こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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今日はCFの日!

2012-01-31 23:10:54 | 日々のあれこれ
2年半くらい前に、直腸の良性腫瘍をとってから、年に一度はCF(大腸ファイバー)をやっています。

でも、前処置が面倒で、先延ばしにして、やっと今日行ってきました。

大腸の中をファイバーでのぞくので、腸の中をきれいにしておかなくてはなりません。

そのため、前日は低残渣食を食べるのですが、最近は一日分のレトルト食品があり、それを買ってきて食べるのが一番楽です。

朝は、卵のお粥、昼は職場に持参して鮭のお粥と肉じゃが、夜は7時までにクラッカー5枚とクリームシチューでした。

お昼これだけは、ちょっとさみしい・・。

しかも、昨日は退職されるヘルパーさんがいたので、みんなでケーキタイムもあり、私は見ただけで我慢でした。

夜には、マグコロールPと、ラキソベロン半分(下剤です)を飲み、どんどん出すわけですが、私はかなりの便秘体質なので、事前にマグミットでかなり調整していたので、今回はスムーズにきれいになっていきました。

そして、今朝も空腹をこらえつつ町田内視鏡クリニックへ。
町田マキヨ先生は、陽気なおばちゃん先生で、実はかなりの天然キャラなのですが、内視鏡の腕は抜群なので、人気の先生です。

ここから前処置の本番です。

ニフレックという腸のお掃除をする塩味のプラスティックみたいな液を、約1時間かけてがぶがぶ飲みます。

今日は4人のCFの患者さんがいたので、ここからは「腸がきれいになった人競争」となり、はやく検査をしてもらいたくて、必死にトイレに通うのです。

ニフレックを飲みながら、立って腰を回したり、お腹の体操をしたり、飛んだりしているとじっと座っているより速く、便意をもよおします。

結局、お年寄りが優先されたので、私は3番目でしたが、もう一人の男性は出が悪くて、なんと洗腸されていました。可愛そうに。

検査は、鎮痛剤件鎮静剤と、お腹の動きを止める薬を点滴から入れて行います、

なので、検査中はかなり朦朧としながらとなり、昔みたいに痛いことはほとんどなく、ぼわーんとしたまま終わります。

ちなみに、検査後の食事を楽しみにしていた私は、S状結腸にポリープを発見され、ポリペクトミーという処置により、ポリープの切除を行ったために、今日も絶食!!水分のみとなってしまいました。


お腹へったよ~。
甘い紅茶を飲みながら、今夜は我慢です。
明日は、お粥か素うどんだって。
我慢できる気がしない私です・・・・、

入所をめぐるあれこれ

2012-01-30 22:50:31 | 訪問看護、緩和ケア
どんなに家が好きでも、どんなに入所を嫌がっても、それが最善と判断する時があります。

普通に愛情のある親子関係であればなおのこと、子にとって親を老人施設へ入所させるのは、とても辛いことです。

別に親子の縁を切るわけでもないし、家にいるよりはずっと安全で、温かなケアをしてもらえるのだとわかっていても、日本の文化では、まだまだ姥捨て山的なイメージがどこかにこびりついています。

冷静に考えれば、子ども達だっって仕事を抱え、この厳しい時代を乗り越えるために必死に働かなくてはなりませんし、住宅事情や家族の諸事情で、同居することは返って事態を悪化させることだってあります。

今まで、自分たちを支え育ててくれて、老後は一人で頑張ってきた親が、認知症の悪化で火を出しそうになったり、周囲へ迷惑をかけるようになったら、それは家族の責任で安全を確保しなけれればならないですよね。

欧米では、老後に施設に入るのはごく普通の事ですし、普段は一生懸命働いて、休みには家族で会いに行けば、いつまでもいい関係でいられることもわかります。

でも、でも・・・。

小さい時は抱っこをされて、夜は添い寝か川の字で眠り、こじんまりとした日本の家で、いつでも家族が顔を突き合わせていた時代の人たちです。

始めて幼稚園に行くときは、泣いて嫌がる子供を、幼稚園バスの先生に無理やりはがして渡したりもしましたね。

それは、子供のためであり、親のためであり、やがて子供はそこで新しい社会を知って、順応していくのですよね。

そして時はたち、今度は子供が親を、送らなければいけないのです。

認知症の母を、だましてホームに入れなければならないことに、一番傷ついているのは娘さんでした。

好きなようにさせてあげたいし、出来れば一緒にいてあげたい。
でも、どう考えてもそれをするには、失うものが多すぎます。

きっと、明るいお母さんだから、すぐにホームに馴染んで、お友達もたくさん出来るでしょう。
週末には、家族で一緒に食事にも行けると思います。

何もかも犠牲にしたと思いながら、介護をするのもされるのも、決していいことではないと思います。

これから、入所までの間、きっと娘さんは胸を痛めながら準備をするのだと思います。

お互いのために、それが最善と決めたのだから、絶対にそれが正しいのだと信じてほしい。
どれほど、親孝行かなんて、私がよーく知っています。

きっと、あとで笑って話せる日が来ます。

意外に、あっけらかんと、毎日を楽しんじゃう人がたくさんいるのですから。

すったもんだの訪問看護

2012-01-29 21:21:24 | 訪問看護、緩和ケア
いやはや・・
先週は、次々と問題が起きて、その収集に頭を抱える毎日でした。

そのせいか、すっかりお疲れモードになってしまい、夜になると目が明けていられないことが多くて、ブログ更新もままならず・・。

実は、今日は単位認定試験だったのですが、前日まで全然勉強もせず、読み返しもしなかったツケが回り、一つ・・・たぶん落としました・・。
時間配分と、集中力が足りない~。

そして、今まで1時間ほど、風呂上りにポカポカにしてうたた寝したら、やっと元気になりました。

やっぱり年ですわ・・。

どこの事業所もそうなのでしょうが、かなり難解な生活状況の患者さんが何件かあり、病状の変化に伴なっていろんな問題が起きてきます。
それが、一度に来た~!!という感じです。

長年の生活習慣や、人生そのものの考え方、それに経済状況や周囲の支援状況で、在宅生活そのものが危うくなることがあります。

その人を、どう支えるかは、担当者の看護感によるところも大きく、その方向がどこかで行き違ったりすると、一生懸命であればあるほど、担当者の気持ちも大きく揺らぎます。

うちは担当制なのですが、一人に複数の看護師が入ることも多く、それぞれが自分の分担であったり、その時の看護判断でケアをすることになります。

マイペースで我が道を貫いてきた患者さんをめぐり、どこまでお互いが譲歩できるか、何を支援するかで苦しんでいるスタッフがいました。

担当者会議で、納得できるような方向性がみつかららくて、自分の看護に自信を失ったり、チームとしての足並みをそろえることに困惑したり・・。

一人の患者さんをめぐって、二人のスタッフが涙を流しながら思いを伝えあえた時に、また新しい道を開くことが出来ました。
苦しんで、考えて、泣いて。
そして、やはりちゃんと伝える事。
言えなかった事、お互いちゃんと言えて本当によかった。

