こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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うららの日曜日

2012-09-30 22:29:04 | うらら
今週は緊急当番です。
状態の不安定な患者さんが何人かいらっしゃるので、とり損ねのないよにちょっと緊張した週末でした。
金曜日は、18時半から横浜市訪問看護連絡協議会の定例会で「災害対策」についての講義と、グループ討議があり、帰宅したのが10時近かったのですが、セカンドコールの方もに電話はなくほっとしました。
そして、今まで2回の緊急電話はあったものの、訪問には至らずご家族で見守れているようです。

今夜は、台風の影響で夕方からかなり風が激しくて、外はすごい音がしていますから、なんとかこのまま明日まで電話が鳴らないといいなぁ・・

ところで、今日はうららを連れていつもの動物病院へ行きました。
月に一度のノミ取りのお薬フロントラインと、フィラリアの予防薬イベルメックをもらうためです。(人間では、疥癬の時の特効薬として使いますよね。)
ついでに、爪切りと耳掃除もお願いしちゃいました。

で、お散歩がてら動物病院の駐車場まで行くと、黒いワンボックスカーからなんと大きなフレンチブルドックが出てきました。
普通のブルドックかと思うくらいの大きさと貫録ですが、フレンチブルドックの特徴の大きな耳がピンと立っています。

おもわず「わー!!フレンチブルドック!うれしい!」と叫びました。

うららにしてみれば、うちにきて初めてであった仲間だと思うのです。

うららも大喜びで近づいていきました。

ちゃんとご挨拶もしてくれましたよ。

フレンチブルドッグは、どうやら人間が大好きらしく、その子もうららよりは私の方に興味がありそうです。
男の子で6歳?って言っていましたが、とにかく大きくてこの近隣100匹くらいのフレンチブルドッグで一番大きいと言っていました。
その子のパパとママや、子供たちにもうららは構ってもらって、ずいぶんと嬉しそう。

さらに、病院のドアを開けるとなんともう一匹、フレンチブルドックが待っていたのでびっくり。
3匹そろい踏みの待合室は、かなり賑やかになりました。
10歳だというおばあちゃん風のわんちゃんは、うららと大きなボーイフレンドのパワーに圧倒され、すごく引いていましたが、こんなにお仲間に会えるのは、すごく偶然でうれしかったです。

うちのスタッフも、ミントちゃんという7歳の女の子がいるのですが、家が離れているので、実際にはあったことがなく、なんだかすごくうれしい出会いでした。

ということで、今日はうららの写真をアップです。

 お兄の靴下を泥棒するうらら。

このテーブルのガラスの下に入れていたものが、次々とかじられるという事件が相次ぎました。
どうやって?と思ってお菓子を入れてみたら、こうやってでした。

      

本当によく悪さをしてくれるうららです。
なにか、かじれるものはないか、食べられるものはないかと、虎視眈々と狙っております。
         

そんなうららは、リュックとか、お洋服とか着せてしまうとあまり頓着がないようです。

リュック付の子供用ブランケットを、コストコで買ってあげました。
そのリュックをしょわせてみたら、ずっとしょっています。

    

変な顔ですか??
うららですぅ~。
    

お母さんが、笑ってる。

2012-09-29 16:51:24 | 訪問看護、緩和ケア
先日訪問した患者さん。
残り少ない時間を、ご家族が懸命に支えています。

肝性昏睡のため、意識は朦朧として、あっちとこっちを行ったり来たり。

ケアが終わると、疲れて眠ってしまいました。

別室で、これから起こりうる事や、お別れまでの経過の予測などをご家族にお話ししました。

娘さんは目にいっぱい涙をためて、それでも「大丈夫です。見守れます。」と言いました。
そのあと急に姿を消した彼女が、数分後お母さんの部屋にやってきたときは、赤い目元をぬぐって、笑顔で入ってきました。
お母さんは、いつもいつも明るい人ですから、泣き顔を見せたくなかったのかもしれません。

その時、眠っているお母さんの顔を見て娘さんがいいました。
「やだ・・お母さんったら、笑ってる。」
おもわず娘さんも笑顔になります。

確かに、いいお顔で笑っています。
時々うわごとで何かを言っているので、きっと楽しい夢を見ているのでしょうね。

その笑顔は、不意に私の母と重なり、あの時の何とも言えない気持ちがよみがえりました。

私の母が無くなる前日、意識もなく酸素マスクをして眠っていた母が、やはりふっと笑ったのです。
そして「お母さん・・。」と。

その笑顔があまりに幼くて、まるで小さな女の子のようで、悲しいのと同時に、変な話ですが「よかった。」と思ったりもして・・。
きっと小さなころに戻って、迎えに来てくれたおばあちゃんとの、久しぶりの再会に甘えているのではないかと思ったのです。

今でも、それはきっと本当だったんじゃないかと思っていますが、もうすぐ来るお別れの時間の中で、私にとっては、救われた一瞬でもあったのです。

長い間、家族として一緒にいて、慈しんで育ててくれて、どんな時も見守ってくれて、絶対に私にの味方だった母の、最期の笑顔でした。
だから何年経っても、きっと私が死ぬまで、私は母のあの時の幼い笑顔を忘れることはないだろうし、いつか私が死ぬ時も、最後にいい笑顔を残したいなと思っています。

きっと、この娘さんもずっとずっとお母さんの笑顔を、最期の時間を忘れないだろうと思います。

ご家族に見守られ、どうか、穏やかに旅立てますように。

口は出すけど・・

2012-09-26 23:43:59 | 訪問看護、緩和ケア
今に始まったことではないけれど、実際に介護するご家族ではない、遠い親戚や遠方のご家族の意見にふりまわされたり、悩んだりされる方によく出会います。

ちゃんと相談して、納得したはずの治療さえ、親戚からかかってくる一本の電話で変わってしまいます。

がんによる終末期の方針に関しては、比較的ご本人の意思がはっきりしている場合が多いので、問題なることは少ないのですが、老衰の域に入っている方の終末期の過ごし方で困ってしまうことが多いように感じます。

