鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

クリスマス・カロル

2005-12-19 11:05:28 | 本(小説)

「クリスマス・カロル」
ディケンズ 作  村岡花子 訳
新潮文庫 1952年初版発行

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たまには純文で行こうかと思って(笑)
というか、やっぱり私の紹介する話ですからね(笑)
純文とはいえ、もちろん「GHOST」が出てくる話なのですが。

しかし、さすが名作。私が持っている文庫はなんと版数、92刷めですよ…
初版が1952年。そのわりには、訳がそれほど古く感じないのは…
途中で、いろいろ改定されているのかな?
この話は有名ですし、「三人のゴースト」という映画にもなっていますから、
きっと大抵の人は、「あれ?この話どこかで…?」と思うんじゃないかなぁ。

とりあえず、毎年、この時期になると読みたくなる本なのです。

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けちで業突く張りで、他人のためには何一つ…それこそ、舌すら出さないほど冷酷な老人、スクルージ。
ある年のクリスマス前夜、彼は、かつて長年一緒に商売をしていたマーレイの幽霊と出会い、
その有様に仰天する。
長い鎖を身体に巻きつけ、永遠に彷徨うその姿。
しかし、マーレイは、この鎖は、自分が生前犯した罪そのものだと言い、
スクルージ自身もそれ以上の長く重い鎖を巻いており、いつか死んだあとには自分と同じように、
永遠に彷徨い続けなければならないのだと諭す。
それを防ぐ方法はただひとつ。明日から三晩に渡って現れる三人の幽霊に会うことだと。

恐れながらも、マーレイの言うがままに承諾するスクルージ。
しかし、翌晩現れたのは、スクルージが思っていたのとは全く違う姿の存在だった。
「私は過去のクリスマスの幽霊だ」そう言った、輝かしい姿の幽霊は、
スクルージに様々な光景を見せ始める。

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子供のころから、私はやたら「幽霊」だの「お化け」だの「妖怪」だのの出てくる本が好きでした(笑)
だから、最初にこの本を読んだのも「三人の幽霊」とか「クリスマスの幽霊」とかいう感じの、
子供向けの本だったんじゃないかな。
その後、かなり大きくなってから「クリスマス・カロル」を読んで、ああこれはあの話だって…。
かなり判りやすい、道徳的なストーリーではあるのですが、なんか爽やかで好きな話です。

多分、スクルージ以外の登場人物が、みんなやたらいい人なせいもあるかもしれない。
普通、こんな爺さんが近くにいたら、みんな避けて近寄らないとか、
「何だよあのジジィ!」くらい影で言ってそうですが、この物語の中ではそんなことないんだよね。

作中でスクルージが、子供のころの自分を見て、そのころの気持ちを思い出すシーンがあります。
そこを読むと、ついでに自分の子供のころのことも、一緒に考えてしまいます。
本当に、どうして子供の頃の気持ちって忘れてしまうのでしょうね~。
ある日、大人になって振り返ってみても、そのころの子供の自分から今の自分へと続く、
軌跡のようなものが見えなくて、すごく不思議に思うことがあります。
あの自分が、どうして今、こんなんなってるのかなっていう(笑)

そういえば、似たような話で、ブルースウィリスの「キッド」という映画があるのですが、
そちらは子供の頃の自分と直接出会うことで、過去に持っていた夢や希望を取り戻す話でした。
子供の自分が、大人の自分に聞くんですよね。
「大人になったら、犬を飼うって決めてたんだ。今、おじさんは犬を飼ってる?」

思えば、子供の頃に持っていたはずの夢や希望は、どこに行ってしまうんだろうなぁ。
昔、こうしたいと思っていたはずのことが、今は全然魅力的に思えなかったりね。
とりあえず、私は自宅を動物王国にするのが夢だったはずなのですが(笑)
いや、半分は叶ってるかな。子鬼のせいで、夏は昆虫王国でしたからね!(笑)

恋人と一緒に聖夜を過ごすのも素敵ですが、たまにはちょっと、
静かに読書なクリスマスというのも良いのでは♪
薄くてすぐに読み終われます。おすすめ。

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ていうか、最近、子鬼用の本を図書館に借りに行く都合で、児童図書に目がいってるんですよね。
昔自分が読んだ本とか見つけると、嬉しくなります。

チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁

2005-12-19 01:47:41 | 映画(洋画)

「チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁」 1999年
監督:ロニー・ユー
出演:ジェニファー・ティリー、ニック・スタビル、キャサリン・ハイグル、ジョン・リッター

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深夜にテレビでやってたので、録画で見ました~

殺人鬼の魂が宿った悪魔人形チャッキーのシリーズ第4弾。
とはいうものの、この作品はコメディ色が恐ろしく強く、
殺人部分の映像が平気なら、まず、ホラーって気はしません。

行く先々に死体の山を築く人形姿の殺人鬼二人の恋模様は、
物騒で人騒がせながらどこか微笑ましく、バカっぽくて憎めない…

…ような気がする(笑)

