常家にいるときは酸素流しっぱなしで、外出の時には吸った時だけ流れるボンベを使うのが一般的です。
これも、呼吸状態によって医師が指示しますから、どこに行くのもボンベを余分に持って吹き流しで使用することもあります。

酸素ボンベは、小さいものでも結構重いので(だいたい2kg位)、この酸素を持って移動することだけでも、フーフーなってしまう方もいます。
最近では、液体酸素と言って、軽量でコンパクトな携帯酸素もありますが、まだまだ使っている人は少ないようです。

リハビリ意欲に燃えるある患者さんが、デイケアでのリハビリを希望しました。

実は、酸素を持ってリハビリという患者さんを、受け入れてくれるデイケアはかなり少ないのが現実です。
実際、よほど設備の整っている、病院立のデイケアでもなければ、医療者が少ないということで、断られてしまう事が多いのです。

それでも、数すくないデイケアに体験で行くことになりました。

担当ナースが訪問すると、明後日デイケアに行くと言う事がわかりました。
酸素はどうするの?

酸素やさんに連絡した?
そもそも、主治医の許可はとってある??

残っているボンベは1本と少し・・・。
しかも5時間しか持たないって以前言われたとか・・。

ダメでしょう。
ここまでフォローしないとケアマネさんは・・。
予約だけしてあとは行ってねでは、HOTの方は困ります。
わからなかったら、聴いてください。って、分からないこともわからないかも・・・。

ボンベんの酸素量を計算すると、7時間は持つことがわかりましたが、労作時は6リットルにしますから、やっぱりもう一本は予備で持っていかないと・・。
しかも、ご本人デマンドバルブではなく、ボンベも吹流しで使うと断言。
なんでって、「家では吹流しって言われた。」からだそうです。
それは、濃縮器のことだと思うのですが、デマンドバルブは吸わないと出ないから、息苦しいのかな??

酸素やさんに確認すると、デイケアでも施設がよければ、無料で濃縮器を置きっぱなしにしてくれるとのこと。
施設はそれでどうかを、ケアマネさんは確認してほしいのだけれど・・・
うーん。

本来なら、外出先の住所や連絡先、どのくらい滞在するのかなどなどを所定の用紙に記入して出さないといけないのですが、これは誰もやっていず、看護師が訪問して初めて発覚しました。

しかも患者さん曰く、ボンベ2本も持っていくのは嫌だ!
そんなことするなら行かない!
酸素位、用意できない施設はダメだ!!

と、言いだしており、さてどうなることやら・・。
明日の、ケアマネさんの動きに期待です。




リハビリ、リハビリって言うけれど・・

2012-02-27 22:21:08 | 訪問看護、緩和ケア
「リハビリをしなと歩けなくなります。」
「リハビリしてください。トイレは自分でやってもらわないと困るんです。」
「リハビリをすれば、また散歩に行けますか?」

そう言う言葉をよく聴きます。

リハビリを頑張れば、また歩けるようになる方もいます。
でも、努力とか気合だけでは、どうにもならないこともあるのです。

リハビリをすれば、すごく良くなると思って、かなり無理なプログラムを立てる方。
衰弱して病状が悪化しているご家族に、「このままじゃどんどん弱るから。」と言って、無理やりトイレまで歩かせたり、場所を移動して食事をとらせたり・・。

こういう場合は、リハビリが病状を悪化させる可能性があることを根気よく伝え、逆に筋の緊張をほぐすマッサージやリラグゼーションをお勧めしたりします。
ご家族にも、きちんと病状をお伝えして、今何が必要かを知っていただくことも重要ですね。

以前、末梢神経障害と循環障害で片足を無くされた患者さんに、ルームランナーを買ってきてリハビリをさせようとしたご家族がいて、担当ナースがあせっていました。

とにかく、どれほど危険かを分かって頂くためにも、一緒にやってみたそうです。
一番ゆっくりなスピードにしても、とても歩幅が間に合わず、数歩で「怖い!!怖い!!」と叫んで二度とそれを使う事はなかったようです。^_^;

同じように「ルームランナー買ってみたらどうでしょう?」という質問がよくあります。

リハビリをしようとして転倒し、骨折や脳挫傷でも起こしたら、元も子もないと思うのですが・・。

同じように、歩く練習をしてください、とよく言われます。
でも、歩く練習の前に、ベットサイドでできる筋力訓練や、柔軟性を高めるストレッチ、関節の可動域を広げるROMexなど、地道に身体を動かすことから始めなければ、いきなり歩くのは危険です。

長くベット上にいると、気持ちは焦る一方で「こんなはずではなかった。もっと動けたはずだ。」と思うのでしょうか?

そんな気持ちでいっぱいの患者さんがいました。
ベット上での大腿四頭筋の運動で、寝たまま足を延ばして、足首を直覚に上げてベットから15センチだけ上げて10秒保持、そしてそっとおろす。
これをやってみてくださいとお話ししました。
すると、その患者さんは、「20でも30でも大丈夫だ!」といいます。
でも、ベットから15センチだけ上げるって、結構きついのです。
ゆっくり10数える間もなく、足がプルプルしています。
「大丈夫ですか?無理しないで、5でもいいですよ。」
「大丈夫だ!!なんでもない!!」
「いきなり頑張りすぎると辛いです、今は良くても明日筋肉痛で動けなくなりますよ。」
「こんなもの、なんでもない!」と、ブンブン足をあげたり下したり・・^_^;
その後、足踏みもものすごい勢いでで出来ることを見せてくれましたが、下肢の筋力はとても弱く、いざ立ち上がるとよろけてしまって、介助者がいないととても危険な歩行状態でした。

でも、ご本人のリハビリをしい。歩きたい。
そう言う思いは大切にするべきだと思います。
頑張れる気持ちも、いつかよくなるという希望もそのままに、もうちょっと手前に、実現可能な目標を立ててあげられれば・・と。