すでに90をこえる高齢で、認知も進み老衰状態が続く中で、看取りを覚悟した時にどういう方針で看取るのか。

無理やり食べさせるのか、胃瘻にするのか、胃に管を入れるのか、栄養剤を点滴するのか・・

みな、真剣に悩みます。

食べられない家族を前に、黙ってみているのは餓死させるような気になるものです。

でも、胃瘻や管は可哀そう。

というと、多くは点滴をしてください。という事になります。

一般の人は、点滴をすれば栄養が取れると思っている人がまだまだ多くて、お年寄りにすぐに点滴してくれると、「あの先生は親切だー」という噂になって繁盛したりします。

ある患者さんは、プリンや流動食がやっと数口食べられるかどうかという状態です。
でも、ほとんど身になるものは食べられない。
話し合いの結果、食べれるだけ食べて、あとは自然に任せよう・・という事になっていました。

でも、毎日遠方から電話がかかってきます。
「点滴をしてもらえ。」「なぜ、点滴もしてもらえないのか?」
「何もしてもらえないなんて可哀そうだ。」

ご自分も高齢者になりつつあるご家族は、とても不安になってしまい、その不安は不信感になってしまうのです。
お薬だって、飲みこむことが難しいから極力減らしてもらったのに、「今度の先生がお薬を減らしたから、元気がなくなった。」と思ってしまう。
状態が悪くなったから、在宅医になったし、飲めないから減らしたこととは、逆の発想になってしまうのです。
そんな折に、外野がとにかくいろいろ言ってくると、もうわけがわからなくなってしまうのです。

認知症の患者さんに、在宅で血管を確保して点滴するという事は、本人にもご家族にもすごく負担になることを、一度は説明しても、すぐには理解してもらえません。
末梢から入れる点滴は水分と電解質程度、まして水分の負荷が増えると、たんが増えゼロゼロする可能性もあります。
抗生剤など、治療として行って、効果が明らかに期待できるものなら別ですが、押さえつけて嫌がる点滴をするのはどうなのか・・。

こういう時は、ご家族が納得するための方法として、皮下点滴を200mlとか500mlとかして、
ご家族に納得してもらったりします。(痛みが少ないし、漏れることがないので)

多くは、何回かそれをすることで「ありがとう。もう結構です。見守れます。」と言われますが、中にはどうしても高カロリーを望まれる方がいますので、そういう場合はIVHなり胃瘻なりを入れるために一旦入院していただくことになります。

今でこそ、やっと「在宅の看取り」がテレビなどでクローズアップされて、比較的受け入れられてきましたが、10年前くらいまでは「まったく、お爺さんは入院もさせてもらえないのか?!なんてひどい嫁だ!」などと遠くの親類に叱責された方もいました。(すごくよく介護されていただけに、泣いていましたよ。)

とにかく、外野がうるさい場合は一度来ていただくか、それが無理なら電話で先生から説明してもらうなどの対応が必要ですね。

あとは、ご本人とそのご家族がどうしたいか、なぜ家にいて、どういう過ごし方をしたら穏やかに人生を全うできるかを、一緒に確認し合っていくしかないですね。

命と長さと、質の問題です。
どちらに偏ることなく、バランスの良い最後の時間を作れるような、お手伝いがしたいな。。と思います。


うらら、腹を壊す。

2012-09-24 21:30:17 | うらら
我が家の末娘、フレンチブルドッグのうららが、このところ腹具合が悪いのです。

なんだか、うんちが柔らかいなぁ・・と思っていたら、昨日はもう泥状便に近い感じ。
なので、気を抜くとお尻にうんちが付いたまま部屋の中を歩かれることになります。
「あー!!エリアラグにうんちついてるー!!」と言っては慌てて全部交換、大洗濯なんてことになるのです。

そもそも、野生の動物は、お尻にうんちなどつけていたら、敵に発見されやすいのでとても危険なのだそうです。

うんちはコロコロでお尻に付かないものがいいらしい。

犬が自分の寝るスペースの周囲に、排泄をしないのはその為だとか。

たしかに、うちのうららもベランダか、洗面所の下のペットシーツの上にします。
決して寝室にはしません。
(でも、なんで散歩のときにしないのかは不明・・。(~_~;))

フレンチブルドッグは皮膚が弱くて、うららも化膿性湿疹でずっと悩まされ来ました。
その為に、抗生剤を種類を変えてけっこう長いこと飲んでいるのです。
人間は、抗生剤を長期に飲めば腸内細菌もやっつけてしまうので、下痢をしたりしますが、犬だってそうなんじゃないかと思いましたが、動物病院の先生は、これはそのせいではありませんとのことでした。

それにしても、我が家の娘になったうらら。
お母さんはとっても心配で、なんだかおろおろしてしまいます。

最近は、私のベットの足元に置いたマットの上に寝ているうららですが、昨夜は寒かったのか朝方私の掛けているタオルケットの上に来て、丸まって寝ていました。
おかげで、私は重いのなんの、しかもタオルケットを半分とられ寒い・・。

それでも、ぐっすり眠るうららを見たら、なんとも可愛くて思わず写真を撮りました。
 

しばらくすると、よたよた起きてきたうららは、今度は座椅子にぐったり。
タオルをかけると、そのままうつらうつら。



なんだか心配です。
朝からエサもほとんど食べず、卵ぼーろをちょっと食べただけ・・。

それでも下痢はとまり、夕方にはいつものうららに戻りました。

うるさいときもあるけれど、手もかかるけど、確かにわんこは可愛いです。

ずっと元気でいてほしいなぁ。
いつまで一緒にいてくれるのかなぁ・・。
そんなことを考えて、いつかは来る別れを考えると、すごく怖くなってしまいました。

在宅の知名度、まだまだだなぁ・・。

2012-09-22 21:13:00 | 訪問看護、緩和ケア
これだけ連携連携騒いでいて、いろんな病院で地域連携会議とかやっていますが、その実、連携を意識しているのは、連携室や相談室だけで、外来の先生たちはほとんど連携なんて理解してくれていないのじゃないかと思います。

