こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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美味しいデイサービス

2012-10-30 22:56:44 | 訪問看護、緩和ケア
最近は、各社いろんな持ち味でデイサービスを展開していますが、先日ワタミがやっているデイサービスの試食会に行ってきました。

「和民」といえば「居酒屋」ですが、近年介護の業界に随分と手広く事業を展開していますよね。
有料老人ホームや配食サービスもそうですが、デイサービスもやっているのです。
「はっぴいデイズ瀬谷」という名前でオープンしたのは知っていたのですが、ここの売りがさすが外食産業が大もとだけあって、「お食事」なのです。

ここのデイサービスは、外から見るとまるでカフェ。
   
      

中にいるのは、ケアスタッフですが、一見するとカフェのスタッフで、シックなグリーンのウェアは、とてもケアスタッフには見えません。

中に入るとまず目に付くのは、ガラス張りのオープンキッチンです。
中には、白い帽子をかぶった本物のシェフが、ランチの準備に大きな有頭のエビを下ごしらえしています。

名前を告げ、席に着くとまずはコーヒー。
見学者がそろったところで、中の見学をさせてもらいました。

中は思ったより広く、お風呂場には日本人の大好きな富士山と桜の写真がドンと壁にかかっています。
ジャグジーが二つ、大風呂が一つ、機械浴が一つあり、右麻痺の方、左麻痺の方と手すりと浴槽が左右に分かれています。
一回に2~3人ずつしか入らないそうで、これならゆったり入れるかもしれません。

外に出ると、さっきまで談笑していたご利用者さんたちが、リハビリコーナーで嚥下体操を始めました。

お食事は、まずはサラダバーから始まります。
野菜はワタミ農園からの直送だとかで、有機野菜がお代わり自由です。



ゆっくり時間をおおいて、まずは前菜。


キッシュとクリームチーズのはちみつかけです、黒いのは粒胡椒。
ワインほしい。

そして、アツアツ焼きたてのパンは、上等のオリーブオイルで。

今日のメインディッシュはブイヤベース。

マジでおいしかったです。
全くレストランに行ったようで、エビとホタテ、ムール貝にイカ、じゃがもがバランスよく、絶妙なスープには、パルメザンチーズを途中で入れることで、味の変化も楽しめます。

デイサービスですよね。ここ。
最後は、甘さを抑えた豆乳のプリン。
        


うーん、おそるべし。
そして、軟食、軟菜食はそれぞれの食材ごとに刻んだり、ムース状にしたりして、エビはエビの殻に戻し、ホタテはホタテの形に形成し、見た目は全く同じなのに、口の赤でとろけるようになっていたそうです。(私は、途中で帰ったのでスタッフに聞いた話ですが。)

もちろん、工作やレクもちゃんとあり、飽きないようになっています。

こういう形だと、老人の施設に行かされてる感はなく、ちょっとおしゃれにおいしいランチをいただき、ついでにお風呂に入れちゃう優雅な一日、っていう感じで受け止められそうです。

グルメな人や、普段あまり手の込んだ食事を食べられない方にもいいかもしれません。

これで、食費としては800円だそうです。

たぶん、自社農園を持ち、グループとして食材を一括購入するなどの流通過程で、かなりコストダウンを図れるのでしょうね。
そうでなきゃ、シェフまで雇ってこんなランチコースを提供できるわけないですよね。

でも、これも企業努力ですね。
本当に、感心してしまいました。
ここのスタッフ、この料理毎日食べられるんでしょうか・・うらやましくて、よだれが出ます。


しかし、いろんなデイがありますね。

食いしん坊の私に、未来の楽しみが出来ました。

しょうがないじゃん。

2012-10-29 22:33:29 | 訪問看護、緩和ケア
何か大きな問題に直面した時に、その問題そのものを受け入れなければならないことがあります。
これはいろんな場面でありますよね。

自分の境遇を受け入れる。
自分の病気を受け入れる。
想定外の真実を受け入れる。
苦難の未来を受け入れる。

受け入れるって、いいことはほとんどないようですね。
大金が転がり込んできたって、受け入れるとは言いませんから、やはり苦難の現実という事になります。

この苦難は、当事者はもちろんですが、実は私たちも患者さんのもろもろを受け入れなければなりません。

自分たちが想定する在宅療養。
それが患者さんにとって受け入れられるとは限りません。

もう無理と言われた退院を強行するとき、なおかつあれもこれも嫌で、介護力は望めなくても、絶対に自分のやりたいようにする!

こういうことは、実はままあるのですが、これもやはり受け入れなければならない現実なのです。

「イヤー・・どう考えても危険だし、無理だよねー」といくら騒いでも、これはどうしようもないのです。

今日も「汝、受け入れよ!!」と叫んで、頭を抱えるケアマネを置いて帰ってきました。(~_~;)

しょうがないじゃん、いくら話しても本人納得しなきゃ始まらないっしょ。
やってみて、だめならあきらめてこちらの提案を受け入れてくれるかもしれないし。

しょうがないっていうのも、時には必要ですよね。

しょうがい。なるようにしかならないし。
これはいつもの私の結論です。

いつも私に降りかかるいろんな出来事。
想定外のアクシデントも、ありえないような現実も、なぜ私に降りかかるのか、理解しがたい事実も、しょうがないじゃん。
逃げられないなら、受け入れるしかないし、きっとなるようになる。

受け入れることは、いうほど恰好のいいことじゃなくて「しょうがない」の続きなのだと思えば、結構気が楽になるものです。


対話って言っても・・。

2012-10-27 21:39:53 | 訪問看護、緩和ケア
対人援助って言葉が、頻繁に使われるこの業界ですが・・。
これがなかなか難しくって、うまく伝えたいことが伝わらなかったり、相手の意とすることがわからなかったりと、ずいぶん苦労することがあります。

何気ない一言が相手を傷つけてしまったり、それこそ「どうしたらそんな風に受け取れるの??」と思うくらい深読みされたりして、患者さんにせよ、知り合いにせよ、家族にせよあらぬ方向に流されてしまうことだってあります。

