4月11日~15日、日本看護協会の災害支援ナースとして福島県に行ってきました。
先日の横浜市訪問看護連絡協議会の臨時勉強会で体験を報告させていただくことになっていましたので、それを終えてからと思いブログでの報告が遅くなりました。
私が派遣されたのは福島県の郡山市の北にある村の、村営温泉宿泊施設を開放している避難所でした。約130名の入所者の多くは原発20㎞圏内から、指示により町民全体での避難を余儀なくされている方々です。
その避難所で4日間、私を含め3人のナースで活動しました。私以外のナースは、救命センターと外来に勤務している方で在宅の経験はありません。急性期の患者さんの治療の支援という災害支援のイメージをもっていらしています。しかし私たちが行った避難所は、仮にとはいえ避難されている方々の生活の場です。到着した彼女たちの第一声は「ここで私たちは何をするの?」でした。
在宅をやっている私にとっては、伺った避難所のようなところはホームグランドといったことろです。「まずは看護師が来ましたよ、お身体のお加減はいかがですか?お話聞かせて下さい、ってことでラウンドしよう!」と張り切る私
に、戸惑う2人のナース
…
「じゃあどんな感じかついてくる?」と尋ねると「うんうん
」と二つ返事をくれる素直な2人とともに活動を開始しました。
不安を抱え我慢しながら生活している避難者の方々は、
「ゆっくり話を聞いてもらえてありがたい」
「被災後はじめて地震の時の話をしました。話せてよかった。」
「子供の様子が心配なんです。大丈夫でしょうか?相談する人がいなくて…」
「家では農業をしていて、○○を育てていたよ。採れたては旨いんだから。」
等々、色々なお話しをして下さいました。時間がまったく足りませんでした。
こうして行った情報収集から、個々の相談者にその都度個別指導しつつ、避難所全体としての健康問題に対して集団指導する必要性も感じ、2日目以降は個別相談と集団指導の両方を行いました。
活動の詳細は、私の事業所のHPで少しずつ報告しようと思います。
(URLです http://www.bear-olive.co.jp ベア・オリーブで検索して下さい)
避難所の皆さんは、過度のストレス状態の持続により、脳梗塞、心筋梗塞、エコノミークラス症候群などのいわゆる「震災関連死」のハイリスク状態にあります。
薬だけでなく生活を整えることが必要です。すぐに避難生活を解消できるわけではないので、現状でできることを提案し、一緒に実践し、慰め、励まし、歩む役割の人が必要です。それをできるのは看護職です。看護職の中でも訪問看護師のスキルが必要です。
一緒に活動したナース2人も、看護にはこんな力や役割もあるんだと感じたと話してくれました。活動が終わる頃には2人も、避難所の多くの方に慕われ相談を受けるようになっていました。さすが臨床家です
この先しばらく続くであろうこの状況に、訪問看護師の力で貢献する仕組みを考えることができないでしょうか。一緒に早急に考えたいことです。
ところで
先日の横浜市の協議会で行った勉強会を真似して、5月に青葉区でもスタッフやケアマネさん、ヘルパーさんなどを対象に研修を行う事になりました
皆さんの地域でもいかがですか?
副会長でした