独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

自律的スウォーム・ドローンの実験成功(米国)

2017年01月10日 17時13分24秒 | 軍事
2年ほど前から、スウォーム(群れ)ドローンの構想が報道されていたが、いよいよ実験に成功したという情報が出てきた。

The Navy is Preparing To Launch Swarm Bots Out of Cannons
April 14, 2015
http://www.defenseone.com/technology/2015/04/navy-preparing-launch-swarm-bots-out-cannons/110167


当初は、このように大砲からスウォーム・ボットを打ち出すという構想だったようだが、最近の報道では、航空機から投下する手法に変更されている。

The Pentagon's Autonomous Swarming Drones Are the Most Unsettling Thing You'll See Today
Jan 9, 2017
http://www.popularmechanics.com/military/aviation/a24675/pentagon-autonomous-swarming-drones/
戦闘機から射出された超小型ドローンの群れ(スウォーム)が、人間の介在なしに、自律的に相互に協力しあって任務を達成する。

昨夜のテレビニュースで放映されたように、昨年10月の実験では、103機の鳥型のPerdixドローンが3機のF/A-18 スーパーホーネットから射出され、編隊飛行に成功した。Perdixドローンはマッハ 0.6 での射出と、摂氏-10度の低温に耐えることが証明された。

Perdixドローン

地形図と合わせて表示されたGPSデータには、戦闘機の飛行経路に沿って、放出されたドローンの長い列が示されている。ドローンはあらかじめ決められた地点で編隊を形成し、そのあと、4つの異なる任務をこなした。そのうちの3つは目標上空でホバリングするものであり、4番目の任務は上空で直径100mの円を形成するものだった。
https://www.dvidshub.net/video/504622/perdix-swarm-demo-oct-2016
国防省によると、Perdixドローンについて、集団的な行動、編隊飛行、自己修復機能、などの能力が証明された。スウォームの利点は、一部のドローンが墜落しても、群れの編成を再構築して任務を達成できることだ。

このようなスウォーム・ドローンの利用法はいろいろある。戦闘機からドローンを放出して地上部隊に偵察情報を提供するとか、敵勢力を見つけ出してその位置を知らせる、などである。さらに、敵の通信を妨害する、広い領域での通信ネットワークを形成する、特定地域で継続的な偵察を行う、などもある。また、少量の爆薬を積載すれば、敵兵の殺害に利用できる。空対空の戦闘においては、大きな目標に見せかけることで敵の航空機や地上車両やミサイルのレーダーを撹乱することができる。


米国防総省
超小型ドローンで偵察飛行へ 1000機予定

毎日新聞2017年1月10日 10時20分
http://mainichi.jp/articles/20170110/k00/00e/030/158000c
 【ワシントン会川晴之】米国防総省は9日、全長約16センチの超小型ドローン(無人機)を開発し、103機で編隊飛行する実験に成功したと発表した。低空での偵察飛行などに投入する計画で、カーター国防長官は「敵に一歩先んじる最先端の技術革新だ」と高く評価した。今年中に1000機を製造し、次世代機の開発にも取り組む予定だ。

 実験は昨年10月、カリフォルニア州で実施された。3機のFA18戦闘攻撃機が103機のドローンを投下、ドローンが編隊を組み飛行することに成功した。

 人工知能(AI)などを活用した新型ハイテク兵器を開発するため2012年に発足した戦略能力研究室(SCO)と空軍が、マサチューセッツ工科大学が13年に開発したドローンをもとに共同開発した。全長約16センチ、翼幅約30センチ、重量は290グラムで、最高速度は時速111キロに達する。航空機から投下するだけではなく、海上艦船や地上からの離陸も可能という。

 オペレーターが指示した目的地に向け飛行するが、経路はドローン自身が最適の解答を見つけて判断する。またドローン同士が相互に連絡を取り合う能力もあり、編隊飛行ができる。