人の心は全く分からないし、こちらがそうだろうと思うこととは別の次元にあったりすることもあるので、対人援助って言っても本当に難しいですよね。

反復による対話手法というものがあって、これは相手の言葉を反復することで「相手の思っていることを同意し、それにより理解者だと思ってもらう。」ようにするというものです。
たとえば患者さんが「もう、何も治療法がないと言われました。もう死ぬしかないんです。」と言ったとします。
その話を受けて「もう、治療法がなくて、死ぬしかないと思っているのですね」と返すわけです。
すると「そうなんです。もう、死ぬしかないんです。でも、家族を残していくのは、とても心配なのです。」と、話が続きます。
「家族を残して、逝くのが心配なのですね?」「そうです。子供がまだ小さいので、妻一人では苦労すると思うのです。」
と会話が膨らみ、その患者さんの真の苦しみを表出することができ、それに対しての援助ができるというわけなのです。

もちろん、この手法は素晴らしいと思いますし、この手法のおかげで援助の方向がはっきりすることはたくさんあります。
めぐみ在宅の小澤先生は、この手法(村田理論)を変化させて小澤式の対人援助理論として、在宅現場で実践しています。

でも、時々患者さんのなかには、この対話ケアが向かない人もいるのです。
ゆっくりとした間合いと、空白の時間をとりつつ、訴えを反復されることに苛立ったり、逆に次の言葉を失ってしまったりすることもあります。
先日、そのことを先生にぶつけてみました。
「反復を嫌がる人の多くは、『自分をわかってもらいたくない。』人に多くみられます。」とのことでした。
が、実際は「もっとわかってほしい。繰り返すのではなくて、どういう選択肢があるかを教えてほしいんだ。痛いと言って「痛いんですね」と返されると、それ以上何も言えなくなってしまう。」と看護師に訴えるのです。
その患者さんは、口下手なタイプの方で、治療法に対しても独特の価値観を持っている方です。
自律が強く、すべて自己選択・自己決定をしてきた方なので、まず選択肢がほしいのだと思うのです。
自己の理解を求める以前に選択の機会がほしいし、その中から自己決定をして、自分の納得のいくような調整を自分でしたいのです。
病院ではありえませんが、どんなに説明しても彼は自分で薬の調節をしてしまいます。

利尿剤であれ、ステロイドであれ、オピオイドであれです。

それに関しては、先生も看護師も見守るスタンスではいますが、病状の変化に伴って「この薬は効かない。」「俺の体には合わない。」など、ほとんど使っていなくても却下したりします。「だから効かないんだ。」とこちらは思っても、それはこちらの考えなのです。

その患者さんは、治療を放棄しているわけではなく、本当に違和感を覚えての拒否なのです。

こういうケースは、たしかに医療者としては難しいなとおもいますが、コミュニケーションの術としての理論にとらわれる必要はないと思うのです。

なんて、生意気なことを言っていますが、100人いれば100人の価値観のなかで対話を持ち、その人の苦しみや思いに沿っていくという仕事に、限りない奥深さと難しさを感じているのです。

物事のとらえ方の違いは、微妙なニュアンスの違いとして、どこか喉に小骨が刺さったような不快感を残したりもします。

でも、こういうことも口を濁さず議論していける地域であることは、本当にありがたいことだと思います。

訪問入浴のボランティア

2012-10-25 22:40:48 | 訪問看護、緩和ケア
この地域の訪問入浴、最近はかなりの事業所が参入してきて、ものすごい熾烈な競争になっています。

うちの事業所で、よくお願いする訪問入浴は大体決まっていて、うちのニーズに答えてくれる、サービスの行き届いた事業所です。

うちは訪問看護ステーションなので、病状の重い方が多く、必然的に入浴前後に吸引が必要だったり、大きな褥瘡があったり、すでに血圧が下がっていたりと、リスクが高くて手がかかる患者さんが多いので、技術的にも安心できるところを選びます。

そのなかでも、このあたりの老舗的存在の「まごの手介護サービス」は、ずいぶん以前からご利用者さんのボランティアもやっています。
最近は、まごの手さんを卒業して独立した事業所さんもボランティア活動を積極的にやっていますので、ずいぶんいろんなことで助けてもらっています。

先日、独居でベット上生活をしている患者さんの担当者会議がありました。

限られた単位の中で、ベット上でしか生活ができない方の生活を全面的にサポートするためには、いろんなものを省き、必要なサービスを絞り込んでいく必要があります。
最近全く自分では力が入らなくなった患者さんは、体重増加もあってポータブルトイレ移動や椅子への移動に、介護者の負担が急増していました。
特に女性のヘルパーや看護師では、一緒に転倒したり、腰を痛めるリスクも高くリフターを検討することになりました。
けれど、リフターは単位が高いのです。
このため、サイドレールを一つ返し、マットを安いものに変え・・
「サイドテーブルは、これじゃないとだめですか?」と、福祉用具さん。
「何かで代用できないかな?」
「カラーボックスにキャスターつけるとか・・」
「だれか作ってくれないかなぁ・・」

などと言っていたら、まごの手さんがおずおずと「作りましょうか?」と手を挙げてくれました。
「材料代だけ負担していただければ、時間はかかるかもしれませんが、作れると思います。同じ高さで、危険がなくてものが載せられればいいんですよね。」

もうだれも反対はありませんでした。
患者さんも大喜び。
なんでも、創立??年だという事で、ボランティアとして特別頑張ります!という事でした。
「できたら。看護師さんに確認してもらいますね。」と言っていましたが、昨日これを持ってきてくれました。
まだ、角を取ってから、上に天板を載せるそうですが、途中経過でこの出来栄え、歓声が上がりました。


マジですか??
サイドテーブルそのまんまじゃないですか?!
しかも、ストッパーもついている。

作業が細かいし、あまりに上手なのでびっくりしていたら、スタッフに元大工さんがいるんだとか。
仕事の後にサイズを測りながらコツコツと作ってくれたそうです。

ご苦労様です。ありがとう!

