こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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ばあばになりました。

2015-02-22 00:31:15 | 家族のこと
2015.2.21 12:18
私は、おばあちゃんと呼ばれる人になりました。

娘が、新たな命を授かり、この世に産まれて来てくれたのです。

3118g 元気な男の子です。

娘も、昨夜からよく頑張って、ちょっと頼りないけれどお母さんになりました。
娘の夫が、分娩室から出てきて、私の顔を見るなり泣きました。
しばらく声にならなくて、お父さんとしての万感の思いがあったのでしょうね。

私の娘は、随分と苦しい思春期を過ごしました。

私は、見ている他なくて、いつもオロオロとするばかりで、娘に何もしてやれなかったような気がします。
それでも、少しづつ、少しづつ自分の中で修復をして、咀嚼して、積み木を一つずつ積み上げるように大人になって行きました。

そんな娘が今、お母さんになりました。

最近は、仕事で忙しい私の代わりに、随分と家事を手伝ってくれたり、犬の散歩をしてくれたりと、大きなお腹で助けてくれて、私も楽をしていました。

退院後は、しばらくうちにいますので、さてどんなことになるのやら。

我が家には、愛犬と生まれたての赤ちゃんがいるなんて、もう仕事なんてしている場合じゃないかも・・。

でも、それは無理な話なので、お仕事はちゃんとしますよ。

元気をたくさんもらって、その分頑張ろうと思います。

長い年月、いろんなことがあるなぁ・・と思います。

随分苦しいいこともあったし、今でももちろんそれはあるけど、ちゃんと幸せもあるんだなぁ・・って実感しました。

愛犬うららと孫を連れて、早く広場に遊びに行きたいなぁ。

在宅の褥瘡について、あれこれ考える。その2

2015-02-14 23:53:39 | 訪問看護、緩和ケア
明日書くといったからには書かねばなりません。
今日は、夕方から3時間半に及び防災の初動シュミレーションを区役所でやっていて、これもなかなか考えさせらてたのですすが、今日はやはり在宅褥瘡の続きです。

うちはラッキーなことに、開所当時から素敵な腕のいい皮膚科医と連携できていて、この18年相当数の在宅の褥瘡患者さんを治癒の方向に持っていくことができました。
とはいえ、どうにもならない終末期の褥瘡や、在宅での限界例などもありました。

また、いろいろな患者さんの褥瘡と向き合う中で、主治医や皮膚科医の同意や協力もあって、随分といろんなことを試させてもらったし、新たに導入させてもらったものも多くて、本当にありがたい環境にあったと思います。

在宅の褥瘡で一番多いのは、仙骨部で、ついで大転子部、踵、腸骨部あたりに多く見られるようです。

ではなぜ仙骨部が多いかといえば、上向きで寝ていた時に、一番体重が係る部分だからです。そこに、おむつを使用していると、便や尿で汚染されますし、そのおむつをなかなか変えられなければ蒸れとかぶれであっという間に褥瘡となります。
一般的には、ここで「体位交換をしましょう。おむつ交換を豆にしましょう。」になるのですが、ここで体を引きずったり、おむつを無理やり引き抜いていたりすると、良くなるどころか、褥瘡の周囲の皮膚の下に断裂が起こって、ポケットと呼ばれる状態になります。

この原因であるズレや圧迫、湿潤環境をそのままにしていくら外科処置をしても、どんどん褥瘡が拡大していき、どんどんポケットが広がっていくわけです。

ですから、布団の人はベットにして高機能タイプのエアマットを導入したり、ポジショニングを工夫したり、入浴や洗浄などで皮膚の清浄を図ったり、おむつ交換を頑張ってもらったりと、一つ一つ環境因子を改善方向に持っていきます。

ですが、これがうまく行く人ばかりとは限らないのが在宅です。

介護者の状況によっては、1日に1回しかおむつ交換していなかったとか、数日に1回しかしていなかった人もいて、びっくりしたりします。

いくらデブリをしてお薬を塗っても、そのガーゼの上からおしっこやうんちが付いたままになれば、そりゃあ屎尿便パックにしかならないので、良くなるわけもありません。

ここ近年、ガーゼの弊害も一般的に知られることになり、各社競って褥瘡用のドレッシング材が出されていて、しかもちゃんと保険適応にもなっていますから、ケースバイケースでそういうものをチョイスしていければ、より治癒の促進になるとは思うのです。

よく褥瘡ができて病院を受診すると、不良肉芽の浸軟させるためにゲーベンクリームが出されます。これを不良肉芽の上にたっぷり塗って、柔らかくなった汚い組織を少しづつ落としていく薬で、入院中とか入所中でよく管理できる場所ではとっても効果的だとは思うのですが、この薬はブロメラインなどと同じで健常な皮膚に炎症を起こすことも知られています。ですから、たっぷりゲーベンを塗ったガーゼを仙骨部に絆創膏でビッタリ貼って、おむつ交換が少ない環境で置くと、ガーゼと薬と浸出液と尿でパックされた褥瘡の周囲が真っ赤にかぶれたりするのです。
さらに、この状態で上手に体位交換が出来なかったり、ベットのギャッチアップ、ダウンを繰り返すと、皮下が剪断され7ポケットも形成されます。

こういう褥瘡は浸出液も多いので、ビッチャビっちゃになりますが、これはこれでしょうがないわけで、ここにガーゼを厚く乗せるとガーゼが浸出液を吸う代わりに傷がドライになる傾向になり、さらにガーゼの厚さが圧迫の原因になり、ガーゼの部分が血流障害を起こしたり、ガーゼの繊維で傷をつけたりすることもあります。
これは、デュオアクティブなどの創傷被覆材でも起きることがって、そのドレッシング材の形に圧迫痕が残ることをよく見ます。

浸出液の多いデブリ後の褥瘡などは、吸水性の高いユーパスタとかが、結構良いような気がします。ただ、ユーパスタはやはり傷をドライ傾向にするので注意は必要だと思います。
抗菌効果でいえば、ユーパスタよりヨードコートとかカデックスなどのほうが徐放効果で殺菌力は継続するそうです。
他にもいろいろあるのですが、どれを使うかは主治医が決めるわけですから、それを使うしか私たちは方法がないわけです。
ただ、その環境や介護力、家族関係などの背景からチョイスしてもらえないとよくはならないし、時間が長引くだけだということです。

また、高齢者は栄養状態もあまりよくないですし、病的骨突出や介護状況の差が大きいので、長い目で見ていくことも必要だと思います。
浸出液は多くて当たり前で、徐々に収まっていくし、デブリをしてもスラフはできるわけで、無理に急いで取らなくても、必要な処置をしていれば、ちゃんと綺麗になってくるわけで、いじりすぎるのもかえって良くないと思うのですが、どうなんでしょうね。

そういえば、先日のセミナーで「最近褥瘡などの創傷に入浴や足浴をしてはいけない、と言われることが多くなったけれど、経験的にはよくなった人はいても悪くなった人はいないので、どうなんでしょうか?」と質問してみました。
この日の講師である形成外科の先生は「僕も悪くなった人は見たことがない。よほどの場合以外、入浴や足浴は効果的だと思うし、どんどんやっていいと思います。」と言われました。
一体何が本当かはわからないけれど、骨や体腔に達するような褥瘡以外は、綺麗な環境できちんと入浴なり足浴をして、ちゃんと泡立てた石鹸でよく洗い、シャワーできっちり流してから処置をしたいな・・と思います。(これも主治医しだいですが)

