こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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引き潮

2009-09-30 23:46:26 | 訪問看護、緩和ケア
            
よく、潮が引くと、人が亡くなるといいます。
実際には、あまり関係ないような気もしますが、同じ時期にやはり次々と旅立たれてしまいます。
今月は、かなり大きな船が出たようです。
昨日、長い闘病を終え、また一人旅立たれました。
今月は、8人もの患者さんが、あちらに逝ってしまいました。

きっと同じ船に乗りあわされて、賑やかに逝かれるのではないかと思っています。

でも、寂しいですね・・。

長くお付き合いをしていた患者さんが、ふっといなくなってしまう・・・
先週までいっぱいいっぱいだったスケジュールに、ぽかりぽかりと空白ができてしまいました。

10月に入れば、また新しい患者さんが、つぎつぎにその空白を埋めていくのでしょう。

そういう、人の生き死にが、海の満ち引きや、月の満ち欠けを連想させるのでしょうか・・・?

不思議なことが、時々起ります。

今日のデスケース

2009-09-29 22:22:14 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日のデスケースカンファレンスは、半年ほど前にグループホームでお看とりをしたケースです。
娘さんもいらして、しばし懐かしさに笑顔が・・・
そうです。
懐かしくて笑顔がこぼれるような、穏やかで温かなお見送りでした。

いつものように黙とうから始まります。

ご本人は、認知もありましたので、あまり本当のところはわかりませんが、ベースのデュロテップパッチと、レスキューのアンペックを時々、鎮痛補助剤としてガバペチンを使用する事で、穏やかに過ごされました。

ご家族も、介護に追われることなく、毎日ホームにみえて一緒にトランプをやったりおしゃべりをしたりと、楽しい時間を過ごせました。

今回のカンファで話し合ったこととしては、グループホームといっても、スタッフの質によって介護の質にも格段の差ができるということです。

この方のケースでは、もともと入所していたこともあり、ここの施設長が看取りまでの決断をして下さったことと、最後までスタッフが、このご家族と向き合ってくれたことで、とてもよい結果となりました。

今後の課題としては、医療職が常駐していない施設の中で、看とりまでの経過で必要となる与薬であったり、座薬の挿入であったり、点滴であったり・・そういう医療処置がスタッフにとっては、かなりの不安と負担になるということです。

鎮痛座薬の挿入に関しても、患者さんの苦痛を把握して、予測指示に沿って座薬を使用するというのは、現状では医療行為として認められていません。

今回は、ご家族の強い希望と、医師、看護師の連携のもと、書類を交付しての使用となりましたが、毎回の電話確認などで、スタッフの不安の軽減を図っていました。
誰もが、自分の勤務にあたらなければいいと、心の中では思っていたかもしれません。でも、それは当たり前のことで、そのことを責めることはできませんよね。

また、投薬にかんしてのトラブルが若干ありました。
これも、いくら医師や看護師がよく説明したつもりでも、介護スタッフの申し送りや、投薬のシステムに問題があれば、間違いのもとになってしまいます。
反省点としては、服薬管理指導としての薬剤師の訪問を入れたほうが良かったということ。
また、お薬カレンダーなどを利用するか、もっといえば、申し送りの方法や、投薬のシステムなどの指導まで行うべきであったということです。

病棟のように、処方箋と内服薬を何度も確認することもありませんし、薬効自体を理解していなければ、管理的に難しくなってきます。

今後は、このような施設がもっと増えるよう、その人材育成や、法の改定が必要であるとしました。

今日も、雑誌AERAの取材で、ノンフィクション作家の山岡さんが見えていましたが、山岡さんもまた、取材の中で医師、看護師、介護と縦割りの役割になっている現在の仕事を、横からつなげられるようにするべきであると、言われていました。

小澤先生も、在宅療養は生活がメインであると。
その生活の中に医療が含まれるのであって、医療が在宅をみるわけではないと言っています。

ですから、医者しかできない、看護師しかできない、というものであれば、在宅療養は今後存在できないはずであると。
そういう面での、現場を熟知した人たちの声による、法の整備や人材育成が必要であるということで、カンファレンスを終えました。


何が何だか??