慢性期に入リ地域の病院に繋いだり、通院が難しくなって在宅の先生に繋いだりしますが、もう丸投げで「そっちに行ったらもう関係ないからね!」的な先生もいて、キャッチボールができないのに、地域連携なんて言えないじゃないかと思うことがよくあります。

病状が進んで「もう、外来に通院するのがひどく辛い。でも病院とまるきり切れるのは怖い。」
というのは患者さんみんなの思うところです。
<3か月ごとに病院には予約を取って、、間を往診の先生に管理してもらい、必要に応じて検査や入院治療が必要なときに、在宅医と連携を取って診てもらえる。そして、よくなったらまた地域に戻す。>
こういうキャッチボールが成立して初めて地域連携と言えるはずなのに、往診医を希望した途端「はいどうぞ、ごかってに。」「今度来るときは、全くの初診と同じ扱いです。」と言われてしまったりします。

こういう言われ方をすると、患者さんは凍り付いてしまいます。
「まずい、先生を怒らせた。具合が悪くなっても、もう二度とこの病院で診てもらえなくなる。」と慌てて「先生、もうちょっと頑張って通院しますから、見捨てないでください。」とすがりつくような形になって、通院で一番つらい患者さんが我慢をすることになったりまします。

それじゃあ、最後まで見てくれるのかというと、いよいよ長くなって入退院を繰り返すようになると「うちは急性期の病院だから、どこか慢性期の病院に転院してください。」とバッサリ切られたりします。

立場弱いんですよね。患者さんは。

「診て頂いている。」と思っている側と、「診てあげている。」側なんでしょうか?
おかしいですよね。そういう図式ではないはずです。

そうかとおもえば、「この病院ではもう診てあげれないけれど、絶対にホスピスに行った方がいいですよ。すぐにホスピスの入院予約を取りなさい。在宅での看取りなんて、できる状態じゃないです。肝臓が破裂するかもしれませんよ。食道の静脈瘤が破裂するかもしれませんよ。そうなったら、どうします?延命措置をしてもらえませんよ。」と主治医にこんこんと説得されたご家族がいました。
ご本人の最後まで家にいたいという思いとは裏腹に、ご家族は震え上がってしまいます。
しかも、「ロキソニンは肝機能が悪くなるから駄目です。」
「腹水穿刺在宅でできるの?カート?何それ?」

うーん。
ひどすぎる。
連携以前に、緩和ケアを勉強してほしかったりして・・。

ここ数日、そんなやり取りを目の当たりにして、いったいこれはどういうことなのかと、憤懣やるかたない思いでした。

もちろん、全部がそんな先生ばかりではなくて、きちんと患者さんの最後まで考えてくれる先生はいますし、転院するにしても在宅に繋げるにしても、ちゃんと連携の形をとってくれる先生だってたくさんいます。

同じ病院でもこんなに連携に対する意識に格差があるのは何でなのかな?と考えてしまいます。

最近、うちには某大学病院の研修医の先生が一日研修に来ます。
これは、大学の意向ではなくて、研修先の在宅クリニックの院長の考えで始まったことです。

でも、研修医の先生は、とても興味深く同行訪問をしていきます。

地域の訪問看護ステーションの動きを知ってもらう。
訪問看護が何をできるのか、何をしているのか、何を考え何を見ているのか。
たった一日でも、私たちの現場を見てもらうことは、とても意味のあることだと思います。

在宅患者の重症化が進む現在、大がかりな器械が必要なもの以外、ほとんどの医療的な処置を在宅でやっています。
人工呼吸器も腹膜透析も、ドレーンや解放創や感染症。
また反面、精神的な支援は奥が深く、日々の我慢強い対話や、行政を巻き込んでの社会的な支援も多くあります。

何故今在宅なのか、日本という国の抱える近未来の問題が、そこにはあるのだということも知ってほしいと思います。

それには、やっぱり教育なのかなぁ?
医学の勉強も大切だけど、もっと大事なことも教えてほしいと思う今日この頃です。

『長寿社会と延命治療』中島一光先生 続き

2012-09-20 21:41:49 | 訪問看護、緩和ケア
一昨日の続きですが・・・

寿命を延ばすことから、最後の時を自分で選ぶ、死の質を向上させることに人々の関心はシフトしていきます。

もし、家庭の環境や在宅での支援が整えば、自宅で死にたいと思う人の割合が大きく増えていきます。

終末期医療に関する国の指針

・最も重要な原則
 患者本人の意思決定を基本にする。
・医師の独断を避けるため
 医師や看護師、ソーシャルワーカーらで作る「医療・ケアチーム」で対応
・患者の意思が不明なときは、
 家族と話し合い、患者にとって最善の治療方針を取る。

なるほど、これは原則ですね。

「情報共有と合意」
による、終末期の自己決定が提案されたわけです。


近年、胃瘻を巡って喧々諤々いろんな意見がありますよね。
とみに、最近では胃瘻に関して否定的な意見も多いと思います。

でも、こればかりは一概に良い悪いを判断はできませんし、それぞれメリットデメリットがありますから、それこそよく話し合うこと、本人の意思を尊重することが必要になります。
ただ、本人の意思を確認できないケースが多いので、よけい悩むわけです。

日本老年医学会の「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」には、この胃瘻、経管栄養に関するフローチャートがダウンロードできるようになっているそうです。

とはいえ、その人の生きてきた過程や、健常時のものの考え方などを、家族とともに推測したり振り返ったりしながら、医療者を交えて考えていけば、その方向は決まってくると思います。
なんかこう、素直に考えて家族ならわかることってあるんじゃないかな・・と思ったりして。

