NY TimesがNew Orleansの市長選候補の見所を紹介している。争いは、現市長C. Ray Nagin、前市長 Moon Landrieu の息子でルイジアナ州副知事Mitch Landrieu、Oliver Thomasの3つ巴である。このNY Times の記事では、Mitch Landrieu (45歳)が最有力とされている。
Landrieu一族は南部きっての政治家一家で、黒人とアップタウンに暮らすリベラル派白人の支持を得てきた。前市長であるMoonは、南北戦争後初めてニューオリンズの政治にアフリカ系アメリカ人を参加させたし、その娘Maryは、主としてアフリカ系アメリカ人支持で上院議員になった(南部では当然のことながら異例)。だが、Mitchは、どちらかというとどっちつかずだったらしい。
だからといって一族の伝統的なアフリカ系アメリカ人支持はある。1980年代後半、Ku Klux Klanの元リーダーDavid Dukeを、ほかの白人たちがみな支持している中でMitchは支持しなかったため、彼自身もアフリカ系アメリカ人支持の基盤は得た。しかし前回も述べたように、ニューオリンズの人口分布は変わってしまった。圧倒的な白人主体の街である(Katrina 17 よりも克明かつ包括的に数字でニューオリンズの変貌を描いているのがワシントンポスト、興味ある方はどうぞ)。
にもかかわらずMitchが最有力なのは、なんといっても現市長C. Ray Naginの人気がひどく落ち込んでいるから。Katrina直後の処理から最近の「チョコレート発言(ニューオリンズはこれから人種の融和した街になることを明言した)」までいいところがない。このKatrinaシリーズでも書いたことだが、彼は、Katrinaがこれから来るというのに何もせずにラジオ番組かなんかに出ていて、多くの被災用施設を全く機能させなかったことはみな知っている。
もともと2002年にMitchに勝ったのは、保守派の白人票によるのだが、その彼らからの支持も「チョコレート発言」で支持が離れている。この「チョコレート発言」はもちろんアフリカ系アメリカ人票をとるための苦策だが、もともとアフリカ系アメリカ人からは信用がないため「本物genuineじゃない」とされ、しかも今回Karina被害を受けている人間はNaginに投票しそうにないというのでMitchが有力とNY Timesは判断を下した模様(ただしリベラル系だけでなく、保守Townhallにも同様の記事あり)。
というわけでNaginに代わるアフリカ系アメリカ人立候補者がOliver。しかしそれだけの存在なので、Mitchの地盤を揺るがすのは難しいとNY Timesはいう。ただ多くのニューオリンズ市民が戻ってくる可能性のないまま選挙に突入しそうなので、どのようになるかはまだわからないところ(興味深いのは、ワシントンポストによると、ニューオリンズの大学の学生はほぼ戻ってきているという)。延期された市長選は、先月、予備選挙4月22日、決選投票が5月20日と決定した。
なお、Mardis Grasは予定通り2週間後に開催。ただこの記事によると、機能する病院はひとつしかなく、いろいろ心配事は山積みらしい。
追伸1:NHK杯将棋トーナメント準々決勝 渡辺竜王 vs 山崎NHK杯
これは楽しみだったので、久しぶりにはじめから終わりまでみた。いい勝負だった。手数は180手とやや長ったらしいが、その手数ほど野暮な感じはしない。お互い時間を使いきっての終盤だったのでミス待ちになってしまい、最終的には山崎にミスが出たが、それまでの展開はガップリ四つに組んでのシンプルないい将棋だった。来週は屈指の好カード羽生四冠vs谷川棋聖(?)、これは何を差し置いてもみなきゃいけないっ。
追伸2:Digital Audio Player 5
音楽を聴き始めてわかったこと。シューリヒトのブルックナーが好きなんだな、ということ。
Landrieu一族は南部きっての政治家一家で、黒人とアップタウンに暮らすリベラル派白人の支持を得てきた。前市長であるMoonは、南北戦争後初めてニューオリンズの政治にアフリカ系アメリカ人を参加させたし、その娘Maryは、主としてアフリカ系アメリカ人支持で上院議員になった(南部では当然のことながら異例)。だが、Mitchは、どちらかというとどっちつかずだったらしい。
だからといって一族の伝統的なアフリカ系アメリカ人支持はある。1980年代後半、Ku Klux Klanの元リーダーDavid Dukeを、ほかの白人たちがみな支持している中でMitchは支持しなかったため、彼自身もアフリカ系アメリカ人支持の基盤は得た。しかし前回も述べたように、ニューオリンズの人口分布は変わってしまった。圧倒的な白人主体の街である(Katrina 17 よりも克明かつ包括的に数字でニューオリンズの変貌を描いているのがワシントンポスト、興味ある方はどうぞ)。
にもかかわらずMitchが最有力なのは、なんといっても現市長C. Ray Naginの人気がひどく落ち込んでいるから。Katrina直後の処理から最近の「チョコレート発言(ニューオリンズはこれから人種の融和した街になることを明言した)」までいいところがない。このKatrinaシリーズでも書いたことだが、彼は、Katrinaがこれから来るというのに何もせずにラジオ番組かなんかに出ていて、多くの被災用施設を全く機能させなかったことはみな知っている。
もともと2002年にMitchに勝ったのは、保守派の白人票によるのだが、その彼らからの支持も「チョコレート発言」で支持が離れている。この「チョコレート発言」はもちろんアフリカ系アメリカ人票をとるための苦策だが、もともとアフリカ系アメリカ人からは信用がないため「本物genuineじゃない」とされ、しかも今回Karina被害を受けている人間はNaginに投票しそうにないというのでMitchが有力とNY Timesは判断を下した模様(ただしリベラル系だけでなく、保守Townhallにも同様の記事あり)。
というわけでNaginに代わるアフリカ系アメリカ人立候補者がOliver。しかしそれだけの存在なので、Mitchの地盤を揺るがすのは難しいとNY Timesはいう。ただ多くのニューオリンズ市民が戻ってくる可能性のないまま選挙に突入しそうなので、どのようになるかはまだわからないところ(興味深いのは、ワシントンポストによると、ニューオリンズの大学の学生はほぼ戻ってきているという)。延期された市長選は、先月、予備選挙4月22日、決選投票が5月20日と決定した。
なお、Mardis Grasは予定通り2週間後に開催。ただこの記事によると、機能する病院はひとつしかなく、いろいろ心配事は山積みらしい。
追伸1:NHK杯将棋トーナメント準々決勝 渡辺竜王 vs 山崎NHK杯
これは楽しみだったので、久しぶりにはじめから終わりまでみた。いい勝負だった。手数は180手とやや長ったらしいが、その手数ほど野暮な感じはしない。お互い時間を使いきっての終盤だったのでミス待ちになってしまい、最終的には山崎にミスが出たが、それまでの展開はガップリ四つに組んでのシンプルないい将棋だった。来週は屈指の好カード羽生四冠vs谷川棋聖(?)、これは何を差し置いてもみなきゃいけないっ。
追伸2:Digital Audio Player 5
音楽を聴き始めてわかったこと。シューリヒトのブルックナーが好きなんだな、ということ。