こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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介護の現場

2013-08-24 23:06:19 | 訪問看護、緩和ケア
介護の現場といっても、施設系だったり在宅系だったり、在宅でも訪問だったり通所だったりいろいろです。

そんな中、介護の現場は日々変化しているようです。

今まで、ヘルパー2級とか1級とか言っていたものが、これからは「介護職員初任者研修受講者」に変わりました。
今までのヘルパー2級がそれと同等のものとして扱われ、さらに実務者研修を受けて介護福祉士の受験資格が得られるようです。

これからは、ますます専門性が問われる時代です。
介護といっても、医療の高度化についていかなくてはなりませんし、プロとしての視点で介護を実践していくことが求められます。

ちょっと前までは、隣のおばちゃん的なヘルパーさんが目立ちましたが、今は誇りを持って介護職についている方が増えてきたことは嬉しいことです。

そうは言っても、まだまだ介護職のスキルや知識の差は激しく、主婦の延長でできていた訪問ヘルパーにも、プロ意識にかける人が多いのは否めません。
出来る人とできない人の格差が大きいことが、最大の問題点なのではないでしょうか。

ところで、ホームヘルパーは全員ヘルパー2級以上(介護職員初任者研修終了者)ですが、グループホームの職員やデイサービスの職員は、無資格者でもいいことをつい最近知りました。

管理者も資格は問わないようで、サービス管理責任者がケアマネということのようです。
デイサービスも資格をとwないということなのですが、一体これはなんででしょう??

一生懸命研修やらなんやらで介護力を上げる努力をする一方で、現場は無資格者でもOKというのは、もう本当にびっくりしました。

昨日までウェイトレスだった人も、コンビニ店員だった人も、そこに就職したらいきなり認知老人や病気を抱えた老人のお世話をするわけですよね。

これはもう驚き以外の何者でもなく、スタッフ全員が無資格者のこともあるようなので、一体この国の基準は何なんだろうかと首をかしげるばかりです。

求人などの内容を見ていたら、仕事をしながら基礎を学んで、それから資格を摂ればいい・・なんてことが書いてあったりしましたが、逆じゃないかと思うのです。
きちんとした基礎を学ばないで、そこのやり方が基礎だと思ったら、大きな間違いが生じますよね。

うーん、これじゃあまだまだ介護職の地位向上は難しいですね。

現在の有資格者は、もっと自分たちの足元を固めなくてはダメだと思うし、誇りある介護を提供できるようなシステムを、自分たちで声を上げていかないと、一向に報酬も上がらないし、地位も認めてもらえないと思うのです。

看護師は、同じく長く低い位置にいましたが、現在では准看護師を廃止し、政界にも進出してさらなる地位の確立を目指しています。

介護の現場で、ちゃんとしたプロの介護職が主導権を握って、学んだことを生かしていけるような時代を作っていってほしいなと思います。


認知症の周辺症状もわからず、老人にたいする尊厳もないような人が、認知老人を相手に、世話の焼ける幼児に接するような対応をしているのを見たり聞いたりします。

清潔と不滅の基本的な操作もわからないで、しわくちゃのシーツの上で、言われるままに褥瘡のガーゼ交換をしているところもあるようです。

今、ひとつの街にいくつものグループホームがあります。

でも、そのトップに立つ人の考えかた次第で、その内容は天と地ほども違うのがグループホームのようです。

最近は訪問看護ステーションも乱立していて、内容の伴わないところもあるということなのですが、ダメなところは淘汰されるような社会であって欲しいですね。



ケアマネの仕事、どこまでやるの?

2013-08-21 20:17:04 | 訪問看護、緩和ケア
すっかり介護保険が定着して、病院などにもケアマネの存在が、良くも悪くも周知されてきたような気がします。

老人が入退院するにあたっては、病院側も「ケアマネさんはどの誰?」と確認を取るようになりましたし、病院連携室でも、あちこちのケアマネさんの特徴をなんとなく把握していたり、連携の場には必須の職種という理解が出来上がりました。

そんな大活躍のケアマネさんですが、実はお仕事の内容がすごくグレーな部分があったりします。

介護保険そのものが、あちこち穴だらけで、実際の現場の問題点から目をそらしている部分があるなかで、その中心にいるケアマネさんのお仕事が、その「ざる」からこぼれた部分に翻弄されていることを、お上の方々は知っているのでしょうか・・。

独居高齢者に、老老介護、認認介護はもちろん、家族が精神疾患だったり人格障害者だったりで、生活の支援がご家族に望めないケースが山のようにあります。
しかも、経済的な困窮などの背景があると、思うようには介護保険に乗れないことがたくさんあるわけです。

