独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

秩序あるマイルドな保護貿易が世界を救う

2012年05月01日 21時28分52秒 | 日本
大企業は安い労働力を求めて中国などの途上国に進出し、先進国は空洞化して失業者があふれています。スペインの失業率は24%、ヨーロッパ全体は平均で10%程度。アメリカの失業率8.3%はまだ良い方です。25歳以下の若者に限ればスペインの失業率は50%に達しています。
世界は今まさに第二次大恐慌の入り口に立っているといっても過言ではありません。

日本は失業率こそ5%程度と低いようですが平均賃金は急速に低下しています。少子化の主な原因はグローバル化に伴う若者の貧困化なのです。収入が少ないうえに非正規雇用で身分が不安定なので結婚できない。だから子供が生まれないんです。

田村秀男氏のブログより
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2671639/

空洞化に伴う経済不振が緊縮財政などの間違った政策により増幅されているという構図こそが先進国共通の病理なのです。

グローバル化により大収斂とやらが起きて、途上国と先進国の賃金格差が近い将来なくなるのだと経済屋(池田信夫)は得意げに解説します。

日本やアメリカで見られる極めて明瞭な賃金低下傾向は大収斂によってしか説明できないことには同意せざるを得ませんが、その結果もたらされる悲惨と混乱を経済屋はなんとも思わないのでしょうか。その冷血には呆れるほかありません。

こうして世界経済は今や大混乱に陥っているわけですが、なぜか「グローバル化はもうやめようよ」という声が沸き起こりません。グローバル化は避けられない必然的な流れだとの間違った認識があるからでしょう。

グローバル化反対と言うと、鎖国するのかと血相変えるバカが後をたちません。もっとグローバル化だとTPP推進論者は叫びます。

先進国が協調してグローバル化に歯止めをかける以外に第二次大恐慌から脱出する手立てはありません。海外に進出した企業を母国に回帰させなければなりません。
すなわち「秩序あるマイルドな保護貿易」こそ唯一の解決策なのです。

日本企業が中国で生産した安価な製品を日本に逆輸入するというビジネスモデルは関税がほぼゼロだから成り立つわけですが、関税が引き上げられれば中国で生産するメリットが消失し、工場立地を国内に回帰せざるを得なくなります。その結果、日本国内の雇用が増加して景気も回復するでしょう。
最近、中国の労働コストが上昇したためアメリカ企業が母国に回帰するケースが増えているという報道がありますが、そのような動きを関税引き上げにより加速すべきだと考えるわけであります。


<5月4日>

産経 5月4日 「鼓動2012 フランス」 by 宮下日出男より:


・・・「会社側は工場を閉鎖して賃金の安い国に移すつもりだ」とバリエルさん。グローバル化は「大企業の金もうけのための道具」と切り捨てた。 
グローバル化への疑念は今、少なからぬ国民が共有している。世論調査機関IFOPによる4月実施の調査では、グローバル化が「フランスにとってよかった」との回答は22%。今後10年間で国内の雇用情勢に「悪影響を及ぼす」との回答は75%に上った。・・・

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