こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

看護師ブログのランキングです。ポチッってしてもらえると励みになります。(^^)/

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村

ただいま大改造計画実行中!

2012-03-31 23:55:24 | 日々のあれこれ
毎日、仕事から帰って少しずつ片付けをし、壁を塗っています。

そして、今日も一日家族全員で大きな荷物を移動したり、ドッタンバッタンと格闘していました。
おかげで今日は大分はかどって、娘の部屋の壁も、娘と息子が一緒に半分ほど塗り終わりました。
やはり、部屋が明るくなります。
あまり上手じゃない所が、いい味出すような気がします。
漆喰の温かみが出て、なかなかいい感じに仕上がりそうです。

途中、娘と我が家のワンコの面会に行ってきました。
まだ、10日ほどしかたっていないのに、大分しっかりして、ずっしりおもくなっていました。

今日のワンコは、こんな感じ。

  

名前はまだありません。
私のつけた名前は、娘に却下されました~。

来週の金曜日には、いよいよ我が家にやってきます。
すごく楽しみです。

そんなわけで、今日もへとへとです。
(緊急訪問もあった!!)

また明日も、作業が待っていなす。
うーん。
いつになったら終わるのかな~。

行き場のない人々

2012-03-30 23:30:26 | 訪問看護、緩和ケア
世の中には、病院や老人施設などがたくさんあるように思えますが、実はそのどこにも行き場のない人たちがいます。
しょうがいないから、なんとか家で頑張っていても、いよいよどうにもならなくなる時が来ますが、さて、どこに繋げようかと見渡しても、帯に短したすきに長しで、途方に暮れてしまうのです。

いちばん受け入れ先が無いケースは、認知症と精神疾患と、重度の内科疾患を持っているケースです。

精神病院はあっても、重篤な内臓疾患があると、そちらを先に治してください、と言われます。
一般病院にお願いすると、「うちには精神科がないので、無理です。」もしくは「暴れたり、抵抗しませんか?そういう場合はうちでは無理です。」などと言う事になります。

だいたい、今ある精神症状が認知からきているのか、パーキンソン病などからきているのか、精神疾患から来ているのかさえはっきりしないで、これはもうたらい回しのようになってしまいます。

それでも、なんとか周囲のサポートで家で過ごしていても、次に尿閉が起こってしまい、バルンを挿入したとします。

でも、認知?があるので、自分の身体に入っている管を見て「これはなに?!誰かが私にこんなものを入れた!」と言うところから始まり、「いろんな人が家に入り込んで盗んでいく!」「お釜のご飯が全部目玉になっている。」などの幻覚の中、バルンカテーテルを自力で抜去したりするのです。

バルンカテーテルは、膀胱の中に管を入れ、先にある直径1センチほどの風船を膨らましてあります。
これを一気に引き抜くのは、ふつうかなりの勇気がいりますし、これを無理に抜くと、ひどい時は尿道を傷つけてしまいます。
先日も、自分で抜去したバルンカテの、風船が膨らんだままお風呂に浮いていました。

尿閉であるという事はすぐに忘れてしまうし、日々妄想と幻覚の中で怯えています。

結局ケアマネも看護師も、施設や病院を探し、ようやく問題行動があればすぐに返すという約束で、老健にお願いすることが出来ました。
その後には、入院の受け入れ先も決まっていたのですが、あとでまたごちゃごちゃと言ってきています。


本当は、精神科と内科があって、精神症状の治療をしながら、お体の方も治してもらえるのがいいのだけれど、こういう病院は限られていて、よほどのことがなければ入れません。

自傷、他傷があるとか、大暴れをしているとかでない限り、そういうルートが見つからないのが現状です。
こういうケースは、実は意外と多くて、在宅のサポーターやご家族は、本当に大変な思いをしています。
国レベルで、こういう心身両面をケアしてもらえる施設や病院を、作ってもらえるとうれしいのですが・・。
本当に、難しいですね。

嚥下の卒業試験

2012-03-28 23:00:02 | 訪問看護、緩和ケア
昨日は、以前にも何回か書いた摂食訓練中の患者さん(摂食訓練中・・)の担当者会議がありました。

思い起こせば、3年以上前にほとんど動けない状態で退院された患者さんです。
当時は、くりかえす誤嚥性肺炎とイレウスで、気管孔があり吸引も行っていました。
経口摂取はもう一生無理との診断で、CVポートからの中心静脈栄養をされており、家の中を歩くのさえつかまり歩行でやっとの状態でした。

それが、1年ほど前には気管孔が閉鎖され、近所を散歩できるようになりました。
やがて、ほんの少量のトロミ水から経口が始まり、嚥下サポートチームの結成で、一進一退を繰り返しながらも、嚥下評価をしながら経口食が増えていきました。

間には、嚥下訓練の徹底や、食事時の見守り、食材の吟味や形態の検討も行っていました。
途中、CVポートからの感染や、妻の病気入院、さらには最愛の一人息子さんの死も乗り越えてきました。

今年に入り、いよいよCVラインは抜去され、経口摂取のみでの生活となりました。

そのための栄養補助食品のご紹介などもしてきました。

一時は、低栄養のリスクが高まり、一時的にIVHを再開したものの、先月からはずっと経口摂取のみで経過されています。
ヘルパーさんの作ってくれるのもと栄養補助食品で、最近ではほとんど体重の減少もなくなり、ADLは公共交通機関を使って妻の病院へ通うこともできています。

昨日の担当者会議。
今度の介護保険の亢進では、へたをすると要支援になるかもしれないMさんの、自立へ向けての総決算カンファのようになりました。

本人は主治医が送迎で連れてきます。
そして、主治医、嚥下機能評価をしてくれる歯科医師と助手、クリニック看護師2名、MSW1名、訪問看護師私と担当者の2名、ケアマネ、ヘルパーのサ責、訪問入浴スタッフ、管理栄養士など総勢13人での担当者会議でした。

色々な意見がどんどん出てきました。
今後介護度が減った時、嫌でもサービスをあまり使えなくなる状況の中で、もう、これはご本人に自立して貰うしかない状況での話し合いです。

訪問入浴は、今後は自分で入浴をする方向となり、まずは風呂場の環境調整をし、しばらくは訪問看護とヘルパーでの見守りをしていくことになりました。
そして、食事はヘルパーにお願いするとともに、作り置きの物を自分でとろみをつける、温める、嚥下指導の通りゆっくり食べる、あとかたずけも、洗物も自分でするという、今までの練習成果を確実に行うということに。

