こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

看護師ブログのランキングです。ポチッってしてもらえると励みになります。(^^)/

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村

摂食・嚥下リハビリしましょ。

2011-01-31 23:57:06 | 訪問看護、緩和ケア
高齢者や、神経難病の患者さんの多くに、嚥下機能の低下がありますよね。

すでに胃瘻の患者さんも多く、消化管に障害があればIVHで栄養管理をしている方もいます。

その中で、誤飲性肺炎を繰り返し、腸閉塞の手術もしている80代の患者さんがいらしゃいます。
誤飲性肺炎の時は、気管切開もしてかなり長い間人工呼吸器もつけていたそうで、退院時は気切孔から、よく痰が噴出していましたし、吸引も頻回に行っていました。

でも、それも徐々におちつき、今では口から痰の喀出もできるし、小さくなった気切孔を手で押さえてとても良い声でお話もできます。

イレウスを繰り返していた既往があり、胃瘻では消化管の負担が多いので、IVHポートで24時間栄養をいれています。

そのAさんは、在宅生活にも慣れ、今では近くのスーパーまでIVHをキャリーバックに入れて買い物まで行けるようになりました。

途中、往診医に変わったことで、カフティポンプもつけられ、滴下や逆流の心配もなくなったため、ADLも拡大しています。
高齢のため心配された、輸液の交換や混和も問題なく出来るようになって、本当にお元気になってきました。
現在の彼の望みは、やはり「口から食べたい。なんでもいいから。」です。
病院では、嚥下の評価で二度と経口摂取は不可、と言うものでしたが、本人の食べたい思いに周りも答えてあげたいと思っています。

Aさんのケアマネが、訪問歯科の診療を勧め、その歯科医が嚥下を勧めるようになりました。

歯科の医師は、「食べられる。」と判断したそうです。

一応、クリニックの耳鼻科医にもコンサルをし、現在口腔体操のあとに、看護師の訪問時のみゼリーを摂取しています。

スプーンで薄くスライスしたゼリーを、一口ずつ愛おしそうに口に入れます。
意識を集中してゴックンと飲み込みます。

口中に残渣はの憩っていません。
が、しばらくすると咽頭に絡んだような音がわずかに聞こえ、声も湿性に変化してきます。
そのころにはゼリーもなくなりますので終了となりますが、今後はステップアップを目指したいと歯科医は言っているようです。

さらに、いちいち穴を押さえてしゃべるのが大変。
との訴えを受け、スピーチカニュレを入れたいとの相談もありました。

私的には、せっかく押さえるだけでいい声も出て、痰も少ない現状に、いまさら異物を入れることに抵抗はありますが、これって本当のところどうなのかと考えてしまいます。

食べたいし、食べさせてあげたいけれど、VFも内視鏡もしないで、食事形態を上げっていくのも、かなり不安はありますね。

かれは、今とてもADLがアップして、いろんな可能性が出てきていますので、ここで誤嚥性肺炎を再発させたくないな・・・と。
これはあくまでも、個人的な意見なので。彼が何を選択するのかは、彼氏だしと言う事でょうか??

そういえば、セミナーでも取り上げたり、嚥下機能訓練の勉強会をしたり、伝達講習もしたりしてきましたが、ちゃんとした資料がないことに気が付きました。

で、2冊ほどいろいろ探して購入しましたが、其の1冊がとても分かりやすくて、即実践につながるものだったのでご紹介しましね。
DVDつきで、そのDVDがとても分かりやすかったです。
VFの映像も少ないながらいくつか載っていました。

とにかく、個々に合わせてリハビリメニュー作りに役立ちそうで、昼休みには変わりばんこでスタッフが見ています。
「すごい、わかりやすいかも!」「なるほどねー」そんな声も聞こえます。

摂食・嚥下リハビリテーション―動画でわかる
藤島 一郎,藤島 一郎,柴本 勇,柴本 勇
中山書店


とにかくわかりやすいので、ヘルパーさんの食事介助にも、知っておくといいお話だと思いました。
食事介助は、結構リスクあるお仕事なんですが、どこの事業所も簡単な褥瘡のは断っても、こっちを簡単に引き受けますしね。

怖いもの知らずではなくて、プロとして食事介助をしてほしいなとおもいます。

週末は・・。

2011-01-30 23:16:56 | 日々のあれこれ
このところ、夜に外出することが多くて、ブログを更新するのもままなりません・・。

セミナーも、まもなくです。

区の連絡会も、市の連絡協議会も、連携先のクリニックの新年会も、医師会系の新年会も、さらには緊急当番も一気に週末に押し寄せましたわ・・。

さすがにちょっと、ブログ更新は停滞しました。

でも、めげずに頑張りますよ~。

先週金曜日は、連携先のクリニックの新年会にお招きいただき頂きました。

私とて、相当色々たまっていましたので、いい発散となりました。

自分の事業所のスタッフじゃないぶん、逆に発散できるのかもしれませんね。
おかげで、せっかく治った嗄声が、またぶり返しました・・。

そして翌日、日中は夏みかんのピールを作りながら夕飯支度をして、夕方からは神奈川区の新年会&訪問看護ステーション15周年にお邪魔しました。

場所はキャメロットジャパンでしたが、おもしろかったのがフレンチのコースなのに、一番最初に何故かお寿司が出てきたことです。

フレンチの皿の上に、寿司の取り皿おいて、みんなで取り分けたりして、ちょっとびっくりですね。
私のテーブルは、全員各区メディカルの管理者でしたので、お互いの情報交換になりました。
神奈川区の管理者、神川さんも素敵にドレスアップでご一緒しました。

青葉区と金沢区の管理者さんと。

お腹が減っていたので、みんなでお寿司をどんどん頂きましたが、あとのコース料理がきつくて、珍しく全部食べきれませんでした。
でも、お肉美味しかったです。

そして今日は、緊急訪問2件と電話対応数回・・・。
なんだか疲れた週末です。

でも、緊急当番で訪問した時に、患者さんやご家族のほっとしたお顔を見ると、正直疲れとか吹っ飛んじゃいますね。
私は、やっぱり訪問看護が好きなんだな~と思います。

管理者たちも、それぞれの事業所でみんな大変な課題を抱えていますが、どの管理者もやっぱり訪問看護が大好きだと言います。

こういう仲間がいると、自分も頑張れそうな気がします。

いろんなこと、くじけないで、逃げないで頑張らなくっちゃね。

そういえば、週末に長いお付き合いの患者さんから、「どうかこの本を読んでほしいんだよ。僕は本当に感動したんだ。」と言って涙ぐんで渡された本があります。

今話題の柴田トヨさんの詩集でした。

この前から、訪問するたびに柴田トヨさんの話をしてくれましたが、どうやらもう一人の担当者の分と2冊、買っておいてくれたようです。

くじけないで 詩集&朗読DVDセット
柴田トヨ
飛鳥新社


ずいぶん話題ではありましたが、実際は時折耳にする何篇かの詩しか知りませんでした。
でも読んでみて、なるほどなぁ~・・と。
99歳にして、あの表現力ってなんだろう!?
すごいパワーだと思いましたし、言葉の紡ぎ方が素敵ですね。

