秋田八幡平のアスピーテ・ラインは、通常は蒸けの湯から先は、
11/4に冬季閉鎖。
ウルトラをやっと何回か、完走した頃の話。
やはり、シーズンの終わりに、また走りたくなり、一人でここにきてみた。
秋田には、トレイルラン、という「言葉」はまだ一般には
知られていない頃のこと。
11/23に、ここまで車できて、ここからランだ。
11/4で、すでに蒸けの湯から先(頂上方面)
は、本当に積雪で通交不能のともある。
この年は雪が遅かった。
11/23でも、ところどころ積雪のみだった。
蒸けの湯から、一人で、冬季閉鎖したアスピーテ・ライン往復と
頂上遊歩道3kmを一周、雪を蹴って気持ちの良いランをした。
吹きだまりに、登りの時はなかった熊の巨大な雪こぎの踏み跡には、
ぞぞーんとした。
蒸けの湯(SL950m)→秋田・岩手県境(SL1550m)
→頂上遊歩道一周→蒸けの湯
約18km。
頂上の「遊歩道」はすでに、吹きだまり部では50cmの積雪。
写真:頂上近くの「大深沢展望台」
写真:アスピーテライン最高部の秋田岩手県境。
ここまで53分(7.5km)
遊歩道の2枚の板の間に、スポット足を落とし、危うく捻挫しそうになった。
もちろん全く人はいない。うす暗く、小雪も降っていた。
もし怪我をしたら、春までは雪の下。白骨になる?
吹きだまりに足を突っ込み転倒したときは、本当に一瞬白骨・・・、と思った。
岐路、頂上の県境から秋田県側に下りはじめたら、
子ウサギに追い抜かれた。
えええ・・・、と思っていたら、10m先で、こちらをうかがっている。
眼と眼が合った。周囲は、ガスと夕闇がせまってきた。
追い越したのだが、やはり頂上に実家があったのだろう。
この兎ちゃんがもう突進してきた。
凝視していると、頂上方向に引き返して行った。
多分、侵入者の顔を見に来たのだろう。
再び、吹きだまりに、身をひそめ、じっとこちらを見ていた。
その愛らしい顔は、今でも忘れない心の宝物。
蒸けの湯は、冬季営業休止中。
脱衣場も何もない、露天風呂が、「放置」されていたので、
ありがたく、いただいた。
兎さちゃんと露天風呂独り占めのラン、でした。
写真:子ウサギ1羽。
写真:このウサギが突進してきた。
写真:蒸けの湯で、冬季休業中の露天風呂をありがたくいただいた。
天国。
まだ、小型デジカメが無く、大きなデジカメを左手に持ち、シャッターをきった。
かけ流しの天然温泉ですぞ・・・・。湯加減がまことにいい。
八幡平、トロコから先、一人の人にも会わなかった。
トレイル・ランにはまるきっかけになった、「ラン」でした。