そこで、ご本人曰く「先生方、私はもう普通に何を食べても大丈夫だと思うのです。」と。

嚥下担当のI先生、「本当は、まだまだ嚥下機能としては、心配な部分があります。」
「いやー。先生は厳しいから。でも自分はもう大丈夫ですよ。カレーうどんが食べたいし。」
「わかりました。そうしたら卒検をしましょう!」
一同「卒検?!おお~、それはいいかも!」

と言う事になり、ご希望のうどんを食べながらの卒検が行われることとなりました。

5月には、介護保険の更新があり、現在の介護度3から大幅に下がる事が予測され、5月からの自律に向けての訓練が本格化されるわけです。

それにして、卒検の日が訪れるとは、当初夢にも思いませんでした。

80代半ばで、CVポートと気管孔に吸引の状況から、在宅でここまで回復されるなんて、ほとんど奇跡的と言っていいような状況です。
経口開始で、当初心配されていたイレウスさえも、いまのところ排便コントロールでクリアできています。


それにしても、Mさんの嚥下サポートチームはすごい結束力でした。

これは、この地域の自慢ですね。
胸を張って、いいチームケアが出来たといえると思います。

80代半ば、独居男性のMさんの、本当の自立はこれから始まります。

いざとなれば、すぐに手は差し伸べられますが、とにかく彼の意気込みもすごくて、みんなで応援したいと思っています。
頑張れ卒検、めざせカレーうどん!!

医師のムンテラ

2012-03-26 21:59:30 | 訪問看護、緩和ケア
ムンテラとは、業界用語で医師が患者に病気や病状の説明をすることを言います。
欧米では、この言葉の代わりに、"Patient Education"というのだそうですが、このムンテラは、人の人生を左右することがあると言う事を、知らないドクターがまだいます。

昔、先生の励ましや「大丈夫だよ。」の一言で、すぐに元気になっちゃうことを、「さすが、先生のムンテラマイシンよく効くわ。」と言っていたことがありました。
それほどまでに、医師の言葉は患者にとって重いのです。

筋委縮性側索硬化症。
その病名を告げた時、その医師はその進行の速さと、いずれにしても最後は亡くなるのだと言う事を、いともあっさりと、何の躊躇いもなく、相手の表情も見ることなく告げたそうです。

もちろん、病名はちゃんと告げるべきですし、経過をお伝えすることは必要です。

でも、告げるときの言葉の選び方や態度は、医師以前に人としてどうあるべきなのか・・・。
辛い病気の宣告の中でも、精いっぱいの治療と支援をしたいのだという思いがあれば、それはおのずと伝わります。

当然、その衝撃は尋常ではありません。
どれほどの絶望と、どれほどの苦しみなのか、それはもう、私たちにははかり知れないことです。

呼吸筋の麻痺が出始めると、何をするにも息苦しく、特に眠りにつくと呼吸がうまくできずに、目が覚めます。
呼吸がうまくできない、うまく息が付けない。
そう言う訴えに、医師は鼻マスク式の人工呼吸器を勧めたそうです。
そして、「あ、こう見えてもこれ、人工呼吸器だから。」と。

彼の心は、もうそこで止まってしまいました。フリーズ。

「人工呼吸器は付けない。もうどうせ死ぬんだったら、誰の迷惑もかけたくない。何もしないで早く死ぬ。」
「あの先生のところに行くくらいなら、このまま家で死なせてほしい。」

それでも、あまりの苦しさに受診をすると、病棟から降りてきた医師は「何しに来たの?」という言葉。

彼は、入院したことで違う医師が主治医となり、初めて暖かい声掛けや、ちゃんとした病状説明を受けることが出来ました。
そのため、その医師の勧めで鼻マスクの呼吸器も試しましたが、彼のなかではすでにそれは受け入れがたいものとなっていて、「やっぱり合わない。」として酸素だけで退院することになりました。

退院したら「元の主治医に戻る」という話を聞いて、毎日のように妻は泣きながら電話をしてきましたし、本人は「もうあの先生なら病院にはいかない。」と言ったりしました。
妻から、入院中の主治医に、退院後も継続してほしい事を懇願し、なんとかあの医師から離れることが出来ました。

でも、今もあの時の言葉が彼の心を氷つかせたままです。

あの時、NIPPVがただの人工呼吸器ではなくて、夜快適に熟睡し、昼の日常生活の範囲を広げるために、とても有効なツールの一つだと、QOLを上げ、家族の負担も軽減できるための物なのだと話してくれたら、もしかしたら彼にとって、NIPPVは絶望の器械にはならなかったのではないかと・・。

この苦しみのなかでも、彼にとって残すべき事、伝えるべき事、やるべき事の大切さを見出せる可能性を引き出せるような対話があれば、きっと彼と彼の家族が、これほどまでに絶望せずに済んだのではないかと・・・

どんな言葉も、彼の心には届かないかもしれないけれど、切り捨てるような言葉ではなくて、それでも私たちは、あなたの力になりたいのだという事が伝えられれば、どうしようもない時の、心のよりどころになり得たかもしれないと、悔しくて、悔しくて・・。

言葉は、人の人生をも左右するのです。
ムンテラのせいだけとはいいません。
けれど、医師の言葉や態度が、時に人を勇気づけ、時に奈落の底に突き落とすほどの影響があるのだと言う事を、どこかで学習してほしいものだと思います。(って、教えられてわかるのではないですが・・)
今日、誰かが言ってました。
「神経内科じゃなくて神経無いか!だよ。」

小規模多機能における緩和ケアとターミナルケア

2012-03-25 23:11:36 | 訪問看護、緩和ケア
3月23日の午後から、市民セクター主催「小規模多機能における緩和ケアとターミナルケア」の勉強会が行われました。
場所は、瀬谷区のめぐみ在宅クリニックを借り、小澤院長より「地域で支える暮らしと命」の講義から始まりました。
先生の後に、私も「小規模多機能事業所と訪問看護の連携~看取りに取り組む~」という題でお話をさせていただきました。
次に、いつもいいタッグを組ませてもらっている、小規模多機能「わくわくの里」の管理者飯塚さんの事例報告が行われました。

