ボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムでまたスコットランドの紙幣をお客さんから受け取りました。
今回はクリースデール・バンク Clydesdale Bank ( CB )の、プラスチック製10ポンド札です。
イギリス連合王国を構成する4国のうち、ウェールズを除いた3国(イングランド、スコットランド、北アイルランド)すべてが独自の紙幣を発行しています。
スコットランドで発行されている独自の紙幣に関してはたびたびこのストックポート日報で取り上げています。今回の記事と関連性のあるそのうち2本のリンクです☟
ストックポ―トで偶然手にしたスコットランドのプラスチック紙幣、私営銀行発行の独自の紙幣、裏側がかわいい!
見慣れないスコットランドの紙幣の奇抜なデザイン、クモの巣!角数拡大続き番号!他
(リンクを貼りましたので、一部繰り返しになりますが)スコットランドの紙幣はイングランドの中央銀行(国営)、バンク・オブ・イングランド Bank of England(BoE)発行の紙幣と同様、連合国内のどの国でも使用できます。
スコットランドにはBoEに相当する国営の中央銀行がないらしく、私営の3銀行が発行した3セットの紙幣が流通しています。
裏面です。
若い女性のお客さんが本を数冊買って、手渡してくれました。
「あ、めずらしいスコットランドのお札だ!(レジの操作をする前に写真を撮ろう)スコットランドに行ったの?」という私に、「いいえ、スコットランドに住んでいる姉(か妹)が結婚祝いにくれました。あ、私、結婚したんです」と答えてくれました。
結婚祝いの言葉を言って、嬉しそうに紙幣の写真を撮っている私に「もっとありますよ、」と...
札入れからもう2枚別の絵柄のスコットランド紙幣を取り出してパンパン、とカウンターにおいてくれました。なぜか10ポンド札ばかり、もっとたくさん持っているそうです。
やった~、スコットランドの10ポンド札が目の前に3枚全部揃った!
写真上から 肖像は、
•バンク・オブ・スコットランド BoS。19世紀の詩人で作家のウォルター・スコット。BoS はすべての紙幣にスコットの肖像をのせています。
•ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド RBC。19世紀の博学者で科学者のメアリー・サマヴィル
•そしてオックスファムのレジの引き出しにおさまったクリデスデール・バンク。スコットランドを代表する18世紀の詩人のロバート・バーンズ
...UVライトにかざすと「CB」ロゴと、右側に縦に並んだ通し番号が立体的に浮かび上がる視覚効果の裏打ち文字が妖し気な蛍光グリーンで浮かび上がりました。ニセ札チェック作業完了です。
裏面。
•BoS。Glenfinan Viaductという有名な鉄道橋。
•RBS。見たかった!水中で戯れるカワウソ2匹!
•CB。エジンバラ城と「Old and New Town」、世界遺産指定のエジンバラの中世の建築物と18世紀の建築物。...この裏側をニセ札探知機にかけると、連合王国北部の地図のスコットランドの部分がやはりボワッと発光したように蛍光グリーンで浮かび上がりました。
他の紙幣もニセ札探知機にかけさせてもらえばよかった!
...とは言え、CD紙幣以外はお客さんの所有です。そんなあつかましいことはできますまい。そしてもらった紙幣の写真を撮った後すぐにレジの操作をして引き出しをあけてしまったので3枚の表裏写真を大急ぎで撮る時間しか残っていませんでした。
レジの引き出しを1分以上あけたままにしていると警報が鳴るのです!
写真を撮った後あわてて3枚いっしょに返そうとしてしまいお客さんが押し返してくれたCB紙幣を、警報直前に引き出しにしまうことができました。
上にリンクを貼った、ナン・シェパードの5ポンド札(RBS)の記事を書いたのは2019年、その時にはまだ女性の肖像を使った紙幣は二つしかなかったんですね。現在、RBSが発行した4種類の紙幣すべてに、それぞれ文芸、科学、アート、教育の分野に貢献したスコットランド女性の肖像を使用しています。
「スコットランドの女性」シリーズ最後の50ポンド札(フローラ・スティ―ブンソンの肖像)が発行されたのは去年、2022年だそうです。
連合王国中で通用する正規の紙幣なのに、見なれないスコットランドと北アイルランド(4セットも別々の銀行バージョンがあるそうです!)の受け取りを拒否するイングランドのビジネスも多いそうです。1連合国家に4通りの違う紙幣を流通させるなんてイングランド中央政府はなんでそんなややこしいことを容認しているのでしょうか。
ちなみに、ここイングランドでスコットランドの紙幣を手にすることはめったにないはずです。最近は現金ばなれもすすんでいますしね。お店でボランティアをしている私でさえ、1年に1回ぐらいでしょうか。北アイルランドの紙幣は見たことがありません。
中央政府のあるイングランドの紙幣はスコットランドでも広く流通しているのでは?少なくとも「見なれない」ということはなさそうな。
独自の紙幣は、かつてイングランドに無理やり併合されたスコットランドの民族の誇りだとか、独自性を貫く最後の抵抗だとかいろいろ言われているようですが、緩やかな統治を完全なものにするためにある程度の権限をみとめざるを得なかったというようなところでしょう。
連合王国からの完全な独立の是非を問う2014年の国民投票で、スコットランド国民は連合王国内にとどまることを選択しました。当時、小国、スコットランドが一国だけでやっていくのはけっこう難しそうだと傍目にも思えました。
大多数の国民がEUにとどまることを望んだスコットランドで連合王国のEU離脱後、ふたたび独立の機運が高まっているようです。
独立国家として独自にEUに加盟すれば、EUの後ろ盾で連合王国から離れても十分やっていけそうな見通しがあるそうですから。
以前、しばらくの間手もとにあった、プラスチックCB 紙幣の5ポンドと...
背景は17歳で亡くなったうちのネコ、ホレイシオです。
読むの と 理解する のに
時間が かかりますね
有り難うございます
ここが イギリスの 良い所なんでしょうね
日本は 日本銀行1社なので
統制が 取り易いと いうか
面白みが無いのでしょうね