イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

イギリスのオタク全員集合!日本はすごい、かっこいい!、イギリス人が企画した日本文化の祭典、その名も どきどきマンチェスター

2017年11月14日 12時34分07秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!

先週の土曜日、マンチェスターで開催された毎年恒例の 「どきどき日本祭 Doki Doki Japan Manchester Festival」に、上の息子と行ってきました!

小さかった下の息子と行って以来、6年ぶりです。
その時は、あまり長居しませんでした。

スポーツセンターの体育館スペース 2室を使った、イギリス人が主催する日本の文化紹介イベントです。


入場料は1人15ポンド、高いです!
・・・が朝の9時から 夕方の6時まで、入場の際に腕に巻いてもらったアームバンドを 見せれば開場時間内は出入り自由。


2か所の舞台ではひっきりなしに日本関連の実演がありました。

忍術、空手道、合気道の実演・・・武道関係はすべて、イギリス人運営の団体によるイギリス人メンバーの実演でした。

着物を着た日本人女性による、美しい琴の演奏もありました。

前回も披露していた、イギリス人グループの和太鼓は・・・


大人気でした。
正統の和太鼓かどうかは 私には判別つきかねますが、リズムが素晴らしかったです。

民謡の演奏もききました。


素晴らしい声の、着物の日本人女性はプロの民謡歌手のようでした。

アンサンブルの三味線のイギリス人男性はソロでも演奏していました。


日本人演奏家と縁のあるハーフかもしれません。
びっくりするほど上手でした。

イギリス人による折り紙教室。


「鶴」はイギリス人の初心者には途方もなく難しいのです。
日本人の私たちにはなじみのない、正体不明の四つ足動物の折り方指導を見物しました。
初心者向けにぴったりの古典折り紙、カブトやオルガン、やっこさんを教えたらよかったのに!

入って最初の場所にあった、謎めいた日本の鉄道模型の展示コーナーです。




すごい凝りようですが、私以外誰一人として足を止めて見る人なしの鉄道「ジオラマ」はちょっとレトロすぎかもしれません。
町の中を山手線の黄色い電車と一緒に最新型新幹線がゆっくり走り抜けます。

漢字を自宅で学べるアプリケーションを開発したグループが 売り込みのスタンドをやっていました。

碁や将棋を教えてくれるイギリス人のグループもいました。

漢字で無料で名前を書いてくれるスタンドもありました。

日本人女性が本格的なメロンパンを売っていました。
高かったけど下の息子のお土産にふたつ買いました。

イギリスで大人気のカツカレー、プラスチックの容器入りで6ポンドもまた高かったのですが、日本の味を楽しめました。

お寿司と焼きそばもありました。



(近ごろ巷でよく聞く、katsu カツゥという英製和語は、日本風のカレーソースを意味するようです!もちろんカツカレーからの派生です)

何もかも学園祭の模擬店みたいでした。

以上の報告で、どういった趣旨の催しか想像がついたでしょうか。

じつは、入場者の8割は、日本のサブカルチャー崇拝者

残りの2割ぐらいが、昔から一定数の人数を確保していた 空手や忍術(!)などの武道やボンサイ、オリガミ、ゴー(碁)など世界中で愛好者の多い伝統技能、音楽など日本の伝統文化に興味がある人たちだと思われます。

日本のサブカルチャー崇拝者の多くは、日本関係の催しといえば当然のように集まってくるコスプレ愛好家でもあるのです!

6年前に来た時は、オンラインショップで一式揃えたような芸のないポケモンの「ぬいぐるみ仮装」が多かったのです。

それにナルト、スーパーマリオ、セーラムーン・・・子供向きのキャラクターに大人が仮装するしょぼさが際立っていました。
あれも正当コスプレだったはずですが、組み合わせに創意工夫が感じられませんでした。

ゆいいつ、当時 何人かのイギリス人の若い女性たちが、週末の原宿を練り歩いている日本人少女のような服装で 人目を引いていました。

6年経った今年、イギリス人のコスプレの水準がいつの間にか向上していたのには本当に驚きました!