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警察にある、未解決事件証拠品のロッカーの中から、盗み出された一体の人形。
粉々に砕かれたそれは、かつて多くの殺人を犯した悪魔人形、チャッキーだった。
盗み出した女は、かつて、人間だったころのチャッキーの恋人ティファニー。
チャッキーへの愛ゆえに、彼を蘇らせたティファニーは、彼自身の手で殺され、
自らも魂を花嫁人形へと移されてしまう。

人間の身体に戻るため、チャッキーの死体の持つ魔法のペンダントを求めて墓場を目指す二人。
そのために利用されたのは、駆け落ちをたくらむ若いカップルだった。

行く先々で起こる殺人に、若い恋人達は内心で互いを疑いつつ、先を急ぐ。

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ティファニーの揺れる女心が可愛い話(?)でした。
彼女の人間臭さの影響なのか、チャッキーもやることなすこと人間臭く、
やたらと間抜けな部分が目立って、怖さ半減。
ことに二人の痴話喧嘩は、なんていうのか単純で…
「殺しが三度の飯より大好き」というどーしよーもない癖さえなければ、
なかなか微笑ましいお似合いのカップルなのですよね~

とにかく、人形達の微妙な表情が絶品。
決して可愛い人形ではない(というかブキミ)なのに、魅力的で目が離せない映画です。

前三作よりは、ずっと軽いノリで、見やすいですし。
殺人シーンが平気なかたには、普通に楽しめる映画だと思います。
顔に無数のクギぶすぶす、とかが見られれば、大体大丈夫…かな。


そして、ラストはお約束…というか、きっとこうなるんだろうな、と思うとおり。
でも、個人的にはこのまま、続編は出て欲しくないな…。

***
後日追加

続編出ないで!なんて間抜けなことを書いていたら、
実はもう続編公開されてるそうです。

チャイルド・プレイ「チャッキーの種」

なんだか…ちょっと見、ホームドラマになっちゃったみたいだヨ…

コックリさん

2005-12-19 01:06:59 | 映画(洋画)

「コックリさん」 2005年
監督:アン・ビョンギ
出演:キム・ギュリ、イ・セウン、イ・ユリ、チェ・ソンミン

日本版公式サイト:(超ギャグ風味)

国際版公式サイト:(こっちのほうが怖いかも)

***

韓国版「学校の怪談」かと思いきや、実は韓国版「八つ墓村」?(汗)
「目」が重要なキーになっているだけあって、主人公のユジンは本当に目がデカいです。
主人公がクラスメートに囲まれるシーンの「あの目見た? 後頭部叩いたら飛び出そう」
という言葉には、苛めのシーンなのに大笑いっ。
ちょっと小沢真珠に似てると思ったのは私だけかな(汗)
(ちなみに、ウンジュ先生役のキム・ギュリは松たか子に見える…)

===
母親の故郷である、とある山村へ、ソウルから引っ越してきた少女ユジン。
学校で苛めにあい、悩んでいた彼女はある日、同じように苛められている二人の少女と、
禁断の呪い「コックリさん」を試みる。
そして次の日…教室で、苛めをしていた少女の一人が、変死体で発見された。
死因は、自ら頭にビニールを被りそれに火をつけたため、発生した毒ガスによるもの。

同じ手口で次々に起こる同級生の死に、クラスから孤立し、疑いの目を向けられるユジン。
それを庇おうとする新任教師ウンジュの苦労もむなしく、それは徐々にエスカレートしてゆく。

この村で過去に起こった悲劇。存在しない出席番号29番。
村に住むものみなが、心の奥に秘めた罪とはなんなのか。

すべてが明かされるとき、復讐劇の幕はあける。

===

しかし、結局ユジンは
「遠くから転校してきて苛めにあい、ほんの仕返しのつもりでコックリさんをやったら身体を操られ、殺人鬼の汚名を着せられたあげく、用済みとばかりに焼き殺された」
ってことになりますね(汗)
彼女に罪はなく、母親だって、ちょっと仏心を出したばかりに余計に恨まれたと(汗)
しかも、当の母親は目が変になって病院に入ったとのことだったので、映画の時点では殺されてない。
でも、その代わり、娘の無残な死を告げられる、という、まさしくインスクの母親と同じ境遇にされたわけで~。
おおっ、なんかこうして改めて書くと救いが無い話だな~

しかし、個人的には、霊能者の彼女はもう少し活躍してくれるかなと思ったんですが~
単なる説明係に終始し、それが済んだらこっちも用済みという…(汗)
とてもとても思い切りの良い(?)話…

いろいろ考え合わせると、まさしくホラー映画って感じですね!

惜しむらくは、インスクと母親の区別がつかん!ということでしょうか。
遠めに見ると、どっちがどっちやぁ!という気分になるかな。


ちなみに、日本版公式サイトの一番の見所は「コックリマスター」です。
さあ、みんなでトライ!