2009-09-28 23:51:12 | 訪問看護、緩和ケア
何が何だかわっからないのよ~
トイレでそう歌いなが、ご機嫌のAおばあちゃん。
この前の褥創,フィルムだけでは、だめでした。
ちょうど、しわのよるところから、フィルムの隙間ができて、そこから指を入れればはがれちゃいます。
というか、中のガーゼだけ引っこ抜いてあったるするとか・・・

でも坐骨の方は、なんとか無事。

今日は、デュオアクティブという、創傷被覆材を持ってきました。

それを丸く貼り、さらに、角を丸く切ったフィルム材を上から貼りました。
感染さえ起こさなければ、このまましばらく置いとけるのですが・・・

はがしずらいように、爪も切ってもらいました。

そしてそのあと、ふたたびトイレへ。

なにがなんだか、わっからないのーよ~ねー!ねー!愛してちょうだいよ~

機嫌がいいときに、うたう歌だそうです。
にこにこしながら、大きな声で。

早く、治してあげたいな~。

心の琴線

2009-09-27 13:58:13 | 読書、漫画、TVなど
音楽も、映像も、小説もそうですが、自分の心の琴線に触れるものがあります。

自分の今の生活のなかで、または遠い記憶の中で、心の中の張りつめた糸を、鳴らすもの・・・

昨日から、seijiさんのブログの「小さな木の実」がきっかけになって、いろいろyou tubeをみていました。

さだ まさしさん、そういえば昔30年ほど前ですが、大好きでずっと聞いていました。
懐かし曲も、比較的新しい曲も結構アップされていました。

そのなかに、「防人の詩」がありました。
この曲が流行っ時も、切ない気持で聴いていたのだと思いますが・・・

今改めて、その曲の悲しいまでの美しさと、歌詞の重さに感動してしまいました。


さだまさし - 防人の詩 (静止画バージョン)


 教えて下さい。
 この世に生きとし 生けるものの
 すべての 命に 限りがあるのならば
 
 海は死にますか
 山は死にますか
 風はどうですか
 空もそうですか
 教えてください

 私は 時折 苦しみについて考えます
 誰もが 等しく 抱いた悲しみについて

 生きる苦しみと
 老いてゆく悲しみと
 病の苦しみと
 死にゆく悲しみと
 今の自分と
 
 答えてください
 この世のありとあらゆるものの
 すべての命に約束があるのなら

 春は死にますか
 秋は死にますか
 夏が去るように
 冬が来るように
 みんな逝くのですか

 わずかな 命がきらめきを信じていいですか
 言葉で見えない 望みといったものを
 去る人があれば
 くる人もあって
 かけていく月も
 やがて満ちてくる
 なりわいのなかで

 教えてください
 この世に生きとし 生けるものの
 すべてのいのちに 限りがあるのならば
 
 海は死にますか
 山は死にますか
 春は死にますか
 秋は死にますか
 愛は死にますか
 心は死にますか

 私の大切な ふるさとのみんな 逝ってしまいますか

プレゼン用原稿にあぶら汗

2009-09-26 23:30:44 | 日々のあれこれ
10月3日に、めぐみ在宅主催、区役所共催の介護スタッフ向けセミナーがあります。
そこでのパネリストとして、10分ほどのプレゼンもしなければならず、ここ数日パワーポイントとにらめっこをしています。
テーマが、
「みんなで支えるいのち」~安心して最後まで過ごせる地域をめざして~
というもので、訪問看護の立場から、お話しなければなりません。

他に、瀬谷の母と呼ばれるお話し上手のケアマネジャー、訪問入浴のスタッフ、瀬谷区役所高齢福祉担当係長のお話もあり、どんな内容にしたら、重複せずに興味を持ってもらえるのか悩んでいます。

訪問看護と地域での連携に関しては、瀬谷区はかなりいい方だと思っています。

訪問看護ステーションどうしの仲もすごく良くて、聖マリ西部病院とのステーション連絡会も持っていて、それなりの地域連携が確立しています。

で、作り始めたスライド、さんざんいじって作った割に、なんかありきたりでつまらない・・・
結局、かなりの部分を捨ててしまいました。
それでも、結構な枚数になっていしまい、あれもこれもと収集つかない状態です。