人は、99才だろうが、何歳だろうが、そんなことは関係ない。と思いました。

詩の中では、トヨさんは今でもかわいい妻であり、優しい母であり続けています。

きっとそこが、共感される部分なのかとも思います。
私的には、みんな頑張れのメッセージより、トヨさん自身気持ちを綴った詩のほうが、いいなと思いました。

それから、詩の中にこんなフレーズがありました。


「柴田さん
西条八十の詩は好きですか?
小泉内閣を
どう思いますか?」
こんな質問ならうれしいわ


足し算や、曜日やそんなことを聴かないでほしい。という内容の詩でしたが、認定調査は失礼の塊だなぁと思って、笑っちゃいました。

でも、私も柴田さんと西条八十の話をしてみたいですね。
私も好きですから。

うちのステーションにも、90歳以上のご利用者さんはたくさんいらっしゃいます。
100以上の方もお二人です。

とにもかくにも、負けちゃあいられませんよね。

退院指導いろいろです。

2011-01-26 22:53:13 | 訪問看護、緩和ケア
いろんな病院から、いろんな指導を受けて、患者さんやご家族は在宅に戻ります。

でも、病院によって微妙に指導内容が違うので、訪問看護師はまず、どんな指導を受けてきたかを教えてもらう事から始めます。

とくに、病院によって指導内容が違うのがIVHの管理方法です。

せっかく病院で必死に覚えてきた手技を、退院後にまた変えてしまうのは、混乱のもとになるので、とりあえずはどういうやり方で習ってきたのかを見せてもらい、そのうえで簡略化できるものは簡略化したりします。

IVHは、フィルターのついたルートを本体の輸液に接続しますが、針の扱いが違うことが多いです。

すごく慎重で丁寧な病院は、生理食塩水のピストンにヒューバー針をつけて、針をまず生食で満たしてから穿刺し、フラッシュしてからルートを接続します。
もっと丁寧な病院は、前の針を抜くときも同じように生食でフラッシュします。

違う病院では、ルートと針を全部接続してから穿刺し、それから生食でフラッシュします。

全然、フラッシュ用の生食の用意がないところもあります。

固定の仕方も、病院それぞれですね。べつにそれはいいのですが。

先週退院されたAさん。
ポートは入っているものの、24時間でのIVHではありませんでした。
夜に生食フラッシュをしてから針を刺し、小児用の微量セットでポンプは付けずに滴下し、12時間の予定で1000㏄入れて、終わったら抜去するように指導されていました。
抜去時も生食フラッシュをしていました。
消毒は、穿刺部はイソジンスワブ(イソジンの綿棒)でしたが、時々あわてて本体からルートが抜けちゃうことがあるそうで、その時は、ルートの先端をアルコール綿でよく拭いてまた刺していいと言われていたそうです

これにはちょっとびっくりで、フラッシュ2回もしたり、イソジンで穿刺部を消毒しているほど慎重なのに、抜け落ちたルートをアルコール綿消毒で刺しなおすなんて、本当に言ったのだろうかと・・
でも、とてもしっかりされたご家族なので、きっとそういわれたのだと思います。

在宅の主治医を昨日からお願いしたのですが、そのことを話したら、絶句してました・・・。

これからは、そういう時は面倒でもルート交換にしていただくようにお願いしました。
細菌感染を起こしたら、在宅でポート入れ替えはできないので、そのために病院にいかなければならなくなることをお伝えしたらびっくりしてました。

その方が在宅に戻っていろいろとお話をした中で、化学療法も困難となり、今後は在宅での療養を希望されたため、緩和ケアの往診医をお願いすることにしました。
事前に先生には毎日針を抜き差ししていることや、フラッシュが頻回であること、ポンプは使用していないこと、また、現在の病状などをお伝えしていましたので、先生もポンプなども用意しての往診をしてくれました。

先生は24時間ポンプのこともお話しましたが、出来ればまだ自分で動きたいので、夜だけのIVHにしてほしいとのご希望だったそうです。

病院によっては、太っ腹に毎日分のルートや針を払い出してくれるところと、週に2本が限界のところなどもあり、特に往診の先生に関しては、クリニックの方針で違ってくると思います。
でも、往診をお願いした先生は、「患者さんの希望が昼は自由でいたいと言う事であれば、なるべくそれに沿っていきたいと思います。」と言ってくださいました。
ただ、毎日針を抜き差しするのはどうだろうかとのご相談が先生からあり、週2回訪問入浴があるので、その日に針は交換し、それ以外はシュアプラグをつけて固定したままにしておくことを提案することにしました。

今日、訪問の時に「針はお風呂の時の週2回だけ入れ替えて、あとはこのプラグで接続をしたり、外したりして管理してはどうですか?」と方法を説明すると、突然お嫁さんが泣き出してしまいました。

ちょっとびっくりしましたが、彼女の話を聴いてなんだかすごくうれしくなりました。

お嫁さん「本当に2回でいいんですか?すごくうれしいです!私、本当は毎日針を刺すのがつらくて辛くて・・。毎日お義母さんに痛い思いをさせて、なんでこんない辛いことをって思ってたんです。お義母さん、もう毎晩痛い思いをしなくていいのよ。よかったね。」って・・。

「本当に優しいお嫁さんでよかったね。」(私の心のつぶやきです)
私は、針よりもそっちのほうに感動でしたが、こんなに喜んでくれるとは・・。
ご本人は我慢強くてとても明るい方ですが、お嫁さんの声掛けにやっぱり涙ぐんでいました。

(シュアプラグぐらい、病院でもつけてくれれば・・とか思っちゃダメですかね。)

そして、ルートが引っ張られやすい原因として、かぶりのシャツの下からルートを出してぶら下げていたので、ルートは上から出してボタンホールをつけ、パジャマのボタンにはめて引っ張られてもワンクッションおけるようにしました。

始まったばかりの在宅療養ですが、これからはなるべく穏やかに、我慢しないで過ごしてほしいなと思います。

そして、できれば全国共通の退院前指導マニュアルとかがあると、ここまで病院によっての開きがなくなるんじゃないかとも思います。

ポートも逆流防止弁などで、あまり詰まらなくなっていますから、ご家族への手技指導に当たっては、なるべくシンプルに、かつ感染予防だけはきちんとお伝えしてほしいなと思いました。