これはあくまで私が思ったことなので、実際はそれぞれケースバイケースでちゃんと分析、評価してみてくださいね。

在宅の褥瘡について、あれこれ考える。その1

2015-02-13 01:01:34 | 訪問看護、緩和ケア
本当に、お久しぶりです。
最後に更新してから、なんと2ヶ月も経ってしまいました。
いろんなことがありすぎて、PC開くこともできず、いろんなこと書きたいのに、伝えたいのに、結局そこから逃げてしまう毎日です。
今日は、久しぶりにパソコン開いたので、最近思うこと書こうと思います。

褥瘡のこと、いろいろ考える機会がありました。

神奈川県在宅皮膚科勉強会が主催する在宅褥瘡研究会には、毎回声をかけていただいて、本当に勉強させていただいています。
去年の秋の時だったと思うのですが、講演のなかで平成26年の診療報酬改訂の在宅患者訪問褥瘡管理指導料についての説明がありました。
簡単に言うと、在宅褥瘡チームによる在宅での褥瘡治療が行われた場合は、所定の計画に乗っとて行うと管理料を加算できるよ、というものです。
ただし、このチームは他職種であること、専門の医師がいること、そして在宅褥瘡管理に係る専門的知識・技術を有する褥瘡管理者がいることが義務付けられています。
この褥瘡管理者は、認定看護師はもちろんですが、日本褥瘡学会のセミナーを受講し、d2以上の褥瘡の症例報告を5例提出して審査を通過した医師または看護師のことです。
この時の講師の先生から、ぜひ皆さんとってくださいと言われ、すぐにその気になりました。
実際、管理者になったとして、この算定基準を満たすチームができるかどうかはわかりませんが、自分がこの地域で褥瘡管理者として在宅の褥瘡に向き合っていきたいという衝動に駆られたわけです。(そう、私は褥瘡を見ると治したい!病になるんです。)

そんなわけで、1月に新宿で開かれた日本褥瘡学会の在宅褥瘡セミナーに早速参加して、つい昨日郵便局から5症例と申請書類を投函してきました。結果は、まだ先の話ですが、おかげでしっかり復習したり、いろんな情報を知ることができました。

褥瘡と一口に行っても、病院や施設で管理する褥瘡と、在宅の個別の環境や家族背景に大きく左右される褥瘡管理とでは、本当に月とすっぽんくらい違うわけです。

褥瘡だから絶対治すのかといえばそうではなく、現在の病状や家族の意思、予後など含めて「治すことにとらわれない」褥瘡もあるので、最初にそこをある程度見極めないと、医療者だけが空回りすることにもなります。

患者さんやその家族が何を求めるのかにもよるのです。

とはいえ、基本私たちはなんとか治そうとします。
ここには、やはり在宅患者をとりまくチームプレイが重要になります。
これがうまくいかないと、褥瘡もちゃんと治ってくれません。

正直、褥瘡は環境に起因するものが大きくて、介護力や介護知識、介護環境が整わなければ、どんなにいい薬を上からぺたぺた塗っても良くなりませんから、これはもう私たち訪問看護師やケアマネ、ヘルパー、訪問入浴のスタッフなどの力が絶対的に大きいわけです。
なので、褥瘡の治療をする医師との間に信頼関係がないと、なかなか円滑に治療が進みません。

褥瘡を治療するにあたっては、まずその在宅の環境をアセスメントして、その原因を知ることから始まります。
これには、ブレーデンスケールとか、OHスケールとか、在宅版K式スケール、褥瘡危険因子評価表などがあって、点数化していくことで定期的に評価していくわけです。
そして褥瘡そのものを評価するものにDESIGNがあります。
重症度分類と、経過表とがあって、最近では経過表はDESIGN-Rで評価しています。

面倒くさいのですが、これらをちゃんとつけながら、写真もとって管理していくと、いろんなものがちゃんと見えてきますし、あとて振り返った時に、なるほどよくわかります。

なんか、ごちゃごちゃ面倒な話ばかりですが、ここから私が言いたいことなのです。
でも・・、もう真夜中丑三つ時になってしまったので、続きは明日ということで、ごめんなさい。

イベントいろいろ

2014-12-13 00:49:00 | 訪問看護、緩和ケア
なんだかんだ、もがいているうちに、今年も終わりですね。
勉強会はじめ、イベントいろいろありましたが、今日は年に一度の瀬谷区訪問看護連絡会主催の在宅医療・介護セミナーでした。
瀬谷区訪問看護連絡会は、瀬谷区内の訪問看護ステーションと、瀬谷区ケアマネット、区の高齢障害担当、基幹病院の聖マリアンナ医科大学横浜西部病院ホームケアとで構成されていて、毎年ケアマネやコメディカル対象に医療・介護のセミナーをやっています。
12回目の今年は「統合失調症」をテーマに、区内の精神訪問看護ステーションからのケース発表と、長谷川式の長谷川先生の息子さんである長谷川浩先生の講義「統合失調症におけるアドヒアランス」を目玉に、行政からの精神疾患に対する制度・社会資源の紹介など盛りだくさんのセミナーとなりました。
精神疾患と訪問看護は、切っても切れない関係です。
精神訪問看護の指定をとっていなくても、実際訪問が始まったら実は精神疾患も持っていましたとか、介護者が精神疾患をもています、なんてことは普通にあるからです。

ケアマネやヘルパーも同じで、今日も「認知症の母親のケアマネですが、息子さんが統合失調症で支援が必要で、自分が抱えることではなくても、ずっと関わってきている。」という発言があったりしました。

そういう関わり方では、大切な情報がもらえないまま、かと言ってほおっておくわけにも行かず、途方に暮れてしまうわけで、どこにどうやって支援を繋げるのかなど、ケアマネさんたちも知りたいお話です。

とはいえ、精神疾患の関わり方といっても、長い目で見つつ身近いスパンで目標設定しながら関わるとか、疾患を理解した上で、長い時間をかけ受け入れてもらうとか、なかなか抽象的で実際ケースバイケースで関わる難しさがありますよね。

とにもかくにも、100名くらいは参加者がいたと思いますが、年々盛況になっているこのセミナー、来年はもっと趣向をこらせたらいいなぁ・・と思っています。

そういえば、11月29日には「訪問看護サミット2014」に行ってきました。
泉区の管理者と一緒に、1日目の午後からパネルディスカッションと記念講演を聞き、企業展示を見てきました。
企業展示って本当に面白くて大好きです。
その時期の最維新の情報が手に入ったりしますし、ケアに関してもたくさんのヒントがみつかります。
そして一番嬉しいのが、サンプルをたくさんもらえること。

あっちのブース、こっちのブースでいろんなサンプルもらって、うちの患者さんに紹介できるものはないかと見て回るのは、なかなか楽しいです。

ちなみに、今回は事前に決めていたパルスオキシメーターのパルソックスを2台購入しました。パルスオキシメーターはピンからキリまであって、1万円程度の安いものから上はきりがありませんが、大体4~5万円前後が医療者が使うものじゃないかと思います。
最近は、JIS企画がないとダメってことで、安いパルスオキシメーターが投げ売りされたりしているらしいですが、うちは呼吸器の患者さんも多いし、故障しにくいものじゃないと困るので、あまり安いものは買いません。

