こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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鼻水たらして初回訪問

2011-02-28 22:12:30 | 訪問看護、緩和ケア
昨日半日庭仕事をしていたせいか、昨夜くらいからくしゃみが出始め、今日は一日とてつもない鼻水とくしゃみと涙で、ぼ~っとしてしまいました。

午前中の初回訪問は、ガーゼをタップリ詰め込んだマスクをしていったものの、とめどなく流れる鼻水で、マスクのなかはとんでもない状態に・・。

病院嫌いでずっと自宅で我慢していた患者さんです。
そして今では、下半身から背中にかけての強い浮腫みと、大きくゆがんだお腹をかがめて、じっと耐えているようでした。

こんなになるまで我慢していたなんて・・。
ご家族は、嫌がるおばあちゃんを無理やり病院に連れて行くことをあきらめ、在宅でやっていくことを決ました。

病院からの紹介で、ケアマネとともに介入し、往診医もお願いしました。
でも、今はまだベットが入ったばかりです。

身体を動かずと辛そうに眉を細めます。
「いたくない。お腹が張っているだけ・・」そう言いながら、表情は苦痛にゆがみます。


病院が嫌い、治療はしたくない。
そう言って受診を拒否する人はたくさんいます。
自分自身がそう決めたのだから、しょうがないのだけれど、やはり見ていて辛そうです。

下を向くとさらに流れる鼻をすすりながら、直腸内を確認してみました。

う~ん。

初回の訪問診療を一日早めていただけるかどうか往診の先生に確認すると、今日中に時間を空けてくれました。

緩和の薬が何もないのは、あまりにもかわいそうです。
せっかく選んだ在宅。
穏やかで、気持ちよくいられるように、これからお手伝いを始めます。

私の鼻水はと言えば・・。
夕方に激しい睡魔が訪れたかと思うと、しばらくしてウソみたいに止まりました。

鼻炎がひどくなると、すごく眠くなるのは何でなのでしょうか??

今も眠くて眠くて辛いので、もう寝ます。

明日は、少し楽になるかな?



春の陽ざし

2011-02-27 23:19:42 | 草、花、収穫
あんなに寒かったのがうそのように、ここ数日は穏やかな陽ざしに包まれています。
風が強いのも、春の訪れを告げているからなのでしょうね。
(おかげで、今日は鼻がムズムズ、さっきからくしゃみも出始めました。)

今週は緊急当番でもなく、家族でのんびり過ごせています。

とはいえ、朝から庭仕事に駆り出され、伸びすぎたキンカンの枝を、夫が落とし私がかたずけることとなりました。
キンカンの枝は、鋭いトゲがいっぱいあるんですよ。
枝を鋏で短く切りながら、ごみ袋に詰めるのに、「あいた!」「痛い!」「アッ!」と何度叫んだことか・・・手のひら傷だらけになりました・・。


それでも、春の日差しが庭を包んで、気持ちの良い一日でした。


裏庭に、枝を拾いに行くと、蕗の薹があちこち顔を出していました。

 

 

これはもうとらないと、全部伸びすぎちゃいます。

こういう事も春の楽しみですね。
エプロンを広げて、こんな感じです。

当然、夕飯はてんぷらと蕗味噌が食卓に上りました。

空は明るい青。
エリカのピンクの花が、空に映えます。

白いサクラソウ。

ストックも元気です。

そして今日のフクジュソウ。

 みんなお日様に向かって花びらを目いっぱい広げていました。

本当に、春はすぐそこです。

明日からは、また忙しい一週間が始まります。
でも、春はすぐそこです。あとちょっと、頑張りましょうね!

築地場外市場

2011-02-26 23:09:45 | 旅行・グルメ
今日は、娘のリクエストにこたえ、「築地場外市場」に行ってきました。

朝からいいお天気で、空腹のまま8時半に出発しました。

「1時間くらいで着くかな~?」と思いきや、なんと中原街道から車は渋滞・・。
娘は車の中で呑気に顔を作成してましたが・・
下川井から保土ヶ谷バイパスにやっと入ったと思ったら、事故処理中で一車線に・・。
これかー。と思ったのもつかの間、首都高速でも事故。
そこを抜けてからは車は順調でしたが、結局2時間近くかかってしまった・・・。

でも、気を取り直し事前に調べておいた「築地川第一駐車場」に無事入庫しました。

「おお~!これこれ!!」



このごちゃごちゃ感。
混沌として活気に満ちた市場独特の空気。
そそられます~。

市場大好き人間の私。
市場に来ると興奮して物を買いまくる習性があります。

狭い路地いっぱいにせり出した商店の店先には、てんこもりの商品。
そして、だみ声が飛び交い、その間を体を斜めにして行きかう人々。

なんて素敵なワンダーランド。
何が出るかは見てのお楽しみ。



刃物屋さんの見事な包丁。

どういうわけか、店先に剥製をおいている店もちらほら・・。
店番たぬき?? 山盛りの貝柱を見張ってるみたい。

これは?山猫だって・・。

やっぱアジアンな感じですね~。

で・・・剥製じゃありません。


人の流れる道路わきのバイクの上、気持ちよさそ~うに鎮座していました。


 誰がのぞこうが、写真を撮ろうがわれ関せず。立派ですわ。恐るべし築地猫。

とりあえず、お腹が減っていたのでぶらぶらしながら食事のできる店を物色。

長~い列には目もくれず、焼き貝やマグロの唐揚げなんかを売っている店の奥に入ってみました。

この店の奥へ・・(マグロの唐揚げてんこもり500円も買いました。)

カウンターに座って、上に写真入りで並んでいるメニューを見ながら選びます。

魚河岸丼

娘「おかあさん、これなんて読むの?魚・河・・岸・・?」

カウンターのお兄さんA「うおがしドンだよ」

母「あんた、大きい声で聴かないで、恥ずかしいじゃない。なんで読めないの?!」

お兄さんA「いや、恥ずかしくないよ。読めなくても普通だよ。」

そして3分後、現れた20代の青年
「すみません。うおかわぎし丼一つ!」

お兄さんA「へい!」

下を向いて笑いをこらえる私と娘に
お兄さんA「ね、こんなもんですよ。ふつう。」と囁きました。

ちなみにこれが 「さかなかわぎしどん」980円
     

私はちょっと贅沢に、トロ入り海鮮丼。1900円。


ちなみに、カニ汁と、お惣菜バイキング付きです。

お腹パンパン。大変おいしくいただきました。

途中おにいさんAは、お兄さんBを「もっとさっさとやれよ!魚河岸丼くらい10秒で作れ!」とはっぱをかけていなくなりました。

そのあと隣に中国人と思しきカップルが登場。
身振り手ぶりで「サバの塩焼き定食」と「マグロにぎり」を注文。
焼いたサバで本当にいいのか、お店の人は確認を取りたかったのか、店員のおばちゃんが「焼くって英語でなんていうの?」とお兄さんBに聞きました。
おにいさんB「ファイヤー!?」