ASV(適応換気補助装置)勉強会

2011-01-25 23:55:37 | 医療機器・介護用品
最近、中枢性無呼吸の患者さんに、鼻マスク式の人工呼吸器を夜間装着することとなりました。

そこで、めぐみ在宅クリニックでの勉強会となりました。

これは、睡眠時無呼吸症につけるCPAPや慢性呼吸不全につけるNPPVとは違うもので、常時呼吸ごとに最適な圧力とタイミングを提供する装置なのだそうです。

フクダグライフテック横浜のプレゼンテーションとなり、参加者はめぐみ在宅のスタッフと、うちから3人、ケアマネさんが一人、薬剤師さんが一人、どこかのステーションスタッフさん一人でした。

 これが本体です。

気道内が乾燥する方には、このような加湿装置が付いたものもあります。


適応は、慢性心不全による無呼吸・過換気と中枢性無呼吸で、いわゆる睡眠時無呼吸は適応外です。
実は、心不全患者の無呼吸症はものすごく多いのだそうで、これを装着することで無呼吸が改善され、それにともなう不整脈も消失するそうです。

まず、睡眠評価装置と言うものを夜間装着して解析をし、中枢性であることが立証されて初めて保険適応となるようです。
今回装着した患者さんも、夜間胸部腹部ともに全く動かない無呼吸があり、SPO2も70%まで低下したそうです。

で、先日から装着しているものの、高次脳機能障害もあり易怒性が高く、マスクになかなかなじめずに、最少は2分ぐらいで放り出していました。
現在は、よく話をして何とか10分くらいまで持ちこたえるようになったとか・・・
先の長い話ですが・・。

実際、私たちも体験してみました。

いわゆる鼻マスクタイプ、なんかすごく圧力がかかるような気が・・・
吸気はいいけど、呼気が抵抗ある感じ。
慣れればいいらしいけれど、フルフェースはもっと圧迫感。

そうしたら、こんな形のマスクがありました。
鼻の穴にぴったりつけて、あとは口。
この手の機会は、意識し過ぎて大きく呼吸していると、逆に合わないので、普通に普通に呼吸してみます。
ぁ、なんか合ってきました。
吸気も呼気も楽です。だんだん機械が合わせてくれます。
圧迫感もあまりないですね。
「これいいかも!」みんな同じ感想でした。
これなら高次脳機能障害のあの患者さんも、もう少し長くつけてくれるかも。

ケアマネYさんが装着中のお姿を、カメラに撮らせてくれました。
鼻の穴だけシールドされているのがよくわかるとおもいます。

これでリークもありませんでしたし、すごくやわらかくてフィット感もいいです。

やっぱりどんどん医療は進んでいますね~。
とはいえ、これで寝るのは大変かも。
でも、実際ご病気をもっっている方は、つけたとたん調子が良くなる方もいるとか。
CPAPにせよNIPPVにせよ、装着後から熟睡できるっってよく言いますよね。

ちなみに、ASVだけのレンタルだと、1割負担のかたで月額8800円だそうです。
HOT併用の場合は、さらに4000円ましくらいです。

なかなか良い経験をさせていただきました。
大きな会場での展示会では、あまり心置きなく触れませんが、今回はじっくりいろんなマスクを試させていただきました。

とても面白かったです。

夕方は、出がけに緊急訪問とかがあって大忙しでしたが、今日も一日過ぎました。
明日も、西部の連絡会でセミナー準備の大詰めです。
審査会もあるし、いろいろ目白押しですワ。

気持ちが落ち込むこともあったけど、前向きにポジティブに頑張らないとね。

賀詞交歓会など

2011-01-23 22:40:30 | 日々のあれこれ
なんだか、毎日が駆け足で過ぎていきます。

ほんとうは、もっと緩やかに、もっと気持ち豊かに過ごしたいなんて思ってはみますが、どうもまだ当分実現しそうにありません。

金曜日に、朝一番の初回訪問のあと、横浜市訪問看護連絡協議会の定例会と賀詞交歓会のために車でメルパルクまで行きました。
PCを持っていく係りだったので、持って歩くのはちょっとしんどくて、飲めない覚悟で車にしました。

定例会のシンポジウムの後、講演がありました。

藤沢市教育文化センター 主任研究員 目黒 悟先生のお話です。
テーマは 「人を育てること・教えることとは」
  ~教育的なかかわりの本質を考える~

というもので、どんな先生が来るのかな?と思っていたら、ロン毛のどこか茫洋とした風貌の人が現れました。
      

そして、ホワイトボード2枚の前に立って、いきなり話し始めたその声と語り口にびっくり。

なんだか、かわいい声でペタペタっとした感じで、妙にフレンドリー・・
で、嫌な感じかと言うとそうではなくて、いきなり眠気が覚めて引き込まれるような話に。

おもしろい。

こういう先生、いるんだぁ・・・。っていう感じです。

もともと、学校の先生の指導をされていたようですが、いつの頃からか、看護学校の先生も指導するようになり、さらに現場の指導者の教育指導などをされるようになったとか。

先生は、看護教育に当たって看護論なども読み漁って、其の看護の本質の中に、実際の教育の本質を見出されたそうです。

看護論をそのまま、「教える人」と「学習者」に置き換えると、それは指導その物であると気が付いたそうです。
「看護婦が看護婦であるゆえんは、そもそも看護婦の援助を必要としている患者の存在があるからである。そこではまず患者と知り合う事から始めなければならない。
患者を理解し、患者の(援助へのへのニード)(need-for-help)を理解することによって、看護婦の役割や患者ケアにおける看護婦の責務はおのずから明らかになってくるのであろう。」(アーネスティン・ウィーデンバック)

って、習ったのかもしれないけど、全然覚えていないし・・。
けれどその内容は、私たちに沁みついて物でもあります。
そして、その看護婦を教える人に、患者を教えられる対象者に置き換えると、それが指導になると言う事など、いくつかの例を用いて説明していました。

なるほどな~。
なんか、聴けば「そうそう」とおもっても、それをひとに言語化して説明しようとすると、なんだかわけがわからなくなってしまいますよね。

指導者としてのまなざしが、上から目線になるということは、認知症の老人に幼児言葉をいつの間にか使っている人と同じなのだそうです。
相手が、圧倒的無力だと感じた時に、これを出来るようにしたいと本能的に思い、時として赤ちゃん言葉となってでる。
引き上げてあげるのだという上から目線の言葉。

そんな話から、とても興味深くて、しかも納得できるお話を聴くことができました。

そのあとは、レインボーホールでのでした。

すぐ隣は、大人な感じのネオンがいいムードを醸し出しているマリンタワー。
       デートコースですわ~

お料理は中華。 美味しい。

港の夜景はきれいだけれど、どうしてもガラスが映り込んで、きれいに撮れず・・

いつか、カメラ教室にでも通おうかと思いました・・・。

帰りは、一人で夜のドライブ。
ランドマークが夜の空にそびえたち・・。

運転中で、せっかくの夜景はとれず・・。
せめてもと、もみじ坂へ入る橋の上で窓からとった写真です。

もっとゆっくりこの辺散策したりして、もっと上手に写真が撮れたらな~。
とため息交じりで帰宅しました。

CART・腹水ろ過の実際

2011-01-22 16:22:36 | 医療機器・介護用品
週末にかけて、いろんな情報が私に押し寄せて、何が何だか分からなくなってしまいましたが、順番に整理してみたいと思います。