ずっと思っていた事の中に、受診の同行があります。

原則、定期の通院の同行は、ご家族がされるべきです。
ご本人の病状を伝え、それに対する説明を聞き、提示された治療方法を選択したり、同意したりして、これからの療養に反映しなければならないからです。

でも、遠方だったり、近親者がいなかったりしたときは、介護保険サービスに則って、通院支援を受けるわけです。
この通院支援も、誰でもついてくれるわけではなくて、一定の条件が必要になるのですが・・。
そのなかで、患者さんの状況把握と情報交換を行い、プランに反映するために、受診に同行することは、ケアマネの業務としては問題ありません。
でも、足がないから、誰もいないからといって毎回ケアマネが一緒に通院するというのは違うのです。
実際には、マイカーで受診に連れて行っているケアマネさんだっているのですが、これは断固ケアマネがやるべきことではないと思います。

特に、ご家族がいるのに、忙しいとか面倒くさいという理由で見て見ぬふりをされている場合は、ますます介護からご家族を遠ざけてしまうとこに繋がるからです。


ただ、急に病状が悪化して緊急受診や救急搬送などの時には、一番生活を把握しているケアマネが同行するしかない場合があります。

病院も「誰か、状況の分かる人が付いてきてください!」とかいうので、とりあえず同行して状況を伝えると、「検査が終わるまでいてください。」と、延々と待たされたりすることがあります。
その間、家族に何度も連絡を取り、半日過ぎてやっと解放されることもあるのです。

ケアマネの利用料はご利用者さんからは徴収しません。
一律の給付を介護保険から受けるだけです。
ケアマネは数十名の利用者を持っていますから、そうしているあいだにも、次々に連絡の電話が入ってきますし、サービスの立会や、利用表の配布などに駆け回ります。
早く帰らなければ・・と思いながら、なかなか来ないご家族を待たなくてはなりません。


独居で病気を持ち、寄る辺のないさみしさの中で、療養生活全般のコーディネートをしてくれるケアマネは、本当に頼りになるし、時として身内のように錯覚することもあると思います。
でも、家族の代わりはできないのです。
そのラインはとてもグレーで、「こんなに頼っているのだから、やってあげたい。」思いと、「それはケアマネとしてやってはいけない。」思いの狭間で大きく揺れ動いてしまうのです。

身寄りがなく、生活が成り立たなくなりそうであれば、後見人制度なども視野にい入れ、考えていかなくてはなりません。

ただ、ケアマネそれぞれが、意識的に動くことが必要だし、ただ何でも屋にならないような支援方法を、考えていかなくてはならないのだと思います。

地域でも、考えていかないと。そんな風に思っています。

老人の臍ヘルニア

2013-08-15 22:46:42 | 訪問看護、緩和ケア
先日、訪問から帰ったスタッフが、相談に来ました。
「○○さん、今日突然お腹が膨らんでしまったんです。もともとお腹はぼわんとしているのですが、お臍を中心に固くぼっこり突出していて、痛みを訴えています。
お臍の部分は広がって、うっすらと紫色になっています。今までないものが、はっきりと触知できます。」とのこと。
「臍ヘルニアかもしれないね。嵌頓しちゃうと大変だから、すぐ受診させないとね。」
「そう思って、受診を勧めたんですが、かかりつけの先生じゃないと、どうしても嫌って言うんです・・。でも、その先生お盆休みで今日はいらっしゃらなくて。けあまねさんにも伝えましたが、ご本人は痛みも軽くなったから、明日まで様子を見させて欲しいって・・。」

うーん、困りました。

この方は、ご高齢であるうえ独居なので、お一人で受診させるのも心配です。

しかも、かかりつけの開業医さんをとても信頼していて、その先生でなければ緊張してしまって、かえって具合が悪くなるから、様子を見させてくれと懇願されたとか・・。

とりあえず、一旦戻り報告をしに来たのです。

そう、この年代の皆様は、とても頑固なのです。
嫌と言ったら絶対嫌。

でも、このまま放っておくわけにはいきません。

午後もう一度様子を見に行った担当ナースから電話が入りました。

「やっぱりまずいです。さっきよりお腹全体が膨隆してきています。お粥を二口食べたそうですが、それ以上は食べれないとのことです。お腹の音は弱いですし、ガスも見られません。金属音はありません。見に来てもらいますか?」とのこと。

