独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

米軍の宇宙兵器:キネティック弾「神の杖」

2018年02月14日 14時59分09秒 | 軍事
アメリカ人の発想力のすごさは定評があるが、今回も驚いた。
宇宙からタングステンの棒(キネティック弾、運動エネルギー弾とも呼ぶ)を地球に打ち込むという兵器だ。
「棒」は長さ6m,太さ30cm,重さ約8トン。
レールガンと同様のキネティック弾だが、宇宙から打ち込むところが違っている。
キネティック弾は地表に接近するにつれて速度が増し、ついには音速の10倍(マッハ10)に達する。
地表に衝突すると、地中深く貫通し、地震を引き起こす。破壊力は核兵器に匹敵する。
北朝鮮の地下核施設を破壊する目的ですでに配備されているといううわさがあるが、あくまで根拠不明のうわさにすぎない。


神の杖
神の杖(かみのつえ)または神からの杖(かみからのつえ、英:Rods from God)は、アメリカ空軍が開発中だとされている宇宙兵器(軍事衛星)。Kinetic bombardment(運動エネルギー爆撃)とも呼ばれる。

概要
核兵器に代わる戦略兵器として計画されている兵器で、タングステンやチタン、ウランからなる全長6.1m、直径30cm、重量100kg8,000kgの金属棒に小型推進ロケットを取り付け、高度1,000kmの低軌道上に配備された宇宙プラットホームから発射し、地上へ投下するというもの。極めて大規模であるが、一種の運動エネルギー弾であると言える。落下中の速度は11,587km/h(約マッハ9.5)にも達し、激突による破壊力は核爆弾に匹敵するだけではなく、地下数百メートルにある目標を破壊可能だとされている。

金属棒の誘導は他の衛星によって行われ、地球全域を攻撃することが可能。また、即応性や命中率も高いばかりか、電磁波を放出しないため探知することが難しく、迎撃は極めて困難だという。

柳田理科雄は、寸法通りの金属棒だと重量はタングステンで8.3t、チタンで2tに及んでしまい、さらに、100kgの物体が11,587km/hで落下しても威力は広島型原爆の12万分の1にしかならないなどとして、神の杖の存在に否定的な見解を示している。また、米国科学者連盟(en)のジョン・E・パイク(de)は、金属棒が大気の断熱圧縮により融解してしまう事を指摘している。
なお、神の杖のような宇宙兵器の保有は宇宙条約によって禁止されている。しかし、アメリカは批准していない。


上記ウイキぺディアでは重量100kgとなっているが、これは明らかな間違い。8トンが正しい。
タングステンの融点は3,380℃と極めて高いから、落下中に融解することはないと思われる。
さらに、神の杖のような宇宙兵器の保有を禁ずる国際条約は存在しない。宇宙条約もSALT2もタングステンの棒である通常兵器を禁止していない。

さて、8トンもある神の杖をどうやって衛星軌道に載せるかだが、最近打ち上げに成功したイーロン・マスクのファルコン・ヘビーのペイロードは低軌道であれば54トンもあるから、一度に6本の打ち上げが可能だ。

<関連情報>
The Air Force's 'rods from god' could hit with the force of a nuclear weapon — with no fallout
2018/2/13
businessinsider.com


<2018年2月15日>

今日になって思い出したことがある。
1ヶ月ほど前に、スペースXによりファルコン9ロケットが打ち上げられた。打ち上げは成功したが、ペイロードであるZUMAが行方不明になるという「事件」があた。ZUMAのミッションは秘密とされていた。
様々な憶測が乱れ飛んだ。
今になって思うのは、ZUMAとは、つまり、「神の杖}だったのではないかと。北朝鮮問題に便乗して「神の杖}の実地テストを行うには絶好のタイミングでの打ち上げだったのではないのか? いうまでもなく、米軍が北朝鮮への軍事行動に踏み切るまでは、それが実際に使用されることはないだろうが。

Did SpaceX’s secret Zuma mission actually fail?
Conflicting reports say the satellite fell out of the sky
Jan 9, 2018
theverge.com


ZUMAと神の杖を結びつけた「憶測」を一つだけ見つけた。
https://threadreaderapp.com/thread/952606739748319232.html

画期的なガン免疫療法の臨床試験開始:スタンフォード大学

2018年02月02日 11時30分09秒 | 科学技術
Stanford Cancer ‘vaccine’ eliminates any cancer tumor in mice and human trials are starting
マウスのガン腫瘍を消滅させるワクチンを用いた臨床試験が始まる

February 1, 2018
nextbigfuture.com
●スタンフォード大学が15人のリンパ腫の患者を集めた。
●2種類の薬品を1回注射するだけでマウスの体内に広がった腫瘍を消滅させることができた。副作用はほとんどなかった。
●一ヶ所の腫瘍に注射するだけで全身の免疫作用の引き金を引くことができた。