(実は私は、コスプレはもちろん、アニメにも現在のマンガにも、コンピューターゲームにも全く関心も知識もないのですが・・・)



何回聞いても名前が覚えられない、ポケモンの手の込んだお手製らしいコスチューム!


これは手作りではなさそうですね。

原宿系?


音がしないように焼きそばをすする美少女。


今回もやっぱり健在、セーラームーン。


プロのカメラマンが、入場者のコスプレ写真を撮影するサービスもありました。


比較的最近のディズ二ー映画、 Brave のプリンセス、Merida がなぜここに?


お手製らしいコスチュームはよくできていましたが日本のアニメファンのコスプレ集団の中では浮き気味でした。

まぎれこんでいた スパイダーマン、ファンタスティック・フォーといった アメリカンヒーローも やっぱり浮いていました!
コスチュームを持っているので 着て来たかっただけかもしれません。

ここ数年、「コスプレ」の概念はすっかりイギリスで定着しました!
もしかしたらアメリカに先を越されたかもしれませんが。

cosplay は英語でも「仮装」の意味でつかわれることが多くなってきています。

例えば、熱心な読者がジェーン・オースティンの時代の衣装を着て集まる文芸イベントでも仮装が 「コスプレイ」と紹介されていましたよ。
ハロウィンの仮装も、今はコスプレイと言う人がいます。

で、今回この催しの ステージの司会者や、関係者は、こぞって「コスプレ」と日本語風に発音していました!
他ではあまり聞かない発音です。

英語圏で「日本通」を自称する人は 日本語の単語の最後の母音を不自然に強調して発音するようです。
そうすると日本語らしく聞こえると思っているようですね。

日本風発音の「コスプレ kosupurE」はこの催しの入場者のような日本のアニメファンスタイルに限定のようでした。

普通の時代衣装 ( period costume ) や、ハロウィーン・パーティなどの仮装( fancy dress ) の場合は英語として定着しつつあるe英語発音の「コスプレ cosplay 」・・・というような区別ができつつあるのかもしれません。

もちろん! 会場中に広がった販売コーナーでは、入場者の需要を満たすアニメ漫画グッズでいっぱい。




「フィギュア」と言うらしい 私には値打ちが ちんぷんかんぷんな物が、どえらい値段で売られていました。

キャラクター商品、ティーシャツ、日本から持ち込んだ雑貨、駄菓子、ちゃっかり韓国や中国のものも混ぜてかなりな高値で売られていました。

この催しに集まってきたイギリス人はみんな日本人のようになりたくて一生懸命です。

着物姿のイギリス人もちらほらみかけました。

つんつるてんの着流しにへこ帯の、西郷どんかお相撲さんみたいな男性や、歌劇「マダム・バタフライ」風着付け・・・


さすがに司会者は合格、と思ったら・・・


後ろに回って帯をなおしてあげたい。


これ、コスプレ?


日本の女子高生に扮しているつもりのようです。

髪を黒く染めた人がいっぱいいました。

日本人が西洋人のイメージを目指して つける明るい色の髪のカツラをかぶった白人の女性をたくさん見かけました。
もともと明るい色の髪のイギリス人がワザとらしい金髪や 派手な色のカツラをわざわざつけているのは、不思議な現象・・・日本人のマネでしょう。

日本人が顔だちにメリハリをつけるためにする独自のメイキャップ (アイラインや つけまつげ、鼻筋のハイライト) も、もともと派手めな顔立ちで必要ないはずのイギリス人にすっかりマネされています。


セーラムーンのような髪型のイギリス人の女性が英語の歌を 日本人のような、平坦さを強調したアクセントで歌っていました。
例が古くてごめんなさい。35年ぐらい前の松田聖子のような切なそうな歌い方でした。

