この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

スキー指導者養成講習会 実技第1回目

2012-01-23 21:26:58 | スキーの話題一般

先週末はスキー指導者養成講習会(=養講)の第1回目実技に参加してきました。養講とは指導員検定(正指導員と準指導員)を受験するための必須の講習会であり、これまで在京で2回の理論講習があり、雪上での2回(希望者は3回)の実技講習のうちの1回です。

まずは開講式。6シーズン前に準指導員受験生として初めて養講に参加したときの緊張感を思い出しました。班ごとに正指導員受験生と準指導員受験生が分かれて並ぶのですが、あの頃の僕は正指受験生(=準指導員)の方々を尊敬とあこがれの眼差しで見つめていたものです。あのとき雲の上の存在だった人たちに加わることが出来て、今回も受験生としての参加ではありましたが、ちょっと誇らしい気分がじわりこみ上げてきました。



(開講式の様子)


さて私の班の講師は、ななーんと! SAJ教育本部 検定委員会 委員長の内藤義弘さんでした。SAJスキー教程を書いている「中の人」、いや「ど真ん中の人」がきました。

開講式のあと、まずはストレッチから。飯島さんライクな股関節周りの筋肉を柔らかくするストレッチです。ナイスです。そして十分なストレッチのあと、いきなりコブ種目(笑)。バンク系滑りと縦目系滑りの二種類が解説されました。

午後は全体ミーティングにて理論試験について解説が行われたあと、雪上に出ていよいよA単位の全体練習。A単位とは「谷回りの連続」と呼ばれる要素技術を表現する種目であり、ハの字によるプルークスタンスで内脚主導を演技します。制動要素と推進要素の2種目から成ります。制動要素では、内脚の屈曲による内スキートップの「漏れ出し」、および外脚従動による外スキーテールのずれが強調されました。推進要素では、ニュートラルゾーンをしっかり見せること、上体ポジションを傾けすぎないこと(こぼれすぎないこと)、などが強調されました。



(雪上全体ミーティングで内藤講師がA単位種目の解説をするの図)


二日目は、ファミリーゲレンデで二人一組になって大回りの滑りの練習および模擬指導。午後は天狗ゲレンデで三人一組になってA単位制動要素の滑りの練習および模擬指導を行いました。

二日間の講習を通じて、(1) 早い順番で滑って下で講師のコメントを出来るだけ多く聞き、自分だったらどうコメントするか考えて比較すること、(2) メモ帳を持参して講師のコメントをメモする、の二点を実行しました。ちなみに僕の準指受検の際の覚え書きはここ(その1その2)にまとめてあります。

さて、今回の養講でSAJ教程ど真ん中の人から自然で楽なスキーの実地講習を受けたことになります。僕が思ったことを以下に素直に述べさせていただこうと思います。

内藤さんは自然で楽なスキーの組み立てを、きちんと雪上で自分の滑りを使って解説されました。それはとても分かりやすかったですし、スキー技術の一つとして合理的に組み立てられていると思いました。指導のやり方に関しても、さすが現役教師だけあって説明がうまく、コメントもポジティブ。そしてとにかくよく勉強していらっしゃる。養講を受けていて本当に楽しかったです。

そして今回の講習を受けて、自然で楽なスキーなるものを、これはこれで一つのスキー技術だと認めようと思うようになりました。そう認めた上でも、スキー指導のメソッドとしてこれだけを教えるのはやはり不十分だと思います。これは従来からの僕の認識と変わりありません。

スキー技術の基本は今も昔も外脚主導だと僕は思っています。内脚主導が有効活用である斜面状況は確かにあるのですが、
内脚主導だけでは滑りの到達レベルに限界があります。

その一方で、外脚主導であればほとんどの斜面で安定して滑ってくることが出来ます。スキー教程はスキー技術指導のためのものですから、内脚主導と同じウエイトで国際標準技術である外脚主導についても述べるべきだと僕は思います。

その他にも、検定や養講のやり方とかA単位とかについても言いたいことが多々あるのですが、今書くと受験生の単なる愚痴になるので、合格してから堂々と述べたいと思います(笑)。