そしてリビングウィル。
日本尊厳死協会の「尊厳死の宣言書」
・延命の措置をは断る。
・苦痛を取る処置はできるだけしてほしい。
米国の「事前指示書」は、さらに進んでいるようです。
・延命治療について選択としての意思表示
・意識がなくなった後の代理人の指名
Advance Care Planning

アメリカのaging with dignityの五つの願いというものがあります。

願い1から5まであります。
アメリカでは州によって法律が違いますから、適応されるかどうかも書いてあります。
ただ、日本においても意思表示としては活用できるのではないでしょうか。

日本では、いくら元気なときに本人が延命措置をいやだと言っていても、いざとなると「これをしなければ確実に死にます。」と言われれば、「お願いします。」と言ってしまう家族が多いと思います。(もちろん、これは誰も責められませんが。)
けれどその延長には、人工呼吸器をつけられ、チューブに繋がれた家族を前に、「これでよかったのだろうか?」「ごめんね。」そんな思いにさいなまれるご家族が多いのも事実です。

このあと、実際にNIPPV の装着を最後まで拒否し続けた患者さんと、無理やりマスクをつけることを強要した夫、その間で苦悩した医療者の事例を検討しました。

実際、NIPPV装着に関してずっと悩みながら対応している私たちとしては、どんな答えが出るか期待しましたが、やはりこれだという答えは出ませんでした。
そんなに簡単に割り切れるわけはなく、これはずっと私たちのテーマになっていくのでしょうね。

そんな感じで、改めて延命やその尊厳がどこにあるか、などを考えさせられた講演でありました。

『長寿社会と延命治療』中島一光先生

2012-09-18 23:30:06 | 訪問看護、緩和ケア
今日の「めぐみ在宅クリニック在宅緩和ケア研究会」は、元国立長寿研究センター緩和ケア診療部長の中島一光先生の講演でした。

先生は、緩和ケア部長としてEOLチーム(END OF LIFE )を立ち上げ長寿医療センターでご活躍でしたが、病院の方針との考え方の違いから退職され、現在1ヶ月ずつ在宅の現場を研修として見て回られている先生です。
きっと、数年先には国の在宅緩和ケアに、新たな光を投じてくださるのではないかと思うような、楽しくて未来を見ている先生でした。
今日のテーマは『長寿社会と延命治療』

先日の和田先生もそうですが、講義の上手い先生は話が本当に面白おかしい。

写真やビデオも上手く構成されていて、今日も楽しく聞きました。

最初は何故か浦島太郎伝説のルーツから始まり、ツルや亀の寿命の話へと進みます。

ちなみに、アルダブラゾウガメは250歳で生存中だとか。
チンパンジーは、人間に一番近いDNAを持っていますが、野生のチンパンジーの平均寿命は15歳だそうです。最高記録は63歳ですが、40歳以上生きるのは全体の7%だけ。
そして、13歳くらいから子供を産み始め、40歳を超えても繁殖し、死ぬまで子供を産み続けるのだそうです。

というわけで、「閉経後の老年期」があるのは人間の女性だけ・・。

これは<自分の孫の世代の世話をするために、こうした時期が人間で進化してきたのだと考えられる>そうです。(京都大学霊長類研究所)

そういうことの一つ一つに意味があるなんて、考えてもみませんでした。

人の長寿記録はフランスの女性で122歳だとか。
現在の長寿世界最高齢はアメリカの女性で116歳、男性では日本人の木村次郎右衛門さん115歳。
日本の平均寿命は83歳で世界一です。

小田信長の時代は『人生五十年』だったわけで、1,880年は男36歳女38歳という短さでした。
でもこれは、乳幼児はじめ子供の死亡率が高かったためだとか。
現在は、長寿をこれ以上延ばすより、質を問題にするような議論が目立つようになったと中島先生。
そして、死の権利協会やら、死の臨床研究会やらいろんな死にまつわる研究が盛んにおこなわれるようになったわけです。


というわけで、今日はここまでにします。

週末から、実は酷い肩こりと腰痛で、頭が痛いし、ボーっとするしでへろへろだったのですが、我がステーションの救世主であるナースK.Sが、その後たっぷり施術してくれたのです。
おかげで右の肩甲骨の下の針金が入っているような痛みと、肩から首の岩のような筋肉がほぐれ、頭に血が通うようになりました。

なので、今日はこれ以上PCに向かい続けるのはやめにします。

外はおりしも稲光と地響きするような雷鳴です。
なんだか、天候も不安定ですね。
全くいろんなことがって、ほんとうに疲れる毎日ですが、とにかく生きていかなきゃならないので、睡眠だけは確保しないとね。

「疥癬」の、それは楽しい勉強会その2

2012-09-15 21:43:55 | 訪問看護、緩和ケア
疥癬のお話の続きです。

日本に疥癬が入ってきたのは、性病としてだったそうです。
今でも、その何割かは性感染によるらしいのですが、私たちはもっぱら老人の疥癬が相手です。

疥癬の原因は「ヒゼンダニ」です。

0.4㎜という小ささですが、ものすごーく目がよければ、肉眼でも見えるようです。

講師の和田先生が面白いスライドを見せてくれました。

10円玉のアップがスライドで映し出されました。
<この中にヒゼンダニがいるよ。わかるかな?>というもので、私はわかりました!