そして休憩の後、市内の小規模多機能事業所の関係者によりワークショップが行われ、約4時間の長い勉強会となりました。

小澤先生は、いつものようにどこであっても、どんな病気であっても安心して生活できる社会を目指すこと。
そのためには、安心して過ごすことのできる場所を、ご本人が選び、地域として支える私たちであらねばならないというお話をされていました。

人が、自然な形で衰弱し、亡くなっていく過程を、サポートする側の介護職が知ることはとても大事なことです。
小規模多機能のスタッフの多くは、まだまだ人の死に立ち会う事すらない方も多く、いたずらに不安を抱くこともあり、看取りの過程や、そこで何が必要かなど、お話ししてくださいました。
そして、何より大切なのは、そこが生活の場であると言う事で、排泄や清潔の維持など、今まで出来ていたことが出来なくなると言う事の苦しみに向き合っていくのだと言う事です。

私は、小規模多機能が、他サービスとの連携で問題となることについて、焦点を当ててお話ししました。
訪問看護は、介護保険で行く場合は、在宅には訪問できても、小規模の通いや泊りのサービス先にはい行けません。
小規模多機能にも看護師はいますが、時間が限られており、患者さんの病状に変化があった時や、医療的な処置が必要な場合を想定して、普段から対応を考える必要があります。
このため、可能であれば医療保険での訪問に切り替えることも必要です。
末期癌であれば、必然的に医療保険が優先されますし、老衰の終末期など、介護保険が優先される場合は、医師とも相談して特別指示書の交付も検討します。
いずれも、重度障害や特定疾患、生活保護などでなければ、利用料がかかりますので、十分な配慮は必要になります。

また、どこで最後を迎えるのかという選択では、臨機応変に通いや泊りを利用しつつ、徐々にどこで最後を迎えるかを、ご本人もしくはご家族が決めることになります。
今回、事例として泊り施設での看取りをされたかたと、ご自宅でヘルパーさんの手厚いサービスを受けながら看取られた方の事例をあげました。

同じく、わくわくの里さんからも、同じ事例の詳しい発表がありました。

双方で、一致した意見では、生活の場であるにも関わらず、小規模多機能では訪問入浴を受けることが出来ず、清拭やベット上洗髪などでしか、清潔援助が行えないと言う事です。
たとえ、血圧が60しかなくても、ご家族の承諾があれば、在宅では訪問入浴をお願いすることが出来ます。
同じお風呂に入るのなら、亡くなってから冷たい水の湯かんをされるよりは、命ある間に大好きな、温かなお風呂に入ったほうがいいのではないか、という意見で一致しました。
(私は、湯かんというものが、冷たい水で行われるのだと言う事を、最近になって知りました。寒そうで、私的にはちょっと抵抗がありますね。)
訪問入浴は、とても丁寧ですし、本当にそっと上手に入浴をしてくれます。
横になったままで、すべてを委ねていれば、それほど苦痛と言う事はないと思います。
ケースバイケースですが、うちのご利用者さんは、病状が思わしくなくてもかなりの方が「でも、お風呂大好きだから、お願いします。もし、途中で息を引き取っても、きっとそれはそれで満足してくれると思います。」と言って、ご希望になります。
日本人は、お風呂大好き民族ですから、人生の最後にこれも選択の一つですよね。

途中から、横浜市の高齢福祉課の方も見えて、なかなか実りのある会となりました。


ところで、昨日今日と我が家の部屋のシャッフルは続いています。
もう実はヘトヘトです。
今日も大きな箪笥を夫と二人で移動したり、これでもかと出るごみの山と格闘して、一日が終わりました。
まだまだ、登山でいえば6合目くらいでしょうか・・。
明日も、帰宅後に少しづつ頑張ります。
体力勝負です。しんどいです~。

膀胱瘤って・・?

2012-03-23 23:34:56 | 訪問看護、緩和ケア
昨日、審査会の会議の10分前に、スタッフMさんから電話が。
「今から、○○さんのところに、見に来てくれませんか?」
「え?今からは無理。審査会。でも、何?
「○○さんのところに来たら、便秘だったので、浣腸しようとしたら、何かが出ているんです。」
「本人曰く『2日前から、お股に何かがぶら下がっている。』」と言っているとのこと。
「薄ーいピンクのツルツルしたものが、陰部に盛り上がっている?」
「そう!そうです!」
「たぶん、それ子宮脱だとおもうよ。子宮の支持組織が弱って、子宮が反転して出ちゃうことあるから、とにかく婦人科に受診の手配をとって診てもらってね。」と話しました。
ナースMは、子宮脱を知らず、「えー?!そうなんですか?わかりました!」といい、ケアマネさんに手配を頼みました。
受診同行のヘルパーの都合で、今日婦人科を受診してもらいましたが、あれは子宮脱ではなくて、「膀胱瘤」だと言われたそうです。
「膀胱瘤」
これは知りませんでした。
調べると、子宮脱と同じで骨盤底筋の緩みから、膀胱が膣に落ち込むことで、同じように膣壁が外に出て、ピンポン玉が飛び出ている状態になるそうです。
子宮脱も膀胱瘤も、痛みはなくて股間になにか挟まった感じの不快感があるそうです。
これは、一度出ると結構繰り返すようです。

帰宅後、担当Mさんが訪問すると、やはり膀胱瘤が出ている状態で、しかも下腹部がパンパンに盛り上がっており、今度は尿閉になっていました。

本人、何度もトイレに行ったのに、今日は一日一滴も尿が出ないとのこと。

その場で、導尿をして多量に尿が出たことで、やっと楽になったそうです。
医師に確認して、膀胱瘤もそおっと、ゆっくり陥納すると、きれいに元に戻りました。

何で尿閉?
膀胱瘤により、尿道が圧迫されたのかもしれません。
医師は、「バルンカテを入れ下さい。」と言ったそうですが、この方は独居の上、認知症状や精神症状が強く出ており、一人でバルンをぶら下げて生活させるのは、かなり不安がありますので、とりあえず留置はせずに定期的に排尿の確認をすることになりました。

膀胱瘤か・・。
出産のあとや高齢者で、意外とこの症状で苦しんでいる人は多いようです。
骨盤底筋の体操や、場合により手術などでの治療があるようですが、それも現状では難しそうです。

またひとつ、お勉強になりました。

午後からは、横浜市民セクター主催の勉強会で、「小規模多機能における緩和ケアとターミナルケア」がありました。
今回、場所がめぐみ在宅クリニックと近くて助かりました。
私は、今回も講義とアドバイザーのような形での参加機会を頂きました。
その内容は、また明日ご報告します。

ちなみに、黒いフレンチブルドックのベビーは、我が家の家族になるべく「売約済み」の紙を貼られ、4月8日までペットショップで待っています。
わーん。早く家の中をすっきりして、ワンコ迎えに行きたいです~。

誰が何と言っても!

