※注意
今回は、読むひとによっては、非常に不快な表現を含みます。
ホラーが好きなら大丈夫でしょうが、苦手な人…特に、足の無い虫が苦手な人は読まないように。
***
子鬼の好きな「○シ○ング」アニメを見ながらふと思いました。
もしも、死体が残らなければ、ひとはそれほど死を恐れないんじゃないだろか。
何故○シキ○グかというと、その中では子供向けアニメらしく「死」という言葉が出ないから。
森の精霊のような主人公達は、死ぬとほどけて光の粒になってしまうのですね。
だからかわりに「光になる」と言う。
「お前も死ね」ではなく「お前も光になれ」とか、「殺してやる」ではなく「光にしてやる」。
いつも、側にいたひと、愛着のあるひとが、ある日死ぬとしましょう。
まず唇の色が悪くなり、顔が浅黒くなり、目が水分を失って落ち窪み、口はぽっかりと開き。
やがてあちこちに不気味な斑点ができ、本体は膨らみ爛れ、末端部は乾いて皺が寄り。
いやな匂いがあたりにたちこめ、蠅や蛆がその骸に巣食い。
考えるだけで、うわー、て感じですね。
身内もイヤですが、自分がそうなるのも相当イヤです。
湿気が多いとか、墓所が狭いとか理由はいろいろあるでしょうが、火葬が一般的なのは、
「死体のその後」…「死のかたち」をどうやっても見ないですむ、というのもあるんじゃないのかな。
死体といえば、九相詩絵巻と呼ばれる、鎌倉時代の絵巻物があります。
つまりは死体が腐り、朽ちていく様子を9段階に分けて描いたものですが、
描かれたモデルさん(死体)は、美女の誉れ高い小野小町なのだとか。
小野小町だというのが本当かどうかはともかく、
「生きてる時にどんなにブイブイいわせても、死んでしまえばこうなのさベイベー」
という仏教観念のために描かれたものらしいです。
しかし、コレを見て本当に、悟りを得られるものでしょうかね…
確かに無常観はそそりますが…むしろ死ぬのがコワくなるのでは(汗)
***
そういえば、死体に関して、実際に体験することでその意味がわかる恐怖もありました。
私もともと、死体の描写を読んでも、蛆虫にそれほどの嫌悪感はなかったのです。
ただの虫。蠅の幼虫。目も足も無い、ミミズの短いやつ、くらいの認識。
ラヴクラフトに「蛆虫の恐怖」なんて書物名を見ても、ふーん、て感じでしたし。
昔の高橋留美子の漫画に「笑う標的」というホラーがかった話があったのですが、
その中に出てくる、屍肉を貪る「餓鬼」というモノの外見が、モロに蛆だったんですよね。
それも怖くなかった。このころんと丸っこいものが、それほど怖いもんだろかと。
しかし、昨夏、家の前にべったり潰れたスズメが落ちていたことがあったんです。
そして、怖いもの知らずのうちの子鬼は、それをいきなり摘み上げた!!
潰れて平らになった小鳥の身体は、下側がすでに腐敗して、腹に大きな穴が開いており、
そこにビッシリと詰まった、米粒のように丸々ぴちぴちの蛆、蛆、蛆!!!
まるで、奇妙なカタチのお稲荷さんのようでした。
(これでお稲荷さんを食えなくなった人いたらスマンです)
詰まったそれがぼろぼろと零れ落ち、うようよとアスファルトの上を放射状に這っていく姿!
…さすがにね、悲鳴モノですよ(汗)
ぎゃー!早く捨てて捨てて捨てて!!と叫んでしまいましたね。
この一件で、心からよくわかりました。
それらの作品が、蛆を題材にすることで、どんな忌まわしさを表現したかったのか(汗)
アタマで考えると、そんなこといちいち言ってたら、
水死体食ってる海の魚はどうなんだよ、って気もするんですが(汗)
虫は虫として生きてるだけで、何の忌まわしいことも無い、とも思うんですが(涙)
理屈と言うより、死を恐れる本能的な忌避感のような気もします。
とりあえず、蛆は嫌いになりました。