降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★復刻版・朝日新聞を讀んだのだ❷

2014年09月01日 | 新聞

【きのう8月31日付の続きです】

「激動の昭和史を読む/太平洋戦争の記憶」(創刊特別価格 190円。アシェット・コレクションズ・ジャパン発行)
の毎号コレクションズに付いていた復刻新聞を、
当時の記事内容・紙面構成については考慮せず、
ただ単に
「昭和初期の、鉛活字・活版組み版新聞はどういう組み方・紙面構成だったんだろう?」
として眺めた。

❷ 73年前の朝日新聞(1941年12月9日付)編=その弐

紙面中央にグラフィックを配置するセンスの良さ!(←こらっ、大先輩に失礼だぞ)
新聞レイアウトの基本の一つが、紙面中央に写真やグラフ、地紋見出しなど〝黒っぽいもの〟を置くこと。
復刻朝日1面=写真
4段写真を配置している。記事が少し入りそうになれば、写真の左右カットを少しずつやっていけば何とかなりそう、という感じ。
「隊◯◯地現/(輸空)影撮 鷲陸がわるす厭制を空上島半イレマ」
見出し的3Gエトキ(写真説明、キャプション。3Gは3倍ゴシック体)は右→左読みだったのかぁ、
はじめは分からなかった(笑)

記事にベタ活字(*1)に倍半(*2)、2倍活字が入り乱れているのは、当時は普通だったのかしらん
次々入電する記事を段組みしているけど、文字指定が実に〝多彩〟。
複数のデスク・記者が指定して出稿したのだろうか。
昭和10年代から朝日新聞はハラキリ(*3)をバンバンしていたのが、よく分かった………。

長くなったので、続く。

(*1)ベタ活字
紙面1段に組まれている基本サイズの文字。
復刻版朝日の場合は、
「88(ハチハチ)活字=1倍活字」
と呼ばれるサイズで、1段に15本入った。
88は88ミルスのことで、CTS(コンピューター組み版・編集)では8U。
新聞社によっては88活字を意味せず、
現在使っている「基本文字サイズ」を指す場合もあるのでややこしい。

(*2)倍半=ばいはん
1倍の1.5倍サイズ活字。88+44=132ミルス=12U。
15倍1段には、10本入る。

(*3)ハラキリ
紙面割り付けの中央か数段ごとにバッサリ左右断ち切りにすること。
「紙面が単調になるから、絶対に避けるべき組み方だかんな!」(整理部先輩)
と言われたけど、
記事がまとまっているし切り抜きしやすいという、読者にはメリットがある。
伝統の大半は悪習なり(柳宗悦)ということでしょうか。