ウルトラ・マラソンは、自分の走ったデータを十分に解析
するところに、楽しさと難しさがある。
なぜ、リタイアーするのだ。
「力」不足・・・・と、かたずければ、
今後、いつかまたリタイアーするはめになるかと考える。
リタイアーの「経験」は大切なラン「データ」になる。
リタイアーに自分が「引っ張り込まれる」ときは、
あたかも「レモン市場」が自分の前に広がってしまう・・・・ことか。
「レモン市場」とは、アメリカで質の悪い中古車の情報不足のたとえ。*
*『レモン市場』:
『ミクロ経済に、レモンの原理と言う理論がある。
レモンとは米国で質の悪い中古車のことを指す。
中古車のように一見しただけでは本当の価値が
分からない市場を「レモン市場」という。
「レモン市場」では売り手は取引する財の価値を
分かっているが、買い手は売り手と同等の情報を
持っておらず、情報の非対称性が存在する。・・・・』
2012/10/26日本経済新聞:「十字路」高野 真
より。
リタイアーの気持ちが浮かんだときから、このあとの距離のランは、
いつもの自分の力がどんどん落ち込んで、自分の本来の力が
分から無くなっていく。予測もつかなくなる。
どんなラン状態(質の悪い中古車)になるか、予測できないブレーキになって行く。
つまり、「レモン市場」状態になって行く。
がんばっても、悪い方に落ち込む。
好調時(質の良い中古車の情報)と不調時(質の悪い中古車の情報)
が非対象的(良い情報を思い出せなくなる状態)となって現れてくる。
この連鎖に入ると質の悪い中古品(ラン・ブレーキ)がどんどん出回る…との理論。
やる気が損なわれ、スピードがどんどん落ちていく。
この連鎖に入らないようにするには、「ピーチ市場」にせねばならない。**
**『ピーチ市場』
レモンは皮が厚く外見から質が分からないという説から、
皮が薄く外見から、良しあしが容易に分かるピーチでは逆に
いいものしか売れないので質の高い財が増える。
このような市場をピーチ市場よ呼ぶらしい。
出典、同上。
質のいいランをすればだまっていてもゴールが近づく・・・・ということだ。
例えがぴったりしないきらいもあるが、
なぜか、シルバーは、このように感じている。
写真:扶桑精工第6関門への登り(92km)を、
この関門締切17時まであと、10分の走り。まだはしっている。
頭が垂れている。選手は前に2人のみ。
「レモン市場」から抜け出せない。
写真:大館空港トンネルを出た地点(95.4km)。
トンネルには、すでにライトが点灯していた。
リタイアーを決断した瞬間、17時27分。(ゴール締切3分前)
サポーターも「にくい」瞬間をよく撮ってくれた、とおもう。
あまり見せたくない写真だ。
何で鼻くそほじる…ジー様・・・・。
完全に、「レモン市場」状態。
徳川家康が「三方が原での負け戦」をした時の姿を絵師に書かせたという。
その絵に重なる・・・・。