スタッフが、こんなに患者さんを思って苦しんだり、泣いたりしながら本当に看護と言える関わりをしていることが、とてもうれしくもあり、同時になかなかうまくフォローしてあげられない自分がすごくもどかしい週末となりました。

そのあいまにも、ご家族による介護拒否があり、どうにもうまく介入できないケースが、いよいよ厳しい局面に立たされてきました。
一般的な愛情表現とは違うけれど、確かに愛情はある。
けれど、それは明らかに常識から逸脱していて、ネグレクトであったり、アメリカであれば虐待として取り上げられるような環境下での特異な介護を強行しているのです。

医療期間への強い不信感による受診拒否、自己流の判断による危険な介護、劣悪な環境、寒さ、衰弱を受け入れられず、病状の悪化や、この環境では当たり前の褥瘡の発生、サービス事業者への攻撃・・。

日本は、変な意味で人権やら個人やらを保護する癖に、命の危険があるというくらいでは動かず、結局後の祭りになることが往々にしてあります。
ストーカー殺人なんて、警察のそういう体質によるものですし、子供の虐待もしかりです。

でも、これが老人になるともっと何もできないのです。

措置に関しては、緊急ショートくらいしか、行政は関われないのだそうです。

入院に関しては、ご本人に意志決定ができない以上、ご家族が了解されなければ、周りが入院が必要と言っても、検査が必要と言っても、どうにもなりません。

人間の尊厳は、どこで守られるのか。
愛情があれば、間違ったケアで悪化していくことを放置していいのか。

こういうケースを、誰がどういうかたちで救うのか・・。
答えがまだ見つからない状況です。

その他にも、数件の困難な展開があり、スタッフもかなり悩んでいます。

私たちは、どこまで関われるのか。
どこまで、介入すればいいのか。
見てしまった現実に、どこまで目をつぶればいいのか。
常識ってなんだろう。


社会の隙間に、誰にも知られず、置きざりにされている人たちが、たくさんいるのです。

それなのに、私たちはなんて無力なんだろう。


摂食回復支援食「 あいーと」

2012-01-27 23:37:03 | 訪問看護、緩和ケア
いや~。今日はあまりにごたごたがありすぎて、その話は後にします。

で、本日月例カンファレンスでのプチ勉強会は、大塚製薬の摂食回復支援食「あい―と」の試食会となりました。



これは、食材の形のまま、それぞれ酵素などにより組織の結合を分解して調理、冷凍保存をしている摂食支援食です。

食材一つ一つ、酵素による処理をして、味付けしていますので、舌で潰せるほど柔らかいのに、形は全く変わらず、見た目でも美味しくいただけるようになっています。

よくある、食品を一度ペーストにしてから、形を整えたものではなくて、レンコンはレンコンのまま、魚も魚の形のまま(もちろん皮もついています)味もそのままで調理されています。

1品目ずつレトルトのようにパックされ、冷凍状態になっているようですが、電子レンジや蒸し器で解凍し、温かくしていただけます。

左手前は白飯ですが、食べるとお粥より柔らかいのに、一粒一粒はしっかりあります。
カロリーもお粥よりあります。

右手前はブタ肉の料理で、野菜が添えてあります。
豚肉も舌で潰せる柔らかさで、ちゃんと豚肉の味がしてかなり美味しいです。
そして奥が筑前煮と魚の煮つけ。
レンコンもごぼうも人参も、全部形と味はしっかり素材のままです。
なのに、とても柔らかく滑らかです。

見た目に美しいこと。
味がすごくいいこと。
形を損なわない事。
栄養価も損なわれない事。
種類がすごく多いこと。26種類くらいある!

この辺んがすごい!と思いました。

ただ、価格が一つ399円から570円前後と、ややお高め・・・。
もう一つは、副食に関しては1個40カロリーから100カロリー前後で、一番カロリーが高いのが白飯223カロリーと、低カロリーになっています。
ダイエット中の人ならいいのですが、経口摂取に問題のある方だと、ちょっとカロリー的に少ないですね。

それでも、食にこだわりのある方や、治療食に辟易している方には、本当にありがたい食品だと思います。

価格的に、夕食のおかずの足しに1品として添える感じでしょうか。
もしくは、週に1回か2回のお楽しみにするとか。

経済的に問題がなければ、メニューを見ながら、自分で選んで好きなものを食べるなんてことも、いいかもしれません。

実際、食べてみて本当においしかったので、刻みやミキサー食に飽きちゃったかた、お勧めです。

ちなみに、今日はヘルパーさんの介護職試食会もありました。

じゃーん 


パプリカのマリネと、カブと肉団子のミルク煮

パプリカの甘みに、マリネの酸味が絶妙でした。
肉団子も、揚げていないので柔らかくて、美味しい!

職場でこんな楽しみがあるのも、いいモノです。

ちなみに、うちのステーションの冬の風物詩は、ストーブ料理です。

今週は、豚汁。 
その前は、カレースープ。その前が焼き芋。
その前が、お汁粉、コンソメスープなどと、今年に入ってからもこんな感じで、ちょくちょくお昼のお伴を作ります。

かなりの割合で、私が合間に作りますが、ものすごい短時間で作る、超スピード料理ですから、かなり大雑把なものが多いです。

でも、寒ーいなか、頑張ってくれたスタッフが、喜んでくれると私もすごく嬉しくて、次は何にしようかな~。なんて考えてしまうのです。

まだ、おでんをやっていなので、来週あたり「おでん」のお鍋がストーブに乗ることになるかもしれません。

ピンチヒッター

2012-01-25 23:32:21 | 訪問看護、緩和ケア
今日は審査会なので、早めにステーションを出て、区役所前にあるレストランでランチを頂きました。

今日は、ポークソテーランチプレート980円



いかにも女性向けで、ヘルシーな感じです。
食後のコーヒーを飲みながら、書類の最終確認をするひと時は、とってもほっとする時間です。

審査会が終わり、そのまま訪問に回ります。

最近は、スタッフ研修が多くて、みんなで患者さんを振り分けており、それでも振り分けられない時は、私がピンチヒッターで訪問します。

本当は、時々変わって行ったり、スタッフ訪問中に突撃訪問したりすることも必要なのですが、なかなか実行に移せずにいるので、これもチャンスです。

スタッフの中には、まだ経験の少ない若い看護師もいて、時々ベテランのナースが変わって行くと、軌道修正や調整が必要なこともままあります。


今日は、信頼できるベテランのナースが担当ですが、それでも久しぶりに訪問して、ゆっくりお話しをしながらケアをすることが出来ました。

息子さん一人で、ご両親の介護を何年もされていますが、いつも一生懸命で本当によくやっています。

今日は、お二人ともとても穏やかで、いい時間が過ごせました。
・・で、やっぱりおちょこちょいな私は、体温計を忘れてきました。
わはは。やっぱりやっちゃいました。
いつも、このブログを読んでくれている息子さん。体温計、よろしくね。