なんかバカにされてる気がしました。
「ブリっこ」というなつかしいフレーズが頭をよぎります。

声量のある人なのに、なぜ普通に歌わない?
常連らしい男性ファンが何人も前席でビデオ撮影をしていました。

この人ほど歌が上手くはない、別の イギリス人の美少女は舌足らずの日本語でアニメの主題歌をうたって、やっぱり常連らしいファンにウケていました。

独自の需要があるようです。

フロア中央に 縄で仕切った「メイドカフェ」がありました。

写真を撮っていいか聞いたら、有無を言わさず かぎ針編みの「テーブルマスコット」を持たされたうちの息子。


ガラガラで入ってみる勇気はありません。


お客の多くはコスプレ少女でした。

メイドはサービスでお客の似顔絵を描いてました。


もうちょっと自分のイメージを考慮したコスチュームを選べなかったのかな?と思えるようなコスプレ例も多数。




(こっそり撮った写真はもっとあるのですが、顔が写ってないものを厳選しました)

息子が、たばこを吸いたいというので、外の空気を吸いに一緒に出ました。

スポーツセンターの周りでたむろしている、尋常ならざるいでたちの人々は道行く人々をぎょっとさせていました。




ロッカールームもクロークもありません。
多くの入場者は、遠くからコスプレ姿でバスや電車を乗り継いでやってきたらしいのが驚きです。
コートも着ないで。(けっこう寒い日でした)

私たちは実に、6時間もいました!

イギリスに住んでいる日本人すべてが見られるわけではない、かわったものが身近に見られて、良い体験でした。
入場料15ポンドの価値はあったと思います。

比較的新しいアニメ映画、「ももへの手紙」を字幕付きで上映していたのを見ました。
最後はほとんどの人が大泣きしていました。

屋号、自分で言うかな?


やっぱり、これ、オタク の祭典・・・ですよね?


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7 コメント

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セーラームーンのコスチュームはアレンジしたセーラー服 (モロ)
2017-11-15 16:40:31
「独自の需要」と「もうちょっと自分のイメージを考慮したコスチュームを選べなかったのか?」と「屋号」で吹きました(笑)
江里ちゃんが突っ込みまくりたくなるのも当然だけど、まぁもっと広い心で見てあげてくれ、とも思うわ(笑)
このカワイイ人達が日本のコミケとかに行ったら、きっと鼻血噴いてぶっ倒れることでしょう。
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日本のコミケ (江里)
2017-11-15 16:49:29
日本のコミケにいったことがありません。どんなことがあるのでしょうか。
モロさんは日本のコミケに行ったこと、あるんですか。オ**の牙城と言われている…?
コミケって何の略でしたっけ?
返信する
ビックリ! (T子)
2017-11-15 21:26:20
いやいや、驚きましたよ!
こんなに日本が注目されてるとは…・。いまだに「フジヤマ、ゲイシャ」、みたいな人もいる一方で、今の日本を良くも悪くも知ってる人がこんなに居る事に驚きました。

日本人の中にはイギリスと言えばアフタヌーン・ティーやイングリッシュ・ガーデンばかりで、イギリス紳士は傘を持って歩いてると思ってる人も、冗談じゃなくいるのに、そっちの方が現実を見てますね。
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むむ (八幡@やんやーやマクビティーズ)
2017-11-16 14:54:42
日本に関心を持ってもらえるのは、有難いことです。
僕もコミケとかは行ったことないですが、近所のラクーアでコスプレのイベントを時々しています。
うちの息子も仮面ライダーと記念撮影してましたよ。

僕が気になるのは、武道の質ですね。
どの程度で披露されたのかが心配です。
返信する
日本文化の浸透 (江里)
2017-11-16 19:21:25
今回ちょっと特殊な内容なので、ストックポート日報がトップページにあがって来てるんじゃないかと期待して、イギリス、オタク、アニメなどのキーワードで検索してみました。結果は惨憺、やっと5ページ目にでてきました~。トホホ・・・。