10円玉に描かれている平等院鳳凰堂の、屋根の上にある鳳凰の屋根飾りのお腹の横に、やつはちょこんといました。

 屋根飾りの鳳凰のお腹って見えますか?(ここには、いませんよ。)

そのお腹の横に、先生はわざわざダニを置いて写真を撮ったわけで、凝ってますね~

さらにメロンパンとタケノコの里で、模型まで作っていましたから頭が下がります。

何が言いたいかというと、ヒゼンダニのお腹は白っぽく半透明で丸いのですが、頭と前足は黒いのでそれを目印に見つけようということです。

ちなみに、ヒゼンダニは蜘蛛やサソリの仲間だそうで、足が8本あります。
あんなものが、肉眼ではっきり見えるほど大きかったら、怖いですねー。

皮膚科の先生は、ダーモスコープという光源付のレンズで皮膚に顔をくっつけるように診ていくわけです。
和田先生曰く、しっかり光を当てれば、100均のルーペでも何とか見えるかも・・と言っていました。

ダニは、皮膚に取りつくとしばらく皮膚の上を移動します。
和田先生の皮膚を移動するダニは、かなりのスピードで移動していました。

でも、皮膚に潜り込むとその動きは急に遅くなります。
一日に数ミリいくかいかないか・・
でも確実にダニは皮下にトンネルを掘りながら進んでいきます。

疥癬トンネルと言っても、よーくみないとトンネル自体見つかりません。
トンネル自体、指紋と同じくらいの大きさです。
でも、好発部位をよく見るとチョロット白い線がみつかります。
皮膚は、古い方から落屑しますから、皮膚がボロッとしている方が入り口です。
なので、入り口からたどってトンネルの先端を見て、皮膚を透かしてものすごーく小さい黒い点があれば、それがダニの頭ということになります。

一番の好発部位は手のひら。
特に小指側の指間、手相の線に沿ったところや、手首の内側の筋のあたりを、ルーペ等でよく見ると疥癬トンネルを見つけられます。
また、男性の場合は陰部に結節を見ることが多く、陰部の結節の上に疥癬トンネルが診られるので、とにかく観察が重要ですね。

疥癬を疑う動機として
1.強いかゆみ
2.疥癬患者との接触
3.ステロイドが効かない
ということで、難治性の湿疹があったら、その辺の背景を確かめた方がいいですね。

また、全身にひどい発疹があっても、ダニが見つからないことがよくあります。

和田先生のスライドには、ダニが一度入った後でアレルギー反応が起こって水泡になったり、強い炎症が起こる過程が撮影されていました。

そして、このダニのすみかの後は、ダニが死滅しても瘢痕として残り、数年たっても強いかゆみが残ったりするといいます。
和田先生も7年たった今でも痒いと言っていました。

最後に治療です。
日本ではイメルベクチンの内服が主流です。
まず、診断したらすぐ1回目の投与、1週間後に2回目の投与を行います。
その後は継時的に皮膚の確認をしながら繰り返し診察をすることが必要だそうです。

また、外用としては硫黄製剤、オイラックス、安息香酸ベンジルを使用します。
γーBHCは現在は使えなくなってしまいましたが、在庫で残っているものを使ったりもします。

あとは、拡大の経路を追って、感染した人がいないかを確認し、なるべく早く治療を行い拡大を抑えることです。
患者さんからスタッフ、スタッフから家族やほかの患者さん、その家族から孫、孫から保育園・・・そんな爆発的な大流行にならないよう、最初の発見者になれればいいなと思います。

ちなみに、米国はじめ先進国はベルメトリンという薬がとっくに使われていて、これは安全で効果が大きく、妊産婦にも使えるそうです。
日本で認可がおりるのは、残念ながらまだ先のようです。

ということで、これからが疥癬の旬です。

注意一秒怪我一生。
この湿疹にピンときたら皮膚科まで。

「疥癬」の、それは楽しい勉強会その1

2012-09-14 22:54:56 | 訪問看護、緩和ケア
昨夜は横浜で、神奈川県皮膚科医会在宅医療勉強会主催の「疥癬」のお勉強会に行ってきました。
皮膚科医会の先生方のショートプレゼンテーションの後、今回の「疥癬の診断と治療」と言う講演がありました。

赤穂市民病院の皮膚科医長である和田 康夫先生の講演です。

これが、本当に面白かったんです。
疥癬の講義がこんなに面白くていいのか、という感じですね。

和田先生は、温厚そうな優しいおじさんと言う感じの先生で、自虐ネタを入れつつスライドも動画を多くして、一時も飽きさせることなく話を進めていきました。

先生がなぜ疥癬を研究するに至ったか。
それは、赤穂市民病院内での疥癬の集団感染から始まったのだそうです。

たった一人の疥癬の患者さんを、誰も気がつかなかったために、角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の悪化とともに、1ヶ月後には職員、入院患者、その家族などとんでもない拡大をもたらしてしまったのだそうです。

さいわい、近年イメルベクチンと言う特効薬が出来たため、何度も再検をしながら1カ月以上かかって終息したそうです。
既に退院している患者さんにも、検査の要請の手紙を出し、治療もすべて無料で行ったというので、その損害はとんでもないものだったのでしょう。

がその間、めげることなく和田先生は「疥癬」の生態を研究し、驚くべきはご自分の手に肥前ダニを這わせ、その動くさまや移動の速度を計測し、やがて自分の中指の第二関節付近にもぐりこむのも記録しました。

そして、肥前ダニが疥癬トンネルを掘り、移動し、産卵したところで一度注射針で掘り起こし、虫体と卵を確認、さらに1ヶ月の間ダニを自分の体で飼い続けたのです。

おかげで、ピンポイントでものすごくーく鮮明な肥前ダニの生体が撮影されたのです。
これって、誰でも出来ることではありませんよね。
以前、どこかの大学の寄生虫学の教授が、サナダ虫の卵を自分で飲みこんで、生まれたサナダ虫に名前をつけて飼っていた先生がいましたね。

本当の研究者って、こういう人なんだなぁ・・と感動しました。

とまあ、このへんから生態などの本題に入って行くわけです。
ちなみに推定で年間10万人から20万人と言われる疥癬ですが、なんと旬は秋だそうで、そろそろそういう季節になってきましたね。

というわけで、本題は明日に持ち越しです。

明日まで、疥癬の画像でもご覧ください。

Pressn Seal その後・・

2012-09-13 23:08:26 | 訪問看護、緩和ケア
その後、何回か試しました。

結局、そのまま貼っただけでは、そのうち浸みてしまうことが分かりました。
なのでシールを貼った四隅を、やはり優肌絆とかプラスティックテープとかで密封する必要があるようです。

