鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ファントム ルーラー

2017-04-10 08:42:52 | フリーゲーム(ファンタジー)
「ファントム ルーラー」
ファンタジーRPG・ちょっとホラー風味
制作者:KOU様(公式サイト

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世界の大半が闇に沈んでしまい、たった一つの大陸…三つの国だけが残る世界。
「呪いの夜」と呼ばれる現象はあるものの、なんとか人々は平和に暮らしていた。
そんな3国の一つ、リヴィアス王国の第三王女アーネスティンは、ある「呪いの夜」の日、城に侵入してきた謎の男に誘拐されてしまう。

ほぼ城から出してもらえず、何も知る必要のない生活を送ってきたアーネ。
だが、誘拐犯の男…レヴィンスとともに過ごし、この世界が闇に浸食されている実情や、国同士の思惑、人々の悩み・苦しみに触れていくうち、自分に何ができるのかを考え始める。



普段、時間がかかりそうなRPGはあまりプレイしないんですが、DLサイトや紹介サイトのレビューが多く、内容も↑↓が激しかったため、ついつい気になってDLしてしまいました。
結果を言えば、面白かったです。プレイして損はなかった!

何がすごいって、とにかくフラグ管理が緻密!
話が進むたびに、他の村の人々の話も全部変わってたり、プレイヤーの選択した状況に応じて、聞ける話が変わったり、状況が変わったり。
メインシナリオはほぼ一本道なので、それでエンド分岐するってことは無いんですが、フリーでこの作りの細かさは恐ろしいレベル。

初回バージョンではいろいろ問題が出ていたようですが(このボリュームでこれだけ細かいフラグ管理やってれば多少のバグは仕方ないとは思う;)私のプレイしたVerは2.6。
すでに多くのバグ潰しがなされ、二周目以降引継ぎプレイもできるようになっており、快適にプレイできるようになっていました。

ただ、数々のレビューでも触れられているように、海底神殿の町を越えてからのやっつけ感が…;
そこまでは最高に緻密でいい仕事してるだけに、落差を強く感じてしまうのですよね。
ペン入れベタトーンをしっかりした原稿の次のページがいきなりコンテラフになってるような違和感;
プレイして初めて、レビューでみんな言ってたのはこれだったか!と納得してしまった。

製作にかなりの時間をかけてらっしゃったようなので、さすがにもう暖めていられなかったのでしょうが、ちょっともったいなかったっすね…
とはいえ、ここを逃したら確実にエターナる!というタイミングは確かにあると思うので。
どんな急ぎ足であれ、きちんと物語をエンディングまで導いて公開してくれたことは、十分に評価されていいんじゃないかと?


シナリオ面は、糖度抜き。どちらかといえば百合百合しい?感じのRPG。
全体に、女性キャラのほうが人数多くて強いシナリオなんですよ。
男性キャラは確かにいるんですけど…初恋相手の騎士は全く主人公を相手にしてなかったり、一緒に冒険する誘拐犯は他に彼女がいたりで…
(この彼女がまた性格良くて、とてもじゃないが略奪は考えられないっすよ)

どちらかというと、幼いころから一緒にいる護衛の騎士(女)とか、親友のトレジャーハンター(女)とか、隣の国の軍人(女)とか、そのあたりのほうが、ずっと主人公に近くて強い絆を感じるエピソードが多いんですよね。
個人的にはレーナよりミィネが好きだな!
属性的にも光と闇だし、バースト時の姿も羽根付きでおっそになるし。

個人的に気になった脇キャラはミルワード叔父様とホッブス副官。あとトリシアとセーファスも。
ミル叔父様は、最初出てきたとき、絶対悪役だと思いました。顔で判断してすいません。
ホッブスは…すごく普通の人。周囲が人外…英雄レベルの人ばかりなため、小心で情けなく見えますが…普通なりに、自分のできる限りのことを考えて、きちんと全うしてくれました。魅力的な脇役だったと思います。
トリシアのキャラは強烈でしたね…
ニーベルで思い切り罵られたときは、そこまで言わんでも…とこっちが泣きそうになりましたわ。
最初に会った時のリネットの口汚さといい、後半のレーナといい…性格のきっつい女子多いっす。
そして、いろんな意味でクズっぽい雰囲気だったセーファス。
王女の護衛になんで固執したんだかわかりませんが、交換条件を満たせなかったという理由で契約をチャラにしてしまうあたり、芯から悪人でもなかったのかな…と思ったんですけど。
哀しいことに、それを確かめる時間はありませんでしたね…

物議を醸した?ホラー展開については、個人的には騒ぐほどではないと…思うけど?
ん…確かに、死体のマップチップやグラフィックは出来がいい…まあ、死体に限らず、ドットキャラ全般がとても精密に作ってあるので、細かい動きとか「おぉ…」と感心してしまうレベルなんだよねん。
ホラー苦手さんにはそこが徒になってしまったのかな?

