鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

アルネの事件簿 Case.1 解決編 Teil3

2018-06-19 21:17:14 | フリーゲーム(ゲームマガジン)
アルネの事件簿 Case.1 解決編 Teil3
推理ADV・読者参加型・ニコゲーマガジン
制作者:春太郎様・むらさき様

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待ちに待った解決編が来ましたよ~
なんとなく気になってたところが一部だけ当たってたり、疑ってたところが全然関係なかったり←wしてましたが、やっぱり、きちんと説明されるとスッキリするわあ

無事、死の淵から生還できたリンちゃん。
もう謎が解けたというアルネの指示で、館の人々を全員集めてまわります。
けれど、皆の前でアルネが提案したのは「探偵二人の推理合戦」。
にわか名探偵のリンちゃんとアルネとが、容疑者一人一人を犯人と仮定して、互いの推理を披露しあいます。
…結果、現れた真犯人は、意外な人物で…?
おっとネタバレはここまでだw

もう解決編がオープンされたと言ってもね。
やっぱり大っぴらに「犯人はヤス」とか書いてしまうのは抵抗がありますんでー
ニコゲーマガジンはゲームとはいえ、難易度低めのエンタテイメント性が強いものが多いから、基本的に誰であってもクリアは可能ですし。そこらへんはぜひとも自分の目で確かめてみてくださいまし。


うーん、実は一番疑ってたのは、

ベルントが死体を見つけたときは、まだ父親隠し部屋で生きてたんじゃない? 
ならその瞬間のアリバイあっても無効なんじゃない?
むしろ疑うべきは、ベルントが死体を発見したあと→アルネが隠し部屋を発見するまでの間…

とか思ってたんですが…いやあ、見事にハズしましたー

協力者(人外)と真犯人は別であり、父親の死はむしろ協力者にとって不本意だった、という可能性も考えましたが、そこもハズレ。
それぞれの「高いところ苦手」とか「血が苦手」とかの特徴も、何か逃げ道があるわけではなく、そのままで証拠になっていましたので、プラスして、協力者=真犯人=人外、と考えれば、かなり容疑者絞れてましたね…;
考え過ぎちゃうのはよくないらしい??

人外のものと、人間との考え方の違いは、前作でさんざん伏線として語られた部分ではあったんですが…
動機や感性にここまで開きがあると、被害者も探偵もたまらんですね…
これからの事件も、基本はこんな感じで進むんでしょうか…

んー…逆に考えれば「動機」を考慮しなくていいぶん、むしろ推理はラク…になるのかな?
「この人はこういうやり方は絶対しなさそう」は考えなくていいってことですもんね。
人外&人間両面で、物理的に可能かどうか、だけを見て行けばいい?


さて、その後はいろいろあって…前作で自分の中の残留思念…いや、残留血液と戦って制した「ナハツェーラー」の本体?がついに復活。アルネと対決してくれます。
「ナハツェーラー」って名前、響きカコイイ!と思っていたんですが、ググったらドイツの吸血鬼なんですね。

何やら強力な力を持つ吸血鬼であると書かれているんですが…
「ナハツェーラーは死後蘇生した死体だが、生き返っても食べるものがないのでまずは自分の衣服を、次いで自分の肉体を食べ始める。」
とかいう、ちょっとお間抜けな感じの説明文が気になります。肉体はともかく…服…だと…?
お腹すいてるからって力技すぎやしませんか。さすがは脳筋。

で、その戦いの中でアルネは「自分の中にあるのはまさしく王の心臓!」と言ってくれちゃってますんで、やっぱり今残ってるのは最初の9人の1人…らしい。
生誕当初よりずいぶんと丸くなってる?みたいだから、そもそも中身が違うのかと思ったんだけど。
もともとそういう「面白ければいい」お茶目な性格の王が混じっていたってこと…?


結局屋敷は壊れ、行く場所をなくしたリンちゃん。
1人、ラインヴァイス家の復興を心に決めて、アルネに別れを告げますが…
ふふふ、もちろん、この先は皆さん予想通りの展開に!