この方は、来週から通所リハビリが開始されます。
頑張って、一人で家のトイレまで行けるようになれように、応援したいと思います。

また、過剰な運動で反って筋の緊張を招いたり、運動失調が悪化することもありますので、リハビリのプログラムは、できればリハ科の医師や、理学療法士の意見を聞きながら、無理のない方法で行うことがベストです。
私たち看護師は、ベットサイドでできる簡単な、運動や体操、ストレッチなどを中心にお手伝いしています。
でも実は、在宅では日常のなんでもない動きが、リハビリなのだと言う事を、知ってもらうのが一番だと思います。

オムツ交換の時に、お尻が上がるか。
横を向くときちゃんと向けるか。
自分でフォークをもって、口まで運べるか。

そんな日々の動きから、チャレンジしていくことが、一番のリハビリなのだと思います。

めざせ認定心理士!

2012-02-26 22:38:24 | 大学の事
生涯学習の一貫で広く門戸が開かれている通信制大学。

去年の4月生として願書を出して、最終学歴の専門学校の届出の問題で、すったもんだをしましたが、無事入学できました。
あれから、もうすぐ1年たってしまいます。

とにかくいろんなことをやっている私。
仕事も家庭も、市の協議会役員も、市からの委託の仕事もあり、一日がアッというに間に過ぎていきました。

当初、3年次編入なので、2年間で卒業をしようともくろんでいた私ですが、蓋を開ければそんなに生易しいことではなく、1年で習得するはずの単位は、まだ半分しか消化できませんでした・・。

にもかかわらず、すでに24年度の履修登録をしなければなりません。

卒業に必要な単位まで、4年次分で24単位。
教科にして12単位を追加登録しなければなりません。
うち、スクーリングもあと1単位不足しています。

これに、3年次の残りの単位を足すと、テキスト教科34単位、スクーリング教科10単位が残ってしまったわけです。
1教科につき試験に受かると2単位もらえるので、22の教科の単位を取らなくてはなりません。

わははは。

無理ですわ。
ということで、とっくに2年で卒業はあきらめました。
通信なので、半年単位で更新が可能。
出来れば2.5年で卒業をめざします!!

50の手ならいってやつですかね。

なにしろ大学が遠いうえ、スクーリングは週末3日間缶詰めなので、平日仕事⇒休日学校⇒即仕事ということになり、かなりバテます。
年なので・・。しかも、こういう時に限って、めっちゃ忙しい・・。


でも、絶対に卒業する!
認定心理士を取得するための科目は決まっていて、必要な単位を盛り込みながらの履修登録になります。

さらに、今回一般教養で「文章表現法」と「日本語表現法」も選びました。

伝えることって、本当に難しい。
そして私の憧れは、「美しい文章表現が出来ること。」なので、これはすごく興味があります。

忙しいとか辛いとかって、その時だけの話ですよね。
スクーリングだって、辛い辛いと思って行っても、行けばやっぱり面白い!。

この年で、自分の学びたいことが学べるって言うのは、本当に幸せなことですね。

なので、あと1年・・と少し(~_~;)。
頑張るぞ~。


ところで、今日娘と港北の「ららぽ」に行ってきました。
ランチは、猿カフェ。

昼のランチ&娘のパフェ

ごっついです。
スウィーツ好きの方、お試しください。

家族がインフルエンザになったら・・

2012-02-25 23:11:38 | 訪問看護、緩和ケア
インフルエンザ、今頃になってはやっています。

私たちは、一応インフルエンザの予防注射を事業所としてやっていますが、問題は家族がインフルエンザにかかったら、出勤をするのかしないのか?と言う事です。

一応、3日間は休職してもらう。と言う事にはなっていましたが、世の中はどうなっているのでしょうね?

私たちが、インフルエンザの予防注射をやっているとはいえ、絶対かからないとは限りませんし、予防注射と違う形のインフルエンザだったら、もちろんかかっておかしくないですよね。

それに、感染力は熱が引いてもなお残っているいるわけで、その辺の線引きが見えないだけに、絶対大丈夫なんて言えないです。

でも、小さな子供が二人いれば、ほとんどのケースで時間差攻撃が来ます。

もし、3日間出勤停止だとしたら、時間差で1週間は出勤できなくなります。

この辺の基準はどうなっているのでしょうか?

大人は、小さな子供に比べて抵抗力もありますし、今までのスタッフで、子供がインフルエンザになったからと言って、親までかかったスタッフはいませんでした。

予防接種や抵抗力を考えれば、十分な手洗いとうがい、マスクをすれば比較的お元気なご利用者さんなら訪問可能なのでしょうか???

理事の先生に聴いても、「どちらともいえない。患者さんの状態と、こちらの状況を考えて判断するしかないかも・・」との答え。

一般的には、どうなっているのでしょうか??

働く側にしても、例えば病児保育にお願い出来たり、おばあちゃんに頼めれば、生活のためには働きたい人はいるわけで、もし、生活がかかっていたら、これは大打撃になりますよね。

でも、ついでに休んでのんびりしたい人には、ラッキーな感じにもなります。

困るのは急な欠員で、その穴埋めをどうするかと言う事で、みんなで振り分けたり、日にちをずらしてもらったり、お休みのスタッフの出てきてもらったりと言う事になりますね。

こういう時に限って、スタッフのお休みが重なったりして、ますますパニックになったりして・・・。

こういう時、幼稚園なんかはきっぱり「ご家族にインフルエンザが出たら、3日間は出てこないでください!!」って言われちゃうらしいですね。(~_~;)

でも、病児保育でいっぱいな小児科をみていると、みんなそこに子供預けて仕事行ってるじゃん!
っと思うのですが・・。

まあ、ここは訪問看護ステーション。
易感染性のかたや、抵抗力の落ちている方、呼吸器疾患の方などへの訪問があるので、やはり大事を取るべきなのでしょうね。

うちは、こうやってます~。って言うのがあったら、教えてください。


ところで、やっと少し春めいてきましたね。
我が家の庭でも、いつもの場所から春を告げる黄色い妖精が顔を出しました。

              

陽もだいぶ長くなったので、気持ちも少し明るくなりますね。

先月までののんびりムードがウソのように、今は荒れ模様になっていますが、お仕事があることに感謝して、来週も頑張りましょう!!