ただ、フリゲはホラー要素があるほうが俄然DL数も伸びるし話題にもなるので、むしろこれ、総合的にはプラスに働くんじゃないかと思うなぁ。
私が興味を惹かれたのも「思ったよりホラー要素強い!」という感想を見たからだし。

戦闘システムは、私難易度ノーマルでプレイしたので…あんまり語れないですね。
ノーマルだと、魔法の属性にそれほど気を使わなくてもなんとかなるんですよ。
光と闇があればまあ、他はどうでも…レベルカンストした二周目以降は、バースト使わなくても大体のボス倒せちゃいますんでね。
しかし、だからこそ周回が苦にならないともいえるわけでして…次こそスイートルームでミィネとイチャイチャしようっと。



制作者さんはバグの修正や追加要素など、公開後も精力的にバージョンアップされていらっしゃるので、もしかしたら後半の自由度ゼロなあたりもそのうち整えられてくるのかな…?
最終的にどのような形に落ち着くのか、更新が楽しみなゲームです。

興味のある方はぜひどうぞ^^






後半入るまで、グライアは絶対にハエ使いのあいつだと思ってた。
暗視組はなんとなくシン・セプティアを彷彿とさせるキャラ作りな気がする…



2 コメント

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Unknown (きゅあ)
2017-04-11 20:44:58
普段からレビューを拝見していますが今回は少しだけコメントしてみます。
文面からして夢幻に書いたレビューを見て頂けたみたいで嬉しいです。

ホラーに関しては普段ホラーをやらない身としては色々厳しかったですね…。
作者の関心事ややりたいことが完全にダークやホラーに全振りなので、
そこが苦手だとどうしても面白いところがなくなってしまうのもあったと思います。
ただそれとは別にRPGにもホラーがあった方が人気が出るのはそう思いますし、
良くも悪くも他のRPGの作者さんにも影響を与えると思います。

夢幻のレビューでは色々と厳しい意見も書いてしまいましたが、
フリーゲーム全体の中では完成度の高い作品だと思います。
ただ他の完成度の高い中長編RPG群と比べると…という感じはしました。
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Unknown (鼠喰い)
2017-04-11 22:11:53
こんばんは!どのコメントのことかな…と思わず夢幻を見直してきてしまいました…

このゲーム、最初はごく普通のファンタジーっぽい導入部ですし、絵柄も可愛めなだけに、苦手な方には本当にお気の毒でした…^^;
今は作者さんも注意書きや、ホラー表現規制システムをつけてくれたらしいので、きゅあさんのように後からショックを受ける方は減るだろうと思います。
そういう意味では、あのレビューは他のプレイヤーさんのためになる発言でしたね。

そして、改めてざっと複数のレビューを読み返して思ったのは「やっぱりこれ面白そうなゲームじゃね?」でした。

きゅあさんが「ホラー嫌い」と思いながらも最後までプレイしてしまったとすれば、それはこのゲームがそれだけ面白かったのだ、と私は捉えます。
人はなんとも思わないものに、わざわざ意見を言ったりしない。プラスであれマイナスであれ、それだけ強く心を動かす何かがあったのなら…それはつまり「魅力」と呼ばれるものなのではないでしょーか。

いろんな方のレビューから「一体どんだけホラーなんだ??」と釣られてプレイしたゲームでしたが、それだけの価値はありました。
きゅあさん含め、様々なコメントやレビューで紹介してくださった方々には、面白いゲームと出会わせてくれてありがとう、という気持ちしかありません。


最後に一つだけ。
フリゲの価値は完成度ではなく「どれだけ自分が夢中になってプレイできたか」だと思っています。
絵が拙くても、バグが残っていても、シナリオに無理があっても、自分がイイと思ったものは、私にとって全てが名作なのです。
あえて他と比べて貶めなくても良いのではないかな?
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