リンちゃん、これからはあの西洋版ゲゲゲ横丁で暮らすのかしら…

そういえば、いまだ謎の、リンちゃんのお祖母ちゃんとアルネの関係も気になるところ。
今作でわかったリンちゃんの体質?の件も、そのへんに関わってくるのかなぁ。
次の事件は果たして、どういう状況で起きるのか…楽しみですね。











最後までベルントのクズっぷりが清々しいwww


せとぎわメトロレギオン

2018-06-18 09:01:36 | フリーゲーム(SF)
「せとぎわメトロレギオン」
近未来SF・DQNRPG
制作者:冷凍しじみ様(しじみのおすまし

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近未来・崩壊した世界・異能に目覚めた人類…と、いろんな意味でヒャッハーな世界観に加え…
主人公含む登場人物たちが大体DQN!という、やたら個性的なシナリオでありました。

特に何の説明もなく物語が始まるので、雰囲気掴むまでは「??」って気分になるかもしれませんが、プレイしていくうちにそこがクセになる、魅力にあふれたゲーム。
ってか、この、シビアなんだかゆるいんだかわからない、独特の雰囲気は面白いですねぇ~

今作の舞台は、広島・瀬戸内近辺のとある港町。
朝の缶詰工場から始まるそれは、一見、田舎町に住まう893やDQNたちの抗争の物語…に、見えます、が。
実は、この世界は20年くらい前にタコ型宇宙人の侵略を受けており、人間の持つテクノロジーはごっそり後退。人間の数も激減。
ただ、幸か不幸かその際の兵器の影響で、異能を手に入れた人間たちが現れたことで、なんとかこれを撃退し、それなりの生活を取り戻しかけている…という。とってもハードな世界観なのです。

異能を身に付けた人は身体的には驚異的な治癒能力を持ちますが、反面、異能を行使するための「SP」はなかなか回復しないという特徴があり、宇宙人のエネルギーから精製される「エーテル」や「ポーション」が無ければ、連続でちからを使い続けることは難しい。
宇宙人を撃退してしまった今、新しく手に入る算段がつかない「ポーション」類は高価な品であり、それらを手に入れ、精製できる設備を持つ人間はウハウハな勝ち組。
で、その「勝ち組」の一人が、この港町を仕切る「クロサキ」だったりするという。

ツッカケサンダルで鉄パイプや警棒持って突っ込んでいく、DQNスタイルの登場人物たちの話のウラに、こんな壮大なSF設定があろうとは…;
しかも主人公は巨乳で妙齢のお姉さんと、高校生の制服を着たハタチの女の子。
またグラフィックがね…スクショを見て貰えばわかるとおり、綺麗&可愛いんだよね!
顔グラも微妙な表情の変化が細かくて、プレイしていて楽しいし、何か一気にプレイしちゃったわー

周囲のどーしよーもない人間たちを、謎の包容力で受け止める主人公・アオリさんが凄い。
てか、ひと昔前のDQNって、極端に友情に篤いというか…面倒見がいいというか…
こういうタイプが多かったような気もするね…?
一緒に行動する、ドライな若者。見た目の清楚さに似合わずバイオレンスな性格のタマコちゃんも好きでした。

狭い町の出来事ながら、章ごとに絡む登場人物が多く、一人一人にきちんと性格や、背後関係の設定がなされているのが深みがあって面白いっす。
メインになるのは、クロサキの「探し物」を見つけること、なんですが。
なんだかんだと、登場人物全員が、自分の「物語」を持っているゲームなんですよね。
プレイしながら、この人の物語も見たい!と思わせてくれる、設定の分厚さがすごい!
ただ、もう一人の主人公・タマコちゃんの復讐物語は、できれば作中で詳しく見たかったわー

章ごとに入る細々したエピソードも、世界観の補完として役立ってくれました。
情報屋のところへ向かう途中にあるサブイベント…学校の先生の話は、なんともいえない気持ちになるので必見です。
夜の幽霊アパートの描写も面白かったよ!