使用された薬品はTLR9 ligandanti-OX40 antibodyで、両者を1ヶ所の腫瘍に直接1回注射するだけでT細胞の働きを強化することができた。これにより、離れた場所にある腫瘍も縮小し、マウスが長く生存することができた。
2種類の薬品はそれぞれ単独で医療に使われており、両者を合わせることでガン患者の治療に効果があることがわかった。

リンパ腫を体内の2ヶ所に移植されたマウスついて、1ヶ所の腫瘍に上記2種類の薬品を注射したところ、2ヶ所とも腫瘍が縮小した。こうして90匹のマウスのうち、87匹のガンが治癒した。3匹についてはガンが再発したが、2回めの注射でガンはふたたび縮小した。マウスの乳がん、結腸腫瘍、メラノーマ腫瘍についても同様の効果が認められた。


私のよりはるかに良い翻訳を見つけたので貼っておく。

「がんワクチン」によって全身の腫瘍が消滅することがマウスによる実験で明らかに
2018年02月02日 19時00分00秒
GigaZiNE
多くの人を苦しませている「がん」の治療でまた新たな成果が報告されています。スタンフォード大学の研究チームは、2つの免疫系刺激物質をマウスの腫瘍に直接注入することで、その部位だけでなく全身に分散していた腫瘍までをも消滅させることができたと発表しています。

Cancer ‘vaccine’ eliminates tumors in mice | News Center | Stanford Medicine
https://med.stanford.edu/news/all-news/2018/01/cancer-vaccine-eliminates-tumors-in-mice.html

がん治療の際に用いられることが多い「抗がん剤」には副作用が多くみられるため、一定のリスクが伴うといわれています。しかし今回、スタンフォード大学の研究チームが開発した方法によると、2種類のごく少量の薬剤を腫瘍部位に直接注入することで効果的に腫瘍を小さくし、消滅させることが可能になるとのこと。

この薬剤は、体の免疫系に対して刺激を与える物質などからなっており、腫瘍学の教授であるRonald Levy博士はその効果について「このアプローチは、腫瘍特異的な免疫ターゲットを特定する必要性を回避し、免疫系の大規模な活性化や患者ごとの免疫細胞に応じたカスタマイズを必要としません」と従来の治療法との違いを述べています。Levy博士は、がん治療のために身体に備わった免疫系を活用する「がん免疫療法」の先駆者で、悪性リンパ腫の治療に用いられる抗体薬(モノクローナル抗体)である「リツキシマブ」の開発を導いたこともある人物です。

Levy博士
今回用いられた手法は、腫瘍のある部位に2種類の薬剤をそれぞれ100万分の1グラムレベルの分量で注入することで、特定のガン細胞に作用するT細胞 を活性化させるというもの。2種の薬剤のうち、一つは「CpGオリゴヌクレオチド」と呼ばれるもので、T細胞の表面上のOX40と呼ばれる活性化レセプターの発現を増幅するために、他の近くの免疫細胞と共に働くもの。そしてもう一方は、OX40に結合する抗体であり、T細胞を活性化して癌細胞に対する攻撃を率いさせるために用いられます。これら2つの薬剤は主要部分に直接注入されるため、その部位にあるT細胞だけが活性化されます。

このアプローチを実験用のマウスで実施したところ、著しい成果が確認されたとのこと。マウスの体内の2カ所にリンパ腫腫瘍を移植し、2つの薬剤を1つの腫瘍部位を注射したところ、治療が行われた腫瘍だけでなく、体の別の場所にある第2の未治療の腫瘍でも組織の退行が見られたそうです。この処置により、90匹中87匹のマウスでがんが治癒したことが確認されています。また、3匹のマウスではがんが再発しましたが、2回目の治療の後に組織は小さくなったことが確認されているとのこと。この結果は、乳房、結腸および黒色腫の腫瘍を持つマウスにおいて同様に確認されているそうです。

また、10個ある乳房組織すべてにおいて乳がんを自然発生的に発生させるように遺伝子操作されたマウスも、この治療に反応したことがわかっています。そして、最初に起こった腫瘍を治療することで、将来の腫瘍の発生を予防し、個体の寿命を有意に延長することができることも分かっています。

さらに詳細なデータをとるために、研究チームは2種類の腫瘍をマウスに移植することによってT細胞の特異性を調査しています。マウスにはまず、元と同じリンパ腫がん細胞を移植してから、別の場所に大腸癌細胞株を移植。こうして別の腫瘍細胞を持つ状態にした上で処置を行ったところ、結腸がんの細胞だけが影響をうけなかったとのこと。つまり、特定のがん細胞だけを攻撃できる手法であることが確認されたというわけです。Levy博士はこの結果に対し、「これは非常にターゲット性が高い手法です。T細胞が認識しているタンパク質を正確に特定することなく、特定の標的を攻撃しています」と語っています。

今後、Levy博士は低悪性度のリンパ腫患者約15人を募って臨床実験を実施する予定とのこと。これが成功した場合、Levy博士はこの治療が多くの腫瘍タイプにとって有用なものになると考えています。Levy博士は「免疫系によって攻撃を受けるものである限り、私たちは潜在的に治療できる腫瘍の種類には限界があるとは思っていません」と述べています。