母・娘「い・いや・・違うと思う・・。」

そこからお兄さんBと話が弾み。
おにいさんB「僕は、まだ18なんですよ。」
なんでも高校出てここに就職したらしい。
他にも18歳で一緒に就職した仲間もいるとのこと。
母「朝早いんでしょう?そのかわり終わりは早いの?」
おにいさんB「とんでもない。夜11時過ぎることもあるんです。僕ら、遊びたい盛りでしょう?休みの日はスノボーに行くんです。」
娘「遊びたい盛りって・・自分で言う?」
お兄さんB「だって、そうでしょう?遊びたい盛りだもん。」

そんな会話もすごく楽しくて、「頑張ってね!」と手を振って店を出ました。

店を出てからも路地を回ってウォッチング。

  魚屋さん。

「ぎんぽ」江戸前のてんぷらのタネでしょうか・・めずらしい。


屋根を見上げればこんな看板も・・
  何故きりん・・?

路地の中、娘を見失いそうになりながら、あちこちのぞきます。


かつおぶし屋さん 1000円パックを購入。

練り物セット1000円購入。

もちろんマグロも大きな柵で購入。
 3800円を2000円に値引き。
(かなり大きくて、夕飯の時中トロの部分と赤みの部分2サクとれました。
もちろん家族6人で完食です。)

さらに「のり」やら「厚焼き玉子」なども購入し、満足して帰途につきました。

駐車料金2時間800円。

帰りは首都高に事故もなく、きっかり1時間で家につきました。

そういうわけで、今夜はかなりのご馳走となりました。

日本人も外国人もごちゃごちゃ、食い歩きをやら立ち食いやらでいろんな匂いが入り混じり、めっちゃアジアなホットスポットです。
まだ未経験の方、ぜひお試しくださいね。


受け持ち制を考える・・

2011-02-25 23:55:25 | 訪問看護、緩和ケア
ここ数年、何度も課題として持ち上がるのが受け持ち制。

各ステーション、いろいろな形態で訪問をしていると思いますが、うちは昔からずっと受け持ち制でやっています。

でも、これもいろいろな問題があります。

・担当ひとりで、全部しょってしまいがちだと言う事。
・自分の看護の在り方や、手技について「本当にこれでいいの?」と疑問に思う事。
・患者さんとの関係が強くなりすぎて、患者さんが担当以外受け入れてくれなくなることがある。
(代行を頼むと、「それならお休みでいい。」と言われてしまったりする。)
・大変な患者さんを受け持つと、精神的にも肉体的にもストレスがかかること。

などです。

一方良い点としては、
・患者さんの普段の状態や背景を、よく理解できているので正確な判断ができること。
・患者さにとって、担当者がいることで、安心感が得られ相談しやすいこと。
・特に、人との接触が苦手な患者さんの場合は、安心感が大きいこと。
・お看取りの場合などは特に、看護師に達成感が獲られること。
・患者さんやご家族との信頼関係がつよくなること。

などですか・・・。

受け持ち制ではなくて、グループ制だったり、完全に毎日シャッフルして、効率的に回っているところもあります。

受け持ち制でない場合は、看護師の精神的な負担は減ると思いますが、逆に責任の所在がはっきりしなかったり、どこか落ち着かない感覚を持つのではないでしょうか。

なので、両方のいいとこどりができたらいいなと思ったりします。

・担当者はいるものの、定期的に担当者を交代する。
・グループで持って、中で交代で訪問する。

うーん、どっちがいいのだろうか???

患者さんも安心できて、スタッフの精神的な負担が軽減できて、勤務表も簡単に作れるのは、どんな方法でしょうかねぇ・・。

初回訪問の時に「あまり人を変えてほしくない。」という言葉もよく聴くのですが・・。
中途半端に大規模ステーションの仲間入りをしているので、よけい難しいのが現状です。


とりあえずは、時々担当が交代して見たりしながら、模索していくしかないかと思います。


ところで、今日はすごく暖かでしたね。
もうすぐ春だなぁ・・と、あちこちで案じられたと思います。

今朝の我が家の庭
福寿草の周りに、勿忘草や水仙やシュウメイギクの葉っぱが出ているのがわかります。

かなり蕾も開いていますね。

サクラソウも、これからがシーズンですね。
可憐な花です。

そして、はやくもキンセンカ。
 このオレンジは大好きです。

明日はまた肌寒くなるとか・・・
はやく春本番が来ないかな。


精神科の訪問看護で不正請求?!

2011-02-24 22:13:59 | 訪問看護、緩和ケア
精神科の訪問看護で不正請求
って・・・・。

こういう事されると、本当に困ります。
コムスンの時もそうだったけど、こういうごくごく一部の事業所がやったことで、いわれのない締め付けや、全く理解できない法令ができたりするのです。
そして、そのしわ寄せは患者さんと、その患者さんのために一生懸命頑張っている、ほとんどの事業所のスタッフに行くんですよね。

業務改善命令とか、そんな生易しいもんじゃなくて、こういう事をしたら、もっと厳罰な処分が必要だと思います。
「スケジュール予定の消し忘れです。」なんてことを言ってたみたいだけれど、コピー・ペーストは明らかだし、言い逃れにしてはあまりにお粗末ですね。

ちなみに、介護保険では訪問看護の看護計画の提示や、訪問時間を確認して印鑑をもらわなければいけません。
うちのステーションでは、訪問した時に患者さんの前で、今日やったことや状態、注意すること、ご家族へ引き継ぐことなどなどを複写の記録用紙にかいて、患者さんのお宅に控えをおいてきます。

(それに、うちのスタッフは、PCへの入力は極力避けたい人が多いので、コピー・ペーストはあり得ません。

医療保険に関しては、それは義務ずけられていないので、うちでは終末期のための記録用紙と、通常の記録用紙にわけて手書きしています。
(みんなそのほうが早いから、このままでいい・・っていうので。)

しかも、みんな細かくよく観察して書いてます。

以前から時折、施設や病院で認知症の患者さんへの虐待などがありましたが、今回も精神障害の患者さんの中からさらに選んでこういう事の対象にしていたんじゃないでしょうか?