人の前で話すということは、すごく大変なことですよね。
時々頼まれるプレゼンは、悩みの種です。

いままでの、たくさんの看とりの中で、感動をもらったり、良い連携ができたと思っているのですが、個人情報の問題もあり、事例としてお伝えするのは難しいですよね。
まあ、ぎりぎりのところで、お話していくつもりですが・・・

昨日抄録だけ提出したので、あとは本番まで、もうちょっと手直しします。

ところで、話は変わりますが・・
seijiさんのブログに、「小さな木の実」という歌が、you tubeからダウンロードされていました。
この歌、すごく好きです。昔聞いたことがある、懐かしい歌です。
悲しくて、寂しくて、でも未来がちゃんとある・・・
なんか、泣いてしまいました。涙腺壊れてますので。
seijiさん(男の気まま料理)のブログで泣くことがあるとは、思いませんでした。
一度聴いてみてください。

それから、ブログをみているうちに、やはり「光あれ」というブログにたどりつきました。
在宅診療をされているお医者さんのようですが、この方もいい音楽をダウンロードしています。
その中で、イルカが歌う「いつか見る虹~モルダウから~」という歌があって、
名曲「モルダウ」に歌詞を付けて歌っているのですが、すごくいいです。
これもyou tubでした。
お勧めです。

秋は、いい音楽を聴いて夜を過ごしましょう!

あらら!1年すぎました!

2009-09-26 00:42:44 | 訪問看護、緩和ケア
今、はたと気が付きました。

このブログ、去年の9月24日からでした。
あっという間の1年でしたが、この年まで日記は3日以上つけたことがなかったので驚きです。

半年分だけ、my book作りました。

いい記念になりました。

最近は、少しずつご訪問の方も増えてきて、すごくうれしいです。

子供のことや、介護のことや、緩和ケアのことなど、これからも独断と偏見を持って書いていきたいと思います。

皆さん、これからもよろしくお願いします。

スタッフ自慢

2009-09-25 23:29:08 | 訪問看護、緩和ケア
このところ、重い患者さんが多くて、寄り添う看護師も、辛く落ち込むことが多いので、ちょっと心配です。

在宅緩和ケアの場合、看護師はご家庭の中まで入るので、患者さんだけを見るのではなくて、患者さんの置かれている環境や、家族背景、人間関係、それぞれの精神状態までをみることになります。

患者さんとは別に、ご家族との時間を作ったり、医師やケアマネなどとも情報を交換しながら、どうすればその患者さんの支えを、太くすることができるかを、考えます。
慰めるだけなら簡単ですが、そうではない、理解者でありたいと思うのです。

耳を傾ければ、ずっとずっと昔の記憶をたどって、今までの事をお話ししてくださることもあります。
折れかけた気持ちを立て直して、前を向いている矢先に倒れる方もいます。

私たちにできること・・・日々のケアや、医療処置は当たり前のこと。
正直、何ができるかといえば、何もできないのかもしれません。
苦しんでいる人を前に、ただいることしかできないのかもしれません。

それでもなお、患者さんと向き合い、どんなに辛い状況でも、そこから逃げないで踏みとどまります。

ですから、担当した患者さんを、送り出すとスタッフの心もボロボロになります。

でも、そんな苦しみと引き換えに、もっと大きな何かも、患者さんたちは残して行ってくれるのです。
だから、みんなやめないで、ここにいてくれるのでしょう。
忘れられない、見送った患者さんたちが、今の私達の支えにもなっているのです。

昨日、見送った患者さん。
人生の一番輝けるときに、旅立ってしまいました。
見送る家族の、悲しみの深さを、自分に置き換えてしまう・・・
身体中から悲しみが吹き出します。
胸が、裂けそうになります。
なんで、なんで、なんで・・・・!!