2012-03-22 22:26:14 | 訪問看護、緩和ケア
いやはや、誰が何と言っても「嫌だ!」と言ったら「嫌!!」な人って、結構多いものです。

ずっと家長として君臨してきた方とか、放浪生活の自由人にそういうタイプは多いように思えます。

共通して言えることは、我慢をしない主義って言う事でしょうか・・。


とにかく動きたくないMさんは、食べ物も好きなものしか食べません。
栄養とかは関係ないので、ほぼキャラメルと栄養補助剤1缶、あとは刺身少々程度でしょうか。
お口の中も、常にキャラメルでべとべとです。
寝たきり宣言をしているので、体に触ると激怒します。
なので、ご家族で彼の体に触れる人はいません。
罵声の中で、看護師や訪問入浴のスタッフが、あれこれ言いながら半ば強引に保清と更衣、褥瘡の処置をします。
拘縮が始まった関節は、少し動かすだけで激痛が走ります。
「痛い!痛い!痛い!触るな!!帰れ!」と騒ぐご本人。

は~・・。
でも、おかげで仙骨部の褥瘡はどんどんと悪化してしまいました。
最初は表皮剥離程度だったものが、1週間で黒色痂疲が出来るまでに悪化。

私たちが入っていて、こんなことになるなんて・・。

ご家族が出来ない以上、私たちで対応するため特別指示書を出してもらいました。

真皮を超える褥瘡の場合、きちんとした評価(うちではDESIGN分類)のうえ、2週間の特別指示書を月2回出してもらう事が出来ます。

つまり、ほぼ1か月介護保険から医療保険に切り替わると言う事になります。
これが治るまで続くので、訪問看護はほとんど医療保険になるわけです。

黒色壊死組織がある以上、デブリトメントが必要なので、来週明けには再び皮膚科の往診をお願いすることとなります。
経済的に豊かなお宅の場合、ご家族のご理解が得られれば、ある程度手厚いケアが出来るのは、とてもありがたいことです。

でも・・
こんなに本人が寝たきりでいい!!死んでもいい!!床ずれできてもいい!!
って言っているのに、無理に治す意味があるのだろうか・・なんてことさえ考えてしまいます。

うーん。
寝たきりは、本人の意思を尊重したとしても、褥瘡は日々悪化しますし、壊死が進めば感染も起こすし、場合によっては敗血症にもなります。
悪臭もするし、血膿で寝具も汚染します。
第一痛いし、そのうち熱も出るし、決して穏やかな在宅療養なんて話にはなりません・・。

これは、お互い歩み寄りですね。
寝たきりは譲歩、褥瘡はとりあえず治す。
ってことで、どうでしょうか。

出来れば、拘縮の進んでいる下肢のROMxsをして、かたくなって開かなくなってきた股関節と膝の関節を緩めたい・・。でも、これはもう無理ですね。
あまりの興奮と激怒で、だれもがあきらめてしまいます。

こういうこと、よくあります。
ご自宅であること、生活の中での療養であることは、ご本人の選ぶ生活スタイルで過ごすと言う事です。
説明、説得なんてものは、この年齢まで君臨されてきたきた方には、まったく効果はありません。

なんとか、褥瘡だけは治したいと思う看護師たちと、絶対上むきで寝たきりになりたいおじいさんとの攻防は、これからも続くのでしょうね。

同じように、我が道をゆくBさんは、天涯孤独の自由人。
やはり彼は、我慢が大嫌いです。
そして、歩きたいといったら歩きたいのです。
横浜リハビリテーションセンターに依頼してのリハビリ評価でも、「歩ける。俺は立てないだけで歩けるんだ!そして、歩けばこの麻痺した片手も治るんだ!」と断言していてそうです。
歩けるようになるために、リハビリをしましょう。という言葉に激怒。
「俺は、そんなことはしない!そんなことはしなくても、立たせてくれれば歩ける~!!」

・・・。

なんだか、いいなぁ。こんなに好き勝手言って、そのわりに憎めないって言うか、その奔放さが結構みんなに人気があったりするんですよ。
私も、実は結構好きです。Bさん。
すごく矛盾しているのに、全然気にせず思ったことをぶつけられる彼は、とっても羨ましかったりして。
でも、彼は嬉かっり世話になったと思ったら、「ありがとう。」と言って笑ってくれたりもするのですよ。

とにかく地道に、歩くためにはリハビリがいるのだと言う事を、言い続けるしかないようです。


そんな困った話で今日は一日終わりましたが、そのあとは瀬谷区在宅高齢者サポートネットワークがありました。
瀬谷区は、みんな結構頑張っているなぁ~と思います。
後手後手になることもあるけれど、それでも少しづつこの地域を良くしようという気運があるというか・・。
これが、これからもずっと続くといいし、実を結んでいくといいなと思いました。
在サポのホームページも作る方向だし、そのホームページを使って、地域の多職種連携やインフォーマルなサービスなどが、うまくリンク出来たら最高ですね。
色々ハードルは高いかもしれないけれど、ぜひ実現させてほしいです。

そして、もう一つ。
今日、区役所に行く前、ちょこっとのぞいたペットショップ。
見つけました。探していたワンコ。
 

生後2か月のフレンチブルドック。
もう、アイフルのCM状態です。
この子は、うちの子になってもらいます!
結局、私が癒してもらうんだろうな~。楽しみです~。


家庭内大移動中

2012-03-20 20:43:30 | 日々のあれこれ
昨日の午後から、ずっと断捨離もかねて部屋の大改革継続中です。

もう、一切の執着を断ち切って?捨てるものは山の如し。
しかも、分別がよくわからないものも多くて、プラゴミだと思ってまとめて出したら、返されちゃいました。(~_~;)


とにかく、息子の部屋は空き部屋となり、隣のアパートに荷物が移動することができました。

隣のアパートはこんな感じです。

                