本当に腹が立ちます。
上の人間は、知らぬ存ぜぬを決め込もうとしているようですが、知らないわけないじゃない!と思います。
自分のスタッフが何人いて、そのキャパはどれくらいなのか、ちゃんと見ていればわかるはず。

でも、これって内部告発?
保険事務所の疑問から?
NHKも、追跡取材だって・・・。すごいですね。
これって、NHKスペシャルとかになるのかな??

ともあれ、このニュースだけは、スルー出来きませんよね。


サイボウズLive

2011-02-22 22:24:53 | 訪問看護、緩和ケア
K先生が持ち込んだ「サイボウズLive」。

Aさん嚥下ケアチームはしっかりと稼働し始めています。
チーム参加者全体で、情報提供や変化、今日の報告などは、かなりタイムリーに更新されています。
ヘルパーさんの予定表もしっかり確認できますし、何が不足しているか、ご家族の様子まで把握できるようになりました。
緊急訪問の報告をすると、しっかりそれに対しての対応策が、主治医より提示されます。

栄養士の方は、直接Aさんにかかわれないけれど、栄養評価の仕方や、必要文献まで上げてきてくれます。
主治医はそれを活用し、栄養評価や輸液量の変更をし、看護師は嚥下訓練の評価法を作成。
これもそれぞれダウンロードしてもらい、アドバイスがあれば改定していく・・。
歯科医師は、義歯の状況や評価のタイミングなども決めていき、関わるチームのみんなが、同じ目標で同じ情報を共有しています。

これで、定期的な皮下脂肪測定と体重測定を行い、栄養状態も外からと中から(採血)で把握していけます。
並行しての経口訓練、評価を看護師とヘルパーが記載しているので、次の目標が立てやすくなります。

まさに在宅向けのツールです。

とはいえ、更新があるたびにメールが来ますので、メールの量はかなり増えます。
ちょくちょく確認は必要ですし、参加しないとすぐわかっちゃいます。
なので、そこが面倒だと思う人には、有難迷惑かも??

このチームに関しては、医師やケアマネ始め、みんな楽しんで使っていますから、かなりいい感じですね。

担当スタッフたちも、やれ体重計があるかとか、輸液交換時間を生活サイクルに合わせて変えようとか、毎日相談し合っています。

これを全部の患者さんに適応させるにはとても無理ですが、今チームとして集中して関わる必要がある方には、もってこいのツールですね。

K先生は、めぐみ在宅の非常勤医師ですが、普段常勤として働いている睦町クリニックでは、院長が筆頭で広めているという話です。

スタッフも、メールやPC苦手さんが多いのですが、これを機会の少しずつ慣れてくれたらいいな、と思っています。

昨日の続き・トリアージ

2011-02-21 23:06:37 | 訪問看護、緩和ケア
              
去年も書きましたが、「スタート法」についてです。

今回のほうが少しわかりやすかったので・・・。
まず、傷病者を見た時の第一印象で優先順位を決めます。
傷病者に触れる前に見た目でわかる情報です。

 声は出ているか。
 息は上がってないか。どのくらいの速さの呼吸か。
 出血はないか。顔色はどうか。
 明らかな四肢変形はないか。
一人当たり30秒で行います。

Triage Start法

歩行可能か       可能 → 緑
不可能
 ↓
呼吸(気道開通にて)  なし → 黒
呼吸あり
 ↓
呼吸数 9/分以下・30/分以上 → 赤
 ↓
橈骨動脈/CRT/脈拍 触知不可/2秒以上/120以上 → 赤
 ↓ 触知可能な橈骨動脈120/分未満
意識・従名反応     なし → 赤
 
 ↓ あり
 黄色


これに沿って判断していきますが、全部を見るわけではありません。

歩けた段階で緑です。これでトリアージ終了。
呼吸抑制があれば、それで赤。これで移送順位は最優先となります。

全部を見ないで、マッチしたところで終了すろことで、トリアージの速度をはやめます。

ただし、トリアージは一回で終わるわけではなく、緑として待機あるいは処置中にもトリアージはされますし、搬送中にも病院での待機中にも、回診という形で何度もトリアージはされるので、状態が変化すればそこで優先準は変わっていきます。

と言う事をふまえて、実習をしました。

実施者は二人ペアになり、実施する人と、タグに記入して患者につける人に分担します。

傷病者は、この日は4人。

胸のカードに、受傷の状況と視覚的な変化が書いてあります。

瀬谷区医師会長も、傷病者役でうれしそうです。

このように、4症例それぞれの状況が書いてあります。

4人全員の紙を読んで、第一印象でトリアージをする順番を決めます。
インスピレーションです。

①胸部の打撲で、息が苦しそうなひと。
②頭に鉄アレイが落ちて、少し出血しており軽いいびきをかいている人。
③お腹に箪笥が倒れてきて、激しい腹痛を訴え、顔色が悪いひと。
④足をはさまれたが、話もできるし、顔色もいい人。

私たちペアは、いびきをかいている人、呼吸が苦しそうな人、腹通の人、足のけがの人の順に見ていきました。

みんな悩んでいます。
川口先生や池辺先生もちゃんとやっていました。

これがカードの裏側。実際の所見です。


①緊張性気胸の疑いで、呼吸困難、CRT3秒
②頭部外傷で意識レベルJCS100、呼吸、循環はやや安定。
③腹腔出血の疑いでCRT(親指の爪を5秒押さえて、爪甲色が回復する速さ)4秒、
④バイタルサイン問題なし

確かこんな感じだったとおもいます。若干違うかも・・

で、これでいうと①から③は赤で、④だけ緑となります。

と言う事は①から③のなかで優先順位を決めないといけませんので、
私たちは、①③②④としました。
多きく別れたのは、①と③が逆かどうかというところ。

医師や看護師は①を最初に持ってきましたが、それ以外の方は③を最初にした方が多かったですね。

①は緊張性気胸ですので、脱気さえすばやくしてあげれば、悪化せず速やかに回復すると思いました。
熟練した先生なら、簡単に脱気してくれるので、即次の患者さんに対応できると思ったので。
③のほうが重症度は高いのですが、①を放っておけば心臓や肺を圧迫して死に至りますので、速やかに処置をして黄色にしちゃえばいいと思いました。
そのかたわら、③はすみやかにオペ室へ送り、次に頭部外傷の処置へと流れていけばいいかなと。

結果はそれでOKでした。

実際はそんなにうまくは運ばないでしょうが・・・


こんな感じで、とても楽しい実習でした。
ただ、医療者はとても少ないので、これを一般の人にやってもらう必要があるので、地域住民対象に行政サイドでもっと講習会とか実習とかをやらないと、本番では混乱するばかりだと思います。

そして、これは救護所に集まった人を対象に考えていますが、実際は自宅から動くこともできない人が多く、高齢化率の高い瀬谷区では、傷病者をだれが救護所まで運ぶのかという問題も起こってきます。