私達には何もできない。
そんな思いに押しつぶされそうになります。

以前、そんな思いを引きずっていた患者さんに、デスケースカンファレンスでお会いしたとき、「そばにいてくれる。それだけで、どんなに心つよかったかしれません。あんなにも、親身にあれこれと考えてもらえるとは思いません出した。」
と言ってくださいました。

だからこそ逃げないで、これからも向き合っていくしかないとおもいます。

うちのスタッフ、本当によく寄り添ってくれています。
一生懸命という言葉は、彼女たちのためにあるんじゃないかと思います。

今朝の二人のスタッフとも、泣きすぎて腫れ上がった眼で出勤して、みんなをびっくりさせましたが、それでも今、待っていてくれる患者さんのもとへ元気に向かいました。

うちのスタッフ、みんなすごいです。
これは私の自慢です。

                      

悲しくても、悲しくても・・・

2009-09-24 21:40:37 | 訪問看護、緩和ケア
あまりに、悲しいお別れがあると、もう思考が止まってしまいます。
なんで、こんなにも悲しいのか、こんなにも理不尽な死があるのか・・・
すべての旅立ちは、悲しみの中にあります。

その中でも、胸をえぐられるような場面に出会うことがあるのです。

あまりにも、若すぎる旅立ちもそうです・・・

私達はなすすべもなく、取りすがり、ほほを寄せて慟哭するご家族が、わずかでも落ち着きを取り戻すのを、茫然と待つのです。

ぼたぼたと、流れ落ちる涙、かける言葉を失った私は、拳を握り締めて、時が過ぎるのを待つのです。

良く、医療者は患者のさんの前で泣いてはいけないと聴きます。
医療者は、いつも冷静でいなければならないと・・・・

でも、私達にはできません。

あまりにも、その家庭を知っています。
どんなに、父が娘を愛していたかも・・・・

けれど、時間は容赦なく流れていきます。
どれほどの悲しみを目の当たりにしても、一歩玄関を出れば次の仕事が待っているのです。

そして、次の別れのために、また歩き出さなければならないのです。

担当したスタッフも、泣きはらした顔で帰っていきました。

深い悲しみが、心の底に沁みこんでいくのを、どうすることもできずに・・・・

貼っては、はがすのどうどう巡り・・

2009-09-22 23:15:33 | 訪問看護、緩和ケア
先週、T先生から電話がありました。
「ある患者さんの褥創が、ぜんぜんよくならないんだけど、ケアマネに連絡とってみて。」とのこと。

何のことやら、とりあえずケアマネに連絡。
先生とも連絡とってもらいました。

結局、訪問看護が入ることになったのですが・・・

褥創って、普通は寝たきり、もしくはそれに近い状態の方が多いのですが、この方はとにかくよく動くんです。

室内は、杖歩行でトイレも行くし、日中はほとんど椅子に座っています。

ただ、認知がかなり・・・

ヘルパーさんが貼ったガーゼを、トイレに行くたびはがす。
さらに、創をむしる。

初回訪問で、やっとと横になってもらってびっくり。

尾底骨に500円硬貨ほど、坐骨の部分に100円硬貨ほどの真皮に達する褥創が。

幸い感染の兆候はないものの、ややドライなその褥創、どうしたものやら・・・

とりあえず洗浄、処方のユーパスタコーワを塗って、無駄だと思いながらも、ポリエチレン/紙おむつで作ったパットを貼ってみました。

次の日の確認では、数時間できれいにとれていたとのこと。
主治医と相談。


アズノールボチを綿の布に塗って、その上から大きくフィルム材で覆ってみました。
そのあとすぐに、トイレに入ったのですが、あとで見てもはがれていなかったので、これで様子を見ることに。

そして連休のさなか、昨日確認に行きましたが、ヘルパーさんが朝夕ほとんどはがれているのを発見して、張り替えているとのこと・・・

は~・・・

ご本人、至ってお元気。
素敵な笑顔で、「悪いね~。あはははは」って。

原因は、たぶんトイレです。

一度トイレに入ると、1時間は座っています。
どうやら、硬い便座でゴリゴリしているようす。
トイレにいることも忘れてしまうようで、夜中もお父さんが迎えに行くまで座っていて、トイレの中でトイレットペーパーをクルクル丸めている。

そしてそれを、ポケットの中や紙パンツの中へ・・

紙パンツの中は、まるまった尿とりパットと、トイレットペーパーでぐちゃぐちゃ。

これでは、治るはずがない・・

うーん困った。
とりあえず、ユーパスタコーワに戻して再度フィルム材を貼って、連休明けにデュオアクティブ(創傷被覆材)とフィルム材にしてみるつもりですが・・・

困った。困った。
どうしたら、はがさないでいてくれるのかな~??