すぐに私も訪問しました。

笑顔で可愛い小柄なおばあちゃまですが、上腹部だけが妊婦さんみたいにポンと張っています。
お臍を中心に直径15センチくらいに固く飛び出した腸があり、おへその色もかなり悪い状態でした。
痛みはそれほどひどくなく、「明日まで待てるのだけれど・・」と言っています。

「○○さん、これは待たない方がいいですよ。夜中にお腹がすごく痛くなったら、お一人だから大変です。これは、すぐに外科の先生見せて、お腹の中にしまってもらわないと。病院に行ってもらっていいですか?」

こんな時に管理者という役職名が功を奏します。
「偉い人がわざわざ来てくれたんだから、きっとそうなのね。分かりました、病院に行きます。」と言ってくれました。

別に偉くもなんでもないのですが、スタッフの「うちの大ボスです。」と紹介するものだから、すっかり恐縮されてしまいました。

でもおかげで、了解していただきました。

こちらで指示書を頂いている病院に連絡し、状況を説明して救急外来の受け入れを要請できました。
その間に、スタッフがケアマネに連絡し、ご家族が来るまで受診に付き添ってくれる手はずが整っていました。

30分後には、○○さんは急外を受診することが出来ました。

翌日、結果を聞いたところやはり「臍ヘルニア」でした。

「とっても危なかったね。このままだったら腸がねじれて緊急手術だったよ。早く受診してくれてよかった。」と先生に言われたとか。

炎症反応がなかったので、とりあえずは徒手的に還納してもらったそうですが、やはり手術が必要になる可能性が大きいようでした。


実は、こういう話はよくあることで、受診を渋る患者さんをなんとか受診させるための、あの手この手がなかなか大変なのです。

今回のように、結果「受診してよかった。」時ばかりじゃなくて、「何しに来たの?」なんて言われちゃうことだってあるので、動くのが億劫な患者さんを、万が一を想定して受診まで手はずを整えながら、うまく誘導しないと、あとあと不信感を残すことになってしまいますから。

そうして、普段からお体をよく観察していた結果が、こんなふうに異常を察知できるということなのです。

こんなふうに訪問看護は、異常を早期発見して早期に医療機関につなげる役割があることを、もっとみんなにしってもらいたいと思っています。

八月は大忙し

2013-08-08 21:56:10 | 訪問看護、緩和ケア
毎年、8月はスタッフがかわりばんこに休暇を取るので、ただでさえごちゃごちゃするのですが、今年は7月後半から急激に患者さんが増えて、かなりアップアップになってきています。

その原因の一つが、ご夫婦での訪問看護です。

当初どちらかの訪問予定が、なんだかんだで、その配偶者も一緒に訪問することになってしまうのです。

なので、二人の新患さんがいきなり4人になってしまったのです。
しかも、まもなく3組目のご夫婦の訪問も控えていて、その合間にも新患さんが数人増え、初回待ちの方も数人いらっしゃいます。

これはかなりきつい状況・・。

でも、こういう流れを断ってしまうと、今度はぷっつり切れてしまうので、とにかく担当スタッフが決まるまでは、私が頑張るしかありません。

かわりばんこに、ほかのスタッフも頑張ってくれています。

ステーション乱立で、依頼がこずに困っているステーションもある中、贅沢な悩みですね。

真夏の盛りで、体調を壊す患者さんも少なくありません。

その最初のご夫婦は、契約した3日後には、妻が転倒し肋骨骨折なんてアクシデントもあり、実際入ってみると内服状況もぐちゃぐちゃと、導入時点でやることも山積みでした。

初回契約からびっくりな背景を知り、そこからケアマネと共にしばらく翻弄されることもしばしばです。

特にキーパーソンのいらっしゃらない場合や、遠方にいらっしゃる場合は、環境調整から服薬管理、病状観察にケアなど、情報収集と軌道修正にかなりのエネルギーを費やすこととなるのです。

そんなわけで、暑い中頑張って訪問をしてくれるスタッフのために、時間を縫ってそうめんのつゆを作りました。

ステーションの夏の恒例「ナスとしめじの温かいつゆ」をつけて食べる薬味たっぷりの特性そうめんです。

昼の直前に、事務の二人が小豆島のそうめんをたっぷりゆでてくれました。
薬味はみょうがとおくらです。

三々五々戻ってくる、スタッフの喜ぶ顔が一番です。


毎日、いろんなことで腹を立てたり笑ったりしながら、みんなでそうめんを食べました。

そんな中、ブログネタは山ほど転がっているのに、相変わらず家に帰るといつの間にかうたた寝していたりして、あまり進歩がありません。

さて、あすも飛び入りの新患さんがあります。

暑さにめげずに頑張りましょう。