地域で支えているって感じですね。
患者さん、きっと大喜びだと思います。
まあこれは特殊なケースかもしれないけれど、なんかこう小さな一言が現実のものなるのは本当にうれしいものですね。


個別連携会議

2012-10-23 23:12:14 | 訪問看護、緩和ケア
連携先のめぐみ在宅クリニックで、今回からステーションごとに連携会議をすることになりました。
とりあえず、めぐみからの指示書が一番多い、うちのステーションから始まりました。

忙しい往診の合間、夕方の5時半から小澤先生とナースの本田さん、MSWの佐藤さん、そして私の4人で、連携上の問題や患者さんの普段話せないことなどを1時間ほど話し合いました。

うちもめぐみ在宅も、スタッフが増えて規模が大きくなるにつけて、事業所内での伝達の問題や、スタッフそれぞれの考え方の違いなどが見えてきて、こじんまりとやっていたころとは、だいぶ問題の中身が違ってきたように思います。

それでも、これからこの地域の中で、安心して在宅で過ごせるようなシステム作りをしていこうという思いは一緒です。
研修の場として、教育の場として事業所を提供出来るよう、お互いが高め合えるような関係を、地域の中で作って行こうという話でおわりました。

そんななかで、「困難事例が多いね」と言う話になりました。
どういうわけか、かなり難易度の高い困難事例が、特定の事業所に集中していることは以前にも書きましたが、この難易度の高さが、実は病みつきになっているかも・・という話になったのです。

生活の困窮、奔放で全く周囲を顧みない生き方、生活保護でありながらのドクターショッピングに、自己判断での治療放棄、重度の認認介護や、暴力暴言、介護拒否、不潔行動にゴミ屋敷に問題行動の介護者などなど、挙げればきりがありません。

でも、こういうケースばかりを持っている某介護事業所のケアマネは、普通のご家庭のケアプランでは物足りなくなってしまったようです。
そして、ものすごい大変そうなケースが来ると、内心『ワクワク、ドキドキ』したりするそうで、これは実は小澤先生も同じだと言っていました。
実は、私たちも「ええー、大変だよね~。どうしようか~」とか言いながら、どこか張り切っていることがよくあります。

うまくしたもので、そこを何とかすることに喜びを感じる人たちがいることで、世の中うまく回っているわけですよね。

まあ、うちの事業所でだめなら、そこを引き受けてくれる事業所もあったりで、地域のつながりは本当に大切です。

でも、『このケースは、本当に大変ですよ~』と言われて引き受けたものの、意外にスムーズに物事が進んで、いい感じで在宅が回ることも結構多いのです。
代わりに、何の問題もなさそうなお宅が、ドロドロの人間関係で大変だったりもするので、何を困難事例とするかは難しい所ですが・・。

実際、それが在宅の面白さでもあるわけで、いろいろ楽しませてもらっています。

今後は、もっと地域の関わりが強められるような連携会議に発展出来たらいいなと思いました。

うららの日曜日

2012-10-21 23:02:23 | うらら
今日は天気が良かったので、急に思い立って海軍道路にうららを連れて行きました。
こんな近くに住んではいても、連れていくのは初めてです。
普段は、一応立ち入り禁止になってはいますが、瀬谷の住民にとっては、やはり憩いの場所です。

裏のほうに車を止めて、うーを降ろすと戸惑うこともなく草はらを歩きだしました。

市民農園?を過ぎて細い農道を行くと、白菜やニンジンの畑が続きます。
青い空に野菜畑はとってもきれいです。

 

まっすぐな農道を、うーはたったっと歩きます。

この辺は、なんだか横浜とは思えないのどかさで、ずっと続く野菜畑は遠い所へ来たように錯覚します。
なにしろ、有事のときには戦車が走れるようにまっすぐに作られた道路なので、その周辺も平たんな畑になっているのです。

草むらの中に、バッタを見つけて追いかけるうらら。
      

まだレンゲの花がいっぱい咲いていました。

広場に出ると、そこには遊びに来ているワンちゃんがちらほら見えます。

やがて、遠くからジャックラッセルテリアが全速力で走ってきました。
お母さんが呼んだのでしょうか?一目散にお母さんの所に走り寄りました。
その姿を見て、大喜びしたのはうーちゃんです。

『遊んで!遊んで!!』例によって走り出します。

そしてご挨拶。

『遊んでください。』
『ちょっとだけよ』


鉄砲玉で怖いもの知らずのうーちゃんは、まだリードを外してあげることができません。

それでも、走る走る。
騒ぐ騒ぐ。

やっとさよならをして帰る道すがら、あぜ道でへたり込むほど疲れたうららでした。

余ほど疲れたのか、今夜も既にぐっすり夢の中です。

また、天気の良い時に遊びに行こうね。うーちゃん。

看護学生

2012-10-18 22:40:45 | 訪問看護、緩和ケア
木曜日に、看護学校で「在宅看護論」の特別授業で「訪問看護の実際」という授業をしてきました。
2年生の80人で、4時限目の授業でした。
2年生なので、まだ在宅の実習はしていませんので、在宅看護とか在宅医療とかのイメージは全然無いようでした。
あげくのはての4時限目なので、教室に案内されたときには、机にうっぷしている学生やら、おしゃべりに夢中な学生が目につきました。
まあ、うちの子供たちの話を聞いても、ろくな態度じゃないので、こんなものなのでしょうね。
できるだけ、飽きないようにと事例や写真を多くしたり、実際のエピソードを入れたりしましたが、はて、どこまで記憶に残ったかなか??と思うとかなり怪しい感じでした。

でも在宅実習本番で、私の話がなんとなく頭の隅の隅に残っていて、「ああ、このことだったのか・・」と思ってくれたらうれしいかな。

90分授業ピッタリにってわけにはいかず、なんとなく10分前に「早めに終わる?」って聞いたら、みんながウンウンってうなづいたので、早めに終了しました。

でも、終わると同時に、2・3人の学生さんがやってきて、とても興味深そうに質問をしてきました。
見た感じ、彼女らは社会人経験者のようです。

実習に来た学生さんのなかでも、実習自体に興味を持って、真剣に取り組んでくるのは社会人枠の学生さんが多いように思います。

一度社会に出たものの、何かのきっかけで「看護師になりたい!!」と強く思ったのだと思います。3年間(大学なら4年間)再度学生をやるというのは、経済的にも精神的にも決心がいります。
それでも看護学校に来るというのは、学びたいという思いと、なにより看護師の仕事が好きだという思いなのでしょうか。