しかし、女にも男にもモテモテすぎるアオリさん。
なんであの年齢まで一人なんですかね……?(←余計なお世話)



あー、えっと。攻略面では、特筆するようなことはないかな…
敵を倒してレベルを上げる、普通のRPGですし。
SPは自然回復しませんが、ポーションは途中のイベントで大量に手に入るので、普通に能力を使いまくっても、まずSP切れはないと思われ。
ただ、米屋の左奥の道に落ちている「歩くとSPを回復してくれるアクセサリ」は拾っておくと便利です。

アオリのメット割りは強力だし、タマコの「敵を行動不能にする」能力と合わせると、どんな敵にも苦戦はしません。
さらに、しっかり索敵してレベルを上げておけば、最後のボス敵?も余裕で倒せます。




今まで、1話使い切り?の比較的短編なゲームを作ってらっしゃる印象の作者様でしたが、これだけの分厚い設定を、これ一作で終えるのは惜しいですね…
個性と魅力のある話だけに、続編とか、同世界観の別な主人公の物語、とか、もっと見たい…!
続編作ってくれないかなぁ…

DQNに抵抗のない方におすすめします。
いや本当に面白いので! プレイしてみて!

血染めのナナ -Bloody 7-

2018-06-17 00:41:15 | フリーゲーム(ホラー)
「血染めのナナ -Bloody 7-」
脱出ホラーADV
制作者:夜雨ドッド様(ドッド工房◆Atelier Dodd

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「Myosotis -ミオソティス」や「Efframai -エフレメイ-」などでお馴染みの作者様です。

当初は「恐怖」に重きを置く演出をなさっていましたが、最近はそれに加えて、ある種の切なさ…物悲しさ、のような複雑な感情を呼び起こす、深みのあるシナリオを作られるようになりましたー。
今回も、調べれば調べるほどにわかる主人公の置かれた現状と、なんともいえない気持になるエンディングは必見ですよー

主人公は、倉庫の奥のような一室で、なんの記憶もなく目覚めた少女。
見知らぬ誰かの通信に導かれながら、「外」への道をたどります。

えー、エンドは3つ。
難易度はそれほど高くないので、サラっとプレイできて、シナリオを堪能できる良作品でした。
最後のパスワードのヒントは左側のクリーチャーがウロウロしている場所の奥にあります。
これは、フラグも何もないただのヒントなので、一度突撃して見てしまえば、もう二周目以降は部屋に入る必要はありませぬ。見た後死んでも、わざわざ見直す必要なはいよー。
最終的にパスは5文字の英単語。
ちなみに「me」は自分のことじゃない!


個人的に、意外性があったのはセーブポイント。
えっ、ここなの!?と思ったし、そこで安らぎを感じるナナちゃんに、最初はびっくり。
その理由については、その後見られるいろんな資料で納得できましたが…
なんというか。彼女の存在を考えると、エンディングの後が……一体どういうことになるのか、ちょっと恐ろしい気もしますねぇ。

どんな姿でも、ただ、生きていて欲しい、という愛情ゆえの行動だったんでしょうが……
本当にこれは、解き放って良いものだったのだろうか、と…

とりあえず、この場所から出ることは、彼女にとって第二の生誕。
ここから出て、自由を得て。やっとこの世界に生まれ出たばかりの彼女が、果たしてこの先、どのように成長していくのか…
彼女がこれから「ヒト」として生きて行けるよう、導いてくれる人との出会いがあることを願いましょう~


死体のドットと描写がチョイ細かいので、苦手な方は注意かなぁ。
とはいえ、決して、怖がらせることがメインのゲームではないので…
興味を抱かれた方は、プレイしてみてくださいな。


湖底の童歌

2018-06-16 01:35:56 | フリーゲーム(ホラー)
「湖底の童歌」
探索ADV・民俗学ホラー
制作者:shizuka様(公式サイト

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大学のゼミの一環で、かつて、水害で湖の底深く沈んだ村を調査しにやってきた、国守和真。
「耳が良い」彼は、人ならぬものたちの存在を、音で感じる特技を持っていた。
神社の息子で、和真よりずっと目も耳も効く友人・真代悠也とともに、発掘調査に加わったものの、そこは案の定、見えない存在がひしめく場所で…初日からまんまと家に幽霊を「お持ち帰り」してしまう始末。
その日は、そういったことの対処に詳しい保護者・黒田咲樹のおかげでことなきを得たが、さらにその翌日、どこからともなく響くわらべ歌に導かれるように、和真は、遠い昔…まだこの場所が水に飲みこまれる前の村へと引きこまれてしまう。