そう、欧米での日本のサブカルチャー人気は日本人の注目の話題みたいです!!たくさんの人が書いていました。
ストックポート日報より下位リストには、その主題のブログまであるようです! トップランクの記事を読むと、日本は欧米の熱狂的注目の的!のような印象です。
記事中のリンクをクリックして ユーチューブビデオを見ると おすすめの「海外でも日本文化は絶賛されている」関連ビデオも多数、上がってきます。

ううーん、日本人にとってはすごく重要なことらしいんですが、実際、本気で日本の文化に興味を持つイギリス人はごくわずかですよ・・・ 
欧米に住んでいても現地社会に根を下ろしていない日本人にアプローチしてくる現地人の多くは、少数派の日本好きの人、である可能性は高いです。そのほかの多数派 現地人との接点が少ないと、現地で会う欧米人すべてが日本好きであるという印象をもってしまう日本人は多いかもしれません。
パーティなどで、日本人には当たり障りのない日本料理や、今までにあった日本人は皆礼儀正しいこと等々を話すことに決めているような人も結構います。欧米人の日本文化好きは、時には社交辞令もある、ということを忘れてはいけません。
たしかに近ごろは文化の幅も広がり、アニメや漫画が若い層に大うけなのも記事中に書いたとおりだし、日本政府のおもてなし政策だとかで観光地としての日本の認知度も上がってきているらしいですが。
フジヤマゲイシャはさすがに古い!ですが日本といえば「ショーグン、ニンジャ、ニンテンドー、クンフー、え、あれ中国?他になんかあるかなー?」って人が大多数です。

もちろん、ウェッブなどで簡単に情報が手に入る今、興味を持つ人は本当に詳しく知っています。少数派が集まってオタク集団を形成しているみたいです。

イギリス人の日本好きより、日本人の西洋好きのほうがずっと裾野が広く、歴史も長いはずなのに!!日本で得られる西洋の情報が極端に限られているのが問題ですね。 しかも、イギリス人が日本語で書かれた情報に触れるより、日本人が英語で書かれた生の情報を入手することのほうが、インターネット時代でもあることだし、よっぽどたやすいのに、イングリッシュガーデンやアフタヌーンティー、ダウントンアビーなどのみに興味が集中しがちなのは、日本特有の 「全員足並みそろえ文化」と無関係ではないと思えるのですが、どうでしょうか。

読者の皆さんが、「知らなかった。イギリス人はXXXXだと思っていた」というコメントを書いてくださると、本当にうれしいです。参考になります。
これからもよろしくお願いします。

あ、日本好きのイギリス人にも、日本に関して、アナクロな情報のみを求める人がかなりいます。フジヤマゲイシャタイプの。特に日本の武道をやっている人などは、日本の現実を知りたくない悲しい人々が多いのが事実です。私は実はそういう人たちとかなりな付き合いが過去にあります。
八幡君に、武道の実演に関するお返事をしようと思ったのですが、このコメントが長すぎ!分けてかきます。ちょっと待ってね。
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武道の実演(八幡君へ) (江里)
2017-11-17 08:42:51
本文に書くのはひかえましたが、最初から最後まで見た何とか流カラテの実演はひどいものでした。やったことのない私にも、メリハリのなさが一目瞭然。経験者のうちの息子はヴィデオに撮って以前お習いしていた先生に送って笑いのネタにしていました。そのイギリス人の先生はご近所で今も親しくお付き合いがあります。そこの門家では、各国の指導者が2ねんおきぐらいに日本の宗家で合宿をして日本の様式や技の正統性を正確に海外に伝えようと努力しているみたいですが、言葉の問題等あって、あまりうまくいっていないようです。日本語に関するサポートは私が約束しましたが、日本で空手を習ったことのない私にはわかりかねることもいくつかあります。八幡君に個人的にお聞きすることがあるかもしれません。ここではちょっと書きにくいことも・・・
返信する
空手の件 (八幡@やんやーやマクビティーズ)
2017-11-17 19:04:50
かしこまりました!
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