バイトでのいじめ。息子の悔しさ。

2009-09-21 23:29:18 | 家族のこと
普段よく食べ、ほとんど自立している息子ですが、今日はちょっと様子が違っていました。

息子は1年くらい前から、「焼き肉のS」という店で、アルバイトをしていました。
遅刻も、欠勤もせず、シフトが入れば、無理をしてでもバイトに行きました。

あまり、要領がいいとは言えない息子ですが、それなりにがんばって、厨房内の皿洗いや掃除だけから、肉切りや調理もさせてもらえるようになり、結構頑張っていました。

ところが2週間前から、支店長と、いつも声をかけてくれた先輩が移動になってしまったそうです。
新しい支店長といっても、まだ21か22歳。

この支店長がきてから、息子へのいじめが始まりました。
とにかく、口でのいじめがひどかったようです。

ことごとく、難癖をつけ、「お前の代わりなんかいくらでもいる。」と、いじめを繰り返していたそうです。

前の支店長も若かったようですが、口は悪くても、忙しければねぎらいの言葉もかけ、無理なシフトも避けてくれてたそうです。
それに、先輩もかわいがってくれたようで、楽しそうだったのですが・・

今日、帰ってから「ひでェ。どんどんひどくなってくる。俺が休みの時に、制服が変わったのに、どこにあるかも、どれを着るかも教えてくれない。やっと教えてくれても、馬鹿にした言葉が次々と帰ってくる。おれ、もう本当にだめな人間なのかなって、思って。でも悔しくて。」

高校2年生のアルバイト捕まえて、二十歳過ぎの若造がいじめ?

「おれだって、一度始めたバイトだから、やめたくないよ。ここでやめたら悔しいじゃん。今まで、中途半端でやめてったやつのこと、すごく許せなかったし・・」

私も夫も、「そんな程度の低い店長の下で、働くことないでしょう?高校生なんだし、バイト捕まえていじめするようなとこで、働かなくていいからやめなよ」
そういいました。
でも息子は、「やだよ、ここまで来て、あんな奴に負けたくないよ。悔しいじゃん」
そう言って、部屋に戻っていきました。

少しして、夫が私を呼びに来ました。

部屋で、息子が号泣していました。

せきを切ったように。

昔から、争いが嫌いで、喧嘩が始まるといつのまにかいなくなった息子です。
いじわるとか、乱暴とかが、絶対できない息子です。
身体の割に、気が小さくて、おっとりマイぺースなやつ。

「あんたは、一年頑張った。よくやったと思うよ。
今までは楽しくやってきたんでしょう?でも、バカな支店長がきて、いじめを始めたんなら、もうそこにいる意味ないじゃない。
2週間も我慢したんだし、十分だよ。
バイトの高校生もうまく使えないような、部下を育てられないようなやつの下で働いていても、何も得ることはないでしょう?
そういうくだらない奴も、世の中にはいるってことがわかっただけでも、よかったじゃない。」

「おれ、全否定されてたから、もう自分に自信もなにもなくて、本当にだめなやつなのかなって考えちゃって・・今日は、流石にほかの先輩もかばってくれて・・」

そう言いながら、すでにハイパーベンチレーション。
紙袋を吸わせながら、深呼吸をさせているうちに、少し落ち着いてきました。

夫は怒り心頭です。「明日、本社に電話する。事情を話してもう、行かせられないって言うから。どんな社員教育しているのか聞いてみる。もう行かなくていいぞ!
もっと、まともなバイト先はいくらでもある!!」