地域連携推進会議&福島の話

2012-02-23 22:23:44 | 訪問看護、緩和ケア
今週は、ハードな毎日でクタクタですが、19時から県立がんセンターの地域連携推進会議に行ってきました。

今までは、がんセンターのコマーシャルみたいな話が延々と続いて、各診療科のご紹介で大半の時間を使っていたような気がしますが、今年は大分変ってきました。
もちろん医療相談支援室長で、いつもお世話になっている清水さんの、連携に関するプレゼンは興味深いものでした。
でも、今年はさらに実際連携先である在宅療養支援診療所の先生と、T訪問看護ステーションの統括部長のYさんの講演もあり、本当に地域連携会議らしくなってきました。

これまで、この地域連携会議は、病院ドクターと在宅ドクターの連携に終始した感じで、実際在宅で患者さんの傍にいる訪問看護ステーションは、ただ聴いているだけの存在でした。

でも、連携先としての訪問看護ステーションの位置づけが、かなり変わってきたようです。

在宅支援診療所の先生の講演でも、訪問看護ステーションがいかに重要かを話してくださいましたし、これからの在宅に訪問看護は不可欠であることが、病院のドクターにも地域のドクターにも、すくなからず周知されてきたのではないかと思います。

もちろん、在宅を支えるためには、もっとたくさんの業種が関わり、チームとして機能しなければなりたたちません。

その代表として訪問看護師が、病診連携だけではない重要なメンバーとして認識してもらったのだと思います。

実際は、がんセンターとの連携関係はスムーズで、医療相談支援室が、ちゃんと機能しているので、とても助かっています。

***********

そうそう、話は変わりますが、先日福島の原発10Km圏内にある実家に、一時帰宅をしたスタッフがその時の話をしてくれました。

当然、線量計はとんでもない高値を示していて、もう生きているうちには帰ってこれないであろうことを実感した帰省だったようです。
一緒に行ったお母さんが、家の漬物の樽やら植木鉢やらを、持って帰りたがって困ったと笑っていましたが、何とも切ない話ですね。
実は、東電はこの原発でダチョウを2匹飼っていたそうです。
この地震で逃げ出し、そのうちの一匹が自由に田圃をを走り回っていたそうです。

真冬の誰もいない、放射線にさらされた荒れ果てた田畑を、それはもう元気に走り回っていたとか・・・
お母さんが、持っていたおにぎりを投げたそうですが見向きもせずに、写メをとろうとしたうちのスタッフを振り払うように去って行ったとか・・。

なんだかすごい風景ですが、ダチョウは本来もっと温かいところにいる動物なのだと思います。
真冬によくぞ御無事で。。という感じです。

「いったい何食べているの?」とスタッフに聞くと、「あの辺に、誰の説得もきかず住み続けているおじいさんがいて、やはり野生化した牛やあのダチョウに餌をやっているらしい。」とのこと。

なんだか、すごく悲しくなりました。

おじいさんは、家も家畜もどうしても捨てられなかったのでしょうね。
年齢を考えれば、今更知らない所へ行って、捨ててきた家畜を思って苦しむことよりも、そこにとどまることを選んだのでしょうか?

誰もいない廃墟と化した町で、黙々と動物たちに餌をやるおじいさんを思うと、胸が痛くなります。

エサ代大変だと思います。
餌自体どこから手に入れるのやら・・・

牛の糞にまみれた道路と、ダチョウが走り回る田圃、そしてたった一人の老人。

もう、平和で豊かな、美しいふるさとは、失われてしまったのです。

「人のレールに乗りたくない!」

2012-02-22 22:59:57 | 訪問看護、緩和ケア
退院前訪問で、ある患者さんが言いました。

「あんたたちは、いつも退院したら、こうしたほうがいいですよとか、布団から立てそうですか?なんて聞くけど、俺はそれがイライラするんだよ。そんなの、出来るかどうか、不便かどうか、帰ってみなきゃわからないだろ?最初から人のレールに乗りたくないんだよ!。」

なるほど、本当にそうですよね。

看護師にしても、ケアマネにしても、MSWにしても、経験的に「ベットにマットとに、食事のヘルパーに・・」とかってに思いめぐらせて、自然とそういう方向になるよう話を持っていこうとします。

「布団から、立ち上がるの大変ですよね?病院と同じように、介護ベットがあったほうが楽じゃないですか?」
「楽か楽じゃないかは、家でやってみなくちゃわかんなよ。」

私たちが、プロとして知っている情報や、予測できるからこそお勧めするサービス。
その情報や知識を、いつも受け入れてもらっています。
「どうすればいいかわからないから、教えてください。」と言われることの方が、各段多いのです。

事前の環境整備で、病院からもベットはあったほうがいいでしょう。と連絡を頂いたりします。

でも、彼にはそれがどうにも腹立たしい様子です。

「医者と看護師が、病気を見に来たり薬を持ってきてくれるのは、ありがたいと思いけど、それ以上いろんな人がさ、入れ代わり立ち代わり来て、時間で何とかなんて、そんな縛られるの嫌なんだよ。それくらいなら、病院にいたっておんなじだよ。」