また、社会に一度出ているので、礼儀であるとか人とのかかわりに関しても大人なので、実習生としても私たちたちからみると、一生懸命な感じが好感が持てます。

もちろん、ストレートで入学した学生さんだって、まっすぐにキラキラした目で実習をする子だってたくさんいますから、おおむねそういう傾向にあるというだけですが。

看護学校の先生がいうには、在宅の実習は学生本来の持っているものが、一番はっきりとわかるといいます。
看護学生以前の、その子の持っている価値観だとか、コミュニケーション能力だとか、社会人としてのマナーとか、看護に対する姿勢とか、いきなり丸見えになってしまうと、私も思います。
病院実習では、受け持ち患者さんとの時間を、ずっと誰かが見ているわけではないですし、忙しい業務の中で、指導看護師も見ていられない部分も多いと思います。

在宅では、それこそ人の家にお邪魔するわけで、最初から最後まで同行する看護師と一緒にいることになります。

見ていて、あまりやる気がないとか、不用意な言葉かけがあるとか、あまりに視点がずれているのに、素直にアドバイスが入らない学生さんの場合は、極力訪問の回数を減らします。
一日に1件か2件にとどめて、きちんとアセスメントをする。
たとえ、なかなかうまく患者さんとかかわれなくても、最初はボーっとしていても、アドバイスをうけて一生懸命取り組む姿勢があれば、なるべくいろんな患者さんのお宅に連れて行きます。

そこで、何を得るのかは学生さんの感性次第なのかもしれません。

病気だけを見るのではなく、生活の中で背景も含めて支援するという事の意味を、ほとんどの学生さんは気づくことができます。
それが個別性だし、教科書にある計画なんて、そこでは何の役にも立たないことがわかればOKです。

先生は「学生の中には、在宅実習後にすごく意識が変わる子がいます。本当に取組みかたもすっかり変わって、真剣に向き合えるようになった子もいます。」とのこと。
すごくうれしいですね。

うちはスタッフも、学生さんの親の年代が多くて、みんなとても可愛がります。

この子たちが、未来の日本を担う看護師さんになってくれるのだと信じて、大切に指導するのです。
今まだ何のことやらの2年生でも、来年うちに実習に来るころには、きっと成長しているのだろうと思っています。

途中でやめてしまう子も多いようですが、看護の面白さに気づいて、いい看護師さんになって欲しいものだと思います。

ところで、昨日はうちのステーションの歓迎会がりました。

看護師とヘルパーさん、それぞれ一人ずつ入職しました。
1次会は瀬谷の名店「寿司竹」。
瀬谷で一番おいしいお寿司屋さんです。

数年前に南台に移転して、2階で宴会ができるようになりました。
親父さんが気難しいことでも有名なお店で、瀬谷の人ならかなりの人が知っているお店です。

先付は、酒の肴にぴったりの小鉢で、ややしょっぱめでした。



このほかに、煮魚や茶わん蒸し、洋風な盛り合わせや、酢の物などがたくさん出てきました。
カニも出てきてびっくりでした。
最後は握りでしたが、このころにはお腹がパンパンで、酔いも回っていて、かなり苦しい状態でした。
2次会はカラオケで熱唱し、帰宅後は苦しくて動けませんでした~。

でも、おいしいものが食べられるのは、本当に幸せなことですね。
感謝です。
新人さん、これからもがんばって、末永くやめないでくださいね~。

63回めぐみ在宅地域緩和ケア研究会

2012-10-16 22:14:37 | めぐみ在宅緩和ケア関連
このところ、忙しくて出席できなかった「めぐみ在宅地域緩和ケア研究会」。
今日は、「在宅ホスピスで求められる症状緩和」というテーマだというので、久々に出席しました。

要は、在宅での緩和ケアに必要な薬剤の話ですが、おもに介護職の人に対して、麻薬を理解してもらおうという狙いがあったようです。
もちろん訪問ナースやその他の職種、学生さんなどもいて、よい復習の機会となりました。


在宅での看取りが、これからますます増えていくことが予測されています。
在宅では、医師や看護師がいつも近くにいるわけではなく、投薬に関しても手伝っていただく場面がままあるからです。

しかし、まだまだ法的なハードルが高く、たとえ独居の方でも「手を添えて座薬を挿入するお手伝いをしました。」なんてまどろっこしい表現をしなくてはならないのです。

でも、そんなことを言ってられない時代がそこまで来ているのですよね。

在宅ホスピスでは、やはり予測指示が必須だと思うのですが、実はこれは法的には認められていないのが実情です。

現状痛くもないのに、痛みどめを出したり、吐き気止めを出したりは、どうやらだめらしいのですが、これはもう絶対に必要なので、実力行使ってとこなのでしょうか。

たしかに、この予測指示のおかげで痛みや吐き気など、つらい症状を我慢せずに過ごせた患者さんは数知れず・・。

先週末初回訪問した患者さんは、すでに腹膜播種もあり腹水もたまってた状況で、しかも独居でありながら何も薬が出ていませんでした。
その方は、前回の受診以降ひどい吐き気で食事がほとんど取れてませんでした。
その為にかなり体力も消耗しており、2週間以上先の受診まで我慢するつもりだったようです。
あまりの吐き気に「もう少し頑張ろうと思ったけど、こんな辛いならもういいかって思った。」とのこと。
結局週末だったので、その日のうちに病院に連絡し、緊急受診をしていただきました。
週明けに確認すると、お薬を飲んだらすっかり良くなったと喜んでいましたので、ずいぶんとしなくていい我慢をしていたことになります。

そのほかモルヒネ換算やオピオイドローテーションの説明などもあり、在宅で一般に使われるお薬について、それぞれの立場で理解を深められたのではないでしょうか。

というわけで、帰宅したのが20時半。
遅くなったのでうーちゃんのお散歩は今日はお休みです。

ステーションでは本日もわっさわっさといろんなことがありちょっとぐったりなので、これくらいで終わりにします。

あ~。
ラグーンが見たい。
どこか遠いところで、海を見てボーっとしたいなぁ・・。
大滝詠一のイメージです。「カナリア諸島にて」とか・・
って、今では水着を切れない体になってしまったので、山にするか~。

ディワリ・イン・ヨコハマ2012

2012-10-14 21:14:56 | 旅行・グルメ
今日は、山下公園で開かれているディワリ・イン・ヨコハマ2012というイベントに行ってきました。
横浜とインドの交流記念イベントで、今年は60年記念とのことです。

うちのスタッフの声掛けで、5人で遊びに行きました。

みなとみらいの山下公園駅で降りて、マリンタワーの真ん前。

9時半に待ち合わせをして、ついたのが10時半くらい。
まずはテーブルをゲットして、ひとまず会場をぐるっと一回り。



昼近くになると、人がどんどん増えてきて、徐々にお店の前に行列ができ始めます。

会場は、あちこちから香辛料のいい匂いが立ち込めてたまりません。
何から食べようか~??