息子は、ほっとしたのか
「わかった。もう行きたくない。行かない。」そういったものの、足ががくがくしていて、かなり四肢のしびれもあったので、私の安定剤を飲ませ、やっと落ち着きました。
それでも「店長さえ変わったら、またあの店でバイトしたいんだけど・・。」
とか言っていましたが・・。

社会に出れば、もっととんでもないやつがいるってことも分かっているようで、こんなことで負けるのいやだな・・と呟いていました。

なんだか、普段ほったらかしの息子ですが、そんなことを我慢して働いてたのかと思うと、切なくて私の方が泣きたい気分です。

でも、がんばってるなー。
バイト代で、いろんなモノ買っているので、収入源がないとつらいかも。

でも、いろんな事経験して大人になっていけばいい。

ほんとに、世の中には許せない奴もいるんだから、気持ちはくじけず、頑張れよー。

旅の続き。

2009-09-21 23:25:52 | 旅行・グルメ
旅の思い出。
国営日立海浜公園。

涼しい風に吹かれて、気持ちのいい時間が過ぎていきました。
 コキア・・・ほうき草。箒の材料。
アップにすると、こんな感じ。
10月ごろに赤く色ずくそうです。
 咲き始めたコスモスが、風に揺れます。

砂の丘から。 
サボテンの実、熟しているのかな??
って、とげを刺して同時に騒ぐ、あほな父娘がいました・・・
  ドラゴンフルーツみたいに食べられるのかな??

森の小道 

真っ赤な彼岸花に、黒いアゲハ蝶が・・・
秋の始めの風景です。 

 萩の花も、これからです。
                   
山里にも、秋の気配が・・

水量が少なくて、ちょっとさみしい袋田の滝

あっという間の、二日間。
子供たちとの旅行も、いつまで一緒に行ってもらえるのやら・・・・
楽しくて、おいしい旅でした。

湊線

2009-09-20 07:59:32 | 旅行・グルメ
 散歩がてら、駅まで行ってみました。

湊線は、単線で、ディーゼルで走ります。
1両編成の、かわいい電車です。

入場券を買って、ホームにはいると、懐かしいようなコールタールの匂いがします。


ノスタルジックな待合室には、鉄ちゃんと思しき人も数人・・・
そして、素敵な線路わきの写真展示されていました。

駅を出て、線路沿いで待つことしばし。
単線なので、上りと下りが1分差で来て交差するのを待ちました。

カンカンカン・・・という踏切の音がしてゴトゴトと電車がやってきました。


反対からは・・   ちょっと違うタイプの電車です。
    本当の鉄ちゃんなら、○△系の○○型ディーセルエンジンとか、言うんでしょうが、にわか鉄ちゃんは、これで十分満足でした。

また、もと来た道を夫と娘と3人ばか言いながらホテルに戻りました。

口ずさむのは、「遠くへ行きたい」

  しーらない 町を歩いてみぃたぁーい
  どぉこか とおぉくへ いぃきぃたぁい~

知らない人、ごめんなさい。

今日は、中湊にいます。

2009-09-19 21:23:12 | 旅行・グルメ
夏休みに、入院手術などをしていたので、今日はその代りに家族で1泊旅行です。
1泊だけなので、あまり遠くにはいけないので、今まで来た事がない、中湊にしました。
7時半ごろ家を出て、首都高速から常磐道へ。
混んでいたのは、瀬谷区内と保土ヶ谷バイパスの一部だけでした。

 みごとな「金のう○このモニュメント?」

常磐道からは、どんどん車が減ってきて、大洗までの道路はほとんど車がいませんでした。
 台風が近いせいか、海は大きくうねっていて、灰色の空の下、その力をみせつけるかのように、波を叩きつけていました。

大きい波はチューブができて、迫力でしたが、一応浮かんでいるサーファーが、波に乗っているのは一度もみませんでした・・。


ちなみに「アクアワールド」もすいてましたよ~。

水族館は大好きです。
水族館で、おなかが減った私達は、那珂湊漁港にある魚市場によりました。
とりあえず、100円の有料駐車場にいれ、目の前にあった市場の回転寿司へ。
ちょっと待ちましたが、そこでお寿司をたべました。