昔から、忘れ物をする人ベスト3に入っていましたので、今に始まったことではないのですが、最近とみに物忘れが激しくて、ちょっとやばい感じです。

私は将来、かなり家族や介護者にご迷惑をかけるのではないかと思います・・。とほほ。


そして、今日も夜は「相棒」みて、その後しばしジグソーパズルにはまっていました。

そんなわけで、ブログを書き始めるのが、すごく遅くなります。
必然的に、寝るのも遅くなるわけです。

うーん
これはなんとかせにゃならぬ~。

怒鳴られたり、睨まれたり・・(~_~;)

2012-01-24 23:17:12 | 訪問看護、緩和ケア
世の中には、まあいろんな方がいて、一生懸命ケアをしたからと言って、喜んでくれる方ばかりではありません。

時にはどなられ、時には叩かれ、蹴られ、時には睨まれたりもするわけです。

今日も今日とて、往診介助での訪問と同時に、憮然とした表情で「何しに来た!!」と言わんばかり。

「創の処置に伺いました。横になって頂けますか?」
「何?!どうしろって?」と超不機嫌。
重度の呼吸不全と心疾患があるので、「一度そっと横になって、ゆっくり横を向いてください。」とお願いすると・・・

ぎろっと睨んで「最初からあっちに向くように言えばいいだろう!!」

デブリの説明。先生が「ちょっとだけ、腐ってしまった部分をとりますね。」
「何?腐っているだと?俺は腐っているのか?!腐敗しているのか?!
腐るとはなんだ!専門用語でもわかる!壊死と言え。!」
「大変失礼いたしました。」と低姿勢で謝ります。

私が言ったんじゃないのだけれど・・

そして、皮膚科の先生がちょっとだけ不良肉芽をつまみます。

「今までで一番痛いぞ!!こんな痛いのは初めてだ!!」とかなりの剣幕。

だから、ちゃんと説明したのに・・・。

でも、これもお仕事です。
笑顔で謝り、笑顔で退室・・。

今日は、かなりご機嫌が悪くて、一番かわいそうなのは奥様でした。
ずっと怒鳴られたり、叱責されたりで、私たちにも「こういう人で、もう・・。ごめんなさいね。すいませんね。」と謝ってばかり。

部屋の外で、「奥さん、大変ですね。」というと「本当にそうなのよォ!」と抱き着いてきました。
かなり参っているんでしょうね。あんな風に一日中怒られていてはたまりませんよね。

皮膚科の先生曰く、「夫婦ってよくできてるわ。ああいう夫には、あんなふうに、かしずく奥さんが付くのね。私には無理。」って。
今日の皮膚科往診は、3人ともかなりの強者だったので、「今日は、すごいわぁ。」と、ややお疲れモードで終了しました。

聴く耳持たず、主張のみ。
気に入らないと大きな声をだし、毒を吐いたり睨んだり・・・。

そう言う風に生きてきた人って、意外に多いのです。

でも、そんな患者さんが、だんだん関係が良くなって、ニコッと笑ってくれたり、「ありがとう。」なんて言ったくれると、その嬉しさは倍増します。

怒りっぽい人や、すぐにお触りをする人など、こういう仕事をしていれば、必ず出会うことになります。
なので、あまり気にせず、うまく受け流すことも大事です。

今日の患者さんも、あんなに怒っていたのに、帰るときに「それでは、これで失礼しますね。」と言うと、小さく手を振ってくれました。

もしかしたら、表現が下手なだけかもしれませんね。
それにしても、ご家族は大変です。

共通認識が大事。

2012-01-23 23:20:04 | 訪問看護、緩和ケア
在宅の連携と一口に言っても、多職種でかかわる在宅のチームは、事業所自体が違ったりするので、連絡一つするにも、あっちにもこっちにも電話をしなければならなかったりします。

サイボウズは、ツールとしては良いのですが、全部の患者さんを出来るわけではないし、ケアマネさんによっては、ちゃんと会話で話す必要のあることまで、書くだけで終わってしまうなど、まだ課題が多いものです。

在宅ではノートを利用するなど、工夫はありますが、患者さんへの対応など、共通認識を持たなければならないことは、やはり担当者会議が一番いいのかもしれません。

でも、この担当者会議。
ケアマネにとっては、結構面倒なものです。

いいのか悪いのかケアマネさんによっては、依頼されてから一度も担当者会議をやっていない患者さんがいたり、担当者会議の結果から早急に動くべきことが、全くのなしのつぶてなんてこともあります。

とはいえ、多くのケアマネさんや各サービス担当者は、一生懸命連携をしようとがんばっているのです。


ご利用者さんへの対応で、共通認識を持つ。
実は、これが現場ではなかなか難しいことがあります。

独居で自力歩行は困難。
自分の好きなように生きてきた方にとって、ベット上での生活はそれは辛いものです。

けれど、それでも自宅で暮らしたいという、強い要望での現在です。

彼は、尿便失禁が頻回で、排便コントロールを中心に訪問看護で入っていますが、かなり強引に要求を通そうとする方です。

尿は、尿器でとろうとしますが、かなりの確率で取りこぼします。
そのため、ベット周囲は尿で常い濡れていて、尿臭がします。
便失禁も頻回で、ひどければシーツからベットの下まで汚染された状態で、誰かサービスが入るまで、そのままです。

けれど、オムツはしない。常に綿のブリーフだけ。
ズボンもはかない。断固として。

起立性低血圧がひどく、以前のようにポータブルに座らせて排便介助をすると、血圧が下がってショック状態担ったこともあり、排泄はベット上でのみ行うことになりました。
でも、これが気に入らない。
「起こせ。ポータブルに座らせろ!」としつこく訴えます。

「ヘルパーは、椅子にも移動させてくれる。お前だけだやらないのは!」
「血圧が下がって、いつも座っていられなくなるので、危険です。排便だけはベット上でお願いしまう。」というやり取りの繰り返し。

麻痺が強く、血圧が下がると脱力して、とても看護師だけでは支えられなくなります。
しかも、ポータブルトイレに乗せる。便を出す。ベットに寝かせる。またしたくなってポータブルに乗せる。ベットに降ろす。また汚す。
一時はこれを繰り返して、訪問時間を大幅に超えてしまう事もたびたびあり、時間内に安全に必要な処置をするために、現在の形に納得されたはずなのに・・。

ADLを維持することも大事なので、男性のヘルパーさんにトランスファーをお願いしています。

看護師が二人入っていますが、それぞれに「ほかの人はやってくれるのに。」と詰め寄るのです。
比較的若いナースが入っていますので、どうしてもうまくあしらおうとする部分もあり、いつも担当は悩んでいます。
また、ヘルパーさんの業務ともごっちゃになっているようです。

結局、サービスの担当者が、それぞれの役割を認識して、同じ対応をすることが必要だと思います。
そして、自宅で安全に過ごす援助もするけれど、本人も介護保険のなかで在宅を継続するのならば、自分の要求だけ通すのではなくて、お互い歩み寄らないと、在宅の継続は難しくなると言う事を、ちゃんと理解してもらわないとダメですね。