それと、本を一冊書い、サンプルはあちこちでもらい、テルミールのアイスを食べ、名刺交換をして、最後には足のマッサージ器を買ってしまいました。
一緒に行った管理者も、会場で会った管理者も、みんなで買っちゃいました。
看護師って、思いっきりhがいいんだなーと感心したりして・・。
だって、いくら安くなってるって言っても、9万超なのでやっぱり思い切った衝動買いですよね。
まあ、自分へのご褒美ということで、夫と毎日使っています。

パネルディスカッションも、記念講演もすごく面白かったので、いくつかのキーワードをここでご紹介しようと思っていたのですが、さすがに夜中になってしまったので、近日中にまた書こうと思います。

自分の知らないこと、知らない世界、知らない言葉。

なるべくたくさん吸収したいなと思います。

手枷足枷、動きが取れない今日このごろですが、なるべく出ていきたいなーと思っています。

お尻の体圧

2014-12-02 01:09:27 | 医療機器・介護用品
久しぶりです。
書きたいこといっぱいあるのに、全然PCに迎えない毎日です。

とりあえず、久々ですが先日行った車椅子のシッティングの勉強会でのお話です。

圧迫骨折などを繰り返していて、背中が丸くなって前にかがむような姿勢のお年寄りってかなり多いです。
円背(えんぱい)とか亀背(きはい)とか言いますが、体が小さいおばあちゃんに多いですね。
昔は、農家など過酷な労働が多くて、それこそ農作業の形のまま固まったみたいになってしまって、歩いていてもまっすぐ前が見えないんじゃないかと思います。

胸郭も変形して、肺も圧迫するし、胃も圧迫するので逆流性食道炎なども起こしやすくなります。

こういう方に多いのが、座りだこです。
他にも、大柄な男性でずっと座椅子や車椅子に座っている方にも、座りだこは多いです。

比較的動けているうちは、座りだこで何度も瘡蓋が剥けてはまたできる、を繰り返したりしますが、自力であまり動かなくなると、やはりそこは褥瘡になります。

そこで問題になるのが、お尻の体圧分散をどうするかということです。

以外に多いのは、円座をずっとしている方です。
円座は、空気を入れすぎると円座の形に虚血しますし、ぺちゃんこだとやはり異物でしかありません。

介護保険が始まって以来、福祉用具の中で体圧分散マットレスが数多く開発されてきましたが、ちゃんと選定されていない方も数多くいるような気がします。

お尻の褥瘡が良くならないという報告をスタッフからよく受けているなかで、車椅子クッションの体圧測定を実際見てみようということになり、アビリティーズさんに勉強会の講師をお願いしました。


持ってきて頂いたのが、圧力分布測定システムSRソフトビジョンです。

科学的な褥瘡管理のための評価ツールとして、最も欲しいツールですが、お値段もなかなか張る上に、使いこなせる自信もなく、これは専門家にお願いするのが一番と、いつもお世話になっているアビリティーズのNさんに解説していただきました。

SRソフトビジョンと呼ばれる座布団くらいのシートを車椅子に乗せて、その上に人が座れば、パソコンに体圧の分布画面が出てきます。
圧がかからないところから薄いブルー濃いブルー、次に緑にグラデーションとなり、厚がかかってくるとオレンジから赤へと変わってきます。


                        

そこで数種類のクッションを持ってきて、どんな圧力分布になるかを、実際見てみました。

まずは、よくあるごく普通のウレタンクッション。
最初は、一見いいようなのですが、5分も座るとウレタンが潰れてきて、坐骨結節の部分に圧力がかかってくるのがわかります。
円座なども同じです。
しっかりと坐骨部分がオレンジになってくるのは、小さな面で支えるために硬い骨の部分が底着きしているということです。
90度座位では坐骨が赤くなりますが、円背で仙骨に圧がかかる方は、仙骨が圧迫されるということです。

次に座ってみたのはゼリータイプのクッションです。
これは、ウレタンよりは体圧分散されているものの、やはりもう少し長く座ると、徐々に厚が集中してきます。

最後に試したのが、このロホクッションです。


これは、エアセルと呼ばれる風船状のモノが、並んでできているクッションで、昔から優れた体圧分散マットとして使われてきました。
最近ではさらに進化して、いろいろいなタイプのものがあります。
本日持ってきていただいたのはこれ。

ロホ・コンツァーセレクト。
セルに高低差をつけることで座位を安定させ、前後左右の座位バランスを調整することができます。
アイソブローバルブというバルブによって、4分割されたロホの空気を調整して、体の傾きを調整できるすぐれものです。

最初にいっぱい空気を入れて座り、少しづつエア抜きをしていきます。
画面を見ながら、体圧が一番均等に抜けてきたところで空気を止めてしばらく待ちます。
何分経っても、沈み込みや底づきもなく、安定した座位が保てることがわかりました。

なるほど、見て確認できるのはいいですよね。
でも、円背のお年寄りはこれだけじゃダメです。

より良い姿勢を維持できるようにしなければ。

そこで登場するのが、ティルトタイプの車椅子です。
ティルトとは、座面がそのままの角度で後方へスライドするもので、90度座位を保ったままで後ろに傾けられます。リクライニングではありません。

1.適したクッションを選択する。
2・腰を深く座らせること。
3・フットレスとは膝を90度で保てる高さにすること。
4.車椅子の背張りを調節すること。(背面にある背張りを、本人の背中に合わせて、たるみを持たせ、さらにサイドからもサポートする。)
         
5.ヘッドレストがあるものは、ヘッドレストも調節する。
テ6.ィルトで後方に車椅子を傾け、下向きになっている顔を挙げて目線を上げる。
7.肘掛の高さを調節する。

これで仙骨は圧迫から解放されるというわけです、。なるほど、なるほど。

車椅子は、ただ単に座れればいい、、運べればいいというわけではないということがよくわかります。

体に合った福祉用具の選定いかんで、在宅生活は明るくも暗くもなるわけです。

そういうわけで、お尻の褥瘡を繰り返している、うちの患者さんには、早速これをお伝えしようと思います。

よくなるといいなぁー。

いつか・・・。

2014-10-28 23:39:30 | 訪問看護、緩和ケア
秋の柔らかな日差しが、窓越しに小さな陽だまりを作り、ベットの足元を優しく温めています。
随分とやせ細った腕が、ピンクの花柄のパジャマからすっと伸びて、電動ベットに寄りかかったままで、ハードカバーの本をしっかりと支えていました。
すっかり真っ白になった髪は、無造作に一つにまとめられていて、肩の横に流れています。
「こんにちは、お加減いかがですか?」と部屋に入ると、パタンと本を閉じて、柔らかな笑顔で迎えてくれるのです。