サービスがなければ、一人での暮らしは困難を極めるだろうと、そう思っているのは病院側と受け入れ側だけです。

そんな話をずっと聞いていました。

「おれは、おれが納得したことしかしない。それが必要だと思ったら、俺が納得いくような話をしてくれよ。」

OKです。もちろんそうします。
それが苦しいことでも、辛いことでも、一度やってみなければ納得されないのであれば、私たちは待ってみます。

10メートルがやっとの歩行しかできなくても、1時間かけて50メートル先のコンビニに、自分の食糧を買いに行くことが希望なら、それは黙って見守るしかないと思います。
それが、自律の援助です、

そのかわり、途中で動けなくなったら、かならず連絡を貰えるようなお願いはしなければいけませんね。

「医者も看護師も、病気のことはずっと濁されてきたんだよ。でも、今度の先生がはっきり言ってくれた。もうこれから先は治療がないんだって。いづれ動けなくなるって。ありがたかったな。うれしかった。本当のことがわかって。だから、俺は家に帰るんだ。だから、もう縛られないんだよ。それで、あとは家で死ぬ。」

ときどき、こんな風に一人で死ぬことを決断される方がいます。

独居で、身寄りもほとんどなくて、「夜には誰もいなくていいから、家で一人で死ぬんだ。」
という方で、実際本当に見事に、たった一人で逝かれた方は、まだお二人です。
そう思っていても、実際はご家族が遠くから来て泊まり込んだり、誰かしらの見守りがある場合が多く、
衰弱する過程で、毎日後ろ髪をひかれながら、患者さんを一人残しドアを閉めるたことは、今でも忘れられません。

自律と言う事でいえば、究極の自律ですし選択ですね。

「人のレールに乗りたくない。」

これを、我がままと取るか、自律と取るか。
家で一人きりで死ぬことを支援するか、どこかで入院に誘導するか。


今、都会では孤独の中で餓死する人が増えているといいます。
連日、其のニュースが流れていますね。

中には、30代40代の若い人まで入っています。
病死をのぞけば、何故自分からSOSを出さなかったのか。
近隣には、たくさんの人がいるし、日本には生活保護法という法律もあります。

謎は謎ですが、その道を選んだ理由がきっとあるはずです。

何が、彼らをそうさせたのでしょうね。
今となっては、神のみぞ知る、ということです。




57回めぐみ在宅地域緩和ケア研究会・統合失調症と緩和ケア

2012-02-21 22:44:52 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日の研究会。
統合失調症をもつ末期癌のかたを、自主退院から自宅で亡くなるまでの、7日間の支援の振り返りとなりました。

担当の地域包括支援センターのケアマネ、病棟看護師とMSW、めぐみ在宅クリニックのK先生からのケース紹介から始まりました。
残念ながら、訪問看護ステーションは出席できなかったようですが、経過はプリントされ配られました。

実は、精神疾患を持っていても、ギリギリのところで自立生活をされていて、病院にも受診歴がなく、診断も受けていない方はたくさんいらっしゃいます。
統合失調症や気分障害、また人格障害や発達障害などを疑うものの、特に自傷他傷がなければ、強制的に受診させるわけにはいきません。
たぶんそうであろうことを想定して、関わらなければならないことは、よくあることです。


この事例では、入院後に精神症状が悪化し「統合失調症」の診断を受けましたが、妄想から病院への不信感を募らせ、飛び出す形で在宅療養が始まったようです。
ここに至るまでに、病院ナースの必死の関わりもあり、退院時には行政や包括支援センターも介入し、在宅支援診療所と訪問看護が導入されたそうです。

そして、わずか7日間で旅立つまでに、在宅チームとしての関わりや、信頼関係を持つことが出来た理由など、グループワークを行いました。

あるグループから、「本人の苦痛を取る為や、病気の改善のためには、ウソをついて薬を飲ませる事も、必要ではないか?」という意見が出て、話し合ったそうです。
それに関しては、訪問看護師も含め、担当医や小澤先生は「あくまで、その場しのぎのウソはつかない。事実を事実として伝え、真摯に向き合う事をしていきたい。ウソをつけば、あとで信頼関係を損なうことにもなる。」と話しています。
私もそう思います。
ウソをつくと、ウソをつくためのウソが重ねられますし、これは告知もそうですが、患者さんが方向を見失う可能性があると思うからです。

私たちのグループで話し合われたことは、「統合失調症」の治療をどう考えるか、でした。
今回は、自傷、他傷の恐れがないことから、統合失調症の治療を行わなかった。
しかし、そもそも統合失調症の治療をきちんとしていれば、妄想で主治医を拒否する事もなく、病状もうけとめられて、もっと早期に治療が出来て、もしかしたら改善していたのではないだろうか?
でも、発症時期や通過障害を考えうると、もし何らかの理由で措置入院になったら、薬ずけになってご本人の喜びだった、昔を振り返る会話が出来ないままだったのではないか?

これも、実際の判断はかなり難しい状況であったようです。
実際、どちらが良いのかなど、最初からわかるはずもなく、難しい問題で答えは出ませんでした。

そんな形ですっかり時間も超過して、20時半を回ってしまいました。

ここでは、新しい出会いもあり、いろんな情報も獲れるので、勉強会だけではない地域の交流スペースにもなっています。
新規参入の事業所さんは、一度は顔を出すといいかもしれません。


ところで、話は変わりますが、昨日ずっと気になっていたラーメン屋さんに行ってみました。
先日の「野永や」がすごく美味しかったので、もう一つ昔から評判の良いラーメン屋を尋ねました。

ここは、中原街道沿いにある何の変哲もないラーメンショップですが、昔からトラックやタクシーの運転手さん、仕事中のサラリーマンや、工事現場のおじさんたちがひっきりなしにやってきます。
うちの娘も、ここの岩のりラーメンが美味しい!と言っていましたので、訪問で遅くなった帰りに寄ってみました。

私は、葱とチャーシュウが絡み合ったものを想像して「ネギチャーシュウ!」と頼んだのですが、出てきたラーメンの量にビックリ。

わー!!なんつうチャーシュウ。こんなにいらない!!
しかも、厚さがとんでもないし・・。

でも、美味しかったです。
スープはややこってり醤油スープで臭みがなくて、短冊のネギもシャキシャキでうまし!

