こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

看護師ブログのランキングです。ポチッってしてもらえると励みになります。(^^)/

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村

やっぱり家がいいんだね。

2010-09-03 22:20:28 | 訪問看護、緩和ケア
入退院を繰り返すうちに、だんだん病状が悪くなって、今度の入院では「在宅はもう無理」と家族が考え始めたころに、そのおじいさんは食事をほとんど食べなくなりました。
いつもにこにこして、とても穏やかなお爺さんだったのに、清拭も処置も、おむつ交換も拒否するようになりました。
怒ったことなどなかったのに、病棟ナースに怒って処置を拒否したりします。

「どうしちゃったの?」家族はびっくりです。

本当は、なにより自分の家が大好きで、ずっと家にいたいのはみんな分かっていたのですが、娘さんも在宅で看る自信が持てずに不安定でいました。
いままで在宅で支援してきたケアマネや訪問看護師も、娘さんの体力や気力が心配でした。

そんな話を、ご家族や連携室看護師から聞いて、「家に帰れないからかも・・・」と話していました。

転院先も決まって、もう戻ってこないのだと、私たちもあきらめかけた時、「家に連れて帰ります!」の連絡。

うーん。それは嬉しいけど、大丈夫なの?
身体の弱い娘さんです。
今回の入院も、自分の注意が足りなかったと、自分を責めて泣いていました。
でも、決心したのだそうです。
なんども、医師や連携室ナースや、在宅のスタッフとも連絡をとって、今度は最後まで家で看ると。

そして帰ってきました。

お爺さんは再びニコニコ顔で、食事ももりもり食べ始めました。
熱が出たりもしましたが、今度は娘さんも落ち着いてしっかり対応が出来ました。

「やっぱり、家がいいんだね。」みんなの言葉は同じです。

確かに、ご家族にとっては一大決心ですよね。
ご兄弟ともよく相談して、役割分担もして、何より自分一人で頑張らずに、サービスを上手に利用して、お爺さんの気持ちに沿ってあげられるといいですね。

往診のドクターも私たちも、ケアマネさんも、入浴サービスもヘルパーさんも・・・みんなで応援するから、きっと大丈夫だと思います。

「家にいたい」は、ほとんどの患者さんがそう願います。

なかには、家より病院のほうが安心、という方もいらっしゃいますが、苦痛がないのなら、やっぱり家がいいですよね。


これから、体に起こるだろう変化や、病状の予測を聞くこと。

これから必要な治療や、その治療の効果の予測を聞くこと。

そのうえで、今後の治療の方向を本人も交えて決めること。

これから、どこにいたいか、それが可能なのか。

どんな問題があるのか、それは改善できる方法があるのか。

病状の悪化時に延命を希望するのか、在宅で出来る範囲で静かに見送るのか。

家が可能なら、どこの誰にどんな支援をしてもらえば良いのか。


「家にいる」事は、ほとんどの場合可能なんですよ。
要は、ご本人と家族の意思がそこにあって、在宅を支援できるチームがあれば・・・の話ですが。

幸い私たちのいる地域はすごく恵まれて、例え独居で身寄りがなくても、本人の強い意志があれば、家で私たちが最期を看とったりもできます。
まして、ご家族もご本人もそれを望むなら、それは難しいことではないのです。

でも、地方出身のスタッフが言うには、「まだまだ田舎じゃ家で死ぬなんて、とんでもないことなんですよ。だいたい、在宅の体制が全然違うんです!」とのこと。
小澤先生も「ここが当たり前と思ったら、大間違いですよ。」ってよく言いますよね。
たしかに、いろんな事例を聞くと、「なんで、この人が在宅で看れないんだろう??」と、不思議に思うこともよくあります。

この地域で、良い医師たちや連携先、良いスタッフに恵まれたことに感謝ですね。
でも、まだまだ問題は山積み。
人材育成も含めて、これからまだまだ頑張らないといけませんね。



ところで、話は全く変わりますが、私のブログ記事がトラックバック先のブログに丸ごと載せられていました。
もちろん、このブログの題名や概要説明URLも一緒に。

それだけなら良かったのですが、何故かものすごく大きなフォントで、強調のアンダーラインや文節ごとに色まで付けて、そのうえ
間に日章旗と日ノ丸が何個もレイアウトされて・・!

これでは、私が伝えたかったニュアンスが、全く違ったものになってしまいます。
少なくとも、日の丸や日章旗は要りません


文章は受け取り手によって、感じかたが違うのとは思いますが、それならばリンク先を貼るだけにして頂きたいのです。リンク先を開いたときのショックは、かなりのものでした。

私は、特定の思想を込めて書いたつもりはありません。

ただ、人生の先輩が潜り抜けてきた、「そういう時代があった。」と言う事だけを伝えたかったのですから。

そして、そのブログにはコメント欄もメールの宛先もありませんでした。

きっと、私の記事に共感して下さったのだとは思いますが、どうかそこにご自分の思想などを付け加えないで頂きたいと思います。

トラックバックは、保留にさせて頂きました。

ときどき、業者さんのCMみたいなトラックバックが送られることもあります。
内容にもほとんど関係のない・・。

こういうのって、どうなんでしょうね・・・。