雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

アメリカ保守5:アラモ再び?

2006-02-19 23:08:13 | 時事
Alamo(アラモ)といえば、1836年2月23日から10日あまり続いたテキサス独立戦争の舞台の僧院。メキシコ共和国が1824年に発効した憲法(みなが自由にやれることを保障した)によってアメリカやヨーロッパからメキシコにたくさん移民したが、メキシコは1835年にその憲法を改定。それほど自由ではなくなった。これに反抗したのが当時メキシコ共和国に属すテキサスに暮らすアメリカからの移民者を中心にした反乱軍。彼らは全滅したが、自由のための玉砕がそののちのテキサス独立、アメリカとメキシコの戦争に続いた意味で重要な歴史的な出来事である。

そのアラモのあったテキサスが最近またきな臭い。巨大な武器弾薬の貯蔵庫がみつかり、IED(Improvised Explosive Devices)2つを含む手榴弾や暗視狙撃用単眼鏡付き銃およびライフルが押収された。爆弾を作る工場があり、銃火器をつくるプラントが日常の仕事として稼動しているのなら、全アメリカ人が知っておくべきだというわけで、お馴染みのTownhallがテキサスで起こっている麻薬戦争とそれに対する政府の無対応ぶりを伝えている。

騒がれたのに今ひとつ報道されないのは、アルカイダのテロリストのアメリカ潜入にこの麻薬密売人たちが関わっている疑いがあったが、結局イラクとの明白な関連は認められなかったからだろう。しかしメキシコ軍もしくは警察、麻薬密売人などが国境を越えてアメリカに入っているのは確からしい。安全保障部によると、ここ10年間で、231件が書類で報告されているという(アリゾナだと63)。そしてこれまでは単なる事故とされてきた。

しかしこのほど、かねてより麻薬をめぐるギャングが戦争状態にあり、MS-13 Mara Salvatrucha(悪名高いらしい) というストリート・ギャングの仕業ということが公表された。ただ政府はじめパトロール隊もこれに対して写真をとる以外なにもせず、メキシコ政府側も何もできないということである。しかもメキシコ軍などは、麻薬密売人をエスコートする体たらくときているらしい。

また、サンディエゴにある倉庫には、2トンを超えるマリファナが見つかり、その地下には、きちんと整備された2400フィートのトンネルもみつかった。政府は何をやってるんだということになるが、この任を負っているのがJulie Myersは、コネでこの職にあるためあまり期待できない。ある国会議員によると、国境付近ではすべてのひとが武装しているという(行く予定の方は気をつけて)。

この記事の主旨はもちろん保守派のTownhallだから、上記事件のレポートではないと思う。ここのところ問題になっている移民法の改定(もちろん厳しくなるべきだといっている)、アメリカで生まれた子供にアメリカ国籍を与えることの終了など、保守的意見が、記事の終わりに上記事件への対策として載っている。とにかくこうした保守系思考にとって、かつてアラモの砦があったテキサスは格好の場所ではないかといいたい。Remember Pearl Harbor のもとになった Remember the Alamoというフレーズもこの事件にちなんだものだが、アラモもテキサスも、アメリカの愛国心や国防意識をアメリカ人が共有する記憶からたぐりよせやすい名前である。

ちょっとうがってます?

追伸:今日の対決(Digital Audio Player)
1) モーツアルト交響曲39番 ワルター(NYP) vs ワルター(VPO) vs ブロムシュテット
2) セロニアス・モンク Alone in San Francisco vs Solo on Vogue
3) ジャズ・ピアノ・トリオ対決 Dolce Far Niente(ナホルニートリオ) vs Fly To Brazil (ヴァルターシュトラート・トリオ)
4) ブルックナー交響曲5番 クナ vs フルヴェン