奥が息子の部屋になりますが、マンガばっかり山のようです。
積み上げてあるだけで、一番働きません。どうなることやら・・。

一方手前、我が家のフリースペースは、娘が友達とたこ焼きパーティーや鍋が出来る場所にしました。
もちろん、私のお友達も呼べます。

私は昔から、友達を集めて宴会を開くのが好きだったのですが、両親との同居以来それは封印されています。
まあ、この狭さなので大勢で集まるのは無理ですが、ちょっとお茶会くらいは、誰に遠慮もなく出来るので、我が家ではそれぞれがこの、ささやかなスペースの有効活用を楽しみにしています。

キッチンもお風呂もトイレもあるし、家とは別の隠れ家になるので、なんだかちょっとワクワクします。

並行して、がらんどうになった息子の元部屋に、さっき私の桐の箪笥を運び込みました。
久しぶりに桐の箪笥をあけてみると、そこには亡くなった母の思い出が詰まっていました。

母の着物の生地で作った小物や、母が私のために長い間集めてくれた、たくさんの着物です。

小学生の高学年から中学生くらいまでは、お正月は着物で過ごしていた時期もあります。
ウールの着物はいわゆる普段着でしょうか。
今では、あまり見ませんね。
黄八丈の黄色い格子縞がとても懐かしくて、これの着物に、赤い帯を締めてめてもらって、赤い道行を切るのがお気に入りでした。
母も、当時は着物をよく来ていました。
冬は、練炭火鉢。
私がもっと小さい時、母は着物に白い割烹着を着て、大掃除にはモンペをはいていたと思います。
煮物を作る母の後ろ姿を、私は何を思って見ていたのでしょうか・・。
今では、遠い遠い昔の思い出です。

夏の大島紬に絽の着物。
小紋に附下、喪服もあるし、懐かしい振袖も出てきました。
これは、成人式と看護学校の謝恩会にも着たものです。
考えれば、娘がその年に近づいているのですね。

そう、私が生まれ時に作って、うちの子供たちが生まれた時にも使った、お宮参りの着物もありました。

なんて、感傷に浸っていると、ついつい片付けの手が止まってしまいます。

さてさて、この箪笥は落ち着いたらもう一度きれいに整理したいと思います。
もうちょっと余裕が出来たら、着物の着付けも習おうかな・・。

そんなこんなで、今日もあっという間に一日が終わってしまいした。
明日は認定審査会もあるので、これからチェックに入ります。


連携出来ない病院

2012-03-19 23:32:56 | 訪問看護、緩和ケア
連携できない病院、本当に困ります。

Aさんは、てんかん発作を伴う病気で在宅療養をされていました。

でも、認知症が進み、ベットからの転落、無理な歩行での転倒、頭部打撲、失禁などを繰り返していました。
奥様もとても体が弱く、やはり認知力にかなり問題がありました。
ですから、サービスの利用で日々の生活が回っていたのですが、お二人にとっては、そんなことはなんでもないことのようで、転んだらそのままでも、お二人はいつも幸せそうでした。

でも、今年に入り体調がすぐれないことが多く、とても心配していました。

あるとき、緊急で呼ばれ訪問すると、発熱と呼吸苦を訴えていて、SPO2もいつもより低めで、失禁だらけのなか、奥様にはどうしようもない状態でした。
とりあえず、救急車を要請しかかりつけの病院を希望しましたが、いっぱいで入院できないと言われ、隣の区にある救急病院へと搬送になり、尿路感染症の診断で入院しました。

私たちも、なかな帰ってこないAさんを心配していましたが、突然ケアマネさんから連絡があり、土曜日に退院するので週明けに訪問よろしくと言われました。
そのため、私も休みを取るつもりでしたが、午前に担当者と一緒に行くことにして出勤しました。

それにしても、事前の情報は何もなく、病状説明は「順調です。」だけで土曜に帰ってきたようでした。
そして翌日曜日、奥様から緊急電話が・・
「主人が苦しがっています!来てください。」とのこと。
緊急当番は、病院での診断名や経過を知る由もなく、何故苦しんでいるのが、どこが辛いのかも不明。
息子さんに電話を代わってもらうと、実は全然違う病気が見つかり、手術もしたと言う事がわかりました。
しかも、息子算への説明も「順調です」だけだったそうで、こちらでは無責任な言葉は言えず、再度救急車で搬送してもらいました。

今日、その息子さんからの電話では、「腸が爆発しました。」とのこと。

腸が、爆発・・・???

穿孔?腹膜炎?

未だ、その後の情報はなく、いったい何のことやら、今度退院が決まったら、ぜひ退院前カンファレンスなど開いていただきたいものだと思いました。

ちなみに、右鼠蹊部の腫脹と体動時の痛みを訴えていたおばあちゃん。
往診の先生もついていないので、何とか算段をしていましたが、先生もその日はどうしても無理でした。
でも、夜になって痛みが増強。
ひどく苦しみだして、救急車で病院へ行ったそうです。
ところが、「ここでは手におえない。」といわれS大学病院に転送されたそうです。
そこでの説明では、「腸腰筋に、膿がたまってお腹の中にあふれていた。」そうで、緊急手術となったようです。未だ予断は許さないようですが、早く元気に戻ってきてい欲しいと思います。

でも、「いつもと違う。どこか変。」というインスピレーションは、この仕事ではとても大事なことですね。
明日はまた一日お休みです。
断捨離作戦でへとへどです。
ねむ・・・。

断捨離

2012-03-18 22:05:23 | 日々のあれこれ
「断捨離」
今、クローズアップしている言葉です。

断捨離とは、ただいろんなものを捨て去ることではなくて、『不用なものを捨て去り、物への執着から離れる』と言う事だそうです。
そしてそれは、単にモノに対してのみではなく、人生においても余分なものを、たぶん欲とか名声とか、そういうものに執着せず、身の回りをきれいにしておく、という意味もあるのかとおもいます。

現在、我が家は断捨離を合言葉に、大改造計画実行中です。

隣のアパートの1階は、やっと絨毯とカーテンが入り、ガスもつくようになりました。
テレビもついたし、エアコンも入りました。
今日、電気のカサも全部とりつけて、なんだか貧しくもささやかな二人の暮らしが始まった新婚さんの部屋みたいになりました。(~_~;)