何でもかんでも、希望のとうりにするのが、患者さんの思いに添う事でもないと思います。

終末期の患者さんが、ぎりぎりご自分の納得されるまで、トイレに行くことを支援する。
これは、ベットをトイレの近くに移動しても、希望に沿鵜べきだと思います。

けれど、長期的に見て本人の一番大きな目標である、在宅での生活を送るためには、尿便まみれで、いたずらに介護時間を延長するのは違うと思うのです。
社会の中で、私たちもいろんなことを分別し、押すことも引くことも、周囲とのバランスを考えないがらしていきます。それができないと、家庭でも社会でもうまく立ち行かなくなってしまうように、在宅療養中でも、同じことなのですが、これってなかなか難しいのが現実です。



ところで・・

話は変わりますが、現在窓の外は真っ白です。
雪。
どんどん降っています。
瀬谷区は、横浜のチベットとも呼ばれ、他区が降っていなくても瀬谷だけは雪が降ることも良くあります。
明日、このまま降り積もると、仕事がまずいことに・・・。
朝までに、雨になりますようね。

ALWAYS3丁目の夕日’64

2012-01-22 23:09:09 | 読書、漫画、TVなど
昨日から「ALWAYS3丁目の夕日’64」が劇場公開されました。
この日をどれほど待ち望んだか・・。

昨日、e席リザーブで席を確保し、娘とつきみ野サティにあるマイカルシネマに行ってきました。

さぞや混んでいるかと思いきや、全然混んでいず、わざわざリザーブしなくても良かったようです。

この前も、話題作なのに映画館は全然すいていて、これはどういう事なのでしょうね。
みぞれ交じりだからって言うわけじゃないでしょうし、映画館ではあまり見ないのでしょうか??

それはさておき、見ましたよ~。しかも3D。

第一作目の舞台は33年の東京。
私が生まれる1年前です。

続ALWAISが34年。
東京タワーが出来た年で、私が生まれた年でもあります。

そして今回の3作目は、それから5年後の1964年、東京オリンピックが開催された年なのです。

映画が始まった瞬間から、そこはもう30年代。
戦後の混乱から立ち上がり、日本人が一番元気で、人と人とのつながりが、とても強かった時代です。

いつの間にか、近所の子供が一緒にご飯食べてても、誰も気にしない時代。
昼間は、どこの家も玄関開けっ放しで、はなたれ小僧がランニングシャツで走り回っていた時代です。

我が家にも、東京オリンピックにのために、無理してカラーテレビがやってきました。
覚えているのは、ひょっこりひょうたん島と、アメリカの吹き替えアニメ。

オープニングからいきなり、タイムスリップします。

内容は・・・
これから見る人に悪いので言いません。
でも、幸せな気持ちになりたかったら、ぜひ見てくださいね。

暖かな涙がいっぱい流せます。

親の思い、子供の想い、未来につなぐもの。
暖かな、やさしい気持ちになります。

一つだけ、オリンピックの開催に、青空に飛行機が5輪の輪を描くシーンがあります。
これは実際の映像も入りますが、街の人たちが空を見上げて言います。
「戦争が終わって、焼け野原だった東京が、こんなにビルディングが立って、東京オリンピックが開かれるようになったんだな・・。」

神戸が、焼け野原から見事に復興したように、きっと東北も近い将来に復興するのだと、そんなメッセージも伝わってきました。


落ち込んでいる人も、飛ばしている人も、みんなにみてほしい映画です。



そして、今日は午前中にネットで注文していたジグソーパズルが届きました。

娘が今凝っていて、私もやりたくなって買ってみたのですが、ハマるとこれが大変で、午後からずっとやってました。

もののけ姫のシシの森の絵で、シシ神様が水を飲んでいた、あの神秘の森です。

最初は、娘と一緒にやっていましたが、これは一緒にやると余計面倒になりますね。
娘は、2000ピースのディズニーを始めるというので、私はシシの森950ピースに集中します。

全部できたら、どこに飾ろうかな・・。

そんなことをしていると、ブログの亢進もままならないかも・・・。

どうしよう、また余計なことを始めてしまった。

災害時救護拠点、これでいいの??

2012-01-20 23:35:35 | 日々のあれこれ
今日は朝から雪の降る中、災害時救護拠点の訓練?に行ってきました。
訓練って何をするのかと思ったら、予定では段ボールトイレの組み立てをする筈だったようです。
こんな天気なので、外に出れずあきらめたようで、結局顔合わせにとどまるものでした。

2年前くらいから、やっとやっと瀬谷区も重い腰を上げて、救護拠点を作りそこに医療品の備蓄とかを始めました。
そして、医療救護ボランティア対象に、トリアージ訓練も2回ほど行いました。
昨年は、市内順番での大規模防災訓練も某小学校で行ったりもしました。

この大規模防災訓練で、医療救護ボランティアにもかかわらず、まったく見せてもらえなかった医療備品を始めて見せてもらいました。
そして、この備蓄の内容があまりにお粗末なのを目の当たりにして絶句。
しかも、公表では軽度から中等度のけが人を100人分、3日間手当出来ますと公言していました。

おいおい。この備蓄じゃ無理でしょう。
びっくりしたのが、吸引器があるのに、吸引チューブがない。
どうやって吸引するのかな??
点滴は20本くらいあるものの、針は翼状針しかなくて、あの修羅場に留置針は一本もない。
すべてがこんな調子。

とにかく、必要なものはほとんどないと言っていい位でした。

で、それを進言したら、医療品は期限が短いから、そういうものはもったいないので削減されたと言う事でした。おいおい。
3.11があって、さすがに横浜市が2年計画位の気の長い計画で、再度考えますって話らしいです。

ちなみに、ボランティアの登録ナースが少ないと、さんざん募集していますが、じゃあその役割は??というとよくわかりません。

薬剤師と医師は、まかりなりにもウェアみたいなベストとかがありますが、看護師には何にもないです。

泥だらけ血だらけの混乱になる場所で、ディスポの予防衣さえ用意されていないのです。

ボランティアの最も基本的な安全も守れないで、数だけ集めようといっても、私はスタッフを出せません。

このことはもちろん要望しましたが、いまだにどこにも反映されていません。

で、今日。

行政の防災担当者と消防、地域の担当者、ボランティアの数人が集まったわけです。

そして、みんなでご挨拶などをし、医療救護拠点についての話をしていました。
レジメの中には、先日トリアージ訓練で講師の先生が力説していたトリアージのレイアウトについて話し合ったことは一切反映されていない、素人さんの考えた拠点のレイアウトが載っていました。

なので、トリアージ場所は学校の空き地になっていました。(しかも一カ所のみ。)
私は手をあげて質問しました。
「すみません、今日のような天気の時はどこでトリアージするんですか?」
おりしも、外は牡丹雪がぼたぼたと舞い降りていました。
「それは・・、晴天時しか想定していません。いずれ、荒天時のことも考えないといけませんが。」

なるほど。想定外と言う事ですね。

区では、HUMAから講師を招き、医療救護ボランティア対象に、研修を開いていて、そこで実際のトリアージはどうするべきか、混乱を極力避けて人命を守るためにはどうすることが必要か、をものすごくわかりやすく教えてもらったはずなのですが、その内容がまったく反映されていません。

まず、地域の担当者に啓蒙する、だいたいの概要を理解してもらうという基本は全くなされていないのです。出席者は、かなりご高齢の方ばかりで、とにかく人数を揃えました。という感じ。
彼らは、何も知らされず、ただ指示のように動けばいいからと言われているようです。

びっくりしたのは、トリアージの意味をまったく違う形で教えていることです。

「お集まりの地域の皆さんには、医療的なことには一切かかわらなくていいです。
何かあったら、人の命に係わります。
トリアージは、医師と看護師が全部やりますから、何も心配いりません。」
という話になっていました。

それじゃあ、何人集まるかわからない医師と看護師が、大規模災害でどんどんやってくるけが人の、第一トリアージから治療まで全部やるってことなんですね。
そして、「医療者なんだから、命の責任もとれて当然ですよね。」と言う事になるようです。

あのときHUMAの講師が、言ってましたよね。
医師や看護師は少数なので、トリアージした人の治療にあたるのが基本。
トリアージするとしても、ある程度トリアージされた人たちに対して行うのが限度で、最初のトリアージは一般人にやってもらうしかない。
そのために、一般人に出来るトリアージ訓練もしませんでしたっけ?

これらは全部、却下されたようです。

私の発言に、今何もそんなことを・・という不穏な空気が。

「そんなことを聴いていない、あなた、ちゃんとどういう説明がなされているか、知ってってそんなことを言うの?私たちはね、そんなことしないでいいってことになってるんだよ。素人が判断して、何かあったらどうするんだ。」と、担当の役員のおじいさんに憤慨されちゃいました。

「いきなりそんなことを言っても、難しいのでそういう事は今後少しずつ考えようかと・・とりあえず、こうして地域救護拠点が出き、ここにあると言う事を周知して頂けることが大事なんです・」と区。

なるほど、箱モノを設置、立ち上げたことで、お役所はお仕事をしたということになるんですね。

地元の皆さんがわからないのも当然で、本当の地域救護拠点がどういうものなのか、実際どういう事が起こり、どれほど混乱したのか、ならばどうすればいいのかということは、一切伝えないまま「ここに来れば、医者と看護師がいて、3日分の備蓄の医療品を使えば、それなりの治療が受けられる。」と思わせられているわけです。

これが、危機管理なのかと呆然としました。

あまりに、危機管理意識が低くて、神戸も東北もまるで他人事のように聞こえました。

せめて、地域ごとに危機管理の勉強会をしたり、トイレの組み立て方と共に、一般人でも出来るトリアージの方法くらいは、とりあえず体験しておく必要があると思うのです。

現状、看護師はトリアージから治療までの膨大な仕事と、身を守るガウンもない条件での危険性と、医療者だからという重責のみが課せられるようです。
(医療備蓄品も何があるかわからないまま・・)

この状況では、私は職場か自宅付近で、職場にある医療備品でその近所の人の救助に当たったほうがよさそうです。

ボランティアナースとして登録して数年。
やっとトリアージ訓練とかを始めて2年。
いまだ、現実的な具体案は、聞こえてきません。

満面の笑顔。

2012-01-19 22:51:05 | 訪問看護、緩和ケア
先週、痛みが強くて食事も食べられず、ほとんどベット上の生活になっていた新患さん。
骨転移もあるので、その痛みはかなりの物だったと思います。

私たちの初回訪問のあと、往診医の初回診察で処方が変わりました。

フェントステープのほかのオピオイドは中止。
何故か病院で処方されていなかったNSAIDsが分三で処方され、リリカが追加されました。

そして、1週間ぶりの訪問です。

ご挨拶をして部屋に入ると、あの時臥せっていた患者さんが、ニコニコと部屋で立っています。
お気に入りのクラシック音楽を聴きながら、とてもリラックスをして過ごされているようでした。

「痛みは?」

「あれから、一度もないんだよ。本当に全くすっきりなくなって、ものすごく調子いい。」とのこと。

おかげで、わずかしか食べられなかった食事が美味しくて、「また太ってきたんだよ。」と満面の笑顔。

患者さん曰く「痛みが無くなって、何より心が元気になった。だからもう年末が最後だと思っていた旅行に、明日行くんだよ。」と。

この方は、全告知されていて予後もしっかり聴いています。
そのなかで、きっちり自分のこれからを計算してきましたが、これはうれしい誤算だったようです。

もちろん、いつかは痛みがまた訪れることもわかっていますが、友人夫婦と一緒に、あきらめていたなじみの宿で、奥さんと一緒に良い時間が持てると思います。

痛みを我慢することが、人のQOLをこんなにも左右するのです。
この方は、初回訪問時に「麻薬は怖いよ。中毒者の症状とかテレビでやっているでしょう?どんどん強くなって、最後はだめになっちゃうような気がする。」と言っていました。
こういう言葉は、もう何度となく聞きましたが、主治医は患者さんがちゃんと理解できるように説明してほしいものです。
彼は、理解力の無い人ではないので、説明不足としか考えようがありません。

実際、麻薬製剤をきちんと使って痛みをコントロールされた方のほうが、麻薬を嫌がって痛みを我慢された人より、延命効果があるということです。
痛みを我慢することからは、何も生まれないと言う事を知ってほしいですね。
いつだったか、認定審査会資料に、「麻薬の貼り薬を使っているが、癖になるのが嫌なので、貼ったりはがしたりして様子を見ている。」という特記がありました。
本当にもう、こんな事が普通に行われているのだと思うと唖然とします。
主治医は知ってか知らずか・・・、どこでもいいから訪問看護入れてほしいと思いました。

もちろんうちの患者さんには、きちんと目的と効果をお話ししましたし、往診医の先生も説明してくれたようです。
ちゃんと使えば、それだけ楽になるんです。

明日の旅行、楽しめるといいですね。

もうひとつ、昨日驚いたことがありました。
COPDで、酸素3リットルから6リットル使用しながら、やっと念願の退院にこぎつけた患者さん。
初回訪問も終わり、ケアマネさんと帰り支度をしていた夕方5時半。
あたりはもう真っ暗担っていた時、突然停電になりました。
「え?!」
急な停電で真っ暗闇。
すぐに酸素濃縮器のアラームがピーピー鳴り出しました。
やばい!
でも何にも見えない。

ケアマネさんと二人で携帯で周りを探り、奥さんを呼びましたが答えはなく、「ボンベはどこ?」
「いやまって、ブレーカー。ブレーカーをすぐあげた方が早い。どこ??」
するとベット上の患者さんが落ち着いた声で「玄関」といいます。初めての家でドアがどこにあるかもよくわからないまま、手探りで玄関に行くと、携帯の明かりの先にブレーカー発見。
ポンとあげると、パット電気が付きました。
「は~。よかった。でもなんで?」
すると奥さんが現れて「どうしました?」

