トランプ次期大統領は、新しい中国大使に習近平国家主席と長年にわたって個人的な関係を築いてきたブランスタド・アイオワ州知事を指名すると発表した。経済分野を中心に中国との関係を強化したい狙いと見られる。
一方、国務長官として、紆余曲折を経て、ロシアとつながるビジネスマンと見られ、共和党重鎮が強く反対していた、レックス・ティラーソン(エクソンモービル会長)を国務長官に指名した。
米国は現在、ロシアに経済制裁を課し、軍事的にも厳しく対峙している。第三次世界大戦前夜とさえ見られている。親露色が強い人物の大使起用は関係改善へのシグナルだろうか。そうであれば世界は救われるだろう。
他方で、中国との関係がどうなるのか、依然として不明である。トランプ氏の「一つの中国」に縛られないという発言や、台湾総統との電話会談、そして南シナ海に関する厳しい発言など、反中的な言動が目立つことから、親中的な人物の大使任命にも関わらず、中国に対して厳しい姿勢をとるのだろうか?もしそうであれば、親露・反中という戦略的立ち位置であり、日本としても好ましい環境が形成されることになる。
明日の安倍ープーチン会談にどのような影響があるのか、注視したい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)12月14日(水曜日)弐
通算第5134号 (あの日から315年)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それでもエクソンモービル会長を次期国務長官に指名
エネルギー長官はペリー(前テキサス州知事)。「異常気象説は疑問」
******************************
トランプ次期大統領は正式にレックス・ティラーソン(エクソンモービル会長)を国務長官に指名した。上院共和党は多少の驚きをもって迎え、また日頃リベラルなメディアまで「ロシアとつながるビジネスマンが?」と懐疑的である。
国務長官に最初に名前があがったのは、ジュリアーニ元NY市長、ニュート・キングリッチ元下院議長、クリス・クリスティー(ニュージャージー州知事)の三人。いわば、トランプの選挙戦序盤から、トランプの帷幄にいた有力者だった。
この「三人組」は組閣リストから外され、トランプの元を去った。
次に有力と見られたのは共和党保守本流のミット・ロムニー(前マサチューセッツ州知事、12年の共和党大統領候補)だった。
かれは二回、トランプと会ったが、帷幄の中に強い異論がでていた。いくら党主流を取り込もうとしても、「トランプを詐欺師呼ばわりしたロムニーでは支持者を裏切ることになる」と側近等が反対し、実現しなかった。
意想外の分野から次期国務長官が選定された。
クレムリン人脈と親しく、ロシアから勲章を貰っている石油会社の会長が外交のトップに選ばれるとは誰も想定していなかった。
しかしトランプの個人的な外交構想を考えてみると、中国を敵視しているからには、バランスから勘案しても、ロシアとの友好関係の復活、制裁解除が狙いの根底にあると思われるから、妥当な人事とも言える。
エクソンモービルが仮に「一国家」であるとすれば、世界第46位のGDPを誇るマンモス企業である。
ティラーソン指名と同時に、トランプはエネルギー省長官にリック・ペリー(前テキサス州知事)を指名した。
オバマのエネルギー政策を根本から転覆させるというのがトランプの公約、とくに地球温暖化、異常気象説に懐疑的なトランプは、シェールガス開発、石炭産業の復活、パイプラインの敷設推進を首唱し、産業界は大歓迎してきた。
ペリーは石油王国とも言われるテキサス州で、2000年に大統領に当選したブッシュの後釜となり、四期連続知事を勤めた。
州経済を繁栄に導き、トランプのエネルギー政策の賛同してきた。ペリーは2012年と、今回の大統領予備選にも出馬した。
一方、国務長官として、紆余曲折を経て、ロシアとつながるビジネスマンと見られ、共和党重鎮が強く反対していた、レックス・ティラーソン(エクソンモービル会長)を国務長官に指名した。
米国は現在、ロシアに経済制裁を課し、軍事的にも厳しく対峙している。第三次世界大戦前夜とさえ見られている。親露色が強い人物の大使起用は関係改善へのシグナルだろうか。そうであれば世界は救われるだろう。
他方で、中国との関係がどうなるのか、依然として不明である。トランプ氏の「一つの中国」に縛られないという発言や、台湾総統との電話会談、そして南シナ海に関する厳しい発言など、反中的な言動が目立つことから、親中的な人物の大使任命にも関わらず、中国に対して厳しい姿勢をとるのだろうか?もしそうであれば、親露・反中という戦略的立ち位置であり、日本としても好ましい環境が形成されることになる。
明日の安倍ープーチン会談にどのような影響があるのか、注視したい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)12月14日(水曜日)弐
通算第5134号 (あの日から315年)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それでもエクソンモービル会長を次期国務長官に指名
エネルギー長官はペリー(前テキサス州知事)。「異常気象説は疑問」
******************************
トランプ次期大統領は正式にレックス・ティラーソン(エクソンモービル会長)を国務長官に指名した。上院共和党は多少の驚きをもって迎え、また日頃リベラルなメディアまで「ロシアとつながるビジネスマンが?」と懐疑的である。
国務長官に最初に名前があがったのは、ジュリアーニ元NY市長、ニュート・キングリッチ元下院議長、クリス・クリスティー(ニュージャージー州知事)の三人。いわば、トランプの選挙戦序盤から、トランプの帷幄にいた有力者だった。
この「三人組」は組閣リストから外され、トランプの元を去った。
次に有力と見られたのは共和党保守本流のミット・ロムニー(前マサチューセッツ州知事、12年の共和党大統領候補)だった。
かれは二回、トランプと会ったが、帷幄の中に強い異論がでていた。いくら党主流を取り込もうとしても、「トランプを詐欺師呼ばわりしたロムニーでは支持者を裏切ることになる」と側近等が反対し、実現しなかった。
意想外の分野から次期国務長官が選定された。
クレムリン人脈と親しく、ロシアから勲章を貰っている石油会社の会長が外交のトップに選ばれるとは誰も想定していなかった。
しかしトランプの個人的な外交構想を考えてみると、中国を敵視しているからには、バランスから勘案しても、ロシアとの友好関係の復活、制裁解除が狙いの根底にあると思われるから、妥当な人事とも言える。
エクソンモービルが仮に「一国家」であるとすれば、世界第46位のGDPを誇るマンモス企業である。
ティラーソン指名と同時に、トランプはエネルギー省長官にリック・ペリー(前テキサス州知事)を指名した。
オバマのエネルギー政策を根本から転覆させるというのがトランプの公約、とくに地球温暖化、異常気象説に懐疑的なトランプは、シェールガス開発、石炭産業の復活、パイプラインの敷設推進を首唱し、産業界は大歓迎してきた。
ペリーは石油王国とも言われるテキサス州で、2000年に大統領に当選したブッシュの後釜となり、四期連続知事を勤めた。
州経済を繁栄に導き、トランプのエネルギー政策の賛同してきた。ペリーは2012年と、今回の大統領予備選にも出馬した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます