鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

感染

2005-10-04 12:52:37 | 映画(邦画)

「感染」 2004年
監督:落合正幸
出演:佐藤浩市、高嶋政伸、星野真理、羽田美智子、南果歩、佐野史郎、真木よう子

***

第一印象。こんな病院は嫌だ(汗)

病院は慈善事業なんかじゃなく、ひとつの経営だということは重々承知してますけどね、
患者は自分のイノチを預けるわけですから、ある程度はちゃんとしてくれないと困りますよ~(汗)
原因不明の病状や感染症も怖いですが…
注射するのに極度に緊張する看護婦(汗)とか、やたら人間を縫いたがる医者(汗)とか
乗ったはいいけど、タライ回しでどこにも行き着けない救急車とか(涙)
人間的に未熟な医療関係者や問題のあるシステムって、
ヘタな幽霊よりも絶対恐ろしいって~(汗)

ちなみに「救急車タライ回しで手遅れ」って、実際あることらしいですよ。
以前、小児救急について検索したときに、そんな記事をヒットしたことがあります。
小児科って、手間も人手もかかるわりに実入りが少ないってんで、
専門医が減ってるらしい。
そうそう、ワタアメのワリバシを転んで喉に突き刺した子を、
専門外の医者が夜間救急で診て死亡、なんてのも以前ありました。
そちらのほうが、子を持つ親としては非常にコワイ話です。


***

そこは、経営破綻目前の病院だった。
次々と辞めていく看護士や医師。医療器具すら仕入元に忌避されて満足に届かない。
ヒトの手も物資も足りない極限状況で仕事に当たるスタッフたち。
そんな中、ついに医療事故が起こり、一人の患者が死亡する。
一瞬のパニックの後、医師たちは、なんとかこの事実を隠せないかと考え、
死体を暖め、死亡原因となった証拠の薬物を消滅させようとこころみる。

一方、そのころの病院の救急口には、忙しさを理由に受け入れを拒否したはずの
奇妙な感染病患者が放置されていた。

緑色の粘液に包まれ、全身が溶け出してゆく奇病。
未知のウィルスを発見する、という名誉欲にかられた一人の医師の暴走から、
病院のスタッフは次々と犠牲になってゆく。

***

さて、この映画にも「妙なもの」が映っている、という話がありました。
最初のほうで、新人看護婦が患者に注射をうてずにパニクる場面です。
悲鳴をあげる看護婦の後ろに、顔が……
…って、これもしかして、この新人を苛める役の看護婦じゃないですかい(汗)
映画スタッフは、そこに誰もいるはずがない、と言っていたらしいですが…
これはきっと仕込みだよ~(笑)
しっかりナース帽まで被ってんじゃん。
話的にも、この後、なおも患者の腕に針を思い切り突き刺そうとする新人を、
「何やってるの!」と引き止める部分ですから、
出番待ちで控えてたのが映っちゃった、て感じじゃないですかね。

グロ度は予言よりも感染のほうが高め! と聞いていたので、
一体どれほどグロいのか?!とドキドキハラハラしながら見ていましたが、
どちらかというとこれは「生理的嫌悪感」というのに近い世界だと思われます。
見た目だけでなく、登場人物の性格や役柄においても。
ホラーはみんなそうですが、これも好みが大きく分れそうですねー。
ちなみに、私は面白かったですよ(笑)
予言はジミな恐怖でしたが、こちらは正統派(?)ホラーらしく、
画面で怖がらせる演出が多く入っており、お化け屋敷風の面白さがありました。

見終わった後「え?一体どこから?何が現実?」ともう一回見たんですけど、
はっきり切り分けできませんで。
もう一回見て「ああ、ここがこうなのね?」とわかるような巧みさがあったら、
もっと楽しめたのになぁ。
結局、あの医療事故が全ての始まりだったということなんでしょうね。
でも、なんで仮眠してた医師は殺されちゃったんだろう?
無関係だったし、人格にも問題なかったように思うんだけど。

佐野史郎は怪演してましたねー♪
冬彦さんからこっち、わりとクセのある役ばかりやっていた感もありますが、
もともと演技派なひとだし。
彼が出たものでは、昔見た「夢見るように眠りたい」という、
無声&白黒っぽいつくりの映画が好きだったな。

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