私も、来年初めには孫が生まれる年齢になりました。
時々、友人とも「年をとったね。」なんて話をします。

それでも、老人と呼ばれる年齢までは、まだも少し時間がかかります。

もし、その年齢まで命があったとしたら、どんな年寄りになっているのかと、時折考えてしまいます。

今までの人生で出会ったたくさんの人々。
この仕事おかげで、お年寄りと呼ばれる人々にも、人並み以上に接する機会がありました。


だからこそ、こんな年の取り方をしたいな・・と思うことがたくさんありました。
もちろんその反対も・・です。


100歳を間近にして、今でも静かに本を読む時間を持ち、豊富な知識や話題を持って、なおかつ相手に不快感を与えない女性に、スタッフはすっかり憧れています。

いつもニコニコ笑顔を絶やさず、「ありがとう。」をたくさんくれる可愛らしい人もいます。

たぶん・・自分の生きてきた人生そのものが、そこに凝縮されて来るのだと思います。

それでも老いてゆく自分を受け入れていくのは、時には悲しかったり、辛かったりするのかもしれませんが、私が出会った素敵な人生の大先輩たちを目標に、素敵な老人を目指したいと思っています。
たとえ、認知症になったとしても、少なくともニコニコ可愛い人でいたい。

いつも穏やかな笑顔を忘れず、「ありがとう。」の気持ちをもって、誰のせいにもせず、誰を羨むこともなく、泣いたり騒いだり、大声を上げて威嚇することもなく、周囲の人々に感謝の気持ちを持ち、悪口や陰口を決して言わず、痛いときには痛いと言って、出来ない時には誰かに委ねて、それでも自分を卑下することなく、今ある自分を認めて精一杯生きる。
そんな年寄りに私はなりたい。


26年度後半 めぐみ在宅 <追想の集い>

2014-10-15 00:19:59 | めぐみ在宅緩和ケア関連
先日1年に2回開催されるめぐみ在宅クリニックの追想の集いに行ってきました。

第一回から献杯の音頭を取らせて頂いている関係で、ずっと参加させてもらっています。

私たちがお看取りのお手伝いをさせて頂いた患者さんのなかで、お二人のご遺族も参加され、お元気な姿を見て、嬉しいやら懐かしいやらで、歓声を上げて再会を喜びました。

とはいえ、最愛のご家族をなくされまだ1年です。

いまだ癒えぬ悲しみは、言葉の一つ一つから感じられて、1年前ご自宅で過ごされていた患者さんの、笑顔や静かな横顔など、まるで昨日のことのように身近に感じることができました。

まるで、その方の息遣いが聞こえるような、ご家族の言葉や回想は尽きることなく、悲しくも楽しい時間を持つことができました。

頑固で亭主関白、そのくせ奥さんがいないと少しもいられないようなOさん。
当初熊のように大きな声で「俺は騙されないぞー!」と吠えていたOさんは、すぐに私たちを受け入れてくれて、帰り際にはいつも、さらっとした温かい手で、握手をして「また来週。」と言って別れました。
本当は、「一緒に散歩しようね。」っていう約束をしていたのに、結局それはかないませんでした。

そんなOさんの言うことなら、なんでも「はい。はい。」と言ってよく動いていた奥様は、私の顔を見るなり「会いたかったー。」と言って涙ぐんでくれました。
「ずっと、頼ってばかりで・・。本当にありがたかったの。」って。
いえいえ、あなたの優しさと穏やかさが、あの頑固なお父さんを、好々爺へと変えて、穏やかな時間を大好きな自宅ですごせたのですよ。

そして、日本の妻代表のような、凛とした美しさを最後まで守り通したKさん。
多くは語らず、胸に秘めた思いはたくさんあったであろう妻をずっと見守り、そして見送った夫は、今も妻の写真に話しかけながら、毎日を過ごしているようでした。

天国のKさん、あなたの旦那様は、誰よりもあなたを愛し、あなたと過ごした時間を抱きしめて、時折さみしさで押しつぶされそうな自分を、時にはお酒の力を借りて、奮い立たせて生きています。
この上なく優しくて、時には酔っぱらいのダメおやじになっても(ごめんなさい(^_^;))いつもいつでもあなたのことを思って、あなたに恥ずかしくないように生きようとしています。
みんなの前で、夜通し考えたというあなたへの手紙は、そんな思いが悲しいほど溢れていて、私たちは皆、涙を流し目を閉じて聞いていましたよ。

そして、同じテーブルでずっと黙って座っていたご婦人は、当初「別に、やることは全てやったので、話すことなどありません。」と硬い表情で言っていたけれど、最後にはご主人との馴れ初めから最期の時までを、まるでのろけるように、慈しむようにお話してくれました。
話すきっかけが出来て良かったと、Kさんのご主人もホッとしていました。

出席されたご家族には、それぞれの物語があります。

みなそれぞれに人生の中で、主人公として生きてきたのです。

その人生の最後のひと時に寄り添えたことに感謝して、残されたご家族と再会した時には、お互いを懐かしんだりたたえ合ったりできるような関係を続けられたらと、心から思う時間でした。

確かに面倒だけど・・・

2014-10-08 23:58:33 | 訪問看護、緩和ケア
介護保険では必ずつきものの担当者会議。
確かに面倒ですよね。
ケアマネのお仕事の中でも、担当者会議の日程調整も大変だし、会議そのものよりも、終わったあとのまとめやらプランの変更やらで、かなりの時間と労力を余儀なくされますから・・。(ーー;)
私は、元来事務仕事が苦手なので、ケアマネに必要な書類を揃えたり、まめに細かく支援記録を書いたり、この担当者会議をやったり、正直とてもしんどいので、3人ほどしかケアマネ業務はしていません。

そんな私が言うのはなんですが、やっぱり担当者会議は大事です。

大きく状態が変わって、環境のこと、これからのこと、サービスの変更もろもろ必要な時に、担当者全員が同じ方向で支援をできるようするためには、お互いの情報交換と、目標の共有を図る必要がありますから。

だから、関係するサービス事業所に連絡をして、家族にも了解をとって、一同に会して会議をするための準備をして・・と大忙しとなるわけです。

なので最近では、サービス導入時にケアマネさんが紹介がてら同席して、「これを担当者会議にしてください。」と言われることが多いです。

サービス導入時はそれでいいのですが、経過の中で急変や状況が大きく変わったとき、看護師としてはみんなに状況理解をして欲しくて、さらにはプランを考え直して欲しくて、担当者会議しませんか?って提案することがあります。

多くはケアマネさんも状況をわかっていて、そうしましょう!ということになりますが、ちょっと迷惑そうにされることもあって、困ってしまうことがあります。

「この時間しか設定できませんでしたから、そちらもこの時間に合わせてください。」とか言われてしまうと、なかなかそこに時間を合わせるのは至難の業となってしまいます。

まして、病状変化があって緊急訪問やら点滴やらといろいろあって、今後も病状不安定な患者さんの場合だと、出ないわけにはいきませんよね。
「時間は決まっています。出れないなら紙面照会でいいです。」と言われても、こんな状況で紙面でどうするのか、状況をちゃんと伝えなくていいのか・・と考えてしまいます。

結局担当看護師は出れないので、私がなんとか出るように調整したりしますが、今問題がどこにあって、どのサービスの情報や見解が必要なのかを考えれば、まずそこから都合を抑えるのが筋だと思うのだけれど、どうも視点が食い違うこともあって、時間調整に四苦八苦したりします。

