鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

トバリドトキシンRE

2016-04-18 19:04:27 | フリーゲーム(ファンタジー)
「トバリドトキシンRE」 ファンタジーRPG・宝探しゲー
制作者:にがうりゴーヤ様・ベリ太様(CluckDuck


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多少の流血展開、そして、基本設定に「人食いの怪物」の存在がありますが、
別にホラーってほどドギツい描写はない(と思う)ので、ファンタジーにカテゴライズ。


ざっくり粗筋を言うと、

主人公がソルシエールと名乗る女性のギルドで目覚めた時、すでに記憶は失われていた。
ソルシエールは、主人公を「ジル」と呼び、記憶を失う前は近くの洞窟の調査をしていたと告げる。
自分の記憶を取り戻すため、洞窟の奥へと調査に潜るジル。
だが、そのあたりには「トバリ」と呼ばれる人食いの獣が現れるという話で…?

って感じ。
この「トバリ」こそが、物語の最重要キーワードになります。

RPGとしては、ちょっと変わったつくりのゲームシステムも見どころ。
パーティを組んでるはずの人間が基本別行動なゲームは初めてですわ…

探索=調査、も、ダンジョンを小さな「面」で区切り、
それぞれに置かれた宝箱や敵を全て見つけていく…って感じになります。

よくわからない? それはプレイしてみればわかるから大丈夫!

とにかく、マップが一つ一つ、物凄く凝ってて広いのも凄い。
作者様は絶対にマップフェチだと思います。
そして、どこの通路がどこに通じているか、全体を把握しつつ、
隠し通路やら壁の違和感やらを探して進むのが、すごく楽しい~

最初に洞窟を調査しろとか、部屋を掃除しろとか言われるわりに、
お金にあたる「マナ」が無くて、オロオロするかもしれませんが、放置でOK。
少し進めば、畑でできる実を売ることで、ラクに稼げるようになりますので!
装備品は全てダンジョンで拾えます。


えーと、あとは…グラフィック?
絵はスッキリ綺麗で魅力的。
あと、キャラクター一人一人が、独特で個性的ですね~

登場人物の一人「ナギ」は特に謎が多く、性別すらはっきりしません。
一人称もコロコロ変わるし、この人について語られる言葉も
「彼」と「彼女」が入り混じって、人によって女扱いだったり男扱いだったり。
顔も体型も服装も、中性的に作ってあるし、わざと曖昧にしてあるんでしょうね~
もしかしたら、そこはプレイヤーさんが好きに考えて良いってことかもしれません。

そのナギに強い執着を見せるのがカラト。
力はあるけど頭が残念な典型で…そのぶん、子供のように心が純粋で、
だからこそいろいろタチも悪い。
とにかく執着(依存)レベルが半端ないので、
そういうのが好きな人にはたまらないキャラじゃないでしょーか。

シュウは常識人であるがゆえに、陰が薄いのが残念。
カラトが彼女を「狂っている」と評するシーンがあるのですが、
それっぽい狂気…はなかったような…?
いや、他の人たちが濃すぎるのかな…

主人公はドラクエ型の、セリフを喋らないタイプの、個性の無いタイプで、
一部のイベントやスチルを除き、立ち絵も表示されません。
記憶喪失の設定のため、まさしく「カラッポ」の状態からのスタート。
プレイヤーはこの主人公「ジル」を操って、
この世界がどういう場所なのか、自分は何者なのかを学んでゆきます。

シナリオについては…
そういえば、このゲーム、シナリオの流れも特殊なんだった。

基本の「メインシナリオ」は、ジルの記憶喪失前の目的に関わる話ですが、
それとは別に「トバリ」とパーティキャラ3人の関係を追う、
別視点なシナリオが、キャラごとに3本あるのですー。
これは…分岐…になるんだろうか…
でも、時間的に、3人のシナリオは同時進行?のはずなのに、
順番に全員プレイできてしまうし…ちょっと特殊な感じなんですよね。

よくわからない? それはプレイしてみれば(ry

逆に「よくある」感じなのは主人公の記憶喪失。
これ、本当によくある設定ですが…割と好きなんですよね。
だってプレイヤーは、そのゲームの「世界」のことを何も知らない。
この設定のおかげで、自然にいろいろ教えて貰えて、
プレイヤーは主人公と一緒に無理なく「世界」に馴染んでいける。

ゲームを始めたら、主人公が全く知らない相手と、全く知らない話題を訳知り顔に喋り始めて、
事情が呑み込めるまでプレイヤーは蚊帳の外…みたいな展開は、
ついていくまで、操作キャラとプレイヤーの乖離感半端ない。

もちろん、それらを効果的に「演出」として使う、高度なゲームもあるわけですが…
モノによっては、最後まで置いてきぼりになる場合が…あるもので…;

うん、王道には、王道なりの理由があるものです。



最後までプレイしてみると、登場人物や、基本設定や「トバリ」に関して、
語りきられない謎や粗が残っていて、
ちょっと、設定詰め込みすぎたんじゃないかな…と思える部分もありますが…
しかし、それ以上に、物語やゲームシステムが魅力的でした。

特に、マップ探索が好きな方には、超おすすめです^^


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