というわけでー。久しぶりの正統派ホラー!
うーん。やっぱり考古学や民俗学と、ホラーって相性いいですよねぇ。
今作は、水害で水底にしずんでしまった村を舞台に、そこにまつわる姉妹巫女の無念と後悔とを解き放つ物語となっております。

水底にそのままの姿で沈んだ建物! 廃墟好きならその言葉だけでも超アガっちゃいますね。
高度成長期にはあちこちで作られていたダム。おそらく、そういう場所はいっぱいあったのでは…と思うんですが。日本の建物は木でつくられたものが多いぶん、すぐに朽ちて原型とどめなくなっちゃうのが残念ですねぇ…

さてさて「湖底の童歌」に話を戻して。
探索中は、けっこうドキっとさせる演出があちこち盛り込まれているんですが、思ったほどは恐怖度は高くありません。
出てくる巫女姉妹幽霊は、怖いってより健気で可愛いし…何より、主人公が一人っきりじゃない!っていうのが、すごく心強いんですよ。
このテの探索ゲーは「たった一人」で無人の屋敷をウロウロしなければならないことが多いんですが、このゲームは、主人公の和真以上に霊感のあるキャラが3人、一緒の世界に入ってきてくれています。
…まあ、探索自体は一人でやらなきゃいけないんですが、何かあっても助けてくれそうな人がいるって、それだけで安心。

ただ、探索の仕方によっては…最後にだけ、少々ゾっとする展開が…!
これは、今後の物語への伏線?続編への布石?らしいので、気になる方は、ぜひともチェック!しておきましょう。
屋敷のあちこちで現れる黒い着物の少女を、すべて見るとフラグが立ちますので、がんばってウロウロしませう。

あ、一応、即死イベントが何カ所かあるので、セーブはこまめにするのが無難…
主人公の「耳の良さ」を駆使すると、危ない場所はある程度察することができるかも…?







主人公の和真くんの身の上や、保護者の咲樹さんには、まだまだ語られない秘密がありそうな様子…
果たして、この続きでは、そこに触れてくれるのでしょうか?
続きが楽しみな作品ですー


てか……まさかと思うけど、咲樹さんて…??

雪に咲く薔薇

2018-06-16 00:00:31 | フリーゲーム(ノベル)
雪に咲く薔薇
ファンタジーノベル・マルチエンド
制作者:塩屋あにか様

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魔女の呪いによって、見た目が異常に生まれついた青年と、彼を支える使用人の少女の物語ですー

最初のほうのマリアンヌのあれこれを見た時は、仕返し?のためにここまでやるとは、なんちゅう性格の悪い女かと思いましたが…読み進めていくと、いろいろ納得!できる話運びになっております。

呪いや過去の出来事ではなく、主人公二人の恋愛模様だけに焦点をあてたシナリオは、なんとも物悲しく、せつないラブストーリー。
結局のところ、どんな酷いことを言われても、マリアンヌはゼビエを見捨てられないし、傍にいたかったんだなぁ…
自分の境遇や見た目にコンプレックスのあるゼビエの葛藤も、とても繊細に描かれていて、いい話でした。
それぞれのキャラの「素直になれない具合」が妙にリアルなので、なんか共感持ててしまうね!

ただ、えーと、マルチエンドではありますが…
どのエンディングも、シビア、というか…完全ハッピーとは言い難く…
綺麗だけれど、胸の痛みの残る終わり方でありますので、そのへんは覚悟のうえでどうぞ。


一人残された魔女ちゃんは、この薔薇の物語を、大事に守り、語り継いでいくのでしょうか…
アンハッピーエンドに耐性のある方におすすめですー









時代がもう少し未来なら…彼はふつーに「尖ったパンクなお兄さん」で通用しただろうになー