実際の担当者会議でも、進行の仕方にもいろいろあって、全体を把握出来ている熟練したケアマネさんだと、本当にスムーズに話が進みますし、最初に設定した時間内にきちんと収まります。
これは慣れの問題かもしれないけれど、担当者会議に「あ〜でもないこーでもない」で1時間以上も(下手をすると2時間近くも)延々とかかってしまう場合もあって、いつ抜けようかそわそわしちゃうことさえあります。
会議の進行の仕方も、もっとケアマネ研修でやったほうがいいのかもしれませんね。

実際、担当者会議の時期が重なったりして、沢山ご利用者さんを持っているケアマネさんは本当に大変ですから、なるべくしのごの言わずに出たいとは思っていますが、たまーにちょっと「?!」と思うこともあって、つぶやいてみまいた。

なので、逆に困難事例を山ほど抱えて、てきぱきと奔走しているケアマネさんには、本当に頭が下がります。
何より、信頼できるので安心して訪問看護を提供できます。

訪問看護もそうですが、現状何が問題で優先順位はどこにあるのか、問題をどのように解釈して意見をまとめ目標をたてるのか、を自分の中で整理できていることが大切ですね。








万年人手不足

2014-09-24 23:44:37 | 訪問看護、緩和ケア
この業界、万年人手不足で看護師さんは金の卵状態です。

大きな病院の人事担当者は、地方の看護学校まで青田刈りに出かけ、結構な支度金を積んで勧誘するなんて話も聞いたことがあります。

そんな現状をビジネスに変えて、医療職の就職斡旋会社がひっきりなしに電話をかけてくるし、お金あげるから転職しよーよ!みたいなCM作ったりもしています。

おかげで、働きながら他のもっと条件のいいところはないかなーと待っているNSは結構いるのかもしれません。
登録しておけば、好条件で支度金までつけて話を持ってきてくれるわけで、売り手市場のこの業界では結構な登録数になるんじゃないかと思います。

でも、でも・・・
うちが求めているのは、訪問看護をやりたい人なわけで、優先順位が好条件一番の人では、たぶん難しいと思うのです。

そこで求められるのは、スキルはもとより強い志なわけです。

訪問すれば1対1で向き合わなければならないし、そこに正しい知識と経験とスキルがなければ、患者さんを危険な方向に導く可能性もあるし、深く傷つけてしまう可能性だってあります。

でも、それを恐れて向き合えないのであれば、これはもう訪問看護はできません。
怖い怖い、わからない、不安、自信がない。
では済まないのがこの仕事です。

それでもなぜ、この現場で頑張っている訪問看護師がいるのかといえば、それは魅力的だからです。
たくさんの出会いのなかで得られる、熱い思いであったり、深く考える時間であったり、看護をするという喜びであったりするわけで、その場所が在宅にあることで、その関わりはさらに患者さんを取り巻く人々にも広がっていくからです。

なーんて理屈っぽくなりましたが、要するに訪問看護をやってみたい!やりたい!という人が欲しいのです。
斡旋会社は一度利用しましたが、やはり短期で止められてしまい、もう二度と使う気にはなれません。
人を介してではなく、自分で扉をたたいて欲しいのです。
訪問看護がやりたくて扉を自分で叩いた人で、訪問看護が嫌いになった人は今までうちの職場ではいませんでした。
うちを退職しても、どこかで訪問看護を続けています。

訪問看護がやりたい人、手を挙げてくださいな。

孤独の受け止めは人それぞれ

2014-09-24 00:01:50 | 訪問看護、緩和ケア
ひとりで暮らすこと、ましてや一人で死ぬことはどれほど不安なのだろうか。
絶対に怖いし、不安だし、さみしいに違いない・・と、ついつい思ってしまうのだけれど、最後まで一人の方が楽な人だっている。

うん十年前、私は6年ほど一人暮らしをしていて、そりゃあ、気は楽だったし今から思えばストレスなんてほとんどなかったように思える。
でもその間に恋人と別れたりして、一人の生活が続くに連れて「私って悲しいほど自由だわ・・」なんて浜省の歌の題名を自分のテーマにして自虐ネタにしていたりした。
つまり私には、到底一人で死んでいくなんて事はできっこない。

これまでだって、何人かの独居の方のお見取りもしてきたけれど、みなヘルパーさんが入っていたり、近所の人が顔を覗かせてくれたり、縁者が来てくれたりしていた。

でも、看護師と医師以外は来て欲しくなくて、ずっと一人でフラフラになっても洗濯したりタバコを吸ったりしていて、毎日吐血や下血をしても、放っておいてほしくて、看護師にも用が済んだらとっとと帰って欲しくて・・・そして一人で逝ってしまった人がいたときに、最後が一人は悲しい話ではないのだと納得した。

もちろん不安はあったと思うけれど、それよりも一人でいることを選んだのは、やっぱりひとりが良かったのだろうとしか思えない。

選択肢はいっぱいあったし、経済的にも問題はなかった。

ただ、頼れる人はいなかったのだと思う。

誰かに委ねるということは存外難しくて、赤の他人に特に体を晒すことや、家の中で活動されることは、やはり抵抗はあるのだろう。
突発的に倒れて亡くなる場合は別として、これから近い将来の死に方を考える時に、なかなか選択するのは勇気がいるとは思うのだけれど。

そうは言っても、私なんて入院中は恥ずかしいより痛いほうがずっと勝っていて、座薬は毎晩お願いしていたので、これも気力の問題なのかな・・。

などなど、いろんな過去を背負って生きてきた人と縁あって出会って、その人の最後の時間そばにいさせてもらう仕事をしていると、毎回色々と考えてしまう。

先日100歳近いおばあちゃんが、いよいよ老衰で危ないという時に、ふと目を覚まして「お迎えが来たけど、断っておいたよ。」と言って笑った。
それから、おばあちゃんは何日もあちらとこちらを行ったり来たりしているけれど、いまだに頑張れているのは、基礎体力なのか気力なのか、家族の力なのか・・。
本当にすごいことだと思う。

ちなみに、先日在宅皮膚科勉強会で管理栄養士の先生がこんなことを話してくれた。
「高齢者は糖はほとんど使わないのよ。よく寝たきりの人でやせ細っていて、食事も取れず点滴もろくにしていないのに、ずっと頑張っている人がいますよね。
あれは、ケトンを使っているんです。だから高齢者に糖はいりません。炭水化物はいらないからタンパク質と脂肪が大事!」

みんなで顔を見合わせて納得。
なるほど-。目からウロコが・・。

日野原先生も食事で炭水化物はほとんどとっていないのだそうです。
そしてステーキを食べて今日も元気。

話が飛んでいるけれど、老衰と言われる域に達すると、死は悲壮感が薄れ、大切な儀式のような、どこか優しい時間のなかに置かれているような気がするのは私だけなのか・・。


死を前にすると、たくさんのことを考えてしまいます。


在宅CVポート管理のおさらいをしてみた。

2014-09-14 23:40:22 | 訪問看護、緩和ケア
先日あまり関わりの少ない病院から、在宅IVHの患者さんをお引き受けしたときのこと。
初回訪問に伺って、ルートと針の差し替えをしようとして物品を確認していたら、フラッシュ用の生食が見当たりませんでした。

ご家族に聞いても、これが全部ですとのこと。
しょうがないので、その日はルートの液を針に満たして刺し替えをして帰りました。

すぐに病院連携室に連絡し、フラッシュ用の生理食塩水がなかった旨を伝えると、連携室のナースは「それは必要ですか?今までどこのステーションにお願いしても言われたことがなかったですが・・」とのお返事が・・。
うーむ・・

これって私がおかしいの?