ただ、チャーシュウは食べきれず、3枚を丼の底に隠してご馳走様をいたしました。

もしも食べるなら、普通のネギラーメンで十分お腹いっぱいになります。
肉体派のかたは、お勧めです。



退院調整とリサイクルショップ

2012-02-20 23:09:40 | 訪問看護、緩和ケア
退院調整にあたっては、ケースバイケースで在宅に戻る準備をします。

一般的なのは、介護ベットを準備して、居室の整備をすることで、介護は家族がいるし、あとは訪問看護とか在宅往診医とか決めればいつでもOK、みたいな感じでしょうか。

でも、地域性もあるのでしょうが、ほとんど家財道具がないお宅もあります。

ご家族の支援もなければ、家財度具もない。
あるのは、かろうじて薄くて古いお布団と、ヤカンとストーブとお茶碗とか。
時には暖房器具がなかったり、ガスコンロが無かったり、冷蔵庫が無かったりすることもあり、退院の話が出ると、在宅の受け入れ準備に、この辺の用意までしないといけないことがありますよね。

もちろん、ケアマネがいればケアマネに委ねますが、うちの場合はケアマネ・訪問看護セットでのご依頼が多いので、これは致し方ありません。

行政もなかなか手が回らないし、こちらで何とかするしかありません。

そこで、活躍するのがリサイクルショップです。

ケアマネさんのなかには、使いやすいリサイクルショップを見つけておいて、いざというときに電話で必要な家電品などを伝え、値段交渉してご利用者さんにご紹介している方もいます。

この近所にも、一見ガラクタ倉庫みたいに見えるリサイクルショップがあって、聴いてみるとこれが何でもそろったりするのです。
しかも格安で・・。
まるで、ドラえもんのポケットのようですね。

とりあえず、独居で一人で在宅療養をするのだったら、ベット(立ち上がれれば布団でもいいのですが・・)と、電灯と、この季節暖房器具と、冷蔵庫、まな板、包丁、やかん、食器類1組、着がえ数枚、タオル数枚。
このくらいあれば、大丈夫でしょうか・・・。

先日、寝たきり独居で退院された方は、食事作りのヘルパーさんを入れるために、ガス台1500円で購入しました。

もっと以前、暖房器具が全くなくて、冬場凍えそうだったかたは、病院のケースワーカーが、エアコン15000円工事費込みで見つけてくれました。

洗濯機の無かった方は、ヘルパーさんが手洗いしてくれましたが、結構大変そうでした。

で、今回は冷蔵庫を探す予定です。
いくら冬でも、食材は痛みますから、電子レンジは我慢しても冷蔵庫はいりますよね。

独居でも「、絶対家にいる!ここで死ぬ!」と言われる方は結構多くて、随分ご自宅からお送りしました。
こういう決断をされる方々のなかには「流れ流れて」のかたとか、「自由奔放我が道を行く!」「宵越しの金は持たない!」「金はあるけど、使わない信念がある!」というかたも多くて、在宅を始めるにあたっては、まあ一悶着あったりはします。


それでも何でもなせば成るし、在宅が開始すれば、意外とうまくいくことが多いです。

よほど危険行為を繰り返したり、近隣の方にご迷惑をおかけしない限りは、ご本人の意思のまま最後までご自宅にいることはできるのです。

「そんなことは無理。できるはずがない!」というのではなくて、可能な限りそれが出来る地域であり、事業所でありたいですね。

終った!スクーリング3日間

2012-02-19 22:05:20 | 大学の事
終末3日間、休日を返上しての間詰スクーリング。

金曜の夜は、池袋のプラットホームは雪で、凍えそうでした。




そして今日最終日、肩こりで、身体バリバリです。

3日間でなんとなく理解したことは、認知行動療法の理論。



いわゆる「パブロフの犬」でおなじみの、条件付けというものには、無条件刺激に対して生得的(もって生まれた反射)な無条件反応が起こることで、実はそこからさらに別の刺激を一緒に与えたりして、犬の反応を調査研究したものなのです。(古典的条件付けによるもの)

この時期の研究者は、人間の赤ちゃんでも実験していて、赤ちゃんに白い鼠を見せて、さわったら大きな金属音を聴かせる、という実験までしていました。
これは「アルバート坊やの恐怖の条件付け」とか言って、結局このぼうやは、サンタさんや白いウサギを見ただけで怯えるようになってしまったというものです。(これを汎化といいます。)

今こんなことしたら、間違いなく世界中からつるし上げられますよね。

で、この古典的条件付けと、刺激により環境に対して自発的に行動を起こす、オペラント条件付けというものがあります。

これは、自発行動を変化させる刺激である強化子と、先行して提示される弁別刺激により行動が変化するというものです。

たとえば、教室で一人の生徒が問題行動を繰り返していたとき、それにはある条件下で(先行条件・弁別刺激)その生徒が自発的に問題行動をおこし、その結果生じた結果があると言う事を、ばらして分析していくわけです。

周囲の状況も観察して、客観的な状況判断をして、そこからなぜその生徒が、その行動をとるのか。
その行動を変える別の刺激(強化子)に置き換えることで、その生徒の行動(オペラント)を変えていこうというのが、いわゆる行動療法の原理なのだとわかりました。

いろんな事例から、それを分析し、さらに条件付けの消去の方法や、学習方法を選び、いかに自己効力感をあげていくかをグループワークで話し合ったりして、ちょっとだけ見識が広がりました。