木曜日に、めぐみ在宅クリニックのナースIさんに、「CARTのろ過するよ。見に来る~?」と言ってもらったので、「いくいく~」と見に行きました。

すでに、きれいな腹水7リットルが置かれてあり、旭化成クラレメディカルの営業の方と、MEのかたも技術指導でみえていました。

旭化成でクラレなの??
何でも、旭化成とクラレメディカルの血液部門だけが合併したらしいです。
(企業ってよくわからないですね・・。)

(写真は、院長先生の許可済みです。)


 
黄色い液の入った袋が腹水です。4リットルと3リットルに分かれています。

真ん中に2個ある筒のようなものがフィルターです。
そして、普通のポータブル吸引器と専用の輸液ポンプとキット、貯留バック、生理食塩水、廃液用のバケツがあれば、どこでもできるそうです。

久しぶりの組み立てで、Iさん苦戦しながらも和やかに組み立ては進みます。
キットの接続を間違えないように、ここはかなり真剣ですね。
フィルター内の液を生食に入れ替えてから、腹水も繋げます。
そして指さし確認。

腹水で袋パンパンなので、台の上でろ過が始まります。

最初のフィルターで、癌細胞や細菌などが除去されます。
次のフィルターで除水されます。
このフィルターを通ると、濃いアルブミンやグロブリンの入った、身体に戻す液が出てきます。
先端から、濃い黄色の液が出てくるところです。

このろ過装置は、吸引器を使うために、時間がすごく短縮され、1時間ほどでろ過が終了します。
吸引器からは、かなりのスピードで廃液が吸引されますので、これを何回も捨てながらの作業になります。ビンに溜まっているのが廃液です。

2本目のフィルターのアップ。
そして、この2本目のフィルターからろ過されたものが出てきたら、専用のポンプのスイッチが入れられます。
すると・・貯液パックにそれが注入されていくわけです。
アップ。 

このパックがたまったら、これを患者さんの末梢静脈から時間100㏄で点滴すれば、元の持ち主のところへ、大事な成分が戻せると言う事ですね。
すごい!!

これは、ベットサイドでも出来るそうで、患者さんの隣のベットで、きれいなMEさんがこれを組み立ててやっていたら、「なんかすごく元気になりそうですね~。」と患者さんも感心していたそうです。

ああ、あの時これがあったらAさんにも、Bさんにもやってあげたかったとついつい思ってしまいます。

それでも、今こうしている間にも、もっといい緩和療法や治療法を研究してくれている人がいるんだなと実感しました。
あまりいい話題のない最近だけれど、それでも未来に向けて頑張っている人もいるのだから、現場も頑張らないといけませんね。
今はまだ、一部の人しか利用できないかもしれないけれど、近い将来在宅で、もっと簡単にもっと普通に、もっと低コストでできるようになるといいですね。

ちなみに、今回はきれいな透明の腹水でしたが、血性腹水の時は詰まるたびに、生食で洗浄しながらやるそうです。

いまのところ、腹水穿刺中の観察と、組み立てからろ過までの時間にかなりかかっているので、マンパワーの問題がありますね。
また、腹水穿刺に耐えられるだけの予備力も必要ですし、100%副作用がないわけでもないので、課題はあると思います。

でも、患者さんの選択肢が、また増えたことには間違いありません。

フットケア研究会などなど・・・

2011-01-20 23:21:47 | 訪問看護、緩和ケア
今日は、午前中に主治医のたってのご希望で、訪問看護の初回訪問に出かけました。
・・・が、もともといろんなサービスを5年間入れては切ってきたつわもの、ご主人の「必要ない!」のひとことで、今までの主治医とケアマネさんの根まわしは、いともあっさり却下されました。
40分の訪問でしたが、訪問にはならず・・・。ま、こんなこともたまにはあります。
嫌なもの、無理に入らずとも、また必要になったら声かけてくださいね。
と、恐縮するケアマネさんと別れました。
せっかく推薦してくれた、I先生。「ごめんなさい。失敗。」

午後から、先日ご紹介した難治性腹水症に対する腹水ろ過濃縮再静注法・CARTの腹水ろ過を見学に行きました。

クリニックナースIさんの必死の奮闘のなか、メーカーの担当さんやMEさんも技術指導に来ていて、とても和やかに作業は行われていました。

(この内容は、あらためてご報告しますね。)

そこからが駆け足でした。
16時からの西部地区ステーション連絡会では、いよいよ最後の大詰めで、内容の検討に頭を絞り、18時過ぎてやっと終わった後に、ホテルキャメロットジャパンで行われる、神奈川フットケア研究会に遅れて参加しました。スタッフ3人はすでに席を取って待っていてくれました。

フットケア研究会は、神奈川県皮膚科医会在宅医療委員会の主催で、いつもお世話になっている皮膚科の増田先生のお誘いで参加させていただいています。

今日の講演は、
特別講演Ⅰ「下肢創傷治療における外用療法 -創傷・熱傷ガイドラインをふまえてー」
  東京医科大学 皮膚科助教授  入澤 亮吉先生

特別講演Ⅱ「クリニックにおけるシューズカウンセリング」
  野村皮膚科  野村 有子先生

ということで、とても興味深い内容でした。
出来れば内容も今日の記事に少しでも書こうかなと思っていましたが、今日はもうタイムアップです。
何しろ、明日は午前中に新患さんの初回訪問の後、横浜市訪問看護連絡協議会の定例会と賀詞交歓会があるので、朝から夕飯のおかずも作らなければならないので、今日はもう寝ます。

週末には、CARTや下肢創傷講演報告ができると思います。

うーん、時間がなーい!!

何でやねん・・・

2011-01-19 22:22:07 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護ステーションの役割の一つなのか、それとも私がおせっかいなだけなのか、いろんなことに頭を突っ込んで、ややこしいことの間に入って、結局私が怒られたりすることがあります。

そして、しばらくしてから「なんでやねん」とか思ったりして・・(こういう時はなぜか大阪弁)

ちょっと今日は愚痴こぼしになっちゃうかもしれませんので、うっとうしいと思われたらスルーしちゃってください。
何言ってるかわからないかもしれません・・。そんな気分だったので・・。

で・・!(怒りながら早口で言っています)

だいたい、介護保険なんてやたら書類が多くて、面倒な契約書やら個人情報の同意書やら、あっちこっちに出す書類やらが多すぎて、おかしいでしょう?
私たちは在宅の看護師で、シンプルに在宅療養のサポートがしたいだけなんですよ。