みんなでそれぞれ2品位ずつ買ってきて、いろんなものを食べよう!!
というわけで、それぞれ散ったかとおもうと、みんなで目星をつけたお店に向かいました。

途中、ネパール料理のお店の前で、なんとも懐かしい人に会いました。
ネパール料理店のお手伝いをしていた彼女は、昔子供たちが通っていた学童保育でお世話になっていた元指導員のお姉さんでした。
10年ほど前に、海外青年協力隊でカナダに赴任するために退職した彼女。
その後、あちこちをまわり、ネパール料理店のボランティアは、その関係なのでしょう。

同じ学童だったうちの事務のOさんを、向こうから見つけてくれたのは、本当に奇跡みたいです。

私は、その店でランチプレートAを購入。
さらにバターチキンカレーとナン、ゴットファーザービールのラガーを抱えてテーブルに戻りました。
最初は3人だった私たち。


左からゴットファザービール・ハンターストロングビール・グアバジュースです。
食べ物の名前は???です。
Yさんの飲んでいたハンターストロングビールはアルコール度数7パーセント高くて、ハードです。
私のゴットファザービールラガーは4パーセント。
飲みやすいビールです。
さらに、こんな感じでお皿を並べていただきました。

     このあと、二人後から合流し、楽しいランチタイムとなりました。

片っ端から食べては追加していましたが、結局全部カレー味。
焼きそばも、ライスも、チキンもマトンも、不思議な料理も全部カレー味。

インドの人は、365日ほぼ毎日カレー味のものを食べているらしいと聞きました。
美味しいとは思うのだけど、味が単一なのでさすがに飽きてきました。
「しばらくチキンとカレーはいいね。」と笑いながらテーブルを立ちました。
このころになると小雨が降り出し、なんだか肌寒くなってきました。

みんなそれぞれ、スカーフやストールを購入し、店を冷やかし大笑いしながらお買い物を楽しみました。
ちなみに、娘の大好きな象の神様ガネーシャのグッズがたくさんあり、お土産もちゃんと買えました。


これからイベントを見つけては、みんなで遊ぼうという話で、大いに盛り上がりました。

楽しく遊べたので、また明日からお仕事がんばらなくちゃね。

めぐみ在宅/第7回追想の集い

2012-10-13 22:57:28 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日はめぐみ在宅クリニックで、昨年の半年間に亡くなられた患者さんの、ご家族を集めての「追想の集い」がありました。

亡くなられた患者さんのご家族にお声掛けをして、そのうち24家族が参加され、連携していたコメディカルからのボランティアも参加しての追悼会となりました。

私は、毎回献杯の音頭を取らせていただいていて、今年も何とかお役目を果たすことが出来ました。

また、今回は席を指定された着席タイプで行われ、お茶とお菓子でのお茶会のような形式をとっていました。




みんなが座れるので、楽と言えば楽でっすが、お話の相手がずっと同じなので、いろんな方とお話をして回ることができず、会話が苦手な方には2時間の会話がちょっと長く感じられたかもしれません。

私と、うちのケアマネ下田の間には、昨年の夏の初めに奥様を見送られたTさんが座り、久しぶりの再会に随分と話がはずみました。
それでも、1時間半を過ぎると、「なんだかずっと座っていてお尻も痛いし、このまま4時までなのかな?」と時計を見ながらちょっと飽きてきた様子もあり、お話だけでの時間にしてはちょっと長すぎる気がしました。
今までは、その間に楽器の演奏や、みんなで追想のための歌があり、数人のご家族からのお話もありと、メリハリがあっただけに、ちょっとさみしいような気がしました。
次回は、時間の配分と、もう少しアレンジがあった方がいいような気がします。

そうはいっても、各テーブル関わりのあったスタッフなどと盛り上がり、涙あり笑いありの時間を過ごせたようです。

Tさんも「いやー、張り合いがなくてね。」と、やはり寂しそうです。
でも、「友達もよく誘ってくれるんだよ。あちこち行ってカラオケ行ったりしているよ。」と最近の事や、奥さんとの思い出をたくさん話してくれました。

私の前の女性は、やはり昨年ご主人を亡くされたそうですが、まだまだ悲しみの中で暮らされているようでしたが、Tさんの話を聞いて「勇気づけられました。私も頑張ろうって思いました。今日、来てよかったです!」と明るく話されていました。

そしてご家族の中から、お一人だけですが、これまでのお話をしてくださいました。

とても気丈で、強い意志のもとに、夫を病院から連れて帰ってきた方です。
恋人時代を入れて60年連れ添った夫の闘病や、最後の数か月を、独特の死生観や人生観でお話してくださいました。

音楽を一生の仕事とし、一時代にはその歌声で、日本中の人の心を和ませてくれたであろうその方との最後の時間が、長年住み慣れた自宅であったこと、そしてそこから見送れたことに「悔いはないです。」ときっぱり言っていました。

予定を15分ほど過ぎて、今回の追想の集いは終わりました。

めぐみでは、今後毎月「苦しみを分かち合えるように。」と、グリーフケアの一環として、時間と場所を提供するようです。
そして、お互いルールのもとに、苦しみを分かち合い、気持ちを解き放てるような支援をしていくようです。

ずっと寂しさを我慢し続け、誰にも言えずに心を病んでしまうことがないよう、これからもずっと逃げ込める場所があることは、とても意義のあることですね。

ただ、もしかしたらこういう場所に(追想の集いも含め)来れる方、行こうと思う方よりも、何も発信でずにいらっしゃる方のほうが心配なのかもしれません。
だれかが、どこかで声をかけられたいいのに。
それも、これからの課題ですね。

さて、私はそろそろ眠くなってしまいました。

誰もが、きっとどんなに笑顔の人でさえも、それぞれの苦しみを抱えているのだと思います。
誰にも、どうしようもない苦しみでも、いつか希望の光がさすのだと、そう信じられるといいのに。
みんな、がんばろうね。

在宅看護は、難しい?

