降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★夕刊國民新聞を初めて見た❸止

2014年09月16日 | 新聞

つい最近(1990年代前半)まで、鉛活字と凸版、インクを使って活版で組んでいた「新聞」。
僕たち新聞社整理部から見た、活版鉛活字組み版から第1期CTS(コンピューター組み版・編集)までを後世に書き遺しておこうかな、と。



【9月13日付の続きです。
お断り=当時の政治情勢や世情などは考慮せず、ただ単に
「昭和初期の活版鉛活字組み新聞紙面」
に注目しました。
紙面は「激動の昭和史を読む/太平洋戦争の記憶」(アシェット・コレクションズ・ジャパン発行)の毎号コレクションズから。
というわけで、復刻新聞紙面に驚いたぁ~シリーズ第13回】


【夕刊國民新聞・昭和五年四月廿二日付篇③止】
左上の2段写真は〝季節ネタ〟なのだね。
4月23日付なのに
「....初夏は果物から....」
という写真ものは意外。ポカポカ陽気だったのかしらん。
でも、なんの「果物」なのか、網点が不鮮明なので分からない。

連載小説のケツに突然「新宿の火事/二ヶ所で十二戸を焼く」が入っている。
2段メント罫(*1)を立てた連載小説「侠客往来其三/新門小金井」(悟道軒圓玉演、神保朋世畫)の終わりに、なぜか1段ヤマ立てで
「澁谷の火事」「西大久保の放火」「下落合の放火」
3短信が入っている(放火が多かったのですねぇ、昭和5年)。
小説をカットしたのだろーか(←それは出来ない気がするけど)、
あるいは、初めからアキ(*2)があったのだろーか。
うーむ。84年前、当時は普通だったのかしらん。

(*1)2段メント罫
図版からつくったような飾り罫で、決マリモノを1行どりで押さえた。
新聞社によってちがうけど1段、2段、3段まで用意してあった。
ド新人のころ、整理部先輩に
「あの~、メントって何ですか?」
と聞いたら
「ん? ドイツ語じゃね?」
と言われたけど(笑)。
製作局活版部大組み者に聞いたら
「ん? そういや何だろなぁ」
だった。

(*2)初めからアキ
ツッコミ記事を入れるスペースを初めから数十行分つくっておくことはあるが、
連載小説のケツに〝アキ〟は、ちょっと考えられなかった。