そうすれば、かなりの防水効果は期待できるようですが、実際はまだ試していません。

そんなことをしているうちに、絆創膏が早めに届いて間に合ったので、高齢の奥さんを混乱させるリスクもあって、これを使うことは断念しました。

でも、違う形でどこかで試したいと思います。

ところで今夜は、毎年恒例の神奈川県皮膚科医会在宅医療勉強会がありました。

テーマは疥癬」

皮膚科の先生も頭を悩ませるし、在宅ではどの事業所も恐れおののく厄介ものです。
去年はうちのステーションの患者さんにも、ノルウェー疥癬が出て、そりゃあ往生しましたわ。
この感染力の強さは半端じゃりませんから・・。

なので希望者も多く、スタッフ6人での参加をお願いしました。

そして今回の講師、めっちゃ講演が上手、というか話が面白くて、会場はみんな釘ずけでした。

スライドも、誰もが飽きることなく、みんなの興味を集めて、なおかつ内容がとても濃いものでした。

すぐにでも書き込みしたいけれど、今からじゃあとても無理なので、内容に関しては、明日にでもゆっくり整理してお伝えしたいと思います。

今日は、そんなわけで帰りが遅かったので、今夜はこれでおやすみなさいです。

Pressn Sealで、創の防水ができるか?

2012-09-11 22:06:16 | 訪問看護、緩和ケア
解放創の患者さんの管理で、一番気を使うのはやはり感染ですよね。

特に、膿胸の手術後の解放創は、肺に直結しているのですごく気を使います。
うまくいけば全体に上皮化して、背中の一部がぺこりとへこんではいても、日常生活には何の問題もないのですが、中にはどうしても肉芽が盛り上がらずに、気管の断端が露出していたり、肺の動きまで見える場合もあります。

そういう場合は、気管に水が入ってしまったり、感染のもとになってしまうため、シャワー浴時は完全防水にしなくてはなりません。

処置した部分をペットシーツなどで覆い、そのうえにビニールをかぶせ、周囲をブレンダーテープ50mm(防水テープ)でシールドしてシャワー浴をされていますが、ブレンダーテープがのこり少ない状況で退院され、注文したものが来るまで1週間くらいかかるというので、困ってしまいました。

毎日のシャワーは患者さんの楽しみです。

テープがないだけで、この暑さの中シャワーを浴びれないなんて、せっかく退院したのに悲しすぎます。

ほかに代用できるものは・・

フィルム材を真っ先に考えましたが、1辺が縦30センチ。横20センチを細長く止めていくのはすごく大変です。しかも、コストがかかりすぎます。

不織布の優肌絆、プラスティックのサージカルテープは、ためしてみましたが、、すぐにはがれたり水が入ったりします。
布絆じゃお肌に悪いし、さてどうしたものかと思案していたら、事務のOさんが「これ、使えない?」と出してきたのがこれです。

   

これは、私が先日コストコで3本1080円科なんかで買ってきて、便利なのでステーションに一本置いておいたものです。

GLADのPressn Seal

ほお!
確かに使える可能性が・・。

腕にティッシュをおいて、その上からピタッとはってみました。
そして、水道でジャージャー流すこと1分。
全く中は濡れていません。

「いいかも!」

何人かで、腕に貼ってみましたが、しばらくすると腕を動かすたびに端が捲れてきます。

でも、シャワー浴の間だけ、しかもあまり動きのない背中です。
まだあきらめるには早いですね。

で、夜私が貼ってシャワーで実際石鹸とかを使って大丈夫か試すことになりました。

夜、実際やってみました。

恥ずかしながら私の太ももです。

        

ピタッときれいに貼れました。

腕は、自分で貼ったらすでにしわしわ。
こりゃだめですね。
人にちゃんと貼ってもらうか、腕などは1週ぐるりとまわしちゃえばいいかもしれません。

結果です。

まず、時間を置きすぎると、中に汗をあきてしまい密着力が下がる。

座って、真上からシャワーをかける時は全く問題なくぴんと張った状態で防水ができる。

でも、たって肌を伝ってシャワーがかかると、浸水してしまう。



つまり、接着剤を使用していない、プラスティックの立体構造により吸着するシートなので、毛細管現象が起こっちゃうんじゃないかと思うのです。
皮膚の緊張状態から、立ち上がって弛緩したために、毛細管現象が起こった??


でも、あきらめませんよ、まだまだ。

1本43.4mもあって400円弱。
うまく使えれば、他にも在宅医療で応用できるかもしれません。

頭の方向から水が流れるのであれば、上の方だけ不織布の絆創膏で止めてから入ってみたいと思います。

そんなわけで、続きはまた明日です。


my book

2012-09-09 23:15:52 | 日々のあれこれ
2008年の9月30日にブログを始めてから、間もなく4年もたつのだと気が付きました。

gooブログの書籍化サービス(有料だけど)を使って、自分のブログを日記として書籍化してきました。
今年に入って、いろいろなことがあって、ずっとほったらかしだったので、そろそろVOL.10を作ろうと思い、いつが最後だったかな・・と思って、VOL.9を引っ張り出してみました。
2011.08.11~2011.12.20と書いてあります。

そうか・・。
おもえば、この間は私と私の家族にとって、何もかもがひっくり返るような長い、長い苦しみと隣り合わせの時間でもありました。

その苦しみの兆しは、ちょうど去年の今頃だったのです。

そして、去年の12月10日の記事は、私にとってあまりにも悲しい、苦しい思いの凝縮でもありました。

長い、暗いトンネルの入り口だったのだと思います。

まさか、トンネルがこんなに長いものだとは、夢にも思っていませんでした。

その間も、仕事や家事や、大学の事、引き受けていた役員や、地域の仕事などを抱えつつ、何度も突き落とされるような出来事がありました。

でも、私も私の家族も今もこうして、ここで精いっぱい生きています。

まさか自分に降りかかるとは思えない苦しみに遭遇するとき、私たちはパニックになります。

どうしたいいかわからず、右往左往して、泣いたりわめいたり、誰かに助けてほしくて、何かにすがりたくて、そうして七転八倒するうちに、なぜかその現実に順応していくようです。