2012-10-11 21:56:05 | 訪問看護、緩和ケア
再び、激しくざわめき立つ気持ちの揺れを押し殺して、何事もないように毎日が過ぎていきます。
どんなに自分がのたうちまわっても、どうにもならない流れの中にあっては、もうその流れに身を任すしかないこともあると・・・
そう自分言い聞かせて、ただただ、自分のなすべきことに向かっていくことだけが、私に残された責務だと思うのです。

そう、私は私のやるべきことをクリアしていく。
私のなすべきことの一つは、今の仕事と次の次代を担う後輩たちを育てることです。

1年前に依頼された、看護学校の「在宅看護」の特別授業ももうすぐです。
そのスライド作成をしながら、いったいどう伝えたら<在宅看護>をわかってくれるのか。
その楽しさを知ってほしい。
3校から、かわるがわる来る看護学生の、カンファの度に学生の発表を聞きながら、伝えたいことをメモってきました。

そのスライドもやっと出来上がりました。
90分では伝えきれにない在宅看護の奥深さを、少しでも感じてくれればいいなと思います。

それにしても、伝えることは、かくも難しいものです。


在宅看護論は、当然学校の授業で学んでいるはずで、「基本病院じゃないよ、家だよ。生活の場だよ。個別性だよ。」などという言葉は、耳にタコができるくらい聞いていると思います。

でも学生さんに「2時間おきに体位交換しないと褥瘡リスクがあります。」とか言われちゃうと、はぁ~と一気に脱力しちゃいます。

2時間ごと体位交換できる在宅のご家族を探すのは、至難の業です。
っていうか、2時間おきの体位交換なんて、家族にさせたことはありません。

何故なのかを、ついつい自分で言っちゃいました。
だめじゃん、考えさせないと。


物事の優先順位は、うわっつらの事象を眺めただけでは決められないのです。
少ない情報の中から、テキストの事例の受け売りではない問題点を抽出できなければ、個別性なんて言葉は使えないのです。

こういう感覚を、同行訪問を繰り返すことで、肌身に感じてほしくて、うちは訪問件数をけっこう多くしています。

うーん、学生さんには、もっと感動したり悲しんだり、びっくりしたり、感じてほしいんだけどな~。

目をキラキラ輝かせた学生さんは、どんどん前に出てきます。
知りたい、見たい、触れたいと思う気持ちがよくわかります。
そして、患者さんの言葉を敏感にキャッチします、
これは、看護師もそうですが回数ではなく感性だと思うのです。
テストの点数がどんなによくても、感じるものがなければ、患者さんと向き合うことはできません。


アンテナをいっぱい立てて、いろんなものをキャッチして、自分のなかに吸収できる力を養ってほしいなと思います。


聞いた話ですが。

2012-10-09 21:07:47 | 訪問看護、緩和ケア
今日、頚損の患者さんがこんなことを話してくれました。

彼は上位頚損で、肩がわずかに動かせるだけで、日常の動作はすべて介助が必要です。

受傷してから30年近く立ちますが、彼は大きな電動車いすで、どこでも行きますし「障害者だからどうせ・・」などという事は一切言ったことはありません。
パソコンと電動車椅子は、口で自由に操作します。

人の介助がいるのはしょうがないですが、それは彼にとって日常の一部ですし、その人たちと時間をうまく振り分けて、日中独居状態でも平穏に暮らしています。
不自由じゃないといえば全く嘘ですが、それを受け入れてのやりくりは、ごく自然で彼が障害者だという感覚は、私たちにはあまりありません。

そんな彼のライフワークは、あちこちの学校で「命の授業」をする事ですが、それ以外でも、ハワイやら沖縄やら、北海道やら京都やら、ごく当たり前に出かけます。
(旅行は、主に頚損連絡会などの総会に出席したり、仲間たちに会いに行くためですが・・。)
そして、帰ってくるとお土産話をたくさんしてくれます。

その内容はほとんど、その土地土地のおいしい話です。

食いしん坊の彼は、あちこちで食べたおいしいものを、車椅子でも行ける店として、ブログにアップしたりもしています。(golira  伊藤 道和の部屋

今日も、この週末に行った福岡の話をしてくれました。

もつ鍋に、明太子に、毎晩の博多ラーメンと、毎日食い倒れだったそうで、それは美味しかったそうです。
でも、ひとつとっても残念な、ひどく腹が立ったことがあったそうです。

毎夜、博多のおいしい屋台を、地元のガイドさんが案内してくれていて、その人が一押しのお店に行った時のことです。

そこは、有名女性アーティストが、博多滞在中は必ず訪れるという事で、現地でも超有名な屋台だそうです。
もちろん、行列も出来ていてすごく期待していたのですが・・。

彼らは、自分では歩けないので、もちろん電動車いすで移動します。
これがなかなかの大きさなので、屋台では店に入るわけにはいきません。
こういう場合、店の外の空間を見つけては、介助の人にそこで食べさせてもらうのがいつもの方法です。

この方法で全国のうまいものを食べてきているのです。

もちろん、博多でもお願いすると、屋台の横のスペースに親切にテーブルを出してくれたりして、ほかのお客さん同様美味しくラーメンをすする事が出来ていました。

この日、4人の車椅子のメンバーは、狭い屋台の邪魔にならないよう、4手にわかれて食べに行きました。

で、ガイドおすすめの、有名アーティストH.Aの来る屋台に行き、同じようにお願いしたそうです。
横にたっぷりあるスペースで、介助者と食べたいのだと。
でも、この店だけは「店内に入れないのならだめです。」の一点張りで、拒否されてしまったのだそうです。
ガイドさんも、その態度に唖然としてしまい、とても申し訳なさそうにしていたといいます。
せっかく勧めてくれたガイドさんにも悲しい思いをさせたのが、余計悔しかったのでしょうね。