つまり、町内会レベルから、もっと真剣に考えないと、助かる命も助からないと言う事になりますね。


というわけでトリアージ研修報告はここで終わりです。

さっき娘が9時過ぎに「お母さん!今日の月怖い!黄色いし大きいし、すごく低いところに出ていて、なんか気味悪かった~。」と息を切らして塾から帰ってきました。

「見て見て」というので、カメラをもって夜の庭に出ましたが見えません。
すごく低いんですよ、本当に。
結局見えるところまで移動しでみると、確かにいつもより黄色いし、大きいし、上が少し欠けて、いびつな感じが怪しい・・・。

残念ながら、私のカメラ技術では、この不気味さは表現できませんが・・・。
          
まん丸じゃないので、狼男は出ないと思います。

災害医療に関する講義及びトリアージ実習

2011-02-20 22:07:27 | 日々のあれこれ
今日は、午後から瀬谷区主催の災害医療に関する講義及びトリアージ実習に行ってきました。
市や看護協会のトリアージ研修には何回か行きましたが、瀬谷区で行われたのは今回が初めてです。

地域医療救護隊に登録されている、医師・看護師・薬剤師。一般職員などの40名が受講しました。

               



講師はフジ虎の門整形外科病院の山口先生で、場数を踏まれているようで、お話もとても面白くて、そしてより実践的でわかりやすかったです。
初めてトリアージの講習を受けるという方も多い中、実習に至るまでの理解を促すというのは、大変なことだと思います。

トリアージと言う言葉、阪神淡路大震災のころより、一般の方も耳にされるようになりましたね。

テレビドラマでも、トリアージのシーンはかなりリアルに再現されていました。

救命病棟24時 第3シリーズ DVD-BOX
江口洋介,松嶋菜々子,大泉洋,香川照之,京野ことみ
ポニーキャニオン


(これ、ものすごくいいです。絶対おすすめ。まだ見ていない方、レンタルでもいいから見てほしい!)

トリアージとは、災害時多数の傷病者が出た時に、病院に集中することを防ぎ、本当に治療が必要な方のみを選別して、段階的に振り分けながら「災害遷延死や災害時防ぎ得た死亡」を防ぐことだそうです。

ですから、トリアージは何回も行われながら、患者さんのしかるべき居場所に送られていくことになります。

トリアージは、集団としての傷病者にのみ行われるもので、生命及び予後の改善がなされなければいけません。

トリアージをすることで、医療能力が最大限発揮され、専門的な医療者の負担が軽減されます。
現場が混乱せず、本当に必要な治療が無駄なく行えることで、最大限の治療効果が得られるからですね。

トリアージの原則
1.傷病者に関する原則
 ・救命の可能性の高い傷病者を優先する。
 ・軽傷病者の優先準は低い。
 ・生命は四肢より優先される。
 ・気道閉塞と出血は致命的で優先度が高い。

2.実施に関する原則
 ・すべての傷病者のトリアージを行う。
 ・トリアージ実施者の決定に従う。(実施者に異議を唱えない。決定は一人で行う。)
 ・トリアージ実施者は、治療に参加しない。(気道確保と圧迫止血は行う


トリアージは、過程であって最終目的ではありません。

傷病者数や収容能力で変わってくる、動的過程です。
したがって、根本的治療が受けられるまで、トリアージは繰り返されます。

トリアージは極めて早い判断が必要です。(30秒)
素早い判断で、的確な優先順位をきめ、タグをつけて行きます。

HuMAでは、5人ずつ患者をトリアージすることで、より優先順位が比較でき、実施者側の混乱や、搬送先の待機中の混乱を防ぐことができると言っています。

もう一つ重要なのは、災害時に傷病者や重傷者が、受け入れ可能な施設の治療能力を超えるか、超えないかです。
受け入れ可能な施設の治療能力の中であれば、生命が危機的状況にある傷病者を最初に治療します。 

が、災害時に傷病者や重傷者が、受け入れ可能な施設の治療能力を超え多場合は、
最も生存の可能性のある傷病者を最初に処置します。 

この違いは、考えるだけで恐ろしいですが、現実にトリアージはそういうことなんです。

この辺の事は、救命病棟第三話に、かなりリアルに描写されています。
それをすることは、トリアージをする側にも、強い精神力と冷静な判断力が必要になりますし、患者家族からの激しい攻撃の的になることもありますね。

これがタグです。

赤が緊急治療群黄色が準緊急治療群緑が治療保留/軽傷/非治療群黒は・・搬送適応外/不搬送群になります。

ここからが、実際のトリアージ方法になります。

が、長くなりますので今日はこの辺で終わりにします。

知っている人は知っている内容ですが、知らない人は知りたいかもしれないので、近日中に詳しく書きますね。

しつこいようですが、この辺興味のある方は、救命病棟24時のDVD見てください。
我が家は、娘がはまって2年くらい前にDVDBOX購入しました。


前にも書きましたが、私自身大阪の吹田市で阪神淡路大震災を経験しましたので、これは絵空事ではないと思っています。
実際の災害時に、どれほどのお手伝いができるかはわかりませんし、逆に受傷者になっていることだってありえますから、時々はこうして真剣に訓練していきたいと思っています。

災害時・・皆様もよく考えといてくださいね。
ちなみに、瀬谷区では災害時医療拠点のボランティアナースが不足しています。
自分の家族の無事が確認できてからでもいいので、災害から3日間の協力ができる方、瀬谷区役所までお知らせくださいね。




訪問の合間に・・・そして思う事。

2011-02-19 22:58:00 | 訪問看護、緩和ケア
訪問の途中で咲いていた梅です。

 公園のかなたに丹沢連峰が見えます。
雲が低い位置でたなびいています。
昨日は、一日暖かな日でした。

雲も、春の訪れが近いことを伝えているようです。 
               

寒い寒いと言いながらも、梅は白い花をほころばせ、フクジュソウもかわいい蕾が膨らんでいます。

今週は緊急当番の私。

全体に落ち着いている割に、ぽつぽつと電話がかかってきます。

今日は、バルンカテーテルが詰まり、入れ替えに緊急訪問。
バルン交換の後、文字盤を使って「ありがとう」と伝えてくれました。


そして夕方には、独居のIVHポート管理の患者さんのコールで緊急訪問しました。
やはり、とってもいい笑顔で「悪かったね。助かったよ、ありがとう!」って、手を振って送ってくれました。

緊急当番は、私はそんなにストレスだと感じていません。
これは、たぶんに元来アバウトな私の性格によるところだと思います。(なるようにしかならないと思っているので・・)
でも、ずっと緊張して、じっとして待機している人もいます。
たぶん、その人はそうすることで、逆に安心するのかもしれません。