普通の握りのほかに、ホウボウとか、メダイとか、いろんな貝類南瓜もあって、流石海沿いって感じでした。

市場もみました!!
一番大きなお店に入り、第一印象。
「高い・・・。これならつくし野のツルカメや、瀬谷のスーパーワンピースの方がやすい・・・」
夫と、ぶつぶつ言っていましたが、隣のお店に行くと値段が下がってます。
あれれ??その隣は更にお安い。
その次もまたまたお安く、ボリューム感あり、鮮度ありでいいじゃあありませんか。
そこにある回転寿司は、さっきよりもさらに安くて美味しそうでした~残念。

明日の帰りはこのあたりでお買い物をしようと思います。

それぞれのお店頭で、岩ガキの販売をしていいて、だいたい1個200円から600円(大きさで違う)をその場で開いて、洗って生で食べさせてくれます。

娘の大好物です。 
夕飯にも出ましたが、取れたて,剥きたてサイコーです。

 干しイカのメリーゴーランド。
まわれ~ イカの匂いをまき散らし~

明日は、どこまで自分を抑えられるかが、勝負です。

誰もが、主人公です。

2009-09-18 23:28:24 | 訪問看護、緩和ケア
「人生いろいろ」っていう歌ありましたが、本当にいろいろですよね。
「誰もがみな主人公」って言う歌詞も、さだまさしの歌の中にありましたっけ・・

たくさんの人の「死」を、毎日のように見つめている私たちですが、その一人一人に長い物語があって、最後の終章を見せて頂いているのだと思います。

よく訪問中に、患者さんから生い立ちや、今までの人生の軌跡を聞かせて頂く事があります。

高齢者の方々は、特に戦火を潜り抜け、戦後の動乱を生き抜いてきた方々ばかりなので、時には連続テレビ小説を見るかのごとく、あまりにドラマティックで毎週聞き入ってしまうお話もあります。


先日、以前訪問していた患者さんが亡くなられたと、ケアマネさんからご連絡がありました。
ある事情から訪問看護は中止されていましたが、その方の半生も、それは過酷なものでした。

まだ、10歳にもならないうちに、叔母夫婦の養女にもらわれ、離島に住む叔母夫婦にまるで女中のように育てられました。
朝は、日の上がる前に起きて、まきを燃やしかまどでご飯を炊きました。
水が多いといって叱られ、遅いといって叱られ、それから後かたずけを終え、拭き掃除をしてから、学校に行かしてもらたそうです。
夜は、夫婦の蒲団を敷き、次の日の準備をしてから、冷たい布団に入りました。

学費を納める日は、正座をしてながながとお金を貰うまで説教をされ、何かにつけて癇癪を起こす叔母の顔色見ながら幼少時代を過ごしたそうです。
お友達が皆持っている人形は、もちろん買ってもらえるはずもなく、紙で作った人形で、ひとり遊んだ話や、母と引き裂かれた日の話は、泣きながら聴いたものでした。

今、うちのステーションでは、最高齢は102歳のおばあちゃまです。
その方は、耳が遠いので電話ではお話がうまくいきませんが、訪問の時はとてもしゃんとしていて、その上、上品でかわいらしい方です。

まだ、お風呂もまたげるので、入浴介助をしていますが、担当スタッフも時折ピンチヒッターで行く看護師も、大ファンです。

102年、いったいどんな人生をおくられてきたのでしょうか??
独居ですが、介護に毎夜通われている娘さんも素敵な方なので、やはりとてもいいお母さんであったのでしょうね。

いろいろな人生の最後を、その人らしく終わらせる。
難しいことのようですが、ご家族やかかわる医師、看護師、ケアマネ、ヘルパーなどがちゃんと向き合えれば、意外と出来ることです。

「案ずるより、産むがやすし」って言う言葉もあります。

家でなんか看とれない、怖い、無理!
そう言っていた方が、立派にお見送り出来ることは、よくあることです。

一人の主人公の、物語の終わりを、大切な家族で見送れるように・・
それが、私たちの物語でもあります。


              お知らせ

10月は、3日に区役所の協賛で、めぐみ在宅クリニックが主催する「みんなで支える命」
というセミナーがあります。
その原稿作りに、私も今は追われています。

これは、おもにケアマネさんや、介護サービス事業者向けです。
瀬谷区近隣の方、よろしければいらしてください。
申し込みは「めぐみ在宅クリニック」までご連絡くださいね。