実は奥さんは、炊飯器のスイッチを入れてすぐに庭に雨戸を閉めるために出て行ったのだとか。
だから、停電の事さえよくわからなかったようです。

古いおうちで、ワット数を抑えて設定されているおうちは結構あります。
そこに暖房に酸素に炬燵にテレビに、いつもよりたくさん使っていて、炊飯器を付けた途端の過電流だったようです。

酸素ボンベをすぐに使用できるようにしておくこと、懐中電灯をそばに常備することも付け加えて帰宅しました。

今日、連携室にも連絡をして、酸素やさんにも電力の確認までして頂けるようにお願いしました。

老々介護の場合など、いままでそういう事をやっていた方が病気になってしまうと、介護する側になった人はただおろおろするだけでパニックになってしまいます。
昨日の奥さんも「ヒューズをかえればいいんでしょうか?」って言ってました。懐かしい・・。

私たちがいるときで、本当によかったです。
そして今日、応援に来てくれた娘さんが、さっそく東電に連絡をしたそうです。

いろんなことが起こります。

明日は、朝から区の防災会議。
昼からは市の連絡協議会定例会、講演会、賀詞交歓会と続きます。

役員の任期もあと少しです。最後まで、ちゃんとできることをして終わりたいなと思っています。

忙しくなってきました。

2012-01-18 23:20:57 | 訪問看護、緩和ケア
あっという間に引いた波は、あっという間に満ちてきます。

退院後に訪問依頼の患者さんが立て込んで、かなりごちゃごちゃになっています。

退院後の調整が難しい患者さんや、最初から困難ケースとわかっている患者さん、病状の不安定な患者さんなどなど、訪問から帰ると電話調整だけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます。

月曜に退院して顔合わせ兼担当者会議で訪問した患者さん。
区の担当者も各サービスもみんな勢揃いで、これからのことを考えました。
とうのご本人は、みんなが集まりいたくご機嫌。
でも、翌日からは聴いていた通り、朝から怒声が聞こえてきます。

この方に長年入っていたヘルパーさん、頭が下がります。

でも、怒るにはそれなりに理由もあって、ちゃんとお話しをして、対応をすれば大丈夫です。
今でこそ、ベット上生活ですが、歩けるときにはケアマネさんに鉄アレイ投げようとしたり、消火器投げたり、フマキラー撒いたりしていたそうですから、今はずいぶん穏やかになったようです。

そして、昨日から担当になったSaさんが、負けずに対応しています。

若い看護師さんは、すごく優しくて、なんでもやってくれるし、怒らない。

でも、Saさんは違います。
患者さんへの愛を持ちつつ、患者さんにとって必要な事や危険なことを避けるために、時に厳しく接しながら、援助しています。この辺が、さすがベテラン。腕の見せ所です。

いいチャンスなので、若いナースたちに彼女の援助の導入の仕方や、時に優しく時に厳しい対応がどんな物かを、しっかり見ても欲しいなと思います。

ほかにも、今日の新患さんの調整も明日に持ち越しになり、かなり大変そうです。

というわけで、もう睡魔に勝てません。
お休み・・・なさ・・い。

56回めぐみ在宅地域緩和ケア研究会

2012-01-17 23:06:24 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日は、職場の健康診断で半日健診センターで過ごしました。

横浜駅東口から5分くらいにある、ヘルチェックセンターは、レディス専用のめっちゃきれいな健診センターです。
医師もスタッフも全員女性で、利用者もみなピンクの検診着で、優雅に検査を受けていきます。

色々検査を受けるのですが、一番つらいのは胃の造影検査。

発泡剤を少量の水で飲み干す時に蒸せ、辛いのなんのって。

むせてげっぷをしてしまったので、もう一包飲む羽目になり、その上からさらにバリウムを飲み込んだあげく、台の上を何度も回され逆さにされて、これは高齢者には出来ない検査だな~と実感。
来年は、造影はパスして内視鏡を受けようと心に誓いました。^_^;

で、夜は56回の在宅緩和ケア研究会に参加しました。

今日は、いつもと違って映画鑑賞会となりました。

うまれる

                

めぐみ在宅の院長である小澤先生が、この映画の監督の奥様と知り合いになったことがきっかけで上映会を開くことになったようです。

つるの剛士がナレーションで、人が生まれると言う事はどういうことか、人はどこから来たのか、命をどう育んでいくのか、たくさんのメッセージが伝わる作品でした。

内容は、4組の夫婦のドキュメンタリーで構成されています。

両親が不仲な過程で育った夫と、母に虐待された経験を持つ妻。
その二人が結婚し、妻が妊娠しました。
子どもに愛情が持てるのだろうか?
自分も虐待をしてしまわないだろうか?
そんな不安のなかで、二人は子供を持つ事の意味を何度も話し合い、出産を心待ちにします。
まるで子供のおままごとのような夫婦。
とまどいながらも、ひょうきんでまっすぐな夫には、会場からも笑いが起こっていて、何ともほのぼのとしました。
この家族の笑顔に、とても救われた思いがしました。

それとは対照的に、出産予定日に死産してしまった夫婦の、子どもへの想いの深さを追っていきます。
出産予定日に、突然わが子の心臓が胎内で止まってしまった悲しみ。
もう、死んでしまったわが子を出産し、泣く事の無かったわが子を夫婦で抱いて取った写真。
出産の喜びに満ちた笑顔と、胸に抱きしめる死んでしまった赤ちゃん。
そこから、この夫婦が本当に笑顔を取り戻すまでの軌跡が、とても心を震わせます。

そして、13トリソミーという先天性の疾患があることを知って出産した夫婦。
愛くるしい表情で、懸命に生きるわが子を、慈しみあくまでも前向きに育てる夫婦。
愛して、愛して、どれほど愛しているか。
命の長さではない、愛する想いの深さが胸を打ちます。
父の撮る数えきれないほどの写真が、本当に素敵で、光に満ち溢れていて、涙が出ます。

4組目の夫婦は、長い不妊治療の末妊娠をあきらめ、違う形で人を育ててみようと決意した妻と、それを見守る夫の生き方です。
彼女は、とにかくかっこいい。
悲しみを乗り越えてきた人がも持つ、美しさだと思いました。

この4組の夫婦の生き方を、とても上手に組み合わせ、それぞれの生活を追いながら、産科医の話も織り交ぜ、比較的淡々と追っていきます。
ドキュメンタリーなので、それぞれ受け止め方は違うと思いますし、言葉に出来なくても、きっと何かのメッセージは受け止められるのではないでしょうか。

なかなか良かったですよ。とても温かくなりました。

自主上映会を有料で請け負い、そのお金を基金として、全国の学校などで無料上映ヲするという趣旨のようですね。

どこかで、機会があったらぜひご覧ください。
出来たら、親子で見るのがいいかもしれません。


私が楽になる方法。

2012-01-15 23:04:23 | 日々のあれこれ
管理者であることもそうなのだけれど、個人的な事でも辛かったり苦しかったりして、どっぷり落ち込んでいたのが去年の年末まで。