どちらにしても、臨機応変にいろんなことに対応できるような判断力はもっていたいと思いますが・・・。
ただ、それが不安なスタッフには、いつでも連絡してね、とお願いしています。

今は、どこのステーションでもファーストオンコールは問題になっています。
電話の持ち手がいなくて、24時間対応ができないステーションも多くあるようです。

緊急電話も日常生活のなかで、あまり意識することなくジーパンのポケットに入れていて、かかってきたらそこで考えれば、そんなにストレスにはならないように感じます。
たしかに、遠出はできないけれど、こうして処置さえおわればたとえ短時間でも、1件につきお金がついてくるので、考えようによっては美味しいお仕事でもあります。

結局私は、自分がすごくポジティブな人間なんだと、最近になって自覚しました。
もともと、AB型で精神的に振れ幅が大きくて、すごくネガティブなんじゃないかと思ったこともありましたが、この年になってそれは違うと確信しました。
と言うよりも、このやとわれママに等しい管理者という立ち位置に、なし崩し的に立ってしまった時から、強くなったのかもしれません。

それに、この3年間に出会った人たちも、知らなかったことも、みんな自分の糧になっていたんだと思います。
このブログを書き始めたことも、さらに世界が広がった気がして、自分にとってはすごくプラスになっています。

つまり、今ここにいることは、自分にとって必然だと思うのです。

そして、これからのことを思えば、今やるべきことを見極めて、やりたいことに向かう一方、流れにあがらわない事も大切なのだと思うのです。


そんなわけで、呑気な私は緊急電話を腰にぶら下げ、娘と夫と大和のオークシティと業務スーパーに買い物に行きました。

そして、娘が目ざまし時計を買っている最中に、その店でゆるキャラ?の縫いぐるみをを一個買いました。
娘と夫に半ばあきれられても買ってしまった縫いぐるみで、帰宅後ちょっと遊んでみました。

 買い物し過ぎたケロケロです。

家に帰ったら、買い物したものをかたずけないとね。
 何を作ろうかな~??

おでんだよ~ん。 

こんな格好も・・

そして、こんな格好も・・・ごめんあそばせ。

お休みケロケロ。


・・・。

小道具は、娘が昔ガチャポンで集めていた、ミニチュアです。コレクションを全部集めて貸してくれました。

こんなことで、結構楽しめちゃう私は、かなり脳天気な人間ってことですかね・・・。



呼吸困難と排便コントロール&コミュニティケアの話

2011-02-17 23:20:17 | 訪問看護、緩和ケア
またまたうんちの話で、申し訳ないのですが・・。

今日も朝から2件緊急対応が続けてあり、バタバタと一日が始まりました。

朝9時前に、いつも入れないお風呂に、なぜか入ってしまって浴槽から出れなくなった挙句、そのまま眠り込んでしまったおじいさんを救出したあとに、2件目のヘルプが入りました。

慢性の呼吸器疾患の患者さんが、排便困難で苦しがっているというもの。
スタッフは全員出払って、訪問できるのはやはり私しかいない状況でした。

こういうことは、続くものなんです・・・。

重度の呼吸器疾患で、最近はベット上での生活です。
苦しくなるとO2は12リットルとか吹き流しだったりしますが、今日は朝から調子悪いようです。

重度の呼吸器疾患の患者さんの排便って、結構命がけだったりします。

便が固くなって、ただでさえ腹圧がかけられないのに、ますます苦しくなってきます。

そして、一回いきむごとに、SPO2がどんどん下がっていきます。
酸素も吹流しで、側臥位で浣腸をかけている間に、SPO2は70代。

「く、苦しいー」すぐに仰臥位にして、呼吸を補助しながら落ち着くのを待ちます。

緩和の薬も飲んでもらって、しばらく様子を見て、SPO2が上がるのを待って、今度は仰臥位で浣腸。
でも自力では出ません。
今日に限って、ウサギの糞のようにカチカチで詰まっています。

何とか摘便で出したと同時に本人がすごくいきみ、自力で残りの便がどっとでました。
が、それと同時に一気に顔色が変わりました。
青を通り越して、黒に近い感じ・・。
SPO2が50%まで下がっています。

何とか一緒に呼吸を合わせ、再度緩和のための内服と呼吸の補助をしつつ、「大丈夫。大丈夫。ゆっくり呼吸しようね。だんだん落ち着いてきたからね。」と・・。

リカバリーは比較的良くて一安心でしたが、見ていたご家族は恐怖ですよね。

本当に、毎日あたりまえの排便ですが、一つ間違えれば命とりです。

苦しい時に側臥位での処置はさらに苦しくなるし、かといって仰臥位での摘便はかなり難しい・・。
毎回、排便処置が真剣勝負になっています。
もちろんお薬のコントロールも並行していきますが、思うようにいかないのが人間の身体です。

そのあとは、ケロッとして言いたいことを言っていましたので、呼吸器の患者さんは本当に読めません。

そのあとも、何やかやでやることが多く、本当は午後から半休で笛のお稽古と思っていたのですが、断念してお仕事をしていました。

18時半からは、横浜県民サポートセンターでの横浜市訪問看護連絡協議会の役員会です。
本日は全員そろいました。
そして、今日は日本看護協会出版の月刊誌「コミュニティケア」の編集部の方も取材に見えていました。

いつものように、熱い会長のもと議論は繰り広げられ、今夜も22時に追い出されるまでの会議となりました。
最後に、取材の方に役員全員の写真も撮っていただき、みんな笑顔で終了です。

編集部の方には、この横浜市訪問看護連絡協議会の活動をずっと取材していただいた上に、書式の書き方や広報に必要なノウハウまで教えていただきました。
なんだか、すごくうれしいですね。

              

日本看護協会出版会 月刊誌のコミュニティケアは、ケアマネ、看護師向けの専門誌です。

                 
コミュニティケア 151(2011年1月)
日本看護協会出版会
日本看護協会出版会


2月号には、わが連絡協議会会長の記事も載っています。


間もなく、その役員任期も終わります。
たしかに役員は大変ではありますが、その分素敵な人との出会いもたくさんありましたし、情報量も盛りだくさんで、自分にとって獲るののは大きかったです。
1年やってきましたが、まだやり残したこともあり、あと1年は勉強させてもらおうかと思っています。

実際、ほかにもいろんなことに頭を突っ込んでいるので、どこまでやれるかはちょっと不安ではありますが・・・

このブログも、いつまで続けられるかなぁ・・。

でも、ここに気持ちをぶつけることがストレス発散だったりします、なにより感じたことを言語化するという意味では、一番の練習になりますので、出来るだけ頑張ろうかと思っています。