訪問看護のご利用方法

2009-09-16 23:19:55 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護って、何してくれるの??
訪問看護って、高いのね。

初回訪問で、よく聞く言葉です。
何をするかは、患者さんの状態やご要望によってご説明しますが、費用はすみません。
国が決めた医療費などで、お許しいただくしかありません。

特に、40歳前の末期癌の方は、3割負担が重くのしかかります。
ただでさえ、治療に多額のお金を払った後での在宅療養。
厳しいことは、よく分ります。

その上、免疫療法に数百万とか、健康食品に月10万とか、お金は湯水のように出て行ってしまいます。
デュロテップパッチも高いです。

それでも、入院しているより安いとおもいます・・・
(がん保険にいっぱい入っていた方は、入院の方がお金が下りる方もいますが・・)

緩和ケアの場合、在宅支援診療所が入っていると、月2回で8000円程度になると思うのですが、先生によって交通費なども違うので、一概には言えません。
頻繁な往診になれば、それだけ費用はかかります。
訪問看護も、3割の場合付きの始めは交通費込みで4000円前後、二回目からは2000円前後となりますし、それに緊急対応加算や、特別管理加算(医療機器装着など)情報提供料や、緊急訪問加算など、少しずつ加算がるので、毎週1回の訪問で月12000円位にはなります。

これに夜中に緊急訪問したりすれば、さらに時間外の訪問料金も加わります。

私たちだって、心苦しいですよ。そりゃあ・・
でも、それに見合うだけの看護を提供しているとも思っています。

それに、訪問看護は、限度額申請をされていれば、その対象になりますので、一度は支払って頂くけれど、医療費と合算して限度額を超えた分は、あとから帰ってくるんです。

そんな説明まで一生懸命しても、わかってもらえない時もあります。

昨日、緩和ケア研究会の真っ最中、ある患者さんのご家族から緊急電話が。

「今週も来週も、IVHからの点滴しないことになったので、訪問看護もキャンセルします。」という電話。

先週もキャンセルでした。
でも、緊急電話はかかってきます。
そして、「来なくていいから、電話でアドバイスしてください。」と言われます。

「先週もキャンセルでしたよね。そして、来週もさ来週もキャンセルになったら、緊急対応で状態もわからないで、何をアドバイスすればいいんですか?
訪問看護師は、患者さんの状態や、今なにが問題なのかをきちんと把握したうえで、アドバイスや緊急時の対応をしているんですよ。」
と、お話しました。

するとご家族は、「え、それじゃあ先生が見えたときに、状態を聞いてメモしておきます。それでいいですか?」って。

「先生には、先生の見るべきところがあります、看護師は看護として見るべきところと、するべきことがあります。役割は違うんですよ。
もし、高額で経済的に負担ということであれば、せめて隔週は見せてください。
今、この時落ち着いているように見えても、状態は深刻だし、いつまた苦しくなるかもわからない状態であることは、先生からも聞いていますよね?」

そんな会話をして、結局シルバーウィーク前には、一度訪問させて頂くこととなりましたが・・・

小澤先生が、以前言われていたことを思い出しました。
「思いに沿うことを大切にしている。しかし、私達はただの便利屋ではないんです。」
本当にそう思います。

緊急に泣きながら電話があれば、いつでも飛んでいき、その時はとても喜んで「安心しました。楽になりました」と言われていたのに、訪問料金の支払いには「えー!こんなに高いの?!」との言葉。

電話にも何度も丁寧にお話をしました。

なんだか、ガッカリしてしまいます。
一生懸命なんとか穏やかにと頑張っても、金額でしか判断してもらえない時がある。

訪問看護は、便利屋さんではありません。
夜中に、いつでも必要なときだけ呼びつけて、後は電話で済ませるものではありません。
プロとしての責任を持って患者さんを看ています。

高いととるか、安いと取るか・・・
如何でしょうか?