毎回思う事は、心理学って実験とデーター収集がバカほどあって、妙な実験やらグラフやら統計やらなかり長々と続きます。
いい加減嫌になったことろに、そこから実際の精神療法が導きだされてくるわけで、そこでなるほどーと、やっと目が覚めるわけです。

人の行動や思考をこんなにバラバラにして、組み替えることで、治療効果が上がっていくのは、なんだか不思議ですが、確かになるほどな~と思えるようになりました。

これは、子育てや学校教育のうえで、すごく必要な事でした。
結局、なんとなく体験的にわかっていても、じゃあなんで?っていう根拠があるかないかでは、対応は変わってくるのだとおもいます。
学校の先生は、こういう勉強するのかな?
頭ごなしに怒ったりしても、効果はないんだよ~っていう実験もありました。

というわけで、ちょこっとだけお利口になったところで、明日からお仕事です。

ちょっときついけど、頑張ろうかな。
お仕事山積残っていますので・・。

学習心理学。今日からスクーリング!

2012-02-17 22:14:45 | 大学の事
週末3日間の早起き。辛いよ~。

なれない電車通勤も辛いです~。

この満員電車に毎日乗っている皆様、ご苦労様です・・。
わたしは、今日一日でヘトヘトデス。

ちなみに、電車で本を読んでいたら、すっかり酔ってしまったみたいで、気持ちが悪くなってしまいました。
なんとなく調子が悪いなかでのスクーリングでしたが、とにかく一日目が終わりました。

学習心理学一日目は、心理学の基礎ともいえる、「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」から始まり、「三項随伴性」「弁別」「強化子」などの意味理解を深めるものになりました。
って、いまいちよくわかっていませんが・・。
最後に、映画のDVDを視聴し、「その内容を学習心理学的な見方で話し合ってみましょう。」というものでした。

その映画は、「学校Ⅱ」という映画で、山田洋二脚本、監督で、西田俊之、石田あゆみ、永瀬正俊が養護教諭、養護学校の生徒に吉岡秀隆、神戸浩、西田俊之の娘役はなんと浜崎あゆみでした。

1996年の作品だから、みんなすごく若い。

吉岡秀隆は、軽度の知的障害でいじめで心を閉ざしてしまった高校生の役。幼さが残る青年。
神戸 浩は、いつもこういう役が多いけれど、ほんとうにすごい。
母親から離れて、初めての養護学校の生活に馴染めず、好き勝手に動き回り、排泄も自分では困難な状況で、周囲を混乱させている。

それぞれの親の気持ち、ベテラン教諭の関わり方、若い教師の関わり方、目線の違い、お互いが影響し合ってそれそれが成長し、心を開いていく経過は、すごく良かったです。
実は、時間の関係で半分の1時間しか見られていないので、いつかDVD借りてこようと思います。

脚本も監督も、配役もすごい面子なので、ほんとうにリアリティのある、心に響く映画であると思います。

心理学とか関係なく、ぜひ一度見てほしい映画です。
今なお精神疾患や障害者に偏見のある現在にあって、人と人との関わり方の本質が見えてくる、胸を打つ作品だと思いました。

というわけで、明日は今日より1時間早く起きなければいけないので、もう寝ます。

うーん。早起き弱いんですよ~。お休みなさい・・。




なんで求人会社なのだろう??

2012-02-16 22:50:05 | 訪問看護、緩和ケア
今、看護師のブログや医療関係のHPなどに、必ず張り付いてくる人材会社の広告。
看護師の人材は、今や高額の商品みたいですね。

ステーションにも、しょっちゅう電話がかかってきます。

「こちらに就職希望の方がいらっしゃいます。如何ですか?」
「登録して頂ければ、良い人材を雇用でします。」
などなど・・・。

いろいろ聞くと、どうやら今の若者は自分で職場を探すのではなく、自分はいつもどうり生活しながら、登録した会社に探してもらって、気に入ったところを見つくろうらしい。

登録した求人内容にマッチして、勤務先との雇用契約が成立すれば、人材会社にはその人の年収の10~20%位が雇用できた会社から支払われ、会社によっては人材会社から雇用された看護師にお祝い金まで出されたりする。

看護師が正職員になったとして、その年収の10%ってかなりの金額になる。

500万としても、50万円があっせん業者に支払われるのだから、これは美味しい話です。
同じように、医師や薬剤師、PT、OTも高額な商品として取引されていて、みなあちこちの会社に登録だけして、美味しい仕事先が見つかるのを待っているようだ。

実際、そういう会社経由で雇用したことがあって、すごくいいナースでいいケアをしてくれたものの、家庭の事情で11か月で退職となってしまった。

この時は、雇用促進の事業で補助があったから、チャレンジできたものの契約成立の費用のほかに、同行訪問を組む費用まで考えると、相当な出費になってしまい、うまく継続できればいいが、早い退職でせっかく受け持った患者さんを、またほかのスタッフに振り替える作業や、ほかのスタッフのモチベーションを考慮すると、ものすごい賭けになってしまう事がわかった。

今日も一件、うちのステーションで「働きたい方をご紹介したい。」と言って電話が来たが、もう補助もないので、断念せざるを得ない。
リスクが大きすぎるから。

っていうか、この近隣で、うちに就職したいと思ったのなら、ホームページでもステーションの前にでも募集の文字を掲げているのだから、自分でなんで電話してこれないのだろうか??

ハローワークや看護協会なら理解できるけど、こういう会社が自分を高額な商品として売りつけると言う事を分かっているのだろうか?

自分の働く場所を、自分で探して自分で確認するのは、そんなに煩わしいことなのかな?