うんちは大変。

2011-02-16 22:50:56 | 訪問看護、緩和ケア
今朝は2件の新規の患者さんがありました。
2件とも急なご依頼で、1件は前日にわかっていたので、Sナースが初回訪問から行ってくれました。
私は、今朝は10時から近隣作業所(知的障害者)の健康相談に行くために、年に数回しか着ない白衣を着て準備中でした。(白衣が入った!!)
そこへ連携先からのご依頼が・・
「昨日から往診開始したのだけれど、今朝お腹が張って辛いという連絡が入ったから、今日中に入ってもらえます?」というもの。
「了解!午後からでいい?」というわけで、さっそくご家族へ電話。
午後からの訪問をお願いすると、「あの・・今苦しいんですが・・。」とのこと。
「うんちが7日間も出なくて、今すごく苦しいって・・。」

スケジュール表はみんな午前中埋まっています。
私はもうすぐ健康相談・・。

でも、今苦しいのに待たすのはかわいそう。
作業所にお願いすると、1時間遅れてもいいですよ!というありがたいお言葉をもらい、緊急での初回訪問となりました。
実はSナースが行ってくれた初回の患者さんも同様で、うんち7日溜まってるんだとか・・・。

こういうパターンは結構多くて、どこの訪問看護ステーションでもよく聴く話だと思います。

急激な体力の低下や廃用症候群などで、便意も鈍くなるし、何よりいきめなくなるんです。

人によっては肛門が盛り上がって、括約筋も開ききって便が見えているのにどうにもならない時もあります。
便秘体質の人には、これがどんなに苦しいかわかると思いますが、ここまでくると痛くて浣腸もできなかったりします。

・・・て、こういう話は、一般の方には不快かも知れませんね。
でも、これは在宅のケアではすごく重要なんです。
以前にも書いたことがありますが、排便コントロールは、快適な在宅を過ごすためには必要不可欠なのです。

私が伺った患者さん。
いままで、車に乗せて肛門科の病院まで摘便に通っていたそうです。

これにはびっくり。

便がたまると車で30分くらい揺られ、外来で浣腸と摘便して帰ってきていたけれど、今回は病院でもう来ないでって、断られたのだそうです。

そんなことってあるんですねぇ・・。

今は術後で体力もなく、食事も1割しか取れていない状況で、座っているのもだるくてしょうがないようす。

そして浣腸と摘便、さらに残った分をトイレですっきりしたら、「楽になったよ~」といい笑顔になりました。

つい最近まで、他区の病院に入院してたのに、どうしてこんな状態で帰したのだろうかと、不思議でしょうがありません。

Sさんが行った患者さんも、せっぱつまって娘さんが昨夜摘便したそうですが、今日もたんまりと出たそうで、こちらも目出度し目出度しです。

本当のことを言えば、訪問看護のお仕事のかなりの部分を排便コントロールが占めているんですよ。

それだけ、必要な方が多いと言う事です。

ちびちびと毎日出ているようでいて、実は溢れたものが出るだけで、直腸内パンパンの方、かなり多いので量もちゃんと観察しないとだめですね。

そこから作業所まで直行して、1回目の健康相談も無事終わりました。

健康相談は、作業所に通所されている方の健診結果などをみながら、受診の必要の有無や、日常の生活指導などを行うものです。

もう私が関わって4年目なので、顔を見るとなんだか懐かしくて「元気だった?」って聞いたりしていました。

作業所ごとのカラーがあって、個々の作業所で特徴があります。
今日の作業所は、みんな穏やかなのでけれど、肥満傾向が強いところです。
中には、命にかかわりそうな肥満の方もいて、毎年同じお話をさせてもらっています。
去年HbA1Cが二けたの高値で、早急に受診してくださいとお願いした方は、そのあとすぐに受診して、内服コントロールを行いすごく数値は下がっていました。


ただ、ここまでくるだけの生活背景とかがあって、間食を減らしましょうとか、お菓子をやめましょうとか言っても、どうなんだろうか??と思ってしまいます。

なんだか、食べさせたいという親心もわかる気がするし・・。

ただ、必要な時に病院は連れて行ってもらいたいなぁ。とかも思ったりして。

去年とかわらない生活習慣の方を見ると、なんだか無力感を感じてしまいますね。

それでも、無理を言ってでも医療機関につなげられる方が、一人でもいれば、少しは役に立ったかな?なんてことも思ったりします。





摂食・嚥下チーム発足?!

2011-02-15 23:04:20 | 訪問看護、緩和ケア
気切孔にIVH。
ご家族の介護力が低下し、今後は独居となるかもしれません。

誤嚥性肺炎とイレウスを繰り返し、退院直後の訪問が始まってから16か月。

昨年末からは、在宅支援診療所に変わり、カフティポンプを付けたことで、ADLは広がりました。
キャリーバックに輸液とポンプを入れて、散歩も買い物もできます。

当初は、気切孔から噴き出していた痰もほとんどなくなり、気切孔を押さえれば、いい声が出ます。

そして、昨年春から入っている訪問歯科医師から、経口摂取を開始してみましょう、という提案がされました。

しかし、どうも話がうまく進みませんし、私たちもどこまで関わったらいいのか、嚥下機能の評価がなされているのか不安でした。
長いこと使っていない消化器官や、絞扼性イレウスの既往なども考え、全身状態の管理が必要なのに、嚥下の部分だけで進めるのは、どうなのかと主治医とも話し合いました。

主治医は、やはり全身管理のことを考えると、自分たちは主導したほうがいいのかどうか、迷ってもいました。

担当の看護師は、別ルートで摂食嚥下チームですでに実績のある管理栄養士ともコンタクトを取っていました。

つまり、みんな一生けんなのにバラバラだったわけです。

そして今日、このメンバーが一堂に会すことができました。
(いわゆる担当者会議ですが・・・)

おりしも、今日はめぐみ在宅クリニックの地域在宅緩和ケア研究会の日です。

5時半から、クリニックの奥の間に集まり会議は開かれました。

主治医のK先生、クリニックの耳鼻科医師、クリニックIナース、事務、ケアマネ、訪問歯科I先生、Y病院管理栄養士、Kヘルパーステーションサ責、そして担当看護師のSと私。
全部で10人です。