苦しみの中でも、自分の話をぶっちゃけて出来る人もいて、随分泣かせてもらいました。
そうして、苦しみながら、今苦しんでいる自分をどう対処しようかと考えているときに、発達心理学の教科書から、コロッと答えがこぼれてきました。

誰にでもそうかどうかはわからないけれど、私がすごく楽になれる考え方というのを見つけたのです。

今までも漠然とはわかっていたこと。
でも、うまく表現できないし、どこかぼやけていていたものが、確信となってストンを私の心の収まったのです。

3日間お勉強でも少し触れましたが、今の苦しみを自分のなかでどう転換するかで、前にも勧めるし、果てしなく落ち込んでいくこともできます。

実際、教科書でこんなに元気が出るなんて初めてです。
たぶん、ほかの人はこの教科書でそんな事思わないでしょうが・・。

     
そうすると、たまたま通信大学で心理学を学び、たまたますごく落ち込んでいるときに、たまたま開いた教科書に、ものすごく救われるっていうのも必然なのだと感じます。

成人後期「物語としての自己」という項目で書かれていたもの。

<生涯発達に自己を見れば、「過去」の中に、今の自分ではない自分、異質の他者を抱え込んでいる。成人になった自分は過去の自分と同一ではない。中略
また、将来的にも成人である自分と異なる自分「老人」になる可能性を持つ。
自己は「未来」のなかにも、今の自分ではない自分、異質な他者を抱え込むのである。
今までに理論では、「自己」を固定した一貫した変わらないパーソナリティを持つ存在ととみる見方が有力であった。それに対して「物語としての自己」という見方がある。(リクール、えのもと、やまだなど)後者では、「自己」は固定したものではなく、変化するものとして、つまり繰り返し再構成され、変容し、自己が他者になる、あるいは他者が自己になる、変身の可能性を含んだ存在としてとらえられれる。その変身は、自己の人生物語を作りかえることによってなされるのではないかと考えるのが「人生物語」の考え方である。>
中略
<「物語としての自己の見方は、自分を「可能性」によって捉えていく視点を開く。ハイデッカーによれば、「可能性」こそは、現存在をもっと根源的に規定する。「時間性」を大切にしてみると、自己は事物のように「存在」するものとしてよりも、「みずからを自熟する」生成プロセスにおいてとらえられる。
物語は、過去と現在の事故をむすぶだけではなく、未来の自己、可能性としての自己をつくりだす。>

そして、「人生の物語と語り直し」の中でこういいます。
人生を物語として、語りなおすことが自分自身を成長させたり、人生の意味を深めていくと。

<同じように不幸な出来事に出会った人々でも、その不幸をどのように意味づけるかによって人生の方向は大きく変わる。マクアダムスたちは、成生継承性の高い人々は、「悪いことはある。しかし良くなった。」という救済ストーリーで経験を意味づける傾向があることを見出した。
たとえば、出産の痛みというような犠牲を払った出来事は「美しい子の誕生」によって幸せがもたらされるストーリーに、「父の死」という悲しい出来事は「それによって家族が親密になった。」という成長ストーリーに、「義母に嫌われた。」という辛い出来事は「どうしたらよい義母になれるか学んだ。」という「改善」ストーリーに変容する物語が作られた。
中略
私たちは絶えず自分自身と語り合い、過去を現在の文脈のなかで語りなおすことで再構築し、新たな意味を生成しながら生きている。・・云々。>
最後に<物語というかたちで伝えられてきた「人々の経験」が死ぬこと。それが生きた意味を持たなくなることである。>

って、何が言いたいかって・・。
自分なりの解釈ですが、自分が今経験している苦しみを、与えられた課題(試練)ととらえて、でもそれはこれから先成長するために、必要なものであり、この経験から将来もっと素敵な人間になれるんだぞっ・・と、解釈すればこれはあくまで乗り越えられるはずの物なのです。

こうして、今までも乗り越えてきたことが、今の私を形成しているし、その苦しみを知っているからこそ、今私はこの仕事について誰かの苦しみに添おうとしているのだと思います。
今、私が抱える苦しみは、その苦しみを理解するために勉強が必要なものです。
それであれば、なおさら私はきっとこの苦しみを良い方に転換できるはずです。
そして、多くの知恵と深い心の変容を得ることが出来ると思えるようになりました。

要するに悪い方に考えず、いい方に気持ちを切り替えよう。って話ですが、これを理由づけることが出来て、やっぱりそうなんだよね。っていう確信を得たと言う事です。

何だか、理屈っぽいようですが、とりあえず今の私にはジャストフィットでした。

こういう話って、元気な時はスルーしちゃう話ですが、心が弱っているときには意外に効きますよ。
まあ、こういう切り替えをしようとすること自体、元来単純で楽天的なんだろうと思いますが・・。


でも、こんな風に自分を持ち上げていた時に、うちの職場の大姉御から「これすごく面白いから、絶対読んでみて!!」と言われている小説を読みました。

今話題の人のようですね。
九月が永遠に続けば (新潮文庫)
沼田 まほかる
新潮社


確かに、引きずり込まれましたわ・・。展開がすごいです。
始めて小説書いて、こんな作品がかけるってどういう人なのでしょうね。
でも、辛いです。
なんだかこう、自分の気持ち引き上げているときに、救われない苦しみをこんな形で表現されちゃうと、からにブレそうになります。
ひゃ~。だめだめ。
なので、今は畠中恵でリフレッシュ中です。

明日からは、また忙しくなります。

でも、明るい未来を信じて、また頑張りましょう。

やりくり、あれこれ。

2012-01-13 22:51:24 | 訪問看護、緩和ケア
年末年始で、旅立たれたり入院されたりしたので、新患さんを続けて受けていたら、いつのまにか1月の勤務表が埋まってしまいました。

これは、1月から2月に集中してある、スタッフの研修期間を他のスタッフに振り分けたためです。

3人のスタッフの研修日をそれぞれ振り分けると、この前まで空いていた時間が、あっという間に埋まってしまうのです。
こういう場合は、この期間だけがいっぱいなので、次の月はまた空きがたくさん出てしまいます。
今たまたまいっぱいだからといって、そのあとを考えると、やっぱりお断りするわけにもいかず、今はそのやりくりで頭を抱えています。

研修は行かせたいけど、この穴埋めをどうすするかが、いつも悩みのタネとなっています。


昨日は、午後になってケアプラザから「痛みのコントロールが出来ていなくて、すごく苦しんでいる患者さんがいらっしゃいます。往診の先生は、今日の夕方に入ってくれるそうですが、ケアマネと訪問看護もできれば今日一緒に入ってもらえませんか?」との電話がありました。

18時からは、横浜で市の連絡協議会の役員会がありましたが、急遽ケアマネを連れての訪問となりました。

多くの方がそうであるように、急な病状の悪化でどうすればいいのか、妻はおろおろとするばかりで、介護保険も分からないし、ケアマネや訪問看護の存在もわからず、見かねた息子さんがケアプラザに相談されたのだそうです。
そして、今日の午後になっていきなり包括の担当と、ケアマネと訪問看護と往診医が入って、奥さんはびっくりしていました。