これが「受け止める。」もしくは「受け入れる。」と言うことなのかもしれません。

まさかと思う出来事は、病気であったり、事故であったり、裏切りであったり、人それぞれ違うのでしょうが、そこに向き合うしかない現実に対して、人は強くなっていくのですね。

物事の受け止め方も、人に対するキャパも、苦しみそのものの意味合いも、私には大きく変わってきました。
私は、自分のことを「優しい。」と思っていました。
でも今思えばそれは、小さい私の価値観の中でだけだったように思えます。

こうして、過ぎて行った過去の苦しみを思うとき、私はそれを許す、事実として受け入れるゆとりができてきたと思います。

そして、まだ続くであろうトンネルのずっと先に、わずかな光がちらちらと見え隠れするのを、冷静に見ています。

苦しみは人を大きく、豊かにもしてくれるのだと信じたい。

たとえ死の宣告を受けても、たとえわが子の障害を宣告されても、たとえ誰かに裏切られても、その先にはきっと未来がある。

このブログが、いつまで続けられるかわからないけど、いつの日か晴れ晴れとして、トンネル脱出の記事をかける日が来ることを信じて、VOL.10を発注します。

頑張って。

2012-09-08 12:39:13 | 訪問看護、緩和ケア
昨日の夕方、16時を回ったころですが、学童保育の子育て仲間だった知人から電話がありました。
本当に久しぶりの知人だったのでびっくりしましたが、なんだかとてもひっ迫しているようでした。

なんでも、友人のお父さんが在宅での闘病中で急激に悪くなり、今さっき往診の先生に数日の予後宣告をされてしまったというものでした。

ケアマネは以前いましたが、あれこれといろんなものを進めてくるので、うるさくなってやめてしまったとか・・。

(こういう話は、本当によく聞きます・・。
良かれと思って情報提供しても、ただの押し売りととられてしまうこともあり、中には本当に不要なものをレンタルさせたがる人もいて、人対人のやり取りって本当に難しいものです。)

昨日まで歩けていたのでベットもなく、何とか今日これからケアマネと訪問看護をお願いできないかというものでした。

しかし・・
週末のこの時間。
うちのケアマネは、ごたごたしているご利用者さんお家に行って当分帰りません。
区役所もしまっちゃいます。

うちのステーションもさすがに満杯の状況。
しかも、今日か明日科という患者さんを抱えています。

週末は、私も動きが取れないので、今からの調整はちょっと難しい・・。

で、とにかく今日中にベットを入れてほしいというので、即日納入できる事業所に連絡して、自費ベット(1500円/1モータ)を入れてもらいました。

電話をかけてきた友人は、実はもと他区で長いこと訪問看護師をやっていた人です。
しかも、聞けば患者さんの娘は、看護学校の同級生だとか・・。

なので、「あとは、二人で頑張って見送ってあげてね。物品などはわけてあげれるから、頑張って!」と電話をしました。
自分たちもその気になっていたとかで「何とか二人で頑張ります!」とのお返事でした。

しっかり者のお母さんで、訪問看護師としてもばっちりの彼女ですから、きっといいお看取りをしてくれると思います。

でも・・
時々あるんですよね。
こういう急なご依頼が・・。

私が動ければ、なんとかお受けしますが、やっぱりどうにもならない時もあります。
そういう時は、区内のステーションにお願いするしかないですね。
きっとどこかで受けてくれると思います。

それにしても、終末期の方のケアプランを、どうにかしてほしいなと思います。
ケアマネにとって、最初の書類をきちんとそろえるのは大変な作業です。
細かい情報を収集して、アセスメントして、プランを立てて、サービスを導入して、その都度立ち会ったり細かい調整をしたり・・。
残された時間がなければなおのこと、そのスピードと予測能力で仕事を片付けていかなければ、最後の時間を有効に使うことはできません。

お風呂に入りたかったのに、調整がグズグズで入れなかったとか、ひどいと申請しても調査が来なくて介護保険を使えなかった、なんてことにもなりかねません。

ターミナルの患者さんの申請を急きょしたときは、残された時間を予測して、区役所にむりくりお願いして、当日に調査に入ってもらったりもします。

そのタイミングや、今このご家族が何を必要とし、なにが不要なのかを瞬時に把握して、最低限度必要な情報から提供しないと、ただのうっとうしい人になっちゃったりします。

なので、時間のないターミナルの患者さんのケアマネを受けるというのは、実は慣れていないととても難しかったりするのです。

しかも、契約した翌日にお別れ、なんてこともしばしばで、情報収集もできないまま、膨大な書類がのこってしまいます。

でも、ぎりぎりは何でも大変です。
せめて往診に行ったときに、早めに情報提供してあげてほしいのだけれど、なかにはうまく繋がらないこともあるので、こればっかりはしょうがないのでしょうね。

なんだろう、これ?

2012-09-06 23:24:46 | 訪問看護、緩和ケア
今日、ステーション当てにずっしりと重い封書が、神奈川県から届きました。

「なんだろ、これ?」
開けてみると中からこんなチラシみたいなものが、200枚くらいかな?出てきました。



「神奈川感動介護大賞実行委員会」ってところが、企業と協賛して、介護のイメージアップを図るという趣旨だと書いてあります。

で、これはなにかというと、介護をされている人たちが、介護を受けた時に有難かった人に「ありがとう。」の気持ちを書いて送ろう!という用紙なのだそうです。

で、この紙を複数もらった人は、申請すると「ありがとうバッチ」というものが貰えるらしい・・。(-_-;)

・・って、事業所に送られても困ります。
うちの利用者に配っても「うちのスタッフに書いてください。」と強要しているみたいで、とてもじゃないけど配れません。

まして、私は「ありがとうバッチをたくさんもらいました。」ってバッチつけて訪問なんて、とてもじゃないけど、こっぱずかしくて行けません。
しかも、バッチの授賞式を映像で残したりもするらしい・・。(~_~;)

もし、この紙を配るとしたら、区役所とか病院とか、町内会とか、公共の場所で配らないと、おかしなことになってしまうんじゃないでしょうか?