当初の状態から、病状変化、今までの経過などなどの情報交換をし、それぞれの立場からの見解を述べました。

訪問歯科の医師は、大学でも嚥下の研究をずっとやってきており、病院では嚥下チームとして、治療の実績を上げてきてると言う事でした。
実際、かなり専門的なお話をされ、評価もされていました。
歯科医は「もともと、義歯が虫歯ではずれない。というご依頼での訪問開始だったので、嚥下は入ってから必要性を感じて始めたこと。とにかく、それ以前に口腔ケアに問題があり、そこから介入しました。」とのこと。
その中で本人の「食べられるようになりたい。IVHもとって自由になりたい。気切孔もおさえずに話せるようになりたい。」と言う話を聞いて、そこに目標がシフトしていったようでした。

ただ訪問歯科は、介護保険上でケアマネには報告書が義務づけられているものの、チームとしての連携はあまり考えられていないとのことで、ケアマネ経由で嚥下の見守りなどを訪問看護などに伝達し、それを訪問看護から主治医に伝える様なことになっていたために、話が見えなくなっていたことが判明しました。

そこ、情報の共有化を図り、目標を一つに絞って、在宅チームで関わりましょうと言う事になりました。

そこでの役割分担も明確化し、指示系統の確認も行いました。

話の中で、歯科医師の専門性が高いことから、摂食・嚥下に関しては歯科医師が主導し、それを実施観察するのが看護師、可能な範囲で見守りをするのがヘルパー、全身の栄養管理や病状変化への早期対応には主治医、食事形態のアドバイスや指導には管理栄養士や連携するSTと言う事になりました。
歯科医師曰く「僕はアクセルだと思ってください。嚥下機能回復に向けて進みます。主治医の先生はブレーキになってください。危険だと思ったら、すぐにブレーキをかけてください。」とのこと。
「うまいことを言うな~」と思いました。みんなも「なぁるほど・・」と。

少し前までは、嚥下に関しては耳鼻科領域だ口腔だと対立することも多かったそうですが、最近では歯科医による嚥下機能の研究も進み、治療実績も高いことから、何科が見るとかではなく、チームとして見る方向になっているとか。

ただ、病院での嚥下リハとは状況的に違うため、在宅は在宅のチームと進め方が必要という意見で一致しました。
そこで、K先生からこのチームでタイムリーな情報交換を行いながら、情報の共有化と実施・評価が行えるよう<サイボウズライブ>を利用する事が提案されました。

K先生は、すでにこれを利用したチームケアを実践しており、とてもスムーズな情報交換ができているとのこと。

以前Y先生とグーグルカレンダーを使ってみたことがありますが、ほとんど活用する間がなかったので、ぜひこれは使ってみたいな、と思いました。

で、即メール交換を行い、あとはK先生の招待メールを待つのみとなります。

これで、個人あてにもチーム全員向けにも情報を発信、共有出るわけです。
患者名は伏せますし、パスワードで入りますし、このグループ以外での存在は誰にもわからないとのことで、各チームメンバーのつぶやきから指示があれば、即実行に移せるので、多職種間でのタイムリーな共有ができそうです。

結局話し合いは8時までかかり、緩和ケア研究会は覗く程度となりました。

それにしても、いろんなネットワークを持つことで、さらなるネットワークが広がりますね。
CARTにしても、嚥下のチーム結成にしても、他にも訪問看護ステーション連絡会や協議会がらみのものや、行政がらみのネットワークなど、どんどん膨らんでいきます。

さて、自分はこの中のどこに比重を置くのかを、ちゃんと見極めないと全部中途半端におわりそうです。

そう思う反面、なんだかわくわく「面白そうだぞ~」なんて思ったりもして、どこまでついていけるかは、神のみぞ知るです。

大雪

2011-02-14 23:29:45 | 日々のあれこれ
先日の大雪注意報は、なんだか肩すかしされた気分でしたが、今日はとんでもないことになっています。
夕方から、ぼたぼたと巨大な白い塊が降り出したと思ったら、瞬く間に横殴りの雪となりびっくり。
この辺は、雪になれていないので、仕事も早めに切り上げて、駅までスタッフを送りついでに夫を拾って帰ってきました。

家に帰ると、今度は娘が「8時から塾。」とのこと。
「ええー?!休めば?」といっても、「振替がもう無理だから行く。」とのこと。

しょうがないので、かなり白くなった道を、ゆっくり走って送っていきました。
帰りには義姉を待って、帰宅しましたが、このころには大分積もりはじめ・・

9時過ぎに娘を迎えに行こうと思ったら、一面真っ白だったんですよ。
庭も木も、道も・・・。



がーん。どうしよう・・・。
タイヤは普通のタイヤ、しかもややすり減っている・・。
チェーンはもっていず。
この雪の中、娘が待っている・・・。

姉に手伝ってもらい、窓にへばりつく雪をおとし、恐る恐る車を出してみました。

コワッ・・・。

ギシギシと雪を踏みしめ、踏切に向かって下り坂、エンジンブレーキをかけながら、途中でブレーキが効くかどうか試したら・・・

効かない!?

思いっきり踏むと、やっとずずずっと止まる感じ。

踏み切りを超え、駅へと向かう道に合流しましたが、なんと車は全く進まず、よく見るとバスが2台止まっていて動いていないみたいです。
この道は、かなりの急傾斜、車間をとっても下手をするとお釜を掘りそう・・・。

ここは、引き返す勇気を持とう!!

と決心したものの、また元の道を戻るまでが本当にひやひやものでした。
慣れない雪道、つるつるタイヤは自殺か他殺かって感じで。

結局、傘を持って娘を迎えに雪道をあるき、雪のなかを走って帰ってきた娘と合流して、しばし雪道の散歩をしてみました。
なんだかこれは結構楽しい。

こんなに降るのは久しぶりです。
耳が、めっちゃ痛かったですわ。

この調子だと、明日の朝は街中スケートリンクです。
どうするんだろう!?あ~恐ろしい。

サンプルがいっぱい

2011-02-13 23:55:55 | 訪問看護、緩和ケア
うちのステーションサンプルがいっぱいです。

流動食に、経管栄養材にオムツに、衛生材料に、とろみ材に、スキンケア商品に・・・

もらえるものは、なんでも貰う。
貰えた物は、どんどん使う。

何かサンプルが来るたびに、「オッ!これAさんにいいかも!」「あ、これBさんに試してもらいたい!」そうしてはけていきます。

患者さんが新しく何かを始めるときには、即メーカーに電話をします。

すると、ちゃんと必要なものを届けてくれます。
この時に、きちんと説明を聞く、あとで使った感想を話す。
すると、ちゃんとメーカーさんは次にもっとたくさん持ってきてくれたりします。

