降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★復刻版・朝日新聞を讀んだのだ❸

2014年09月02日 | 新聞

つい最近(1990年代前半)まで鉛活字と凸版、インクを使って組んでいた新聞の活版組み版。
僕たち新聞社整理部から見た、活字組み版からCTS(コンピューター組み版・編集)までを後世に書き遺しておこうかな、と。



【きのう9月1日付の続きです】
創刊されたばかりの
「激動の昭和史を読む/太平洋戦争の記憶」(創刊特別価格 190円。アシェット・コレクションズ・ジャパン発行)
の毎号コレクションズに付いていた復刻版新聞を、
当時の政治情勢や時勢、記事内容・紙面構成については考慮せず、
ただ単に
「昭和初期の、鉛活字・活版組み版新聞はどういう組み方・紙面構成だったんだろう?」
として眺めた。

❷ 73年前の朝日新聞(1941年12月9日付)編=その参

写真は、昭和16(1941)年12月9日付の朝日新聞東京本社版の3面。
つまり〝あの日〟なのだ。

当時の3面は、現在の社会面に当たるのだろうか、
記事下2段に黒枠訃報告知のほか、
なぜか雑誌広告があり、東京日日新聞社・大阪毎日新聞社發行『エコノミスト』(平岡敏男氏が統制會會長専任論を述べている!)
さらに、時節柄なのか、
「内務省指導/防空壕(帝國防空事業者)淀橋區角筈新宿ビル」
も掲載されている。

さらに、の、さらに。
突き出し広告(*1)のほかに、ハサミ広告(*2)もあり、
「和光會工藝展覧會」
が銀座服部時計店で同日(昭和16年12月9日から15日まで!)開催と告知している。

広告を見ているだけでも結構たのしいじゃん!
……なんて言っている場合ではなく、
活版ながら、同3面の組み方にはけっこう驚いたのだった。
長くなったので、続く。

(*1)突き出し広告
居酒屋で座るととりあえず出てくる肴……ではなく、
現在も、紙面記事面下段の左右に健在。1段15倍組み当時は左右24倍ぐらい、天地2段。
広告だから、ケイで仕切っていた(→忘れると製作局デスクがうるさいうるさいあぁ~うるさい)。

(*2)ハサミ広告
「記事中(きじなか)広告」とも。
フロント1面の10~11段目中央付近に置かれる1段34倍ぐらいの広告。
記事の中に挟み、障害物とは認識せず飛び越えて流れる。