そして、最近つくづく思った事。
「訪問看護がやりたい!」この気持ちがなければ、訪問看護は難しいと言う事。

普通のクリニックや病院とは明らかに内容が違うので、「看護が大好き。」「人が大好き」「ちゃんと患者さんと向き合っていきたい。」という思いがないと、ただ辛いだけになってしまうから。
訪問看護は、基本一人で訪問して、決められた時間のなかで、必要なケアをみきわめ、患者さんやご家族の思いに添いながら計画し、継続していくもの。
しかも、家庭に入るわけだから、生活のなかで個々のスタイルがあり、それぞれの家族もいる。
そこに、困難があっても、それに向き合う事に「大変だけど、おもしろい!」と感じられるかか分かれ道なのだと思う。

そして、良い意味で多少の事は気にしない鷹揚さや寛容さ。
いろんなものをキャッチできるアンテナと、自分でため込まないで発信できる力。

ぶっちゃけて言えば、元気に訪問して、あまり考えすぎないで、分からなかったり困ったらすぐに周囲にヘルプ!と叫べればいいだけのこと。

それだけのことであって、看護師であれば、誰でも楽しんで出来る仕事なのだと思う。

これは、性格の問題なので、合う合わないがあるのは当然ことなので、合わなかったら合わなかったで何の問題もない。


そう言う事って、自分で話を聞いて、見に来て、雰囲気も確かめてみればよりわかると思うのだけれど。

訪問看護に限らず、自分の職場は、やっぱり自分で探した方がいいと思うのだけれど。

ちなみに、うちはもう求人の会社からの雇用はやめました。

愚痴っぽくなったので、最後は訪問先でみた梅の花をアップします。
ちらつく雪の中、緋色の花が凛として美しく、階段の途中でしばらく見とれてしまいました。

                     

高濃度酸素吸入で・・

2012-02-14 22:26:59 | 訪問看護、緩和ケア
今日訪問の患者さん。
重度の肺性心で、高濃度酸素療法が必要です。

通常はリザーバーマスク、食事時だけオキシマイザー(リザーバーカニュレ)を、7リットルで使用することになっています。
パルスオキシメーターは、指につけっぱなしで様子を見ていましたが、とりあえずSPO2 93%前後で低めの安定というところでした。

しかし・・・
ここでいきなりブレーカーが落ちてしまいます。

寒かろうと、家じゅうの電気ストーブをつけていたようです。
昼間なので、この前のように真っ暗で何も見えないと言う事はなかったのですが、今度は高濃度の酸素が必要な患者さんです。

在宅に戻るために、NIPPVからリザーバーマスクになったばかり。

すぐに、ブレーカーを上げましたが、SPO2はすぐ80代になってしまいました。

やはり、酸素濃縮器を入れるときは、ちゃんと家の電力の状況を確認しないとダメですね。

そして、今回も入ってすぐなので酸素ボンベが玄関の方にあって、とっさの付け変えは出来ませんでした。

うーん。

とりあえず、ブレーカーが落ちたら上げれば済みますが、もし夜中に本当の停電があったら、慣れないご家族だけではかなり焦るのではないかと思います。
(さらに、一人の時間もけっこうあるので、その時はかなり心配。)

すぐにボンベを持ってきてもらいましたが、残量もかなり少なくて、夕方担当の看護師にも付け替えの練習をしてもらいました。

冬場は、暖房器具が思いのほか電気を喰っているようで、特にお年寄りの家庭はアンペア数が低いことが多いので、事前のチェックは必要なのだと思います。
今まで、HOTの患者さんでブレーカーが落ちた事がなかったのですが、今年に入って2回も落ちたので、ここは注意する必要がありますね。
人工呼吸器だと、最初から気にしますし、予備電力まで考えますが、HOTとなるとそこまで考えないことが多いような気がします。

酸素濃縮器では、テルモさんが「O2グリーンいぶき5SP」とかいうバッテリー機能付きの物を出していますね。最長75分のバッテリー内臓だそうで、停電になってもゆっくり対応できる時間を確保したのだそうです。

以前、暗闇でのブレーカー探し事件の時に、Yamamoto先生がコメントで「少しぐらい酸素なくても大丈夫。看護師があわてる方がよくない。」と怒られましたが、こういう高濃度の酸素が必須の患者さんは、どのくらい大丈夫なんでしょうか???(Yamamoto先生、お答え、お待ちしています。)

ちなみに、リザーバーマスクとオキシマイザーですが、これは高濃度の酸素が必要な患者さんに用いる酸素マスクで、6リットル以上の流量で使用します。
マスクの場合、マスクにビニールの袋がついていて、ここに酸素を貯めてから吸入することで、効率的に酸素を吸入できますし、時にカニュレなどは、いきなり酸素が吹きつけてこないので、ソフトな吸入が出来ます。
カニュレは、オキシマイザーペンダントなどで、一度酸素をためますが、水滴がたまりやすいので、加湿器は使えません。
通常のカニュラだと、6リットルで吸入酸素濃度が44%、マスク6~7リットルで50%、リザーバーマスクだと60%まで上昇します。(空気中の吸入酸素濃度は20%です。)

とはいえ、いくらリザーバーがついていても、7リットルの酸素が噴出してくるカニュレは、患者さんには辛いものがありますね。
うっとうしいけれど、マスクが楽だと思います。

そういえば、私の手術時の体験でいえば、あの酸素マスク、付けると変な匂いがします。
ビニール臭いだけじゃなくて、なんか変な匂いです。
それがすごく嫌だったのを、思い出しました。


ともあれ、2度も繰り返してしまった、ブレーカーによる停電。
これからは、注意事項として忘れずに確認したいと思います。

人が増えれば、利用者が減ったりして・・(~_~;)

2012-02-13 23:08:33 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護は、ご利用者さんがなかなか安定しないのが悩みです。