普段、かれはそんなことを言う人ではないのですが、「『この店は、障害者には食べさせないんだ!』と言っちゃいましたよ。」とのこと。

大きな車椅子に乗っているというだけで、門前払いを受けた彼の気持ちを考えると、私もとっても不愉快になりました。

お店には、きっとお店の言い分があると思ますが、せめて誠意ある言葉があれば、こんないやな気分にはならなかったのだと思います。

なんだかなぁ・・。

ところで、この頃のうららですが、急に涼しくなったので、ぬくぬくしながら過ごしています。

先日コストコで買ったモコモコの大判ひざ掛けは、うららのお気に入りになってしまいました。

    

パソコンをしている私の横で、ぬくぬく、うとうとしている週末のうららでした。

本格始動「定期巡回・随時対応型介護看護」

2012-10-06 22:04:08 | 訪問看護、緩和ケア
24年4月からついに本格始動が始まりました。

先日、区の居宅介護事業連絡会で紹介があり、その詳細が初めてわかりました。

当初の話と比べると、かなりゆるーい感じにはなっていますので、聞いた感じだとすごくいいように感じますが、よく考えるとやっぱりいろいろ問題があるようです。

瀬谷区は、ジャパンケアサービスが参入することになっていて、地域の訪問看護ステーションとの連携型です。

訪問看護を利用しない場合と、利用している場合では利用料が違ってきます。
要は、ヘルパーのサービスを巡回で使用し、水分補給や配膳下膳、モーニングケアやおむつ交換などを行うとともに、時間にかかわらずおむつ交換をしたり、転倒などの対応をするわけです。
これが24時間いつでも連絡できるので、安心安全が確保できます、という事です。
もし、オペレーターが病状に関してのアドバイスが必要と考えれば、訪問看護ステーションに連絡が行くわけで、必要があれば緊急に訪問することになります。
ちなみに、訪問看護サービスを利用していなくても、訪問看護師の訪問を受けれるようです。
また、定期的な看護師のアセスメントもうけらるれので、(これはジャパンケアサービスの看護師が行うそうです。)医療ニードの必要があれば訪問看護サービスにもすぐ繋ぐことができます。

では、訪問看護サービスも併用する場合です。
このサービスとして訪問看護を利用するには、連携事業所でなければいけません。

訪問看護料金は1月につき2920単位です。
介護度5の人はプラス800単位が加算されます。
逆に特別指示書などで一定期間医療保険での訪問になると一日に付き98単位の減算となります。

ちなみに、介護保険の訪問看護の利用料は60分で830単位です。
毎週1回の訪問看護では、1か月に3320単位、緊急訪問などを入れなくてもこの時点で足が出ます。(事業所側に)

つまり、月に2回とか、1回とかの訪問看護、もしくは30分(425単位)×4回の訪問看護で緊急訪問とかがなければ、すごく儲かります。(~_~;)

でも・・
その程度の訪問看護で大丈夫な患者さんで、そんなに毎日巡回サービスやら随時サービスが必要な患者さんが、果たしてどのくらいいるのか・・。
今のところ、うちの患者さんを見渡しても、一人もいませんね。


事例をいくつか出してくれたのですが、たとえば糖尿病で血統のコントロールが不良な独居老人がいました。当初訪問看護が毎週60分で入っていました。
インシュリンや服薬の確認に毎日ヘルパーが入り、食事もちゃんととれるようになったら、血糖がすごく下がりました。
足浴などの清潔援助も看護師ではなくヘルパーがやるようにしたので、訪問看護は月2回で済むようになりました。

どうです、すごいでしょう?

って、こういう事例がいくつかあったのですが、訪問看護って血糖さえコントロールできればいいの??
清潔援助、全部ヘルパーさんにお願いしていいの?
何で、足浴していたの?
清潔援助で観察してたこと、あったんじゃないの?
そうやって、訪問看護の回数を減らさないと、収益が上がらないわけで、必然的にそうせざる得ないってこと?


このサービスでの訪問看護では管理できない場合、通常の訪問看護サービスを利用してもいいそうですが、たとえば要介護3の人は17800単位をこのサービスで使っているので、支給限度額26750単位から残りを引くと7950単位しか残りませんから、いろんな加算分を入れたりすると、かなり厳しいことになります。
ましてそういう方の場合、残りの単位で訪問入浴やらショートステイやらの、他のサービスを使わないといけませんから、よほどヘルパーの利用にのみ依存する場合でないと、いろんな日好きが出てきますね。
そう考えると、このサービスが適応になる利用者さんは、かなり少ないように思えます。
(一時的な利用でもいいそうですが・・)

ちなみに、現行の小規模多機能でも、訪問入浴が使えないとか、よそのデイサービスを使えないなどの縛りがあって、困ることがありますから、しょうがないのでしょうか・・。

ターミナルの患者さんへのご利用もかなり意識しているようでした。
この場合、訪問看護は必然的に医療保険になりますから、単位は気にする必要はありません。
また、医療保険での訪問看護の場合は、連携事業所である必要はありません。

もうひとつ、ヘルパーの業務の中では一般的に利用される「お買い物行って調理」は、できないとは言わないけれど、滞在時間が長くなってしまうので、できればご家族の協力や配食サービスなどをご利用いただき、ヘルパーは配膳・下膳などの支援をする形にしてもらいたい・・。という事でした。


はてさて、今後の動向を見ていきながら、どこにニーズがあるのかを見極めて、参入を決めたいとおもいます。

いやはや、水疱。

2012-10-04 21:56:48 | 訪問看護、緩和ケア
先日の水泡、見に行きました。

見事に10センチ×15センチくらい、イナバノ白兎よろしく皮をむかれて赤裸。

予測通り、漏出したリンパ液でベットの足元はぐしょぐしょで、4つ折りガーゼも伸縮包帯の上から巻いた尿取りパットも、ずっしり滴るくらいの廃液でした。
おかげで、パンパンだった下肢はしわがたくさん寄って柔らかくなっていました。(~_~;)

その赤剥けのところに、ソフラチュールガーゼが貼ってありましたが、両端は何もないのでガーゼが張り付いているし、消毒液を流すとひどくしみます。


しかも、よくみると水疱は下腿のあちこちにみられ、水のたまったうすーい皮膚を破らないように保護しないといけません。
もともと、赤黒く変色し肥厚した皮膚のところは、水疱の厚さが分厚く、破れにくい水泡になっています。