だから、契約書よりなにより、患者さんをみてここが大変!と思ったら勝手に体が動いちゃう。


早く気持ちよくしてあげたいし、早くきれいにしてあげたいと思ってしまいます。
(この辺からトーンダウンします。)
でも、今日はそれよりもまず、契約書の一字一句の確認を終えて、よーく検討していただいて、改めて後日、契約してからの活動でないと、納得されない方もいらっしゃる事がわかりました・・。

生身の身体、少しでも早く…と願う方ばかりではありません。

わかりやすく説明をしたつもりでも、相手に届いてなければ意味がありません。


要は、相手(この場合は契約者)のニーズがどこにあるかを、もっと見極める必要があるってことですね。反省。


つまり、形式から入ったほうが納得される方なのか、まずは今困っているケアから入ったほうが納得される方なのか、と言う見極めです。

そこを間違えると、どんなに思いがあっても、相手には届かないことがあります。

介護保険前から訪問看護師をやっていると、まずは患者さんからと思ってしまいがちですが、時代が違うんですよね。

ごもっともな話しながら、なんだか淋しいというか、「なんだ、今日じゃなくてもよかったのか・・」と思ったりして。
ダメダメ、反省。

さらに、大きな病院とクリニックと患者さんの間でずっとハラハラしたり、頭下げたり・・・。
患者さんの事を思えば何とかしてあげたいし、大きな病院の先生はそんなにタイムリーには動いてくれないし・・・
だから、事前に先生同士でちゃんと話し合ってほしかったのに~。
ま、しょうがないか・・。
最初から、患者さんのご家族に動いてもらえばよかったんだろうけど・・。
残された時間を考えると、ここは何とかと思っちゃうのが悪い癖です。

でも、何とかしていただいたので良かったです・・。ほっとしました。
結果オーライ。ぶつ切のラインが何とかつながったのだから・・・。

そのうえ、バルンカテを入れに行った患者さんの、尿道が分かりずらくて四苦八苦。
たま~にあるんですよ・・。ほんと、わかりにくいことが。
懐中電灯もって、結構汗をかきました~。(ストーブしょってたのもあるけど・・)
バルンくらい、入れられないと恥ずかしいでしょう・・?

なんだか今日は厄日??

でも、いいこともありました。
今日は朝から声が出るようになって、それだけはラッキー
ずーっとハスキーボイスになっちゃうのかと思ったので・・・
代わりに、キムシノ先生が、発熱によりダウンとか。
早く元気になって下さ~い。

なんだかんだ言っていたら、すっきりしました。
ま、なるようになるでしょう!
明日もガンバローっと。

難治性腹水症に対する腹水ろ過濃縮再静注法・CARTについて

2011-01-18 22:29:34 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日は、めぐみ在宅緩和ケア研究会でしたが、今回は事例検討とともに画期的な緩和治療の報告もありました。

今回の事例は、膵臓・肝臓転移による難治性腹水に苦しむ患者さんでした。

歩きたい、トイレに行きたい、外に出たい。
そして、負けたくない!生きたい!そんな強い思いで、ご家族もご本人も頑張っていたそうです。
しかし、腹水の貯留が増強し、やがて呼吸困難や体動困難となり、麻薬でもとりきれない苦しみが襲います。

しかし、非常勤医師の新しい情報とスタッフ全員の熱意により、CARTという緩和治療が導入されることになりました。

今日は、研究会で紹介され、現在めぐみ在宅でも導入されたCARTについて御紹介します。

この治療法は、実は1984年には保険適応されていたのですが、実際それが普及し、さらに在宅に普及するのは大分後になったようです。

腹水は、肝臓疾患などで水分を血管に引き込む役割を果たすタンパク質・アルブミンを作る機能が低下したり、門脈圧が亢進したり、腹膜に癌が散らばったりして、血管から血液成分や水分がお腹の中に沁みだして起こります。

通常腹水穿刺と言って、針をお腹にさしてこの水を抜く治療が行われていますが、この腹水の中には、大事な血中成分のアルブミンや免疫機能にかかわるグロブリンなどもたくさん含まれているので、あまり腹水を抜くとこれらもなくなってしまい、体力も奪われてしまいます。
また、そのことで腹水が溜まりやすくなるという現象も起きてきます。

そのため、腹水を頻回に抜くことは、医療者はあまりすすめません。

でも、お腹がパンパンに膨らんだ患者さんは、苦しくて苦しくて、何とかこれを抜いてほしいと訴え、それを見ているご家族もとても辛い思いをします。

CARTは、この腹水を3時間ほどで4~5ℓ抜き、その腹水を特殊なろ過装置でろ過し、癌細胞や細菌や余分な水分を抜いて、再び点滴として体に戻すというものです。

自分のアルブミンやグロブリンを戻すので、未知の病原体の混入の恐れもありません。

このろ過装置は、旭化成クラレメディカルのもので、今回そのプレゼンも聞くことができました。

二つのろ過装置を使って、一つはがん細胞や細菌をろ過し、その後除水を行いパックするものです。
ここで、さらに画期的なのが最初のろ過装置で、従来のものは血性腹水やがん細胞などが、すぐにフィルターに詰まってろ過できなくなってしまったのですが、逆式と言われるろ過装置を使う事で、詰まったものを洗浄して取り除きながら、ろ過できるというものです。
このため、大幅に適応範囲が広がりました。

在宅でCARTをしているところは、全国でもまだ10数箇所、さらに逆式を使用しているところは数カ所しかないそうです。

この方法をとりいれ、冒頭の事例の患者さんに行ったところ、一時は寝たきりで衰弱していた患者さんが、再び歩くことができ、食事もとれるようになったそうです。
とはいえ、これで治るわけではなく、病気は進行しますが、何よりつらい腹部の圧迫による呼吸困難は大幅に緩和されます。

この方は、計4回のCARTを行ったのち、ご家族の愛情に包まれ、しずかにご自宅で永眠されたそうです。

思い起こせば、私たちの記憶の中にも、CARTがあればどんなに楽になっただろうかと思う患者さんはたくさんいます。

でも、もうあの苦しみならば、楽にしてあげられるのだと分かったことが、なにより私たちの気持ちも楽にしてくれました。

とはいえ、病状によっては腹水を抜くだけでショックを起こしてしまう可能性もありますし、ろ過した液を注入するときに、発熱や悪寒、頭痛、血圧上昇などの副作用が出る事もあるそうです。
適応は、あくまでもご本人、ご家族の選択のもと、主治医が判断することとなります。

保険適応は月に2回までで、ろ過装置や処置料込で100,000円弱なので、1割負担のかたで1回1万円弱と言う事になりますね。
3割の方でも3万弱。あの苦痛を考えれば、希望される方は多いのではないでしょうか?