末期がんの診断で訪問看護が入る場合は、介護保険ではなく医療保険となります。
これは、厚生労働省で決められていることで、この末期がんかどうかのラインは、なぜか不鮮明です。

ただ、余命が限られ、緩和の段階に入ると、通常は末期癌として医療保険が優先されています。
並行して、40歳以上であれば末期がんの場合介護保険も申請できますので、在宅ターミナルケアの場合、ベットやマットなどの福祉用具や訪問入浴、ヘルパーなどのサービスも利用しつつ、介護保険を圧迫せずに、医療保険で訪問看護を使えるようになっています。

問題は、医療保険の場合60代までは通常3割負担なので、訪問料がかなり高額になってしまうのです。
3割負担の場合、月の1回目の訪問料は、3780円程度で、それに交通費が若干加算されます。
2回目以降は週3日まで2540円プラス交通費となります。
また、緊急時の加算や医療機器があるときの特別管理加算、サービス体制加算など月に一回別途加算され料金もそれぞれ3割負担になりますので、週1回の訪問看護を受けると交通費などを含めて月18000円前後となります。
また、緊急訪問は時間外訪問料金や緊急加算などもありますから、経済的にご心配がある方には、ちょっと考えてしまう方もいらっしやいます。
(ただし、重度障害や一部の特定疾患を申請されている方、生活保護所帯は無料です。)

でも、高額医療控除の対象にもなりますから、申請すれば一定額以上は返ってくる場合もあり、この説明はなかなか難しいものです。

今回は、奥様もご了解して頂き、訪問看護もケアマネも開始することとなりました。

こういうお金の話をするのは、すごく苦手です。
お金って、本当に人生を左右してしまいますので・・・。

人生の最終段階で、どこにお金を使うかは、本当に人さまざまだなと感じてしまいます。

家族中で爪に火をともすように暮して、医療も最低限にして、高額な保険外治療や民間療法に全財産をつぎ込む方。

家で穏やかに過ごせるのであれば、「不安を抱えて過ごすより安心料です。」と言って頻回の訪問をご希望される方。

ご家族で担える部分と、サービスとを上手に使い分けてご利用される方。

どれも、そのご家族の考え抜いた結果なのだと思いますから、私たちは可能な限り、そこに添っては行くつもりです。

ホスピスにしても、1か月50万から100万くらいはかかりますが「がん保険に入っていたので、日額の保険料で賄えちゃいました!」と言っていたご家族もいましたので、がん保険だけは入っておかないといけないなぁ・・と痛感します。
保険会社の回し者ではありませんよ~。

そうそう、患者さんの痛みは、昨日の夕方急遽訪問してくれたK先生が、NSAIDsとリリカを追加してくれたら、ぐっすり眠れて今日は爽快だと喜んでいたようです。
よかった、よかった。

そして今日も新患さん、訪問してからやっぱりケアマネさんもお願いしますって、再びケアマネも訪問。
とにかくバタバタと一日が過ぎていきました。

時間も人材も、とにかくやりくりです。
1月いっぱい、研修地獄を乗り越えないと。

患者さんに迷惑がかからないようにしないとね。

ちなみに、今週は緊急当番です。
静かに終末が終わりますように。


あっちこっちで・・

2012-01-11 23:27:50 | 訪問看護、緩和ケア
年末年始で患者さんとのお別れが続いて、今は少し空きが出ています。
でも、研修などが重なって、スタッフの動きも複雑になっているために、やたら新患さんを受け入れるのも慎重になります。

そんななかでも、患者さんは刻一刻と変化しています。

最後まで看るのは無理。最後はホスピスで・・・
と言っていたご家族が、「ここまで家で看たのだから、最後までみたいと思う。」と言ってくださいました。
Aさんは、ここ数日で黄疸が進み、意識レベルも下がってきています。
肝性昏睡の始まりでしょうか。
傾眠状態となっていますが、呼べばうなづいたり、いやいやをしたりする状態です。

とても自律の強い方で、ずっと気丈に自分で何でもされていました。
でも、さすがに今日は動ける状態ではなくなってきました。
それでも、多くの人が望むように、オムツは拒否され、今朝は夫に抱きかかえられながらトイレにも行きました。
訪問した時には無呼吸も出ていて、時々起こして欲しいと言っては、うずくまるような姿勢をとるとご家族は言います。
前かがみに蹲るような姿勢を、蹲踞(そんきょ)といいます。
きっと、上を向いていることが苦しくて、前かがみになることで、横隔膜も下げてお腹の緊張も緩めて、息苦しさを緩和しているのだと思います。

「だるい?」頷きます。
「少し、息苦しい?」一度はうなづいたものの、そのあとは首を振ります。
「痛みは?」首を振ります。
けれど、表情は曇っていて、呼吸も乱れています。

私たちは、よく辛くても辛いと言わない患者さんに出会います。

多くは、ご家族が辛くなったら、最後は病院で。という患者さんによく見られます。

苦しがったり痛がったりすると、ご家族がもう見れなくなったと思い、入院になってしまう事が嫌で、我慢してしまう事が多いのです。

患者さんから離れ、ご主人と娘さんにお別れが近いことをお伝えし、これからどうされますか?と聞くと、「最後まで、ここで。」と言ってくれたのです。

あとで、ご家族から「入院はしなくていいから、我慢せずに辛い時や苦しい時は言っていいよ。」そう言ってあげてくださいね。と伝えて帰りました。

きっと、これからもっと深くもっと長い眠りに入っていかれると思います。
苦しさや、痛みが少しでも減って、ご家族との時間が穏やかであるように祈ります。


昼から区役所での認定審査会があり、早めに行って区役所前の小さなレストランで、一人で昼食をとりました。
ここは、1年前にオープンした小さなかわいいお店です。
一件そうとは気づかないようなたたずまいですが、最近は女性のお客さんが結構入っています。

お昼のランチプレート980円。

今日は、こめこ鳥のトマトソースランチプレートにしました。

 
サラダと、野菜もたっぷりでとっても美味しいです。
マカデミアナッツ風味のコーヒーもついてきます。

認定審査会が終わり、区役所の階段を下りながらふと下を見ると、「
人間かと思ったら、訓練用の人形でした~。
           
一瞬ギクッとしましたが、消防士さんは日夜訓練しているんですね。
ご苦労様です。

そこから患者さんの家まで車を走らせていると、今度はいきなり目の前にブタさんが・・。




しかも、かなり賑やかにブイブイ言ってます。(^^)v

やはり他人とは思えない懐かしさが・・。
信号が変わって去っていくブタさんを、残念な感じで見送りました。
やっぱり、お肉になっちゃうんでしょうね。


あちこちで、そんな風景に出会えるのも、訪問看護の楽しみです。

明日も、おもしろいものが見れるといいな~。