いやいや、そんははずはない。
近隣の病院からは、必ず生食は頂いていますし、第一フラッシュしないのはおかしいですよね。
いろいろ調べてみても、やはり針は生食でプライミングしてからポートに刺し、逆血確認してフラッシュしてからルートに接続でいいはず。

よくよく聞くと、まだ配属されて短いとかで、特に大きな病院ではポートの差し替えはドクターがするそうなので、よくわからなかったようです。
お願いをして次の受診時にはちゃんと持たせてくれました。

それにしても、ほかのステーションさんはどうしていたのかなぁ・・。

これでやれって言われればそれでやるのか、黙ってどこからか調達していたのか、なんで黙ってやっていたのかが一番の不思議でした。

うちの新人さんも臨床にいたのがだいぶ昔で、日進月歩の医療処置は不安です・・。と言っていたので、急遽株式会社メディコンさんにお願いして、ポート管理の勉強会をしてみました。

ポートは一般的にほとんどの場合鎖骨下に設置します。

                       
皮下にこんな感じで埋め込まれているわけですね。

このまあるいポートの中心部にセプタムと呼ばれるシリコンゴムの部分があって、このシリコンゴムの下が薬液を注入するための空洞になっていて、そこに針を刺すわけです。

ポートからは鎖骨下静脈にカテーテルがつながっていて、このカテーテルの先端部がオープンエンドカテーテルかグローションカテーテルかによって、管理方法が違ってきます。

先端をスパンと垂直に切っただけの筒状のカテーテルをオープンエンドカテーテルと呼び、このタイプはカテーテル内で血液が固まりやすいのでヘパリン生食を充填することで血が固まって詰まることを防ぎます。
一方、先端は閉鎖していて側面に切込が入っており、注入するときと吸引するときに弁のようにスリットがひらくものをグローションカテーテルといいます。
これは注入、吸引時以外は弁が閉鎖しているため血液が固まって詰まることがないので、生理食塩水の充填だけで大丈夫です。一般的にはこのカテーテルが多いように思います。

ポート自体も逆流防止弁があるものとないものとがあり、逆流防止弁のあるタイプのポートで逆血をしようとすると弁が壊れることがあるので、どのタイプのポートが入っているか、カテーテルは何を使っているかは、事前の確認が必要ですね。
ただ、一般的には逆流防止弁のないタイプのポートとグローションカテーテルを使っていることがほとんどなので、手技としては穿刺時には軽く逆血を確認後フラッシュを必ず行うことが必要です。
ネット検索すると、逆血を確認したピストンは、血栓を押し込まないよう新しく交換するというものがありましたが、在宅では抗がん剤を注入するわけでもないので、うっすら逆流が見られたら、そのまま押していいとのことでした。
また、この時のフラッシュはパルシングフラッシュといって、生理食塩水を数回に分けて注入をします。これは、カテーテル内で乱流を起こし洗浄力を高めるもので、この方法でフラッシュを確実に行うことで閉塞を予防することができます。

そういうわけで、必ず針を交換するときには生食ピストンを針に接続してプライミングをし、穿刺後は逆血確認、パルシングフラッシュ後にルートを接続します。

                 

ちなみに、ポート用の針もたくさんありますが、最近多いのがメディコンのヒューバープラスノンコアリングニードルです。
これは、針刺し事故防止のため、抜針時に両翼をつまみながら抜くことで、自動的に針が折り畳まった翼の中に収納されるものです。

でも、これ今まで大嫌いだったんですよね。
なんというか、穿刺時も抜針時もうまく力が入らなくて、すごくやりづらく感じていました。
でも、どうやら正しい持ち方がわからなかっただけみたいです。
持ち方の説明書もいただき、みんなで実際デモを行い納得しました。


まあ、現実的には人それぞれ体の状態も皮下脂肪の量も違い、固定方法も個別に考える必要がありますが、とにかく一度初心に戻って振り返るのも必要ですね。

病院と違って、新しい機器が入るたびに説明してもらえるわけではありませんから、追っかけ勉強しないとついていけなくなりますね〜(^_^;)

そうそう、在宅皮膚科勉強の今年のお題で「褥瘡の栄養管理」がとても面白くて目からウロコでしたので、また近いうちにご紹介しますね。
それではこのへんで。

ご無沙汰ですが、せん妄のこと。

2014-09-07 17:38:38 | 訪問看護、緩和ケア
ブログの更新を忘れているわけじゃやないけれど、書かなくちゃ!って言う強迫観念は薄れて、ずっと放置していました。
マイペース、マイペース。

9月1日から仕事に復帰して、結構辛いんじゃないかと思いきや、一日お仕事しても横になりたいとか、痛いとかいうのは全くありません。今のところ・・。

で、1日から初回訪問をして普通の訪問も入れて、すでに新患さんの相談が毎日のようにあるのは、ありがたいやら焦るやらの日々です。

そんな中でも、ポートのフラッシュをめぐり???という事が有り、サイドお勉強をしなおそうじゃないかと、来週の勉強会も企画しました。

そして、昨日は近くのクリニックで「せん妄」のお勉強会があり、参加してきました。

主催はめぐみ在宅クリニックですが、講義は岡山大学のせん妄対策チーム精神科リエゾンチームの皆様方です。

今回は、がんターミナル期のせん妄にどうアプローチをするかというものでした。
DVDを見てから「せん妄」とはどういうものか、認知症との鑑別、薬物療法の簡単な講義をうけ、お休みを入れてグループごとにアプローチ方法をロールプレイでやってみるというものでした。

グループは3人ずつ、患者家族役、医療者役、観察者になって交互に体験するというものです。


実際、せん妄と認知症とどこが違うか言ってみてといわれると、ちょっと言葉につまる私でしたが、なるほどすこしですが理解できましたので、復習がてら簡単にまとめてみます。


せん妄は、何か原因があって、注意障害や意識障害があらわれます。
通常は短期間で、日内変動があり、時に幻覚があったり、意味不明の行動をとって家族を驚かせます。

昨日まで普通だったおじいさんが、まるで夢遊病のように「家に帰らなきゃ」などと言って外に行こうとしたり、壁に虫が這ってるなどと見えないものが見えたり、日にちがわからなくなったりします。
昼夜が逆転も多く見られ、夢うつつの「寝ぼけた」状態と言われています。

よく入院した夜から急に不穏になって、壁におしっこをしようとしたり、会社に行くと言って点滴を引き抜いたりしたひとが、自宅に帰るとケロリと治ってしまったりすることがありますよね。これも典型的なせん妄で、環境の変化や不安な医療行為を除去して治ったということですね。


評価ツールはたくさんあって、ネットで「せん妄・評価ツール」でたくさんヒットしてきます。
中でも、福島大学の先生のPDFはすごくわかりやすかったので、見てください。

せん妄の評価のポイントは
1.日にち・場所の障害(見当識障害)がある。
2.単語の再生の遅延がある。(たとえば、「梅・車・はさみ」を繰り返させて、しばらくあとからもう一度聞いても繰り返せなかったり、なかなか出てこなかったりする。
3.計算の障害  100から7を順番に引いてください。ができない。