めぐみ在宅クリニックでも、一度にたくさんの患者さんは無理だそうで、今は3名の方がCARTを楽しみに療養されているそうです。
一人の患者さんに、クリニックのナースが3時間付きっ切りで穿刺中の観察を行い、その後1時間かけろ過をするので、労力としてはかなりなものですね。

今後は、私たちもそのお手伝いをすることとなりますので、すごく楽しみです。

そのクリニックの担当ナースが言うには、「化学療法をあきらめざる得なかった患者さんにとっては、これは治療ととらえているみたい。これをすることで、穿刺でただ水を抜かれるより、力を注入されるみたいと言っていました。だから、一時的とはいえ、みるみる元気になるのが、すごくうれしい。」とのことでした。

旭化成と言えば、サンダーバード人形みたいなおじさんの「イヒ!」を思い出しますが、こんなこともやってるんだ~。
すごいですねぇ。

在宅医療も、どんどん進んでいるんだなと、感心しています。

患者さんの思いに耳を傾け、苦しみを知り、どうしたら支えることができるかをともに考え、出来る道を一緒に探して、あきらめないで向き合う。

在宅支援だって、探せば何とかなる道もあるはず。

ちょっと、未来が明るくなりました。

やっぱり、家だね。

2011-01-17 22:56:56 | 訪問看護、緩和ケア
金曜日に退院したAさん。

「もう病院にいても何もできないのなら、家に連れて帰りたい。」と言って夫は退院を決断しました。
そうはいっても、夫も高齢。
しかも軽い半身麻痺があり、とても介護はできそうにありません。

ケアマネさんからのご相談で、退院日に訪問しご様子を見に行きました。(退院時指導加算で訪問ができました。)

ほぼ寝たきりで、認知もかなりある様子でした。
なにより、声掛けにまったく無反応。
一点を注視していて表情の変化も乏しく、なすがままと言った様子でした。
仙骨部の褥瘡はかなり大きく、深度は浅めですが、かなり大きな褥瘡で、周囲の炎症もありました。
洗浄をして、ユーパスタとポリエチレン紙おむつによるウェットドレッシングをして様子を見ることにしましたが、尿量がかなり多いようで、仙骨部に回ることで悪化が予測されました。
とりあえず、尿取パットを蛇腹にして追加し、後ろに回るのを少しでも減らすようにしたものの、全身状態やるい痩の感じから、かなり心配な状態です。

もちろん、エアマットは最初から入れており、あとはおむつ交換とドレッシングをどうするか・・です。

ご主人には、ちょっと大変な作業です。

土日も含めて毎日に処置は、訪問看護だけではどうにもなりません。

でも、ヘルパーは褥瘡は触っちゃダメ!みたいなナンセンスな法に縛られ、まだまだ揉めています。
お父さんが処置をする確認作業ならできますとか言ったりして、何のこっちゃです。
これから、どんどん医療ニードが高くなっていくのに、どうするんだろ??

・・ま、これはいろいろ算段しました。

オムツ交換も朝昼晩は、確保できましたし。

ほとんど食べられないので、ずっと点滴をしていたと言っていましたが、処置後ヘルパーさんがお粥を口に入れると、ほとんどむせることなく数口食べられました。
水分も、とろみをつければ大丈夫そう。

びっくりしたのは、このあとご主人が顔をのぞいた途端に見せた笑顔。
「わー、いい笑顔。やっぱりお父さんなんだねー」
ご主人の顔を見た時の笑顔と言ったら・・・。
きっと優しい、素敵な旦那さんだったのでしょうね。


ケアマネさんもほっとして土日突入し、今日見に行きました。
正確には今日が初回訪問となりますが・・・。

部屋に入って顔を見ると、なんていいお顔。

満面の笑顔。
目もパッチリあいて、ちゃんと私の目を見て笑顔でうなずいてくれました。
ケアマネさんもやってきて「すごいですよね~。時々お話もしてくれるんです。食事もゼリーやおかゆなど少しずつ取れています。」と。

私が血圧計と聴診器を取り出すと、自分でパジャマのボタンをはずそうとしてくれます。

「お尻の手当てをしていいですか?」と聞くと頷いて、ズボンを脱がそうとするとお尻まで上げてくれます。
すっかり痩せ細ったお体ですが、金曜日の時とは全く違って力強さがあります。

病院ではほとんど表情がなかったというのですが、ウソみたいですね。
これが我が家ノチカラですね。

そして、このご夫婦の仲の良さも垣間見えますね。
こんなうれしそうにされたら、ご主人だってほっとけないです。

残念ながら、褥瘡は悪化傾向で、不良肉芽に半分おおわれており、明日、主治医と今後の相談です。

それにしても、いつもいつも、医療処置のことで頭を抱えてしまいます。

確かに安易にヘルパー事業所におしつけるべきではありません。
理解と技術の習得と、判断力、観察力が必要だと思います。
でも・・・。
極力そこはサポートするつもりですし、現実見てるだけじゃ何も始まらないと思うのですが・・。
なるべく早く、きちんとした整備をして、安心して簡単なガーゼ交換程度はお願いしたいものです。
チームなんだから、責任擦り付けあったりしないような地域でありたいです。


ちなみに私は、いつまでも嗄声が治らず、超ハスキーボイスとなっています。
今日、耳鼻科に行ってしのぶ先生に診てもらったら、「声帯がむくんじゃってるよ~」と言われました。
正月の風邪と、アレルギーと咳で浮腫みが取れないようです。
どうしてこう、上気道が弱いんだろう・・。
とりあえず、当分ハスキーボイスで過ごすことになりそうです。

明日は、久しぶりの地域緩和ケア研究会です。
もう寝なくっちゃ。

今日は一日夏みかん。

2011-01-16 23:48:30 | 日々のあれこれ
緊急当番でもない寒い日曜日は、家でぬくぬくするに限りますが、貧乏性の私はどうしても夏みかんピールを作りたくなって、結局一日夏みかんと格闘しました。

夫に頼んで15個ほどの夏みかんを取ってきてもらいました。
大きいのはもうだいぶ採ってしまって、小ぶりの夏みかんばかりなので、かなり面倒な作業になりました。

よーく皮を洗って、ピーラーで表面を削って、短冊に切って3回ほどお湯を変えて、ストーブで事こと茹でます。
柔らかーくなったら水に3時間ほどさらし、ざるに挙げたら重さを量ります。
7割か8割ほどのお砂糖を数回に分けて入れて、ここからはずっとつきっきりで砂糖が煮詰まるまで鍋をゆすりながら染み込ませます。


なべ底が見えて、照りがタップリ出たら、ざるに挙げて蜜を落とします。
そして、グラニュー糖をさっとまぶして、パットやざるに広げていきます。
あとは、数日かけて乾燥です。 

苦みと甘さの絶妙なバランス。
家で作りと甘さ控えめでおいしいですよ~。

とはいえ、これで一日がつぶれました。

せっかく石油ストーブを付けたので、合間におでんを仕込み、夏みかんと入れ替えにストーブへ。
夕飯のおでんは、沁み沁みの熱々おでんでした。

夜の8時過ぎには、スキーから帰った娘も、ハフハフしながら食べました。
志賀高原は連日の吹雪で大変だったようです。
雪国の方、大変ですね・・。

これからまだまだ寒くなりますので、皆様温かいものを食べて、体力温存してくださいね。

明日からは、予定がいっぱいです。
頑張らなくっちゃね!!(朝起きるのがつらいです~。)