人がいないよ~。忙しいよ~。
といって、新患さんをとれないでいると、あっというまにご利用者さんが入院したり亡くなられたりで、穴だらけになります。

あわてて、営業をかけるのですが、これがそんなにタイミングよくいくはずもなく、なかなか埋まらないうちに、新しいスタッフも加わり、ますます余裕が出てきました。

なんでこう、押しなべて平均して患者さんが安定しないのか。

そりゃあ、人は明日のことはわかりませんから、そんなにうまく予測は立てられません。

だいたい、うちは終末期の患者さんが多くて、訪問のスパンがとても短いのです。

それに、強引な訪問もしないし、ご家庭の経済状況を考えれば、なるべく少ない訪問回数を設定します。

こりゃあ、そろそろ営業に回らないとだめですか・・

この辺も、訪問看護ステーションがたくさん出来てきましたから、患者さんを受けきれずに、ににっちもさっちもいかなくなることは無くなりました。
その分ゆとりもできましたが、あんまりのんびりしていたら、ちょっと上から発破をかけられました

わははは。

でも、いつも水物の訪問看護ですから、本当はあまり心配していません。
来るときゃ来ますって。

ところで、4月以降の改定が細かくあって、料金表から何から見直さないといけませんね。

今、うちのホームページを全く新しく作り直しているのですが、料金改定後の物を作らないといけないので、まだまだ時間がかかりそうです。

今のホームページは、昔ジャストホームが出していたホームページソフトで作った、メルヘンチックなものですが、すでにそのソフトでは対応できなくなっていて、サイトもFC2に変えたものの、ほとんど更新できないままほったらかし状態です。

そこで、昨年初めにホームページビルダーを購入し、新たに作り直して差し替えようともくろみましたが、忙しさに加え取説もちゃんと読まなかった為、どうにもうまくいかず、とん挫していました。
とりあえず、解説本も買ったまま放っておいたのですが、このところ余裕が出来たのを期に、ちゃんと読んでみました。

けっか、これならいけそうと思い、先先週くらいから着手しました。

やり始めればなかなか面白くて、ちゃんと読めばサクサクと出来るじゃありませんか。
あんまり凝らなければ、結構簡単かも・・。
で、今はトップページ、訪問介護のページ、訪問看護のページ、ケアマネのページと順調に作成中です。
ヘルパーのページには、うちのヘルパーさんが調理実習で作った治療食もアップして、かなりカラフルになりました。

あとは、Q&Aとかリンクとか、トピックスのページとかを作り、とりあえず一度アップしてみようかと思います。
うまくできればお慰みです。

ホームページって、作成会社に依頼すると50万とか60万とかかかるし、管理料やサイト使用量や、レイアウトを変えるだけでもウン千円からウン万円とかかるので、経費節減のためここは頑張りたいと思います。

ちゃんとアップ出来たら拍手をお願いします。

緊急当番だけど・・。

2012-02-12 22:54:55 | 訪問看護、緩和ケア
緊急当番ですが、とっても静かです。

木曜日の夕方に緊急訪問が一件。
そして、今朝も一件だけ緊急電話が・・。

それは、Gさんに訪問中のヘルパーさんでした。
内容は、「Gさんの奥さんが、頭が痛くて元気がないんです。Gさんがすでに2回も薬を飲ませたようですが、まだ痛くて辛そうなんですが、どうすればいいですか?」って。

う~ん。
私は、Gさんの訪問看護で行ってはいますが、奥さんの病状までは責任が持てません。

でも、二人で一人のなかよし夫婦。
先日、ケアマネさんに連絡して、脳外科の病院に受診させてもらった方です。
その時のCTは問題なし。
1か月後、慢性硬膜下血腫も考えて再度検査予定ではありますが・・。

こういう時、本当に困ってしまいます。
もっと具合が悪ければ、即受診の手配をお願いできますが、あいにく今日は日曜日。
救急外来を受診するほどでもなさそうです。
まして、指示書もないので私が動くわけにもいかないのです。

安静に寝てもらって、ひどくならないようなら、明日の状態でケアマネさんと相談しましょうと言って切りました。

こういう緊急電話は、時々あります。
簡単な相談事なら何の問題もないのですが、いつかのように訪問したら「実は娘を見てほしかった。」なんて言う事もあり、困ってしまう事あるのです。

Gさんに関しては、訪問しても奥様に関わる時間が増えているので、場合によっては奥様の指示書を貰って、ご夫婦ごと見ていくことも必要かもしれません。

実際、こういう事からご夫婦や親子、兄弟で訪問看護に入ることになる場合がままあります。

生活の中で患者さんを支えるというのは、そこにあるもの、家族や家や周辺の環境などとのバランスの中で看なければならないわけですし、「沿う」と言う事であれば、共にあるものにも気を配っていく必要がありますから。

このところ、私の緊急当番の時は、落ち着いていることが多くて、なんだか申し訳ないような気がします。

昔、病棟にいた頃には、私と夜勤を組む人に申し訳ないほど荒れる人でした。

ウン十年前、勤務していた市内の大学病院は、まだ救命救急センターがなくて、私が勤務していた3の2病棟という病棟が、整形外科病棟と救急ベット4床のある緊急対応のできる病棟でした。

私が夜勤の日は、かなりの確率で急患が入ったり、緊急Opeになったり、亡くなったりとバタバタすることが多くて、死神のように言われたこともありました。

今の仕事になってからも、緊急当番で大荒れと言う事もよくありましたが、ここ数年めっきり減りました。なんだか、憑きが落ちたというか・・・
その分、若い人に移っちゃったみたいで、本当に申し訳ない思いですが、ラッキーです。
緊急電話はならないのが一番ですから。

それに、緊急出動が無いような日頃のケアに、スタッフのみんなが頑張ってくれているからだと、私は思います。

来週は、また忙しい一週間となりそうなので、今日はもう寝たいと思います。