脳波を取ると、徐波と呼ばれる特殊な波形が出ます。


認知症の場合は、時間をかけて潜在性に進みますが、せん妄は数時間から数日のあいだで原因を除けば消失します。
認知では近時記憶障害であり、せん妄では注意集中困難となります。

また、せん妄の中でも過活動型せん妄と低活動型せん妄、混合型せん妄があり、低活動型せん妄はしばしば見落とされます。
ターミナル期の患者さんに多く見られるせん妄は、低活動型せん妄なのだそうです。

せん妄は引き金となる直接因子と起こりやすい素因である準備因子、促進・遅延化させる促進因子が有ります。

準備因子としては、高齢で認知機能障害が有り、重篤な身体疾患があり、頭部疾患の既往や過去にもせん妄を起こしたことがあるなどです。
こういう因子を持つ方に、不用意に睡眠薬などを投与することでせん妄を引き起こすことがあります。
このため、せん妄ハイリスク患者のための睡眠導入が必要となります。

直接因子は①身体疾患 ②薬剤 ③手術で、オピオイドも注意が必要です。

促進因子としては、痛みや拘束や脱水や苦痛などで、精神的な不安や抑うつからも促進されます。
また、手術室や入院、場所の変化、明暗、騒音なども要因となり、不眠や睡眠障害も因子の一つです。

これらの因子をなくしていくことだ第一の治療であり、原因を見極めて環境を変えたり、もとの病気の治療をしたり、上手な声かけをするだけでもおちついたりします。


たとえば、昼夜逆転して昼にウトウトしても、昼に寝かせるのではなく、昼夜のメリハリを付け、昼は明るくして日時のはっきりわかるカレンダーや時計を置き、何気なく日付や時間を意識つけたり、よるは真っ暗にせず足元の明かりをつけて、自分が今どこにいるかをわかるようにしておくなど、意識の混乱がないような環境を作ることも大切です。

また、医療的には血液検査などで、電解質以上や代謝異常がないかなど、意識障害をきたさないような管理が必要になります。


それでもひどい時には有効な薬剤がありますので、内服や場合によっては注射でも治療できます。薬剤名に関しては、ここでは書きませんが、レセプトが通るもの通らないものがあるし、病気によっては使えないものもありますから注意が必要だそうです。

そういうお勉強を聞いたあとで、家族がせん妄状態となり、「頭がおかしくなったのではないか?」と不安がる家族に、ちゃんと説明して安心させることができるような練習・・ということで、ロールプレイをやってきました。

みんな役者でさながら家族の不安と驚きを表現していましたよ。(^_^;)
もちろん、医療者役もどうしたら分かり安く理解していただけるかと、パンフレットを見せたりしながら、短いドラマを演じていました。

半日かけての勉強会でしたが、岡山大学の精神科チームの先生方は、とても謙虚でしかもハートの熱い先生方でした。





元気になりました!

2014-08-15 11:04:46 | 日々のあれこれ
前回の記事を書いてから、お休み中にたくさん更新するつもりでしたが、実際手術後は痛くて辛くてそれどころではなく、痛みが落ち着いてからも、長くパソコンに向かうこともできませんでした。
それでも、手術はすごいです。

7月30日、午後からの手術でストレッチャーで運ばれ、気がつけば手術は終わっていました。
顔の見た目よりも背中が肉厚だったため、狭い傷から掘り進むのが大変だったとのことで、2時間の予定が3時間もかかってしまいました。

激痛とともに目が覚めた私は、点滴、マスク、モニター、パルスオキシメーター、バルーンカテーテルのフルセットで、しかも背中に入ったドレーンが辛くて全く身動きができませんでした。
激痛対策で点滴の側管からはDIB(持続薬液注入システム)がぶら下がり、15分ごとにPCAのリザーバーを押せば、鎮痛剤が注入されるようになっていました。
・・が、中身が何かわからないまま痛みでリザーバーを押すたびに、ものすごい嘔気で吐きまくり、プリンペランの側管もあまり効果なく、一晩中朦朧としながら吐いていました。
ドレーンが辛いし、体中痛いし、腰は重度の生理痛のような感じで、1時間毎に体位交換をしてもらっていました。
朦朧とする中で、DIBのボトルに書いてある薬の名前を見たら、フェンタニールと書いてあり、「これがダメなら、ガンになってもフェントステープ使えないのか・・」なんて馬鹿なことを考えたりもしました。
どっちにして、痛みがそれほど楽になっている感じもなく、吐き気がひどいのでそれは中止にしてもらい、ボルタレン座薬にしてもらったら、吐き気はぴったりと収まりました。
痛みもこれの方が楽みたいです。

手術後二日目にはドレーンが抜け、これで自力で体位交換もなんとかできるようになり、少しずつ痛みのベールも剥がれつつ、4日目にコルセットをつけて立ち上がりました。

たった4日間寝ていただけで、かなりフラフラしましたが、あの脊髄を絞られるような激痛はすっかりなくなっていました。
多少の坐骨神経痛は残ったものの、それも数日でなくなっていきました。

5日目には歩行器もとれて、全く自力歩行。翌日には自力でシャワー。

術後の写真でみた私の背骨は、それは見事に矯正されて真っ直ぐになっていました。
傷は腰椎を挟んで左右に3~4cmのものが2本。
ステリストリップではっつけただけで抜糸もなく、今でも私の背中にはまだ瘡蓋が残って時々チクチクしています。

毎日、担当PTさんとリハビリしながらわかったことは、靴の選定が悪く歩き方に問題があったこと。
フットケアのトレーナー(オーソティックスソサエティー)であるPTさんから、足の細かい測定や靴選び、歩く時の体重移動など、細かい指導を受けてから、足にあったスニーカーを履くと、嘘のように歩くのが楽になり、ずっと痛かった股関節の付け根の痛みが、ぴったりと止まってしまいました。
これには驚きで、それ以来自分の歩き方に意識するようになりました。

今までも、靴は大事だよー。歩き方は大事だよー。
というのは分かっていても、あまり興味を持たずスルーしてきたので、なんだかすごく衝撃的でした。

で、あれよあれよというまに先生に「ばっちり矯正して固定できたから、もう退院してもいいよ。」と言われ、手術翌日よりちょうど1週間で退院となりました。

娘と彼氏の迎えで、途中数日預けていたうららを迎えに行き帰宅しました。

うららがいるので、私は床面での生活になっていて、立っている時や椅子に座るのはいいのだけれど、長座ができないので、PCの前にいる時間が短く、いままで更新は出来ていませんでした。
でも、それも少しづつ工夫しながらかの応となり、今では重い物さえ持たなければ、日常生活もほぼ問題なく送ることができます。

コルセットはこれから3ヶ月、起きている間は必ず装着ですが、暑い以外はあったほうが楽な感じです。


そんなわけで、8月一杯はお休みをもらっていますが、現在ウォーミングアップしながら、完全復活を待っている状況です。

脊髄の手術って、昔は寝たきりになるかも・・やらないほうがいい・・
なんて言われていましたが、ちゃんとした治療を受ければ、あの痛みや歩行障害とお別れできるようになります。

人にもよるのでしょうが、ヘルニアやすべり症など脊椎管狭窄症に苦しんでいる方は、まだまだ諦めずに挑戦することもありですよ。

今回入院した鶴見の平和病院脊椎センターは、脊椎専門の病棟で、スタッフの皆さんにも、とても良くしていただきました。

溜まっていた疲労も、これを機会にリフレッシュしてまた、9月から頑張ります!