映画「ノルウェーの森」見ました。

2011-01-15 20:17:27 | 読書、漫画、TVなど
      
午後から一人で、つきみ野サティまで「ノルウェーの森」を見に行きました。

映画館はなぜかガラガラ・・・。
「ノルウェーの森」はさらに、一番奥の小さな部屋。
カップルが10組ほどと、私だけでした。

「ノルウェーの森」は、とりあえず2回読んでいますが、あの難解な村上ワールドがどのくらい表現されているか、ドキドキしながらの鑑賞となりました。


で、感想は・・

あくまで個人的な感想なので、聞き流していただければいいのですが、

キャストでは、松山ケンイチはいい感じでした。
表情とか、話し方とか、声のトーンとか間とか、渡辺の感じは出ていました。

でも、直子役の菊池凜子はちょっと残念な感じが・・・。
好みかも知れませんが、なんだかもう少し透明な感じの柔らかな女性をイメージしていましたから・・
直子が、静かに壊れていく過程をもっと丁寧に表現してほしかったと・・・
(あまりにも歩き回ったり、わめいたり叫んだりしてほしくなかったかな)

大学で出会った本屋の娘の緑は、よかったです。
生きているって感じで、キラキラしていて水原希子っていう女優さんでしたが、死の影をまとった直子と対照的で良かったです。

レイ子さんは、療養所で直子と同室だった女性ですが、なぜ彼女が精神を病んでしまったのかが、どこにもエピソードとして出てこないまま、直子が亡くなったあとに、渡辺に関係を迫るみたいな感じがちょっと不快でした。
レイ子さんはもっと素敵な人だし、実際は直子のために借りた一軒家で、直子の話をしながら歌を歌ったり語り合ったり、自然な形でそうなったわけで、そのことで生きる道を踏み出すこと、送り出すことができた場面なんですけれど・・。

全体に小説の一部をちょっとずつ切り取って、その断片を繋ぎ合わせた感じです。
村上作品の中にあるような、伏線の伏線みたいなエピソードが見事になくなっていたので、原作を読まないで映画だけ見た人には、何のことやら、下手をすると性描写ばかりが目立つ意味不明の作品になってしまうんじゃないでしょうか?

小説では、渡辺がハンブルグに向かう飛行機の中で偶然に聞いたビートルズの「ノルウェーの森」を聴いたところから回想するのですが、そこも全くありませんでしたね。

小説では、直子が療養所の森を散歩しながら井戸の話をするのですが、「ねじまき鳥クロニクル」にも共通するキーワードだと思うのですが、そこもなかったですね。

緑と父親とのエピソードもなくなっていたし、大事なパーツがごっそりなくなっている感があり、妙にリアルな映像だけが突出した感じでした。

それでもなんでも、「ノルウェーの森」のメロディーが流れると、胸の奥がきゅんとするのは何故なのでしょうね・・。

これから映画を見ようと思っている方。
もし、原作を読んでいないのなら、読んでから見ることをお勧めします。
そうじゃないと、意味不明です。


ノルウェイの森(上)
村上 春樹
講談社
 
ノルウェイの森(下)
村上 春樹
講談社

最近のニュース

2011-01-14 23:16:41 | 訪問看護、緩和ケア
こんなニュースが話題になっていますが・・

<ニチイ学館は1月7日、訪問看護サービス事業に本格参入すると発表した。4月から順次、自社の在宅介護拠点に訪問看護ステーションを新設。3年後の2014年3月末までに全国で100か所の訪問看護ステーションを整備し、33億円の増収効果を目指す。>

大手の会社だから、十分なリサーチとマーケティングの上で勝算があると踏んだんでしょうが・・・。

潜在看護師の雇用につなげる。
とかも書いてありましたが、それが難しいのが今の看護師事情なんですが・・・。

看護学校や看護大学は、今や人気のある進学先ですし、就職難の現代において、数少ない金の卵状態になっています。

それなのに、なんでこんなに看護師が足りないのかよくわかりませんが、やっぱり現場は相変わらずの「きつい、汚い。給料安い。」だからなんでしょうか??

確かに、一般事務よりは給料いいかもしれませんが、仕事の内容のハードさや責任の重さから言えば、まだまだ十分とは言えないと思います。

訪問看護ステーションのネックは24時間対応。
待機時間の長さや、いつかかってくるかわからない緊急電話を持つストレス、真夜中の訪問などなどが、大きな壁となって立ちはだかりますよね。

同じ看護職でも、時間で帰れる仕事のほうに流れちゃうのは、文句言えませんよね。

いくら私たちが「やりがい」や「喜び」を叫んだところで、仕事として割り切っているタイプの方には、うっとうしいだけですからね。
たまたまはまっちゃった人(私も)も含めて、本当に好きじゃないと、続かない仕事かもしれませんね。

どこのステーションでも人手不足でヒーヒー言ってますし、昨年の横浜市連絡協議会主催の潜在看護師セミナーにも、10人に満たない受講者しかいませんでした。

ニチイがどんな方法で潜在看護師を集めて、どんな方法で100か所ものステーションを立ち上げるのか見ものではありますね。
とはいえ、現にグループ企業がいくつものステーションを持っているところもありますから、結構いけちゃうのかもしれませんが。


ところで、今日も飛び込みの新患さんがあり、病院で作ってきた仙骨部の大きな褥瘡を、一緒にケアしてくれるヘルパーさんをお願いするのにすったもんだし、なかなか在宅医に繋げられない病院とのやり取りにくらくらし、先日書いたIVHが入っていて腹膜播種でお腹パンパンなのに、「訪問看護は必要ないけど、指示書がほしかったら用紙を持ってきなさいよ!」的な某病院師長にむかつきながら、一日が終わりました。

なかなか思うようには行かないこともありますが、それでも患者さんの笑顔を見るとやっぱり頑張れちゃうから不思議です。


そうそう、話は変わりますが、最近話題の「伊達直人」
私たちの時代の人間は、この名前を聴いただけでジーンとしちゃう人多いと思います。
ですから、今回のプレゼントの話は、すごくうれしくて、どんどん増える伊達直人のニュースに、朝からうるうるしたりしてました。

中には「偽善者」と感じる方もいるかもしれませんが、100歩譲って自己満足だとしても、何もしないでいるよりは、何かをしようとするほうがいいに決まってます。

この世知辛い世の中で「伊達直人」は、忘れそうになったことを思い出させてくれました。

たくさんの人が共感したじゃないですか。

誰かのために、何かのために、誰か一人でも喜んでくれたら・・・
自分ができることはなんだろうかと思う気持ちを持てること。
優しい国でありたいですね。

実は、今回伊達直人で大騒ぎになりましたが、昔から「月光仮面」の名前で寄付を続けてきた人もいるし、今回ランドセルを送られた施設は、実は毎年競輪選手がランドセルをプレゼントしてくれていたそうです。
施設の人は、うれしいながらも、出来れば現金がいいです。と言っていました。
でも、やっぱりすごくうれしかったそうですよ。

