はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「穴」

2014-09-01 11:57:35 | 本・映画・ドラマ
小山田浩子さんの本『穴』を読みました。感想など綴っています。
芥川賞受賞作ということで、何の前情報もなく(あらすじなど)読みました。

ぞくりとするような怖さを感じつつ、読みました。

あらすじは…
仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ夏。見たことのない黒い獣の後を追ううちに、私は得体の知れない穴に落ちる。
夫の家族や隣人たちも、何かがおかしい―。ごく平凡な日常の中に、ときおり顔を覗かせる異界。


現実と、幻覚の世界の境目が、どこにあるのだろう?というところが、じわじわ怖かったのかも。
それと、なんとなく、自分にも、そういうことって、あるかもしれないと…思うところがあったから。
いや、幻覚を見るというのではない。

仕事を辞め、夫の実家の隣へ引っ越す。
車は夫が乗って行ってしまうので、自分には、車もなく、公共交通手段も、1時間に1本あるかないかのバス。
小さなんスーパーが1軒と、コンビニが1軒。
知人などは、全くいない。
夫は転勤直後で、毎日とても帰宅が遅い。。。


私は、4年前、同じような感じで、仕事を辞め、夫の実家ではないが、友達の居ない未知の地へ越してきた。
当然、夫は、毎日午前様のような帰りの遅さで、私はといえば、一日中誰とも口をきかず、、、過ごす毎日。
幸い、駅の傍ではあったけれど、世の中から置いてきぼりをくらったような、孤独な気持ちになった。。
たぶん、精神的には、かなり揺れて、不安定になっていたのだろうと思う。


でも、それよりも、ずっと以前、23歳で結婚した頃、、初めてのお正月で、夫の実家(とても田舎です)へ
1週間ばかり帰省した時のこと。。。
いい人たちが、歓迎してくれ、優しくしてくれたのだけれど、、、
なんていうか、私という個性はどうでもよくて、「いい嫁」であればいい。。。みたいな感じと、
田舎なので玄関に鍵などはかけないから、台所へ行ってみると、知らない人が座っている^^;みたいな、
どこに居ても、心休まらない感じと、
田舎ゆえの、方言のすごさで、飛び交っている会話の半分くらいは、理解できないというアウエー感で、
精神的な疲労感が半端なく、、もし、将来、この実家へ越してくることがあったら、
私の精神は、崩壊してしまうに違いない…という、恐怖みたいなものを感じ、
結婚したばかりだったけれど、
「私にはやっていける自信がないので、離婚しよう」と、相方さんに話した頃のことを、
本を読みながら思い出したのだった。


「穴」の最後が「私の顔は、既にどこか姑に似ていた」というところが、とても怖い。

やっぱり、私は、「お嫁さん」とかいう一般名詞ではなく、私という固有名詞で生きられる
人生を送りたい。。。と、痛感した。


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