明日は、手術。

2014-07-29 12:13:26 | 日々のあれこれ
お久しぶりです。
もう本当に止めちゃおうかと思うくらい書けなくなっていましたが、入院とともに急に時間ができてしまいました。

腰椎変性滑り症、腰椎部脊椎間狭窄症

この半年でどんどん悪化して、ブロックも効かす、リリカとトラムセットで我慢しなから仕事や家事をして来ましたが、やっと手術になりました。( ̄▽ ̄;)
とはいっても、やはり手術は怖いです。
何より痛いのが嫌です。

明日の手術は、MIS-TLIFという脊椎の低侵襲手術です。
飛び出ているヘルニア取って肥厚した黄縦靭帯削って、骨移植してから滑った腰椎をボルトで固定する。と言うもので、これを内視鏡的にするわけです。
この手術では、県下一番の実績と腕を持つ鶴見平和病院脊椎センターの田村先生を紹介していただけたので、腰椎固定術なのに1週間で退院することが出来るんです。

昔、私が整形病棟にいたころは、滑り症だと腸骨から骨取って、背中ざっくり切って骨を移植して、体幹ギブスされて何日もベッド上生活だった記憶があります。

でも、1週間の我慢で今の痛みかなくなるなら、これはもう頑張るしかないですよね。

そんなわけで、私は今日から患者さんです。

栄養士さんが、血圧の薬飲んでいるなら減塩食にしましょうか?と言われ、それは拒否して、カロリー制限食にしてくださいって言ったら、糖尿病じゃないからダメです。変わりにご飯半分にしてあげます。って言われました。(((^^;)
そんなわけで、ダイエットもかねての入院です。
時間があるので、ぼちぼち更新しますが、何分スマホからの更新なので、誤字脱字ご容赦下さい。

救急要請で考え込んだ。

2014-06-25 00:01:03 | 訪問看護、緩和ケア
しばらく前の事。
ターミナルで自宅療養中の患者さんから電話がありました。
痛み止めを飲んで寝てしまい、目が覚めたらお母さんが息をしていないというのです。

読んでも、揺すっても起きないし、息もしていない。
助けて!!

悲痛な声に、私はすぐに彼女の家に向かいました。

私が着くと同時に、お母さんのケアマネさんも到着しました。
救急要請は済んでいるとのこと。

ご高齢で血圧も高かったお母さんです。
最近では足の調子も悪いと聞いていました。

動転している彼女の布団のすぐ横で、籐椅子に座ったままのお母さんは、すでに心肺停止の状態で亡くなっていました。

彼女が眠っているあいだに、おそらく突然に、あっという間に逝かれてしまったのでしょう。

その時点ですでに少なくても30分以上は経過していると思われ、私はそのまま救急隊を待つこととしました。

一瞬蘇生を考えなかったわけではないのですが、警察の介入を考えたときに動かさない方がいいのでは・・とも思いました。

やがて、救急隊がどやどやと入ってきました。

そして、なんのためらいもなく、救急蘇生を始めたのです。
AEDも作動しながら、娘さんに延命措置の希望を聞きました。

彼女は、まだ生きる望みがあるのなら、たった一人の身内なのだから、助けて欲しいと懇願しました。

私は、蘇生をしている救急隊を見ながら「え?私は心肺蘇生をしなければいけなかったの?」と愕然としました。

救急隊は、近くの病院に連絡するとき「死後硬直もなく、紫斑もありません。」と言っていました。

もしかして、これがサイン?
蘇生をするかどうかのサインなの?

そして、お母さんの心臓は、AEDの力でなんと鼓動を再開したのです。


救急車に乗った親子を見送ったあと、蘇生すべきだったのか、しなければいけなかったのか、気持ちがザワザワとして落ち込みました。

在宅では、通常ご自宅で亡くなられると、静かに医師の死亡確認を待つのが当たり前になっています。
もちろん、元気だった人が突然目の前で倒れれば、私だって咄嗟に心臓マッサージを始めますが、このシュチュエーションでいきなり心マをはじめることは、在宅の医療関係者ではしないと人のほうが多いのではないかと思います。

そしてお母さんは、一晩だけ人工呼吸器を付け心臓を動かし、意識を取り戻すこともなく翌日亡くなりました。

娘さんは、かなりの量の麻薬パッチと座薬を使い、IVHのバックを持ちフラフラになりながら病院に行き、家で待機するよう言われ帰宅していました。

搬送の時、救急隊の救急救命士に、娘さんがそういう状態であると告げたとき、「そんな情報はいらない!」と履き捨てるように言われたことも気がかりでした。

案の定、救急車に乗るために慌てて準備をして、両脇を抱えられて階段を降り、車に向かうフラフラの彼女に救急隊は「早くして!」と大きな声で呼びました。
「走れないんです!」そんな声は聞く耳は持たず、「早く乗ってください!!」という声に、ヨロヨロと走りながら乗り込んで行きました。



この状況で、私たちが、するべきことはなんだったのか?

正直、お母さんの年齢や、呼吸停止をしてからの時間を考えれば、たとえ心臓が動いたとしても、植物状態は免れないとも思いました。
そして、その母親を自分の命さえ危うい娘さんがみられるのかといえば、あえて苦しみを増すばかりではないかとも思いました。
けれど、お母さんを思う気持ちや、生きてさえいてれればと思う気持ちが、彼女の支えににもなるとも考えました。
目の前で母を助けてと願う娘さんの気持ちは痛いほどわかります。

でも、呼んでも答えることのない母親の姿を、
呆然と見守るしかないという現実はどうなのだろう。

救急隊は、亡くなった人を乗せるわけにはいかないのだそうです。
でも、蘇生をしながらなら乗せることができるのだそうです。

救急隊が、死亡していると判断するのはいつなのか、現在問合せをしています。
そして、私たちはどうすればよかったのかも。


私たちは、患者さんの急変でもよく救急車を呼びます。

そしてよく感じるのは、救急救命士の中に、時々ひどく不遜で失礼な態度の人がいるということです。

救急救命士は、命の現場で一分一秒を争う仕事だから、そんなことは許されて当たり前だと思っているような、ひどく上から目線の不遜な態度の人。

そんな情報はいらない!

救急隊から見れば、いま心肺停止の人が最優先なのはわかるけれど、その家族の状態だって、とてもじゃないけれどわかっててもらわないと困るのです。

今生きている、この人の方が私たちは大事なのですから。

こういう言われ方は、私たちはかなり毎度のことなので、あるステーションでは、救急隊に口を聞かなくてもいいように、用紙を作ってそれに簡単に書き込んで渡すだけということをしていると言っていました。

なんだか、ずっと後味が悪くて、私の気持ちのどこかに、まるで魚の小骨が刺さっているような不快感で、しばらくはザワザワとしていました。
今回のことは、管理者仲間や連絡会やらでみんなに一緒に考えてもらっています。

ほとんどの人は、私と同じ対応をしたと言っていましたし、実際どうすればよかったかを知りたいと言っていました。

さてどんな回答がくるのか、それを待ちたいと思っています。