半固形化栄養剤も、固形化剤もいろんなメーカーさんが持ってきてくれましたので、その中からその方の経済状況や生活状況などを考慮して、試していくことができます。

オムツも、いろんなタイプの中から、選んでご紹介することができます。

皮膚がかぶれやすくて、おしもがチクチク痛かったTさん。
尿道炎のような症状が続いていました。
毎日陰部洗浄もしていますが、3時間もあくと痛い。
でも、サンプルのPHバランスがされていて、かぶれにくいおオムツというものを試してみたら、ピタッと症状がなくなりました。
ちょっと高めではありますが、ご家族はすぐにそれをご希望されて、今ではずっと使っています。

パウチのアクセサリーなどは、ご本人にメーカーさんへ希望してもらうと、いろんなサンプルを送ってくれます。
同じ形成するタイプの保護剤でも、使ってみると肌に馴染む馴染まないがあるのがわかります。

食品サンプルも、結構もってきてくれるので、嚥下の悪いご利用者さんにご紹介したりできます。

褥瘡治療に関する物も結構頂きます。

そうこうすると、「これ使ってよ。」と連携先から箱でもらったり、ご利用者さんおご家族からも「もうこれ使わないから。」と頂いたり・・。
これもどんどんばらまきます。

外部研修に行ったときには、そこのデモDVDやパンフレット、サンプルは必ず持ってきます。
ここでコンタクトを取っておくと、あとで勉強会などをお願いしたり、サンプルをお願いしたり、デモ機をお願いしたりできますし。

衛生材料も、サンプル有り難いですね。
今は、某老健の所長さんからのご紹介で、新製品のドレッシング材の評価中です。

いろんなところで、いろんな人と知り合いになる。
こんなものを探している!とさわぐ。
いろんなメーカーさんと仲良くする。
いろんなことを試してみる。
そのことで、ちゃんとメーカーさんと話し合う。
もちろん医師も巻き込んで。

少しずつ、違うネットワークがつながっていくのは、本当に素敵なことですね。

そういう広がりを考えれば、たかがサンプル、されどサンプルです。

夫婦なんだから・・・

2011-02-11 23:38:56 | 訪問看護、緩和ケア
長年連れ添った夫婦っていうのは、周りにはわからない思いや絆があって、どんなにお互い罵り合っていても、「やっぱり夫婦なんだなァ」と思わされるのはよくあることです。

うちの爺ちゃん、ばあちゃんだって、二人で一人みたいになっていて「魚は一切れを二人で食べれば十分。」「お皿も一つで二人で使うからいいよ。」なんて言っています。
自分かっ手に動き回るじいちゃんをしり目に、動けないでぶつぶつ文句を言っている婆ちゃんですが、何よりじいちゃんが心配でしょうがないのも、よーくわかります。

患者さんご夫婦も、みんなそれぞれ大変な時代を過ごしてきたのですから、一緒に居たいのは当然と言えば当然の事です。

でも、どちらか一方が倒れてしまうと、二人で支えあって補い合って、何とか成り立っていた生活が、成り立たなくなってきます。

ヘルパーを入れたり、訪問看護が入ったり、いろんなサービスを紹介したり・・

でもこういう時に限って「人は入れたくない。今のヘルパーを変えてほしくない。」とか「デイサービスなんて絶対嫌。介護は自分で出来る。」なんて言葉が返ってきます。

いろんな打開策を提示しても、どれも納得できず、結局決めることすらできない場合も・・。

でも、こういう時にこそ、ケアマネさんの力量が発揮されるわけです。


《ずっと自分の思うように、好き勝手に生きてきた患者さんがいたとします。
お金が入れば、大判ふるまいであっという間にすっからかん。
毎日大好きなお酒や、奥さんの塩辛い漬物やおつまみに舌堤。
気に入らないと怒鳴るは、星一徹になるわで近所でも有名。
妻も若干似たもの夫婦で、それでも二人で仲良く暮らしていました。

でも、そういう生活ですから、長年の不摂生がたまり、お二人とも心臓や腎臓が悪くなり、糖尿病も悪化の一途をたどります。

何度も入院しては、厳重注意されて帰宅。
そして同じことの繰り返しで、また緊急入院。》

どの居宅事業所にも、訪問看護ステーションにも、こういうパターンのご利用者さんはいらっしゃいますよね。
ほとんどの場合、経済的な問題も持たれています。

こういうケースの場合、ケアマネさんしだいで、本当に人生の分かれ道が決まったりします。

確かに訴えは多いし、自己決定はできないし、約束は守れないし、かなり我儘かもしれないけど、そこはもって行き方だと思うのだけれど・・・

病院側も、困難ケースとして話し合いの席を持とうとしても、ケアマネさんにうまく伝わらず、電話をすればけんか腰になるので、やっぱり訪問看護にヘルプ!が来てしまうという悪循環。
じゃあケアマネを変えてみたらと言っても、高齢で自己決定が難しいご夫婦の場合、何かをチェンジすると言う事が難しくて、不満ばかり残りながらもそのままになっていしまいます。

結局、こういう生活パターンで、しかも病状が進行していて、いつ心臓が止まってもおかしくない所まで来てしまうと、行き場所がなくなってしまいます。

妻も、長年の介護での疲労と、持病の悪化でとても自宅介護はできなくなりました。
病院は、いつまでもこういう患者さんを置いてくれません。
転院か施設か・・。生活保護の場合には、入れる療養型の病院も決まっています。
すったもんだの末に、転院先は他県になってしまいました。
随分ケースワーカーも探してくれましたが、すぐに入れるところはなく、3か月待ちの近隣の療養型病床に入れるまでは、遠い他県の病院しか空いていなかったのです。

転院当日、保護担当と妻が病院に行くと「行きたくないよ・・」と泣いていたそうです。

長いこと車に揺られ、知らない街の病院につくと、そこは絶句するような病院だったそうです。

トイレも部屋の隅にカーテンで仕切られているだけ。
顔も見ないで話をする医師。
散髪1回2000円、「お風呂に入る前に看護師ちゃちゃっと切るだけだよー」掃除のおばさんが言いました。
お風呂も1回1000円だとか・・・。

たしかに、「自己責任だから、ちゃんと生活をしてこなかったツケだよ。」と言われればそれまでかも知れないけれど、あまりにも悲しい現実です。
彼に残されている時間は、あまりないはずです。
今の妻に、足しげく通える距離ではありません。
破天荒だったかもしれないけれど、この夫婦をこんな形で引き裂いてしまったという悔しさが、担当だった看護師から伝わります。
転院させてから帰宅後、妻から長い電話があったようです。

どうにもしてあげられなかった悔しさ、わかってもらえなかった悔しさ。
どんなに流れを変えようとしても、あがらえないこともあります。
そんな時、無力感にさいなまれるのだと思います。

夫婦なんだから、最後まで一緒に(せめて近くに)居させてあげたかったな・・・。