来週の土曜日には、息子のベットもきますから、とにかく早く息子には移動してほしいのですが、インターネットが繋がらないと向こうでは寝たくない!と「オタク系」の息子はのたまいています。

あとは、少しずつこちらの荷物を、アパートにも分配して、脱衣所の無いお風呂場の前に、突っ張り棒でカーテンを付けて・・・などなどもう少し手がかかりそうです。

それが終われば、息子の去った元納戸に、箪笥や棚をひとまとめにして、余分な物は捨てて収納します。

そのためには、今までため込んで、捨てるに捨てられなかった物やら、想いで?のガラクタを処分する必要があります。

とにかく物が多い我が家。

ここ数日だけで、大きなごみ袋に30個くらい出ました。

一番断捨離に励んでいるのは娘です。

ここ半年、苦しみぬいた娘ですが、「我が家の空気の流れを変えよう」計画に、現在一番協力的に動いています。

あっというまに、身辺の不用品を投げ捨てて、勉強机を分解し、荷物を何往復も運び、ごみをまとめて、掃除機をかけたり紐をかけたり・・。

その勢いに煽られながら、私達も頑張りました。

それにしても、何と不用品の多いことか・・。
われながら、この家のどこにこんなに物が詰め込まれていゐたのかと思うくらいです。

でも、まだまだです。

まだ、実際の半分も終わっていません。

今度は、今まで私たちの居間がわりに使っていた8畳の洋間を、娘のために明け渡さなくてはなりません。

そのためには、今、娘が使っている小さい洋間を、私たちが寝室にして、南側の8畳を居間にするのです。
さらに、一度娘の8畳間を空にして、壁を家族全員で塗りかえます。
そこに、ウッドカーペットを敷き、ベットを置けばやっと完成となるわけです。

なんて気が遠くなるような計画でしょうか。

でも、それこそが我が家の「断捨離」です。

不用なものを捨て去り、空気の淀みをけし、蓄積した埃も悪しき気配もきれいに掃き出します。
そして、家族4人が、同じ目標に向かって力を合わせて頑張る。

私たち家族の、新しいスタートになるように頑張りたいと思います。

そのためには、ちょっと経費がかさみますが、それは私たち家族のために必要なお金だと割り切ります。

大学は、ちょっと時間がかかりますが、遠回りでも必ず卒業します。
遠回りは、けっして悪いことばかりではないですから。
我が家の子供たちも、今を大切にして、たとえ遠回りをしても、目標に向かって進んでいく力を身に着けてほしいと思います。

明日は、半日だけお仕事です。

さっき、緊急当番さんから電話がありました。

あの、高濃度の酸素療法をされていた患者さんが旅立たれたと。

息子さんが、家で看取るつもりで、なかば強引に家に連れて帰ってきたお母さんです。

一人息子で、お母さんも誰よりも頼りにしていましたし、本人が家で死にたいと願っての退院でした。
ですから、一人の時間があっても、ご自宅で過ごされていた時間は、二人にとってかけがえのないものになったようです。

息子さんは、ずっと号泣されていたようです。
それでも、家で看とれたことを、ご家族みなさん喜んでいたそうです。

瀬谷在宅クリニックの大村先生も、本当にマメによく診てくださいましたから、とてもよいお別れとなりました。
このおばあちゃん、私は大好きでした。
どうか、安らかにお眠りください。

さて、明日は半日で、いろいろな調整が必要です。
飛び石連休ですが、気を抜かず、がんばりましょう!


嬉しい言葉

2012-03-17 23:50:31 | 訪問看護、緩和ケア
金曜日のカンファレンスの時に、ナースSAが、とっても嬉しそうに話してくれました。

「私、今日とっても嬉しい言葉を貰いました。」と。

その日訪問したFさんは、ご自分の病気のことは全部知っているかたです。
ですから、当初宣告された3か月を過ぎた時には「今日が、僕の命日だったはず。」と笑顔で話していたそうです。
疼痛コントロールがうまくいっているので、毎日をとても有意義に過ごされているFさん。
私が訪問した時も、大好きなクラシック音楽を聴きながら、愛犬とゆったり過ごされていました。
そんなFさんだから、お友達もたくさんいて、毎月旅行に行くことを目標に頑張っています。

その日、ナースSA訪問したとき、ケアの後にタバコを吸い始めたのだそうです。
今まで訪問していて、たばこを吸われたのを見たことがなかったので「Fさんタバコ吸われるのですね。」と聞いたら、こんな事を言ってくれたいそうです。

「タバコを吸いたくなる時は、美味しい食事を食べた後とか、ぐっすり眠って気持ちのいい朝を迎えた時。気持ちがよくて、気分がいい時に『あ~、一本吸いたいなあっ』て思うんだよ。今は、いいケアをしてもらって、とても気持ちがいいから吸いたくなったんですよ」

たったそれだけの言葉でも、担当のナースにとっては、何よりうれしい言葉ですね。

こんな時に、「タバコは体に悪いからやめてください。」なんて無粋なことは言いません。

最近、身体をほぐし心身のバランスをとるためのマッサージを習っているナースSAなので、きっと気持ちよいマッサージなどを施してきたのだと思います。

嬉しそうに、報告してくれたナースSA、なんだかみんなも嬉しくなるお話しでした。


ところで、いよいよ我が家の長男君のために借りた、隣のアパートへの引っ越しが始まりました。
とはいえ、隣ですしなるべく経費を抑えたいので、家族みんなで少しずつ荷物を運んだりしています。
今日は、IKEAに買い出しに行き、荷物を運び、家具をばらしたり組み立てたりと、本当に疲れました~。
でも、まだまだ手を付けたばかりです。
これから、家庭内民族大移動も始まるので、あとどれくらいかかるやら。

でも、あきらかに空気はすごし流れ始めた様です。

まだまだ時間はかかると思いますが、良い流れを呼び込むために、家族みんなで新しい環境を作っていきたいと思います!

でも・・疲れました~。

最高の人生の終わり方

2012-03-15 20:34:31 | 読書、漫画、TVなど
大好きな山ピー主演の「最高の人生の終わり方」最終回でした~。

葬儀屋さんを舞台に、亡くなっていく人たちの、それぞれの人生に思いを重ねて、「いってらしゃい。」とお見送りする、とても優しいドラマでした。

毎回出てくる不思議なおじさんが幽霊だったって言うのも、ありえないようでいて、私の気持ちはすごく救われた思いです。

悲しみと苦しみのなかでも、最後に自分の人生を「幸せだった」と思えて旅立てるのは、本当に幸せなことだ思います。

ドラマとはいえ、死というものに対して、とても真摯に、とても優しく向き合って作られたドラマだと思います。


人は何のために生まれて、何のために生きて、何のために死んでいくの?