さて、こんな状態で独居で自分では立位も難しい老人の処置を、どうしたら効率的にできるでしょうか・・。

感染を起こしたら、大変なことになります。

全身の類天疱瘡の処置を思い出しますが、類天疱瘡はこんな赤剥けた感じにはならず、次々と水疱ができるはしから、上皮化していきます。

ソフラチュールガーゼは、抗生物質の軟膏がしみたガーゼ状のもので、この手の創の定番です。

でも、創に対して小さくて、周囲は赤剥けでガーゼにへばりつくので、1枚半貼ることにしました。
毎日、ソフラの交換をするように言われたそうですが、7枚のソフラを1枚半ずつ使うので、訪問看護の時だけ足浴後に交換する事にしました。

そして、ガーゼよりは創にくっつかず、吸収力もあるモイスキンパットで覆い、そのうえから弾性」包帯をし、滲出液が多いようなら尿取りパットを巻きます。

薄い皮膚は、プロぺト(眼科用ワセリン)を塗り、摩擦を避けることに。

物品も揃え、デイサービスとご家族への処置手順も準備しました。

どのくらいで上皮化するか、しばらく様子観察です。

全部切り取った場合と、皮を残した場合、どちらがより安全にきれいに早く治るのでしょうね。
すごく興味があります。


ところで、今日は認定審査会でした。

審査会の時は、少し早めにステーションを出て、区役所前にある小さなレストラン(foodland Cafe Diner (フードランド カフェ ダイナー))で、ランチを食べながら書類に最後の目を通すのが日課です。

今日はポーク照り焼きプレート 

ここのプレートはレディスランチという感じで、おしゃれでヘルシーな感じです。
なので、昼は女性でいっぱいになります。

サラダのドレッシングも、付け合せのラタティユも大好きです。
ちなみに、今日のスープは桃の冷静スープ。
ほんのりとした甘みと、桃のフルーティ―な香りがシナモンの香りと混じって絶妙です。

男性には、量的に寂しいかもしれませんが、ご飯の量は調節してもらえるそうです。

カレーもすごくおいしいので、瀬谷区役所に寄った折には、一度お試しを。



巨大水疱の治療どうする?

2012-10-02 22:14:28 | 訪問看護、緩和ケア
在宅では、いろいろなタイプの水疱に手を焼くことがあります。
熱傷や褥瘡の初期、類天疱瘡やヘルペスなど原因は様々です。

悩みの種は、巨大な原因不明の水疱。

両下腿の著しい浮腫があり、皮膚は赤から茶褐色に変色しています。

浮腫は、くるぶしを中心に膨れ上がり、足首のくびれの上に大きくかぶさり垂れ下がるのです。
足の甲も盛り上がり、足全体でいえば通常の2倍から3倍の大きさと重さになっています。

でも、病院からはその下肢の状態についての説明も病名もついていません。

外観で判断すれば、それは重度のリンパ浮腫のように見えます。画像
リンパ浮腫の原因として考えられるのは、この方の場合、深部静脈血栓症しかありません。
さらに重度の肥満による活動性の低下もあり、かなり循環状態は悪いように思えます。

病院からの指示は、弾性包帯による圧迫。

でも、すぐにずれ落ちてしまい、あまり効果的には思えません。

そうこうしているうちに、足首付近の肥厚した部分に大きな水疱が形成されました。
直径12センチほどの水疱には、透明な液がたっぷりと溜まっています。

片方の足は、水疱が小さいうちに、なんと自分で針で潰したそうで、すでに破泡し、ジュクジュクしています。

とにかくそっと足浴をし、がーぜでくるみ包帯をして、通院先の病院を受診しました。

診察室で包帯を外していたら、いきなり水泡が自然に破れ、中の漿液がどっと出てしまったそうで、先生もびっくりだったそうです。
「なんでこんな風になるんですか?」「なんでだろうね・・」
と言われ、破泡した皮を鋏できれいに全部取って、赤剥けた肌にドレッシング材を貼って、帰宅したと連絡がありました。

でも・・
こういう水疱、全部皮を切っちゃうのってどうなのかなと思たりして・・。

表皮の裂傷などは、よく洗浄して、そーっと表皮を戻してからフィルム材などで保護すると、そのままきれいにくっついて、剥がれた皮膚の下できれいに上皮化したりします。(アズノールに、モイスキンパットでも、うまくいきました。)

通常、中程度くらいの水疱では、破れないようにフィルム材などで保護し、そのまま吸収を待つことで、感染も防ぎきれいに上皮化します。

類天疱瘡などの水疱は、どんどん勝手に癒合しては敗れるので、ソルベースなどの水を吸収する軟膏をべっとり塗ったりします。

大きい水疱は、フィルム材の上から穿刺して水だけを抜き、その上からガーゼなどで保護して上皮化を待ったり、ほんのちょっと鋏を入れて水をだし、あとは皮をそのままにして抗生剤の軟膏などと一緒に保護したりしていました。
いずれもきれいに治っています。

ただ、15㎝四方の浮腫でパンパンの部分の皮膚を全部切り取っちゃうのは、どうなのだろうかと心配です。
ネット上では、<破れちゃったら切り取ってウェットドレッシング>というのがいくつかありましたが、なんだか納得できません。

特にこれだけの水疱が浮腫の下肢にできるという事は、リンパ漏を考えてしまうのです。
過去、リンパ漏には本当に苦労しました。
リンパ浮腫の下肢に傷がつき、リンパ漏となって2次感染をおこし、毎日2時間近い処置をしに行った覚えがあります。

さらに、リンパ浮腫を伴う患者さんがなくなられた後、紙おむつで保護していたにもかかわらず、ベットマットがリンパ漏の廃液でぐしょぐしょになっていたこともありました。

その皮膚を全部はがす・・。

とりあえず、今日は紙おむつを下に敷いて、寝ていただくことにしました。

明日、状況を見に行くことにしましたが、この手の水疱の治療は、何が一番感染のリスクが少なく、きれいに早く上皮化するんでしょうね??

破疱した皮膚は、本当にとっちゃったほうがいいのか??
あちこちリサーチしてみたいと思います。