しかも、この用紙すごく上質の紙でできてます。
両面印刷で、裏にはありがとうの言葉を書くメモ欄もあります。
コスト、かなりかかっているんでしょうね・・・。
(どうすればいいんでしょうか、この用紙・・。)

そして、介護に関するエッセイや写真なども募集していて、コンテストをするのだそうです。
なるほど・・。
趣旨はわかったものの、なぜ用紙がこんなに山盛り介護を提供する側に届いたのか、すごく疑問です。

なんていうか、いつも患者さんからは「ありがとう。」をいただいているので、私たちの胸には見えない勲章がいっぱいです。

介護のイメージアップかぁ・・。
なんかこう、もっと効果的な企画はないものでしょうかね・・。


いや、でも日々この企画を成功させようと頑張っている方に失礼ですね。

でも、送る先はサービスを受ける側にした方がいいですって。ほんと。

ケアマネさん

2012-09-05 22:37:33 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護は、ケアマネさんとの連携がとても重要です。

たとえ、医療保険での訪問看護であっても、ケアマネさんがいる場合は、全体のコーディネートをするケアマネさんとの連携は欠かせません。

当然、いつも連携しているケアマネさんが一番やりやすいわけですが・・。
そんなことは言っていられず、誰とでも連携できなければ、患者さんに迷惑がかかってしまいます。

ですから、今まで組んだことのないケアマネさんと初めて組む時は、どんな人だろうかとちょっと心配になったりもします。

ケアマネさんと言っても、ケアプラザの人から、一人でやっている一匹狼の人から、大手のグループ企業の人までいますす。
一緒にやっていて困るのは、遠いところのケアマネさんでしょうか。

横浜市内でも、何区もまたいだところのケアマネさんで、何かあってもすぐに動けない。
フットワークが悪くなるので、いざという時にかなりイライラさせられます。

しかも、この地域ならではのインフォーマルな情報なども少ないですし、行政サイドとの顔繋ぎもいまいちになります。

はじめてケアマネさんをお願いするときに、これだけはいえますが、絶対に地域のケアマネさんをお願いするべきだと思います。
おおいのは、「親戚の知り合いのケアマネだから、」とか「娘の友人だから」とか、「だれそれさんの顔を立てなきゃ。」という理由です。

でも、介護は地域で支えるものです。

その地域の情報をたくさん持っていて、その地域で顔が効いて、フットワークの良い、話をよく聞いてくれるケアマネさんをお願いするのが一番です。

じゃあそれは誰なの?と言われれば、とりあえずは区役所の窓口やケアプラザで地域のケアマネの一覧表がありますから、参考にしてほしいと思います。

医療ニードが高い方で、初めから訪問看護などを使う場合は、訪問看護ステーションや病院の連携室から紹介してもらうのもいいとおもいます。

で、今日の新患さんも初めてのケアマネさんでした。

今日は隣接する隣の区の患者さんだったため、馴染みのないケアマネさんです。
電話では、とても明るく積極的な感じで、とってもフレンドリー。

今日も現場でドッキングかな?と思っていたら、残念ながら初回訪問でお会いすることはできませんでした。

ただ・・

ベットで30度のギャッチアップをして、足も上がったまま休まれている患者さん。
ケアの時にベットをフラットにして、体位交換をしていたら娘さんがこんなことを言いました。
「あの・・。私たちも体動かしていいんですか?」と。
「?もちろんですよ。ずっと同じ格好はつらいし、ほら、お尻に床ずれもできかけてますから
動かしてあげてくださいね。ご本人の楽な姿勢にしてあげていいですよ。」
「実は、昨日ベットを入れてもらったとき、この姿勢にして『絶対この姿勢にしておいてくださいね。体を絶対に動かさないでください』って言われたんです。」

???

いったい何の意味があって、絶対体を動かしてはいけないのだろう???

「大丈夫ですから、ご本人が辛くないように、いい位置にしてあげてくださいね。身体のためにも、体位交換は必要ですよ。」
「ですよね~。」と娘さん達。

「ケアのあと、乾燥されているので保湿剤も用意していただけるといいのですが。」と話すと「ほら!!また違う。」と娘さん二人。
「昨日、ガサガサだから保湿クリーム塗っていいですか?って聞いたら、入浴できるまで塗っちゃダメって言われたんです。」と。

????

「入浴できるかどうかも分からないし、体拭いた後に刺激のない保湿クリームを塗ってあげると、粉が吹くこともないし、肌をいい状態に保てますから、どうぞ塗ってくださいね。」とお伝えしました。

ただ、なぜだめなのかその意図はいまだ不明です。

なんか、不思議なケアマネさんだなと思いつつ、こんな意見が分かれちゃうと、患者さんのご家族の不信感を招いてしまうな・・と思ったりして、ちょっと困っています。


話はか割りますが、昨日は産休に入ったスタッフが報告書を書きに来るというので、お昼におでん食べ放題をやることになりました。
前日、セブンイレブンでセール中のおでんだねを大量購入。
それを大鍋に二つ用意しました。
みんなには「おにぎりだけ勝っておいで。』と言っていたので、みなおにぎり片手に何度もお代りをしていました。
さらに、ケーキも食べてのお腹いっぱいランチとなりました。

「おいしい~」でお腹が満たされると、みんな元気になりますよね。