最後は、最愛のお兄さんを自宅で看取る過程で、在宅療養も伝えてもらえて、訪問看護師としては、それも嬉しいドラマでした。

このところ忙しくて、ビデオにとりだめていた ものを、まとめて3回分見たので、すごく遅くなってしまいました。

私も、きっと見守られているのだと思います。

きっときっと、あきらめなければ、惜しまなければ、道は前に開けるとおもいます。

劇中の「惜しむな。」という言葉が、心の奥にストンとおさまった夜です。

遠くのケアマネさんより、近くのケアマネさん

2012-03-14 22:51:46 | 訪問看護、緩和ケア
ケアマネさんは、出来れば住んでいる地域のケアマネさんがいいですね。

時々、転居されてきて転居前のケアマネさんのまま、プランをお願いされている方がいらっしゃいます。

落ち着いているときは、問題ないのですが、状態に変化があるときや、具合が悪くなったときには、結構難儀します。
遠くにいるというだけで、動きは各段に遅くなりますし、状況も見えにくくなるからです。

地域のケアマネさんなら、すぐに飛んできてくれて、いろんな相談もできますし、地域の情報を持っているので、何につけても連携しやすいのです。

さらにかかりつけの医師まで遠いとなると、病状の変化があっても、連絡すらうまく取れなかったりします。

うちのご利用者さんが隣の区でも転居された場合は、境界あたりなんらなんとか継続しますが、ほとんどの場合はその地域のケアマネさんにお繋ぎします。

区ごとに役所の対応も違うし、ケアマネであれば地域の役所の担当者や事業所などと、顔の見える関係であることで、物事がスムーズに運びますから、、その辺のことは十分にお伝えして、ご理解を頂く様にしています。

ご利用者さんにしてみれば、家の事情もよくわかっていて、なれたケアマネさんと離れるのは、不安でしょうが、その辺のところをちゃんと説明するのも、ケアマネさんの役割だとおもいます。

主治医に関しても、遠くの開業医さんに通院するのは、なかなか大変なことです。
ある日突然動けなくなったり、具合が悪くなっても、「往診は出来ません。診てないから薬は出せません。紹介状も書けません。」って言われてしまうと、一番かわいそうなのはご病気の方と言う事になるので、この辺も訪問看護師などと事前に調整が必要です。

そんな調整が、何年もかかってやっと、何とかなりました。
何でこんなに時間がかかるのか、ケアマネさんも自分が動けないのなら、自分からちゃんとその説明をしてくれないと、ご利用者さんはその辺の事情を分からない場合がありますから。

主治医もやっと、在宅支援診療所に繋がったので、これで褥瘡の薬も、辛い時の薬も出してもらえます。

物事は、トントン拍子にうまく動くときと、どんなに頑張っても空回りに終わることがあります。
このタイミングは、運ともいうべきものですが、なんでこんなにうまく繋がらないのだろうかと、不思議に思うこともあったりしますね。

まあ、若干時間を要しましたが、とりあえずこれでなんとか地域でのサポート体制が整ったと言う事で、ちょっとほっとしました。

在宅療養にとって、地域の力は絶大です。

市定例会&学術講演会「創傷の治療戦略」

2012-03-13 22:10:57 | 訪問看護、緩和ケア
今日は一日ステーションから離れてのお仕事でした。

昼前から、市の定例会の準備で伊勢崎長者町の医療会館に入り、終ると同時に瀬谷区に戻り、軽く食事をとってから、学術セミナーで8時半まで講演を聞きました。

定例会では、横浜市内のステーションのアンケート結果の報告があり、横浜市の訪問看護ステーションの実情が見えてきました。

市の連絡協議会の会員140か所中、回収された82か所分の集計結果が出たわけですが、一つの市に140か所以上も訪問看護ステーションがあるところは、日本全国から見ればまだまだ少ないようです。
地方によっては、県に何カ所かあるだけで、市町村単位でいえば、訪問看護ステーションがないところだって、たくさんあると聞きますので、横浜はまだまだ恵まれているのだと思います。

なので、この集計結果はあくまでの横浜の動向と言う事になりますが、驚くのは常勤換算で2.5人を割るステーションがあるらしいと言う事です。

実際、2.5人を割ると営業出来ないことになっているので、一時休止しているのか、すぐに補充できるのか、微妙な感じです。

ただ、小さな事業所では、一人でも辞められたら閉鎖に追い込まれる事業所もあると言う事です。

実際、ここ7年間の新規ステーション解説数は7.4か所で、閉鎖が4.7か所だったそうです。
また、1年間に増えた看護職員数の平均はたった0.3人ということなので、これもいかに人材が不足しているかと言う事がわかりますね。

また、離職率でもOT,PTに比べて、看護師のほうが勝っているというのも、皮肉な結果となっています。

多角的に分析が出来る結果となっていますので、会員の方に関しては、近く市の協議会のHPにアップされますので、ダウンロードしてみてくださいね。

また、情報として「痰の吸引に関して」法の改定に対して、研修や届け出が全く間に合っていない現状が報告されました。
おかしいのが、一部の任意団体にしか痰の吸引の研修の案内がされていないと言う事です。
ヘルパー事業所への指導が訪問看護ステーションであると位置づけているにもかかわらず、看護協会は通さず、訪問看護の任意団体一カ所にしか通達されないのは、行政として問題だよね!という話で盛り上がりました。

そして市からの連絡としては、高額医療費が訪問看護にも現物支給化される事になったので、自分のご利用者さんがちゃんと限度額認定されているのか。またどの区分なのかを確認してちゃんと対応してくださいというものでした。

所得に応じて、限度額認定されていても、今までは高額医療費として、あとから面倒な高額医療費の払い戻し手続きをしなくてはいけなかったのですが、それが最初からその分だけしか払わなくてもいいようになったわけです。
うちでいえば、ターミナルケアでの訪問看護で、医療優先になった方には、とても朗報だと思います。
償還払いは、一時立て替えるお金も大変だし、手続きだって面倒ですよね。


まあ、その他もろもろの情報を頂くことが出来ました。

そして、「創傷の治療戦略」面白かったですよ。

場所は、新しい瀬谷区の公会堂。
開始前の前景です。
広いしきれいなので、快適!