中には在庫処分みたいなビジネスケースを大量に送ってきた人がいて、困って遺失物届を出した施設もあったようですが・・
バザーにでも出して売ればよかったのに・・と思ったりして・・。

それにしても、「肝っ玉かあさん」を名乗った方は、おいくつなんでしょうね。
私は、すごーく小さい時に看た記憶がありますが・・。


ところで、さっき学童有志主催のスキーツアーにOBとして参加する娘を送りに行ってきました。
すっごく寒いです。外・・。
志賀高原なので、一部の年よりは善光寺参りに行くという話もあり、私も迷いましたが、このところの体力低下を考えると、とてもスキーバスに一晩揺られるなんてことはできません。
肩こり、腰痛、そして最近は50肩もございます。
そして、順調に増える体脂肪・・・。
エコノミークラス症候群になる自信があります。

明日は、ひとりで「ノルウェーの森」でも見に行こうかな・・と思っています。

現作がどこまで表現できているのか楽しみです。


退院指導自信満々??

2011-01-11 23:23:31 | 訪問看護、緩和ケア
まもなく在宅IVHをテーマにセミナーをすると言う事は前にも書きました。

それは、ケアマネジャーさんに、より在宅IVHを理解して頂いて、プランを立てる時の参考にしてもらとともに、医療ニードの高度化により、在宅に戻ってくる方に対しての、訪問看護の必要性もわかっていただこうというものです。

よく病院で退院前指導を受けていて「ばっちりです!」と言われていても、いざ在宅に戻ったとたん不安になったり、予期せぬトラブルで焦ったりすることもあります。

ここでは、少なくとも医療者サイドは訪問看護の必要性を理解されている。と言う事が前提です。

でも、今日はちょとばかり唖然とさせられてしまいました。

ケアプラザからのご紹介でケアプランと訪問看護のご依頼があり、ご家族からは「間もなく退院予定で、ポートを入れています。1週間のうちに、3回か4回点滴を入れる予定です。
扱い方の練習はしていて、出来るようにはなりましたが、素人なので看護師さんに入ってもらいたいので、訪問看護もお願いします。」
と言うものでした。

とりあえずケアマネSに導入を任せていたのですが、どうも医療情報が取れないし、詳しい状況がわからないとの事。

以前なら、この病院はすぐに連携室が動いて、必要な情報を取りそろえ、そく退院前カンファを設定して退院に向けての連携を図ってくれていたのですが、今回はまったく相談室からも連携室からも情報なしで、電話をしてもよくわからないと言います。

そこで現在入院中の病棟に電話をかけてみました。

すると病棟師長が出てきて言う事には、「どこで訪問看護とかっていう話になったんですか?私の耳には入っていません。カンファでもそういう話は聞いてませんし。ご家族にはちゃんと指導をしていますから。」とのこと。
「では、相談室とかにはつながっていないのですね?」
「その必要はありませんから。」
「では、家族指導ができているので、退院後も家族対応だけでいいと言う事ですか?」
「そうです。なんで、そういう話になったのか、スタッフに聞いてみますが、今のところそういう話は聞いたことがありません。」

う~ん。

なんじゃとて・・・??

ご家族に再度伺うと、「確かに指導は受けてだいたいはできるようになりましたが、病棟の看護師さんも、訪問看護に入ってもらったほうが安心よね、って何度も話していたんですよ。」とのこと。

ってことは、師長さんだけ知らないってこと??

もともとこの師長さん、今までも訪問看護に好戦的な方ですので、あまりびっくりはしませんが、なんでだろう?

何故、家族指導は完ぺきで、家族だけで対応できるとおもったんだろう?
現にご家族は、「とても不安で、ケアマネさんに言えば、看護師さんに来てもらえるって聴いたんですが・・・」と言っているわけで、このギャップは何?
さらに、病状も含めて針刺しからルート交換から、変則的な輸液管理まで、家族だけで問題ないとする自身はいずこから湧いてくるのか・・・?


でも、ご家族の不安を思うと、そのままではかわいそうです。
一応角が立たないように、もう一度ご家族から訪問看護の希望と指示書、サマリをお願いしていただくことになりました。

若い方でも、輸液交換はいいとして、針交換はできればお願いしたいと言われる方も少なくないです。
全部できても「確認してほしい。」と言われる方もいます。

一般のご家族は、直接針を刺すなんて怖いに決まっているし、感染の兆候や閉塞や固定不足などなど、想定外のトラブルが一番不安なのだと思います。
在宅にいて、そのたびに病院へ患者さんを連れて行くというのが、どれほど大変なことなのか・・。

せめて医療従事者には、わかってもらいたいですよ・・。とほほ。


ところで、今日は横浜市訪問連絡協議会の臨時区代表会議が19時からあり、21時に終わって帰れると思ったら、そのまま役員会に突入。
帰宅は11時近くとなりました。
一日が24時間じゃあ足りません。
せめて、睡眠時間は確保したい今日この頃です。


連休終わり。

2011-01-10 23:12:57 | 日々のあれこれ
今日は、近所のお友達が家を新築したので、招かれてお邪魔しました。
やっぱり新築はいいなぁ・・。

ご主人の中学生の時からの夢だったそうで、家の地下室にシアタールームがありました。
すごい!

地下室に降りると、図書館をイメージしたというフロアがあって、たくさんの蔵書がびっちり壁にありました。
そして、大きな扉の横には「Back to the Future」のポスター。
まるで映画館の入り口みたい。

ドアを明けると完全防音で吸音の施されたシックなシアタールームが。

リクライニングチェアにも、音響にも凝りまくりで、いろんな音楽を比較して聴かせてもらいました。
すごすぎる・・。

ご夫婦のベットルームは、ホテルをイメージしたとかで、ゲストルームは和風旅館のイメージだそうで、本当にそれぞれ凝っていて素敵でした。

昼からすてきなダイニングで、たこ焼きパーティをしましたが、楽しくておいしい時間となりました。

ご夫婦ともに学校の先生で、子供同士がなかよしです。
うちの爆裂娘も、小さいときからかわいがってもらって、中学生の時の暴走の時には、ずいぶんお世話になりました。

中学の時の夢を今実現したご主人は、すごくうれしそうで、奥さんも娘たちもとても素敵なご家族です。

うちも古いしなぁ・・。とはいえ、今のところどうにもなりません。
せめてリフォームしたいけど・・。

目標立てて頑張ればきっといつかは夢がかなうかな?

ちなみに、帰ってからたこ焼き器を注文してみました。
すごくおいしかったので。

さて、明日から頑張ろうっと。