内容ですが・・

在宅では、かなり凝り固まったラップ療法信者に、適応外のラップ療法をして感染を悪化させる事がありますので、その警鐘にもなりました。

うちも、ラップ療法は取り入れていますが、「絶対ラップだけ療法」はしていません。
感染や深度分類を十分観察したうえで、適切な処置が必要だと言う事が、改めてエビデンスに基づいて説明して頂けました。

また、安藤先生は「消毒を悪のように言うけれど、判断を間違えば感染による悪化は重大になる。自分の研究ではヨード剤をうまく使った方が、何もしないものより安全に早く良くなっている。」
「今はやりのプロスタンディンやフィブラストスプレーなどは、上皮化が弱い。自分はヨード製剤から使用し、真皮層ができればステロイド剤にそのまま移行することのほうが、効果的だと考える。」
などのお話しをされたうえで、ものすごい創傷治療のスライドを、次から次へと見せて頂きました。

うちでは、皮膚科のドクターもいいとこ取りで、洗浄、ユーパスタ&モイスキンパット(もしくは、ポリエチレン紙おむつパット)のみで、最後まで治しちゃうことがよくあります。

安藤先生は、真皮を失った場合は、手術適応と言われていましたが、現実在宅では全身状態や、環境などから、入院加療を望まない患者さんが多いので、やはり在宅なりのアレンジで治療を進める確信がもてました。

入浴に関しては、出来ればシャワーで洗い流すのが最善だが、在宅では一人ひとり必ずお湯を変え、浴槽をきれいな状態にしてなら、創傷には入浴は有効だと確認しました。
また、以前から言われていましたがあらためて「炭酸入浴剤」の治療効果はかなり絶大であると聴きました。
会終了後、参加していた訪問入浴のスタッフ達が「絶対にバブを入浴剤の中に取り入れます!!」と言って帰っていきました。
ちなみに、私はマイバブを訪問カバンに入れています。
最初の足浴などに割って入れ、効用を説明して、次回からご家族に用意してもらっていますので、うちの患者さんはかなり確率で炭酸入浴剤を利用されています。

足浴、入浴は炭酸浴効果があるので、ぜひお勧めです。
時々、炭酸入浴剤をお願いすると、炭酸の入っていないやたら緑色とかの入浴剤を用意されたりするご家族がいて、買い換えて頂くのも申し訳ないので、使い切るまでそれを使ったりすることはありますが、やはり炭酸のほうが循環は各段によくなります。

と、長くなってしまったので、今日はここまでにします。

今日は、また寒い夜です。
お風呂で暖まって、もう寝ます。

90分が減算になると・・・(-_-;)

2012-03-12 22:42:52 | 訪問看護、緩和ケア
診療報酬の改定で、加算が増えたり枠が広がったりと、有り難いことがある一方、介護保険の60分以上90分未満 1198単位/回 ⇒ 1138単位/回 と、1回60単位が減算になります。

これには参りました。

うちは、処置やバイタルだけ測って、あとは口頭での指導だけで帰るような訪問看護はしていません。
もちろん、中にはそれをご希望の方もいらっしゃるので、それが悪いわけではないでしょうが、必要であり患者さんが望むのであれば、丁寧にケアををしながら、対話であったり、ご家族への療養上の相談であったりを行います。

ですから、頭の先から足の先まで、排便ケアから褥瘡の処置まで、きっちりやれば90分でいっぱいな患者さんが多くいらっしゃいます。

でも・・
4月からどうしましょう・・。

60単位と言う事は、90分の訪問での診療報酬が、約600円の減算になると言う事です。

たとえば、10件の90分訪問があったら、事業所収益は600×10で6000円の減収になります。
月に100件90分訪問があると、60000円。やばいです。

90分での訪問が多い事業所ほど、打撃が大きいのです。

反面30分の訪問は343単位/回 ⇒ 381単位/回 と、40単位増えます。

でも・・。
巡回サービスでもないのに、30分の訪問はうちではかなり少ないです。

30分で、何が出来るのかといえば最近の状況をお聞きしながら、バイタルサインを測り、お体の状態を観察して10分から15分。
あとの15分は、足浴できるか、傷の処置が出来るか、ポートのライン交換くらいかな・・。
薬のセッティングならできるか・・うーん。

30分で週1回の訪問は、よほど自立されているか、ご家族やご本人があまり必要性を感じられていないケースかもしれません。
もしくは、いわゆる処置やさんで、簡単な処置だけをぐるぐる回って件数をあげている事業所さんでしょうか。

ヘルパーの生活援助が低く見られ、各事業ともヘルパーの時間の見直しを強いられていますが、いよいよ訪問看護も考えないといけません。
人件費の高い訪問看護は、とても減算には耐えられないからです。

は~。でも必要な人は「はい。60分にして下さい」って言うわけにもいかないしなぁ・・。

60分少し空けて+30分で請求してくる事業所あるだろうなぁ。
もしくは、90分週2回を60分週3回とか。
返って、介護保険圧迫したりして・・。

う―ん。
本当に困ってしまいます。

何で30分のほうが上がって、大変な90分が下がるんだー!!と叫びたい気分です。

どこかに、90分じゃないととらない、っていうステーションがあるという話を、聴いたことがありますが、たぶん今回の改定にひっくり返っているでしょうね。

これって、24時間地域巡回型訪問介護サービス方向に、やはり持っていきたいってことでしょうか。

一回の訪問時間を短く巡回型にして、随時短時間訪問する方向で、経費を抑えたいってことですかね。

今のところ、それは嫌ですね。
訪問看護は、きちんと時間が必要ですから。

さて、これからしばらくは、あちこちで混乱するのでしょうね。
今から、頭がいたい話です。

ところで、いよいよ明日は、瀬谷区役所での学術講演会です。
医師会主催の割に、医師会からの出席は異常に少なく、あとはコメディカルがほとんどという集計結果となりました。
事務さんありがとう。

明日は、私は昼から市のステーション連絡協議会へ行き、夕方かえってそのまま学術講演会となります。
なんだか、落ち着かないこの頃ですが、年度末なので、気を引き締めて頑張りましょう。